
まだ現在進行中ですが、今回の大雪は本当に凄かったです。
山梨と聞くと、「冬は雪が降って大変ですね」と言う人が多いですが(僕もこちらに来るまではそう思ってましたし)、甲府盆地辺りは実際には東京と同じくらいかそれ以下しか降らない地域で、降って積もっても翌日晴れたら殆ど無くなってしまうので、ある意味東京よりも雪の被害の少ない土地でした。
それが今回は、1894年からの観測記録を一気に2倍以上も引き上げた110cm以上の積雪となり、120年間誰も経験したことが無い状況に陥ってしまったと言う。
14日(金)は朝から雪が降り始めていましたが、最初は大変だと思いつつもまだ気楽に思っているところがありました。
降ると言っても先週(9日)にあれだけ降ったんだから、そこまで酷い事にはならないだろう、みたいな。
でもいざその日の朝になってみると、雪の降り方が先週よりも強くて、これは本当に大変になるかも、と思い始めました。
幸い空色号には予めスタッドレスを履いていたので、路面に対しては結構強いのですが、ネックになるのが車高の低さです。
あまり雪が積もるとボディが埋まってしまって動けなくなってしまいます(9日にそれは既に経験済み)
昼くらいの段階で、このまま夜まで会社にいたら確実にクルマで帰ることは出来ないと思っていたのですが、幸いな事に会社からは昼過ぎくらいに帰宅許可が出てギリギリ家に帰る事が出来ました。
でも、その後がまた大変でした。
家に帰ると既に家の周囲にもだいぶ雪が積もっていて、この後更に降り続けるにしても、ここで一度雪かきしておかないともっと大変な事になると思い、そこから数時間は雪かきでした。
近所の家ではまだ旦那さんも帰宅していなかったので、最初は僕一人だけで雪かきしていた感じでした。
しばらくして近所の人も戻ってきて、一緒になってどうにかこうにか雪かきが終わった頃には周囲はもう真っ暗でしたが、翌日は雨になるかもと言う予報もあったので、取り敢えずは一安心と言う感じでした。
雪かき疲れで、風呂に入って横になったらダウンです。
そして深夜になって目が覚めて外を見てみると、そこには先週を越える風景が既に出現していたと言う。
先ほど行った雪かきなどまるで無意味だったかのように降り積もった雪は、この時点で既に50cmを越えていました。

空色号も立てたワイパーが無かったら殆ど見えない状態です。
そして雪の勢いはまったく衰えていなかったので、これは明日の朝にはとんでも無い状態になっていそうな予感がしました。
そして15日(土)の早朝の5時くらいに、それは起こりました。
轟音と共にテラスの屋根が崩落です。
その下に置いてあったバイクも下敷きになってしまいました。
これには本当にビックリでしたが、すぐに何が起きたか理解していました。
何故なら先週の雪の時点で、屋根に積もった雪の重みで屋根がやけに凹んでいて危険を感じていたからです。
とは言っても、本当に崩落するとは思っていなかったのが雪を舐めてた証拠ですね。

正直どうすれば良いのか途方に暮れた感じでしたが、何もしないでいたら下になったバイクに更なる悪影響がありそうだったので(と言うか、更に雪が降ってきて屋根の雪まで落ちて来たら下手すると窓を突き破って雪が室内に侵入してくる危険がありそうだったので)、既に雪かきの筋肉痛(腰痛)でボロボロだった身体に鞭打って、そこからまたバイク救助活動の雪かきを開始しました。
ヘロヘロになりながらも雪かきをして朝日が差してくる頃に、ようやく落ちてた屋根をずらしてバイクの様子が見えてきました。
なんとカバーは破れていたものの、バイクバーンを使っていた為、その骨組みが屋根を支えてくれていて、バイクはほぼ無傷な状態でした。
ありがとう、バイクバーン!
そして、朝になって改めて周囲を見てみると、そこはもう雪国。
駐車場に止まったクルマの屋根の上に積もった雪の高さは確実に1mを越えていました。
そして、雪は相変わらず降り続けていると言う。

