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2015/08/09

LED電球の設計方法-PWM編

カテゴリ : 外装 > ランプ、レンズ > LED化

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PWMとは Pulse Width Modulation の略です。
Pulse Width Modulationを直訳すれば、信号幅変調となります。
ごく簡単にいえば高速でオンとオフを繰り返し、オンの時間とオフの時間の比率で動作を制御しようとするものです。

FET(電界効果トランジスタ)を用いてLEDを制御する回路で試験を行います。
2
この制御方法をLEDに適用するとLEDの見掛け上の輝度を変えることができるようになります。

LEDのPWM制御は点灯と消灯の組み合わせです。この時、
 ・単位時間当たりの総点灯時間が長ければ長いほど人の目には明るく感じられます。
 ・単位時間当たりの総点灯時間が短ければ短いほど人の目には暗く感じられます。
と、言うことです。
3
0秒から0.5秒の間は、ほとんどオンの状態ですからデューティー比はほぼ100%です。
1秒から1.5秒の間は、0.1秒の周期に対して0.06秒だけオンなので、デューティー比は60%となります。
2秒から2.5秒の間は、0.1秒の周期に対して0.03秒だけオンなので、デューティー比は30%となります。

これはPWMの説明のための回路なので、光らせてみるとちらちら点滅するように見えてしまいます。人間の判別の能力より高い周波数で点滅させることが必要です。
4
次に電流量の違いを確認してみます。
水色に塗ったところが、電流の量を示しています。
デューティ比が低いほど電流量(面積)が小さいことが直感的にわかると思います。
電流量の大きさ=明るさとしてとらえることができます。

図の見た目で、水色の濃さ=LEDの明るさ と、とらえてください。
5
PWMの優れたところは、大電流でも制御しやすいということです。
電流制御に抵抗や定電流ダイオードを使用すると、そこに流れる電流はすべて熱として放出していました。

図は、FETにかかる電圧のグラフです。
2の図と合わせて次の説明をみてください。
6
電流が流れている間、FETにかかる電圧は、ほぼ0Vです。

電流が流れていない、つまり0Aの時には、電源電圧と同じ10Vがかかっています。

電力Wは、電圧V×電流Aですから、

電流が流れているとき、 電流量20mA × FET電圧 0V = 0W

電流が流れていない時、 電流量0mA × FET電圧10V = 0W

合計電力 = 0W + 0W = 0W

と、なります。
以上のように、PWMでは制御による電力の浪費(発熱)はないことになります。
これは理論値なので、実際にはいくらかの発熱はあります。
しかし、抵抗等で制御して熱として放出している方式に比べれば発熱量は格段に減らすことができます。
7
PWMは優れた制御方法ですが、部品点数が多くなることや、抵抗や定電流ダイオードに比べてスペースをとることを考慮するとすべての場面で適応できるわけではありません。
原理を理解し、適材適所で使い分けることも大切だと思います。

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