トンネルを抜けた先には大きな滝があった。
このあたりは雄冬と言ってトンネルが出来るまでは、増毛からの船が頼りの、陸の孤島だった地域らしい。
確かにこのあたりの岩肌は険しく、ここにトンネルを通した労力は大変なものだっただろう。

そんな増毛の町に入る途中の山の中の防災ステーション(除雪車などの基地？トイレが解放されていた)にて会った一匹の猫。
ここはかなり山の中の施設だが、ここに住み着いているのか。
やけに人懐っこかったが。

途中、幌という地名の看板発見。
幌を上げてあいさつしておいた。

増毛より北は風景がまた変化する。
断崖絶壁をくりぬいたトンネルではなく、海沿いを走る快走路。
海が青く輝き、陸側は美しい緑の丘。

道を外れ、丘を登ると大量の風力発電。
40基近くあるという上平グリーンヒルウインドファーム。
これだけの風力発電を賄え、木が生えていないということは、このあたりは気候が相当厳しそうだ。

昼めしの当てにしていた羽幌の丼屋は流石にツーリングマップルに載っているだけあって、満員。
何か良い食べ物は無いかと地図を眺める。
内陸に音威子府の地名を発見。
小さい村だがここの蕎麦がうまいと評判なのだ。
学生時代、列車で全国旅した時、ここを素通りしてしまい、食べられなかった事を思い出した。

かくしてありついた音威子府駅構内の蕎麦屋の蕎麦、350円。
蕎麦の味についてはそれほど深いこだわりは無いのだけど、何しろ何年も食べたかった蕎麦なのだ。
うまかったです。

駅にはちょうど電車が停車。
停車時間が長く、蕎麦をすする時間があるらしい。
宗谷本線だけでなく廃止された天北線の駅でもあったためか、駅は広い。
しばらく駅をウロウロして、運転したままで硬直した体をほぐした。
時間は14時前。宗谷岬はまだ先である。