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まとめ記事(コンテンツ)
2026/06/08
オーディオの基本講座(オカルトに嵌らないために)
今回は、意外と知らない音とオーディオの基本的な話です。
オーディオマニアだけでなく、プロショップでも訳の解らない説明をする人が非常に多いので、まずは基本を知って、雑念に惑わされないようにしましょう(笑)
※もちろんプロモーションのために書いている人もいると思うが、(自動車業界と同じで)プロでも良く解っていない人が殆ど。
(1)音(音波)とは何か?
音(音波)は、媒質(空気や水など)を通じて分子の振動として伝わる機械的な波のことですが、解りやすく言えば、空気の振動(空気圧の高低)が耳の鼓膜を揺らすことによって、人はこれを音として認識しています。
※なので、宇宙(真空空間)では音は伝わらない。
可聴範囲は20Hzから20KHzと言われていますが、年齢とともに高音が聞こえなくことはよく知られていますが、実は、ある統計によれば25歳を境に14KHz以上は聞こえなくなるそうですから、世間一般で言われているよりも、耳の老化は早く訪れるようです。
※いわゆるモスキート音は、若年層の人にしか聞こえないと言われますが、音域は17KHz前後。
従って、ピュアオーディオマニア(≒裕福→必然的に中高年が多い)で「ハイレゾなら、スタジオの生の空気感や臨場感までもがはっきり伝わる」などと豪語する人は、仮面ライダーかプラシーボ君のどちらかです。
※仮面ライダー(1号)は周囲4キロメートルの音を聞き取る常人の40倍の聴力の超聴覚器を持つ。
(参考)
「俺はお前らと違って耳がいい」と普段から豪語されている方は、こちらをどうぞ
↓
モスキート音 聴力年齢チェック(耳年齢テスト)
https://www.mach-tools.net/hearing/
※50代だと~10kHzだそうですが、自分も試しにやってみたら12kHz(40代)は無理でした(笑)
そういえば、高1の時初めてCDミニコンポを買ってもらいましたが、あの時の感動は今の自分にはもう味わえないという・・・
なお、オーディオ内部では、音(音声信号)は電気信号(電圧信号)として扱いますが、音声信号は交流であり、その波形の違いが音色の違いを生みます。
(2)デシベルとは?
物理的な音の大きさ(音の強さ、エネルギー)と、人間が感じる音の大きさ(音量、音圧)には違いがあります。
音のエネルギーが10倍→100倍→1000倍となる時、人は音の大きさが同じ割合で増加するように感じるので、対数を用いて表現します。
※音のエネルギー=音圧^2/(空気の密度x音速)
この対数の単位がベルであり、これは人名(電話を発明したことで有名なアレクサンダー・グラハム・ベル)に由来しますが、デシはデシリットルのデシです(10の-1乗)
※1ベル=10デシベル (dB)
このように、人が感じる音量(音圧)は対数(デシベル)で表しますが、上空の様な反射物のない自由音場では、音圧は距離の二乗に反比例するので(逆二乗則)、距離が倍なら音圧は半分ではなく1/4になります。
※実際には屋外であっても地面や建物による反響が起こるし、また風の影響も受けるので、風向きによっては普段は聞こえない遠くにまで、音が聴こえる事がある。
また音圧とデシベルの関係ですが、1dBの変化で約1.12倍になるので、倍の音圧になるには6dBの変化(1.12^6)が必要になります。
※100キロ定速走行で車内騒音60dBの車は、66dBの車の半分の騒音レベル。
因みに、スピーカーを2つに増やせば(出力電力を倍にすれば)音圧も倍になるのではと考える人が結構いますが、実際に音圧を倍にするには、約4倍の出力電力が必要になります(注1)
※なので、スピーカーを4つに増やした時に、はじめて音圧は倍になる。
(3)スピーカーから音が出る仕組み
スピーカーとは電気エネルギーを空気振動エネルギーに変換する装置です。
ボイスコイルに音声信号である電気信号を加えると、電磁石になりますが、磁力を変化させることでマグネット(永久磁石)と反発したり引き合ったりして、電気信号に応じた振動を起こします。
※強力なマグネットの方が動きが良くなる。
コーン(振動板)を使ってこの振動を空気に伝えますが、その時の音量は仕事量に比例、つまりスピーカーに加えた電気エネルギーの大きさに比例します。
※入力電圧ではなく、入力電力に比例する。
遅い振動は低音、速い振動は高音として現れるので、振動板の面積が大きいと低音を再生しやすく、振動板の面積が小さいと高音を再生しやすい性質があります。
※ウーハーの口径が大きく、ツィーターの口径が小さいのはこのため。
あと、ツィーターが一般に高い位置(≒耳の位置の近く)にあるのは、高音域は音がまっすぐに伸び(指向性が高い)、低音域は広がる(指向性が低い)ためです。
※なので、車だとフルレンジはドア、ツィーターはピラーにあるのが普通。
なお、スピーカーの性能(どれだけの音圧を出せるか)は、入力電力=1Wを基準にしたものが表示されます。
※例)87dB/W at m
(4)スピーカーの音量(音圧)とアンプの出力について
