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まとめ記事(コンテンツ)
2016/10/04
「嫌いなものは嫌いなんだよ!」 NANA:Corner
「薔薇色の幽霊」 けいよん! 06:Cornerの2ヶ月後、楓の葉が舞い散る秋の日にイギリスからの「帰国子女」が紅く彩られた並木道を愛猫と共に歩いている。
私立ラファエル高等学校に転校するためだ。
「文化」も「風習」も国境は越えないので、帰国子女の転校生は日本の学校に自分の飼っている黒猫を連れてきてはならない事は知らない。
そもそもイギリスの高校に動物を連れて登校出来るところがあるのかどうか甚だ怪しいが………。

初めての学校、初めての教室に転校生は少し緊張しながらも担任のぴよ八先生に促され自己紹介をした。
「ハジメマシテ。ワタシは香鈴NANAです。そしてこの猫はバラキエルです。バラキエル共々ヨロシクお願いしマス!」

柔らかな陽だまりの中で変なイントネーションで日本語を話し、屈託なく笑う「香鈴NANA」の肩には風に舞い踊ってた紅葉が乗っていた。

しかし転校生を紹介するぴよ八先生は香鈴NANAの愛猫に恐怖していた。

ぴよ八先生は人間とひよこのキメラなので細胞の中にはヒトゲノムとひよこゲノムが混在する。
ひよこゲノムには「ネコは天敵」という遺伝情報が刻まれているので、ぴよ八先生は本能的にネコが苦手だし、ひよこだけに「鳥肌」が立つのだ。
香鈴NANAは帰国子女だから遺伝子的には日本人だが生まれてずっとイギリスで生きて来たのでアイデンティティーはイギリス人に近い。
「奈々」という名前なのに自己紹介の時に英語で「NANA」と書いたりするのはそんな外国で育まれてきた自我がそうさせるのだが、本田美都はただ気取っているように見えるので気にいらない。
もちろん松田AZU先輩のことは棚に上げているのでダブルスタンダードな気がするがAZUには逆らえる筈もない。

月の欠片で染められたような金髪なのも気にいらないし、守護天使の羽根のような気取ったツインテールにしてるのはもっと気にいらないし、星の光を集めたような全てを見透かしてるかの如き蒼い眼差しは全力で気にいらないのだ。

しかし、クラス中の生徒達は帰国子女のNANAに興味津々である。
鳥も花も空も太陽も昼は不在であるはずの星までもNANAが来た事を喜んでいるかのようだ。
それほどNANAには何かしらの魅力があるし、NANAの周りの空気感は独特で人が近づかないではいられない気分がある。
しかし、それは先天的に備わっているものではなく、努力して習得した技術のようなものなのだ。
クラスのみんなにチヤホヤされてるNANAを美都はますます気に入らない。
「ちょっと、転校生!猫を学校に連れてくるなんて非常識なんじゃない?バカじゃないの!」
美都は日本に来たのなら日本にルールに従え!と言わんばかりの態度をとってしまう。
ちょっとした文化の衝突なのだが、NANAはニコニコ笑っている。
「ゴメンナサーイ!明日からは連れてきませ〜ん‼︎」
と、あっさり危険回避した。

親友の鈴木千野まで
「まあまあ、日本に来たばかりなんだから……。暖かい眼で見ようよ」
とNANAの肩を持つから美都は余計に腹が立ってた。

しかし何日か後に美都が街の中で見かけたNANAは寂しげで儚げに見えた。
慣れない街が不安なのか、ずっと暮らしていたイギリスに想いを馳せているの解らないが、学校でのNANAとは全然違う印象である。
変な日本語と屈託のない笑顔と固く結ばれたツインテールにかけ消されているが、もしかしたら強く清らかな悲しみを背負っているのかもしれない。
「能天気そうに見えるアイツも色々あるのかもしれないな………」
クルマも人間も「見た目」じゃない。
表層しか見れない人間はいつも深みに欠けるから、ちょっとだけ「見た目」で判断した自分を恥じた。

そんな風に見えたNANAが愛猫のバラキエルと「ケータハム・セブン160」に乗り込んでいく。
「ケ、ケ、ケ、ケータハム・セブン160?カッコつけやがってセブンだと?見た目通りのクルマじゃないか!やっぱりいけ好かない女だ‼︎…………いつか絶対あのクルマ、あたしのビートでブチ抜いてやる‼︎!」とまた敵対心を持つ本田美都だった。

