まとめ記事(コンテンツ)

2018/10/08

ピカソを降車しました その28(損害保険会社と示談交渉)

その28です。

引き続き、示談交渉について考えてみました。

損害保険会社が行う示談代行は、本来、非弁行為として弁護士法第七十二条に抵触するものです。
しかし、「被害者直接請求権」という考え方で、日本弁護士連合会と日本損害保険協会が結んだ協定に基づき認められています。(正確には、日弁連は告訴しないという協定)
要は、保険金を払うのは保険会社だから、代わりに示談を行うって考えです。

また、対物賠償においては、協定に基づき以下の条件を満たすことで非弁行為を回避しています。
 ・弁護士に委任する
 ・アジャスターを弁護士の物損事故処理の補助として配置する
 ・アジャスターは弁護士の指示に従い事故を調査し、示談案を提示する
 ・アジャスターは弁護士に事故調査、示談等の経過報告をする
 ・アジャスターは事故調査・示談等の経過及び結果を書面にし、弁護士はこれに署名、押印する
などで、弁護士の監督の元、損害賠償に当たる必要があります。

 以上を行うことで、損害保険会社の非弁行為は回避されていますが、被害者の過失が発生しない場合や、被害者が無過失を主張する場合は、損害保険会社が補償を行う必要がないため被害者直接請求権が発生しせず、被害者側損害保険会社が示談代行を行うと、非弁行為に該当します。また、被害者が、加害者との直接交渉を行うことを拒否し、示談交渉に介入することも同じく非弁行為に該当します。

もっとも、禁止されているのは示談代行のみであり、契約者が行う直接交渉の為に、損害保険会社が対物賠償に係る事故調査や必要な資料を提供することは禁止されていないと解釈されます。

このため、各損害保険会社の契約約款では、「被保険者が損害賠償の請求を受けた場合には、被保険者の負担する法律上の賠償責任を確定するため、被保険者が行う折衝、示談または調停もしくは訴訟の手続きについて、協力または援助を行う。これには弁護士の選任も含まれる。」等の内容で記載され、非弁行為に該当する場合の除外規定や、損害保険会社に協力しない場合の除外規定は明記されていません。

契約約款に記載されている「賠償責任を確定」するためには、事故調査を行なって被害者および加害者の損害額を確定する必要があることから、示談に関わる行為以外は、損害保険会社は、契約者に対して協定と同等の対応をとる必要があるということです。

なので、100:0になり、保険会社の示談代行を受けられない場合でも相手がそれを認めない場合や、保険会社の交渉内容に納得が行かず、自ら直接示談交渉をする場合でも、保険会社は契約者に協力する義務が発生します。
Posted at 2018/10/08 06:02:44

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