そのスピーカー性能を表す出力音圧レベルですが、1W入力時に正面1mで計測したdB値(dB/W at m)で、一般的に85~91dBくらいの製品が多いです(注2)
なお、1m離れた位置で85~91dBというのは、うるさくて音楽鑑賞には向かないレベルであり、特に夜間だと確実に近所迷惑になるので、実際には1Wよりも低い電力で聴いています。
言い換えれば、家で普通にオーディオを聴く場合には、アンプの出力は常時1Wも必要としません。
※もちろん瞬間的には1Wを超えることもあるが、コンデンサも入っているし、「家庭で聴くならアンプの最大出力は5Wもあれば十分」だと言われるのは、このため。
なお、「ハイパワーアンプでないと音が歪む」と言っている人がよくいますが、屋外のライブ等で大音量で使うならともかく(90dB/W at mのスピーカーで、10倍の音圧=110dBで鳴らすには、電力は100倍=100W必要となる)、個人が家の中なり車内で聴くレベルではあり得ない話です(これまたプラシーボ君)
※学生時代に大学の講堂を借りて討論会をしたことがあるが、その時に使ったアンプは家にあった古いステレオ(15W+15W)だったが、特に問題はなかった。
それでも車と同じでパワーには余裕があったほうがいいと考える人も多いでしょうが、5W+5Wのアンプを50W+50Wにしたからといって、同じ出力(例えば1W+1W)で聴く限り音が良くなる、つまりスピーカーの追随性が上がるとか、S/N比が改善されるとかのメリットはありませんし、むしろボリューム(可変抵抗)を絞って聴くことになるので、特に小音量で聴く時などは理論上は好ましくありません。
※一般に高出力アンプの方が音が良いのは、各パーツの選定や筐体の作りにも配慮したスペックを備えているから(これはスピーカーも同じ)
(5)スピーカーのインピーダンスについて
スピーカーにも当然ですが電気抵抗(インピーダンス)がありますが、カタログや本体のマグネット裏を見ると、インピーダンスが4Ωや8Ωだと記載されています。
ですが、実はこのインピーダンスは周波数によって変動するので、表記上のインピーダンスは公称インピーダンスと呼ばれ、その最低値を表しています。
※実際に周波数を変えてインピーダンスを計測すると、低音あるいは高音域では、公称インピーダンスの概ね3倍程度の値になる。
余談ですが、「カースピーカーのインピーダンスは4Ωが基本なので、4Ωのスピーカーしか鳴らせないアンプも多い」などと解説している「カーオーディオ&カーライフライター」を名乗る評論家もいますが、余りに出鱈目すぎて笑う気すら起きません。
※経歴を見ると、カー雑誌やカーオーディオ専門誌等の編集長を歴任した人物らしいが。
(6)アンプについて
現在主流のアンプは電圧駆動方式(電圧増幅器)ですが、オーディオ用のパワーアンプの目的は、言うまでもなくスピーカーを駆動することです。
最初に書いた通り、オーディオ内部では音声信号は電圧信号として扱いますが、音の出口であるスピーカーは、入力電力に応じて駆動されます。
ところで、前述の通りスピーカーのインピーダンスは周波数によって変動するので、同じ電圧を掛けた時でも、周波数によって出力電力は変わります。
※出力電力 P=交流電圧(実効値)V^2/インピーダンス Z
アンプの出力電力の周波数特性を見れば、低音域や高音域でdBが低くなっている事がわかりますが、低音域や高音域でスピーカーのインピーダンスが変わることで、アンプの出力電力(スピーカーの入力電力)も変わってしまうからです。
一方、スピーカーの周波数特性は、正しい電力が入力された場合のものであり、入力電力がインピーダンスによって影響されてしまうと、本来の能力は発揮できません。
つまり、低音や高音域では本来の電圧信号通りの音が出せないので、結果として低音や高音が不足することになります。
※なので、本来の迫力を得るため、ラウドネス機能のようにスイッチ一つで低音や高音域の補強が出来るようになっている。
(注1)
dBは音圧だけでなく、電力比や電圧比など様々な物理量を表す単位として使われますが、「+3dBで2倍の音圧になる」と言う人は、音圧(や電圧)と電力を混同している。
・音圧Gvの場合
dB=20×log10(Vout/Vin) +6dBで約2倍(+1dBで約1.12倍)
・電力Gpの場合
dB=10×log10(Pout/Pin) +3dBで約2倍(+1dBで約1.26倍)
→電力が+3dBなら音圧は約1.4倍、逆に2倍の音圧(+6dB)にするには約4倍の電力が必要。
なぜこのような違いがあるのかというと、電力は電圧の2乗に比例するから。
※W=IV、I=V/Rより、W=V^2/R
参考)
デシベル計算
https://www.tomari.org/main/java/db.html
(注2)
参考までに、価格コムに掲載されているカースピーカー(サブウーハーも込み)で検索すると、
出力音圧
~87dB未満(50)
87dB~89dB未満(23)
89dB~91dB未満(39)
91dB~93dB未満(16)
93dB~(17)
と言う結果でした。
Posted at 2026/06/08 16:34:55
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