「あぢぃ〜！暑すぎるわ‼︎ 水着で仕事させてくんないかな〜？」と汗でビショビショな女整備士の松田AZUさんが整備工場から出て来た。








本田美都の父親の整備工場に遊びに来てた鈴木千野が「AZU先輩、今日は黒よね？」と美都に聞くと








「アレは濃い紫ね。AZU先輩は紫が自分のイメージカラーだと思い込んでるから。なんか愛車のAZ-1も紫色にオールペンしたいって息巻いてたわよ！」と教えてくれる。




(Before)





(Afterの予定)


二人はAZU先輩の紫のAZ-1を脳内で想像してみたが、悪くはないような気がするし、ちょっと見てみたい気すらするから不思議だ。

千野と美都は真夏の「けいよん！」部強化合宿の為の計画を練っていたのだが、女整備士の下着の色を推測しだしているくらいだから計画は完全に頓挫してた。
いや、頓挫するからこそ計画だと言っても過言ではない。







「おっ！何、何？海で合宿やるの？？あっ、あたし、ぶっちゃけその日休みだわ！保護者がいるんだろ？あたしが連れて行ってやるよ！」
とAZU先輩は眼をキラキラ……いや、ギラギラさせて首を突っ込んで来る。







「あっ、保護者は担任のぴよ八先生がいますから……」とやんわり鈴木千野が断わろうとすると、本田美都が「良いッスね〜！AZU先輩も行きましょうよ‼︎ せっかく海行くんだから泳いじゃいましょうよ‼︎」と誘いAZU先輩も強化合宿に参加になった。







こうして真夏の「けいよん！部強化合宿」が始まる。







コーナリングの練習をしたり、







カレーライスを食べたり、







ブレーキングの練習したり、







バーベキューをしたり、







水着で泡まみれで洗車の特訓(？)したり、







お菓子をひたすら食べまくったりお喋りしたりするだけだが彼女達にとってはかけがいのない時間である。






そしてぴよ八先生からは一子相伝の必殺奥義「オープンカーでウォッシャー攻撃」を彼女達に伝授される。
お世辞にも上品な手段とは言えないが、これでオープンカーのS660に乗る「ローズ・ゴースト」の目眩ましが出来るはずだし、上手くいけばコックピットを水浸しにでき、あの女をビシャビシャにしてずぶ濡れにしてやる事も出来るのだ。

「努力は必ず報われる！」と何処かのアイドル集団の元総監督の如き言葉を無根拠に信じ続け、ただひたすら「ウォッシャー攻撃」と「丁寧なドライビング」の練習する。
しかし、ぴよ八先生を始め彼女達はまだ大切な事に気づいていない。
自分のクルマが相手の前にいないと、つまりローズ・ゴーストをブチ抜かないとその攻撃は使えないということに………。












練習の後はもちろんビーチで遊ぶ。
そのためにココに来たようなものだし、高校三年生の夏は一度しか来ないのだ。







もちろんぴよ八先生も泳ぐ、ブーメラン水着を着て…………。




つづく