
クルマの話じゃないですが、2015年8月8日(土)に、同僚3名と富士山を日帰り登山してきた日記です。
登山なんて、小学校の時に高尾山に登ったくらいしか記憶が無い奴の富士山登山は、こんな感じでした。
ルートは、定番の吉田ルート(富士スバルライン五合目からの出発)
7/10~8/31まではマイカー規制の為、麓の駐車場から富士スバルライン五合目まではシャトルバスで行くことに。
時間にして45分程度で、富士スバルライン五合目へ到着(AM6:30頃)
到着したら、まずは高度に慣れる為、30分程周囲をうろつく。
麓からは雲で富士山が全然見えない状態だったけど、五合目だと雲の上になってて快晴。

こうして山頂が見えると、何だかすぐにでも到着しそうな気がしたんだけど、やはりそうでは無かった。

近くにあった登山ルートの看板で、ルートを再確認。
まず最初は登るのでは無く横に移動と言うのが面倒臭い。
往復で15Kmはあるので、平地を歩くだけでも自分的には心配になる距離だから、少しでも少ない方がありがたいんだけど。

そんな風にルートを確認してたら、周囲がいつの間にかガスってて、さっきまで見えてた山頂が見えなくなってた。山の天気は本当に変わりやすい(この後すぐにまた晴れた)

お土産物屋さんもすっかり世界遺産押しになってた。
この地点で標高:2305m。
そして出発。
今回、無事に日帰り登山を成功させる為に色々調べた結果、一番重要なポイントは「いかに心臓に負担をかけないように歩くか」で、その為に「なるべくゆっくり歩く」「なるべく歩幅を狭くする」「休憩後の動き始めは更にゆっくりと動く」の3点を意識して登った。
特に序盤の楽な場所で「調子に乗って飛ばさないように」はかなり注意した。
実際そのおかげで、心臓がバクバクして苦しい、みたいなことは殆ど無かったので、作戦成功だったのではないかと。

六合目(標高:2304m)に到着。
ここは下りルートと合流する場所で、登っている列の左側にある分岐が下りルート。
ここからが本番って感じの場所だった。

七合目に向かう途中の眺め。
雲が既に下にあって、非日常的な感じが楽しかった。
この辺りだと、まだ雲に近い高さで横から見てる感じ。

八合目くらいまでは、ポイントごとに山小屋があるので、それを目標に登れるのが助かった。
にしても山小屋が多かったな(ただし上りだけで下りは殆ど無いと言う)
何気にしんどかったのが八合目で、八合目から九合目の間には「本八合目」「八合5勺」と言うのがあって、おかげで「やったーっ、九合目に着いた」と思ったらそうじゃなかった攻撃に精神削られた。

九合目に向かう途中のどこかで撮った写真。
下を見下ろすと、何だか平衡感覚が狂って吸い込まれそうな感じになる。
自分の登ってきた道を見ると「よくこんなに登ってきたなあ」と思う。

そして少し見上げると、そこには雲海が。
だいぶ雲を見下ろす感じになってきて、十分高いところまで来た感。
なんかもう「ここ山頂ってことにして帰っても良いんじゃないか」て思ったりも。

何合目の山小屋か覚えてないけど、八合5勺かな? だとしたら標高は3450mくらい。
持って行ったSOYJOYの袋もパンパンになってた。
そして、山で食べるSOYJOYがやたらと美味しかった。
3000mを越えたくらいから空気の薄さをリアルに体感し始めたけど、心配していた高山病は、自分も含めたメンバーの誰にも出なかったのは良かった。
やはり、のんびりペースを意識したのが良かったのだろうか。
ちなみにペース的には、ざっくりと各ポイントごとに通常ペースの10分増しを目標にしてた。
通常の吉田ルートの登山時間は6時間程度らしいけど、自分は7時間10分で見積もったので、7時スタートで頂上には14時10分に着く予定と言う感じ。
普段、多くても30分程しか歩かない生活をしている者には、7時間登り続けるって想像しただけでも無謀な気がしてたけど、ゆっくりペースで歩けば結構行けるものなんだな、と今回知った。
呼吸が乱れないのって重要。
ただこの辺りから徐々に、気持ち的には大丈夫でも身体がついてこなくなってきてた。
足が上がらない。所々に筋肉痛。そして何となく右膝の横辺りに痛みが・・・。

まだ九合目に向かう途中だけど、ここまで来ると植物はほぼ無くなって殺風景な景色になる。
にしても、天気が良くて本当に良かった。
先が見えるおかげで「あそこまで頑張って行こう」って感じで耐えられたけど、見えなかったらいつ着くのかわからない不安で消耗してたと思う。

そしてついに九合目到着。
七合目から八合目までは遠かったけど、八合目から九合目は何だか近かった気がした。
一気に登頂成功が見えてきて、気力が少し回復したりも。
ここには山小屋が無くて看板のみ。
皆地面に座り込んで休憩してたけど、結構ヘバってそうな人もいた。

