まとめ記事(コンテンツ)

2018/05/23

JUGULATOR 「ジャギュレイター」('97)

JUGULATOR 「ジャギュレイター」('97)
オレがティム・リッパー・オーウェンズだ!廃盤


世紀の傑作だった前作に伴うツアー後にバンドはその活動に急ブレーキを掛けることになります。
はい、言わずと知れたVo.ロブ・ハルフォードの脱退劇ですね。

後任Vo.を探してます!という状態が何年も続いたところで、電撃的に見つかった新ヴォーカリストのティム・オーウェンズを迎えての満を持しての再出発作!新生Judas Priestだぞオラ!

とかいう感じに出てきたアルバムだったのですが・・・

ヴォーカリストの変更というバンドにとってこの上なく大きな変化にプラスして、当時のモダン・ヘヴィネス志向のシーンの流れの影響を受けたのかギターのチューニングを下げるというもう1つの大きな変化を同時にやってしまいました。

単に歌い手が代わっただけでその他は今までのままという状況になって世間の目が新任Vo.の是非に集中してしまうのをバンドは避けたかったからなのか、それとも当時のシーンを意識した音作りをたまたま同時に進めようとしたのか、真相は分かりませんが、のんの個人的な見解からするとこの2つの変化を同時にやってしまったのが結果的に大失敗だったように思います。

ティム・オーウェンズの特長・特色というか「彼にできること・やれること」を前面に出そうというバンドの意欲なのか、それとも前作からの7年という年月がもたらした正当変化だったのか・・・。

これまではJudas Priestというバンドは様々に変化しながらも1本筋の通った「ブリティッシュHMの何たるか」を体現し続けていたという基本線があったのですが、このアルバムの音はそこから大きく逸脱してしまったというのが正直な感想です。

ブリティッシュHM=Judas Priestであって、Judas Priest=ロブ+グレン+KKなんですよね。
そのロブの線が崩れてそこに全く質の異なる因子が入って来て、そこで自然に出てきた音をもって「はい、Judas Priestですよ」と言われても私たちとしてはピンと来なかったという図式。

私なんてピンと来なさ過ぎて当時このアルバムを聴く度にお腹が痛くなってましたし、同じように腹痛起こしてた友人も周囲にいましたよ。(実話です)
このアルバムから漂う何らかの違和感に身体が対応しきれず不調を訴えていたように思います。

この当時、リパーにはロブのコピーに徹してもらってチューニングも下げずにいたら歴史はきっと変わっていたでしょうね。

【追記】
今にして思えば、このアルバムはVo.がどうこう曲調がどうこういう以前に「(どんな形であれ)よくぞ復活してくれた!」という部分でもの凄く意義があったアルバムですね♪
Posted at 2018/05/23 06:04:49

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