嫌いなモノはやっぱり嫌いなのだ……。
つづく
製作 スタジオ・セラー 二猫力
私立ラファエル高等学校に転校するためだ。
「文化」も「風習」も国境は越えないので、帰国子女の転校生は日本の学校に自分の飼っている黒猫を連れてきてはならない事は知らない。
そもそもイギリスの高校に動物を連れて登校出来るところがあるのかどうか甚だ怪しいが………。

初めての学校、初めての教室に転校生は少し緊張しながらも担任のぴよ八先生に促され自己紹介をした。
「ハジメマシテ。ワタシは香鈴NANAです。そしてこの猫はバラキエルです。バラキエル共々ヨロシクお願いしマス!」

柔らかな陽だまりの中で変なイントネーションで日本語を話し、屈託なく笑う「香鈴NANA」の肩には風に舞い踊ってた紅葉が乗っていた。

しかし転校生を紹介するぴよ八先生は香鈴NANAの愛猫に恐怖していた。

ぴよ八先生は人間とひよこのキメラなので細胞の中にはヒトゲノムとひよこゲノムが混在する。
ひよこゲノムには「ネコは天敵」という遺伝情報が刻まれているので、ぴよ八先生は本能的にネコが苦手だし、ひよこだけに「鳥肌」が立つのだ。
香鈴NANAは帰国子女だから遺伝子的には日本人だが生まれてずっとイギリスで生きて来たのでアイデンティティーはイギリス人に近い。
「奈々」という名前なのに自己紹介の時に英語で「NANA」と書いたりするのはそんな外国で育まれてきた自我がそうさせるのだが、本田美都はただ気取っているように見えるので気にいらない。
もちろん松田AZU先輩のことは棚に上げているのでダブルスタンダードな気がするがAZUには逆らえる筈もない。

月の欠片で染められたような金髪なのも気にいらないし、守護天使の羽根のような気取ったツインテールにしてるのはもっと気にいらないし、星の光を集めたような全てを見透かしてるかの如き蒼い眼差しは全力で気にいらないのだ。

しかし、クラス中の生徒達は帰国子女のNANAに興味津々である。
鳥も花も空も太陽も昼は不在であるはずの星までもNANAが来た事を喜んでいるかのようだ。
それほどNANAには何かしらの魅力があるし、NANAの周りの空気感は独特で人が近づかないではいられない気分がある。
しかし、それは先天的に備わっているものではなく、努力して習得した技術のようなものなのだ。
クラスのみんなにチヤホヤされてるNANAを美都はますます気に入らない。
「ちょっと、転校生!猫を学校に連れてくるなんて非常識なんじゃない?バカじゃないの!」
美都は日本に来たのなら日本にルールに従え!と言わんばかりの態度をとってしまう。
ちょっとした文化の衝突なのだが、NANAはニコニコ笑っている。
「ゴメンナサーイ!明日からは連れてきませ〜ん‼︎」
と、あっさり危険回避した。

親友の鈴木千野まで
「まあまあ、日本に来たばかりなんだから……。暖かい眼で見ようよ」
とNANAの肩を持つから美都は余計に腹が立ってた。

しかし何日か後に美都が街の中で見かけたNANAは寂しげで儚げに見えた。
慣れない街が不安なのか、ずっと暮らしていたイギリスに想いを馳せているの解らないが、学校でのNANAとは全然違う印象である。
変な日本語と屈託のない笑顔と固く結ばれたツインテールにかけ消されているが、もしかしたら強く清らかな悲しみを背負っているのかもしれない。
「能天気そうに見えるアイツも色々あるのかもしれないな………」
クルマも人間も「見た目」じゃない。
表層しか見れない人間はいつも深みに欠けるから、ちょっとだけ「見た目」で判断した自分を恥じた。

そんな風に見えたNANAが愛猫のバラキエルと「ケータハム・セブン160」に乗り込んでいく。
「ケ、ケ、ケ、ケータハム・セブン160?カッコつけやがってセブンだと?見た目通りのクルマじゃないか!やっぱりいけ好かない女だ‼︎…………いつか絶対あのクルマ、あたしのビートでブチ抜いてやる‼︎!」とまた敵対心を持つ本田美都だった。

嫌いなモノはやっぱり嫌いなのだ……。
つづく
製作 スタジオ・セラー 二猫力
Posted at 2016/10/04 18:24:40
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