入道雲と同じ高さ。
ここまで来れば、もう登頂成功したも同じな気分になるけど、この先には最後の難関ポイントがあるのを事前に調べて知っていたので、気は抜けない。
吉田ルートには二箇所の難関ルートがあって、そこでは岩場登りをすることになる。
1つは七合目から八合目の途中にあって、もう1つは九合目から山頂の途中にある。
実はこの時点で、右膝の横の筋肉の痛みが本格化していて、膝を曲げて力を入れるのに苦痛を感じるようになり、階段上り的な動作がかなりしんどくなってた。
その状態で最後の難所を越えられるか心配だったけど、騙し騙し動いて何とか乗り越えられた。

山頂まであと200mの看板。気分的にはかなり楽になる。
普段の生活なら、200mなんてすぐそこだし。

でも残り200mって、まだこんなに残ってたーっ。

登山道の様子は、だいたいこんな感じ。
砂利と岩が多くて、踏むとズルッと滑るのが厄介で消耗する。

雲が随分下になってる。
「良くこんなところまで登れてこれたなあ」と思う(これ何度もあった)

そしてついに頂上の鳥居が見えた!
鳥居の前には狛犬も居て挨拶してくれる。
そして、ついに頂上に到着!
同僚とも喜びを分かち合い、しばし歓談。
山頂に着くと、やはり妙な達成感があって、何とも言えない心境になった。
これって感激?
到着は、ほぼ予定通りの13時58分で、我ながらナイススケジューリングと思ったりも。
↓山頂からの景色3連続(右、正面、左)

雲が無ければ更に絶景だったかもしれないけど、これはこれで良い感じ。
過去に体験したスカイダイビングが4000mからだったけど、それとほぼ同じ高さと言うのが何とも。

山頂では、うどんでは無くておしるこを食べた(何だか甘いものが食べたかったので)
凄い美味しかったんだけど、お餅が入ってなかったのが残念。
しかし、写真で見るとまったく美味しそうに見えないな(これで700円)
でも、本当に凄く美味しかった。

山頂火口も見学。
深いところは200mくらいあるらしい。
火口の反対側の方が真の山頂らしいけど、時間的にも体力的にも厳しいので、お鉢巡りはしなかった。
----------------ここから下山
火口を見たら後は下りるだけ。
なんだけど、真の地獄は下りにあった。
あまりの厳しさに写真も1枚も撮っていないと言う。
実は山頂に来た時点で、右膝横のダメージが深刻化していて、膝を曲げると激痛が走るようになってた。
上りだったら膝を曲げずに進みやすかったのだけど、下りだとそれがしづらいので、一歩足を踏み出す度に痛みがあって、それを繰り返すと吐き気がしてくるほどに。
まだ7.6Kmも残っているのにこの状態と言うのは、正直絶望的な気分に。
痛みを出さずに歩くには、膝を曲げずに身体を傾けながらゾンビのように足を引きずって歩くしかなく、それだとペースは通常の半分以下に。
無理な姿勢で歩くので、通常とは違うところに負荷がかかるのも、しんどかった。
けれど、進まなければ帰れないので、遅くても何でもとにかく前に進むしかなかった。
そして下山ルートは、そんな自分の精神を更に削ってきた。
特に八合目から六合目が最強で、その間山小屋は一軒も無く、つづら折りの滑りやすい坂道が永遠に続く無限地獄。
上りより楽になるように作ってあるらしいけど、精神的には下りの方が厳しい。
山小屋の一軒くらいは作って欲しいと本気で思った。
同僚もゆっくりとは進んでくれたけど、それだと逆に大変そうなので先に行ってもらい、一人でひたすら孤独な戦いを続けた。
時間は予定よりもどんどん遅れて行き、ついには周囲も暗くなってくると、更に焦りも加わって悲壮感が高まってくる。
けれど、進んでさえいればいつかはゴールに到着するもので、無事五合目まで歩き通すことが出来た。山頂に着いた時とはまた別の達成感&安堵感。
正直ギリギリだったと思う。
到着したのは20時ちょいすぎくらいだったので、下りにかかった時間は約5時間。
上りに7時間、下りに5時間の計12時間の日帰り登山となった。
一般的な標準タイムは、登山:約6時間、下山:約3時間半、と言う感じなので、やはり下りでだいぶロスしてた(でも、負傷してた割には意外と早かった?)
何はともあれ無事に帰れて良かった。
今回はクルマのトラブルでは無くて、自分のトラブルだったけど、クルマのトラブルで精神的に鍛えられてたから凌げた部分もあったのかも。
と、最後に強引にクルマネタに繋げようとしても無理があるか。
と言うか、現在も疲労と筋肉痛に苦しめられていて、俺たちの戦いはまだ終わってない感。

そして、これが今回の目的!
富士山の山頂で貰える御朱印です!!