空色号の屋根の上の雪は、これでも昨日雪かきしておいたのでこの程度で済んでいた感じです。
と言うか、どこ?(笑)
既に体力の限界を超えた僕には、更なる雪かきをする気力はありませんでした。
諦めて部屋に戻ってニュースやTwitterで状況を調べてみると、道路も線路も完全に止まっていて、電車やクルマの中に閉じ込められたまま一夜を過ごした人も結構多かったと言うのを知り、ようやく事態の深刻さがわかってきました。
そして昼をすぎてきた頃にようやく雪が止み、と同時に近所では早速雪かき開始の音が。
自分にはもう雪かきをする体力は無いだろう、と思っていたのですが、緊急事態にアドレナリンが出たのかわかりませんが、不思議とまた動ける感じになっていたので、またも雪かき開始です!
僕の身長でも腰くらいまであるほど積もった雪を除くのは大変な作業ですが、降った直後の雪であれば、結構軽いのでそれなりに楽に雪かき出来ました。
それと、先週の雪かきで酷い目に合っていたおかげで、効率の良い雪かきの方法などの情報も仕入れていたのも良かったです(スコップに添える手は下からでは無く上からつかむ方が腰に負担がかかりにくいそうです)
あと、無駄に思えた前の日の雪かきも、何気に作業を楽にしてくれていた要因だったのではないかと。
何気に問題になるのが雪を捨てる場所でした。少しでも遠くなるとそれだけでかなり時間も体力も取られてしまいます。
まずは、生活の足となる空色号を救出。
次に、雪の重みが心配になってたサボイア号を救出。
その次に玄関までのルートを開拓(8mくらい)。
最後に屋根が無くなってバイクバーンも壊れて、むき出し状態のバイクの雪対策を少し。

空色号への道。
ここまでやって自宅関係は一段落でしたが、周囲では近所の人が目の前の道路の雪かきを開始していたので、今度はそれに参加です。
みんなで協力すると、とても無理に思えた量の雪でも除雪が出来てしまうので、何だか楽しくなってしまったりも。
実は、今まで近所付き合いは殆ど無かったのですが、こう言う状況になると不思議と連帯感が生まれて顔見知りになる事も出来て、こう言うのが被災地の助け合いと言う奴なのかも、と思ったりも。
とは言え、僕の体力も僕のスコップもここまでが限界でした。
僕は疲労で頭痛がしてきましたし、ガムテープで補修を重ねたスコップもついに完全に折れてしまいました。
でも、ここまで頑張れた自分をちょっと見直したりも。
終わったのは16時くらいだったので、何だかんだで8時間くらいは雪かきしてた感じです。
そしてまたダウン。
今度は本格的に身体のあちこちが痛くなっていて、さすがにもう動けませんでした。
もう翌日まで寝っぱなしです。
そして16日の日曜日。
ついに天気は晴れとなりました。
朝の6時くらいから行動開始です。

竜王駅の屋根が崩落しないか心配でした(笑)
軽く10時間以上はダウンしていたので、多少は動けるようになっていましたが、やはり身体はまだしんどい感じでした。
ですが、相変わらず交通機関が麻痺している状態らしいので、食料の備蓄が切れかけていたのもあって、早めに食料の調達に動く事に。
家の前の道路は自分達がした雪かきのおかげで普通に通れる感じになっていたのですが、大通りはまだ除雪されていなかったので、普通に走れるのは四駆のクルマくらいだけと言う感じでした。
なので、歩いて近所のコンビニまで行ってみる事に。
そして、予想通りと言うか、棚の食料品はほぼ無くなっていたと言う。
でも在庫を全部出してくれていて、床にはダンボールのままのカップラーメンなんかが置いてあったので、それを幾つか購入出来ました。
あと、最後に一つ残っていたあんまんが買えたのもラッキーでした。
いったん家に帰ってから、今度は10時くらいにスーパーの方まで足を伸ばしてみたところ、肉は完全に無くってはいたものの、野菜、魚、パン、タマゴ、などはまだ少し残っていたのがありがたかったです。
買占め的な事はせずに、数日分くらいの食料を購入です。
あとはもう大人しく家に引きこもって、ネットで山梨の様子を調べたりとかしてました。
今回の様子は色々なサイトで
まとめられていますね。
まだ現在進行中な状況ですが、僕なんかはまだ全然マシな方だと思うのですが、それでもやはり被災したのかもと思ってしまいます。
ネットでも少し話題になっていますが、行政の対応が遅かったのも、「たかが雪だし」な気持ちがあったのでは、と思ったりも。
まずは早く交通網が回復して、陸の孤島状態から抜け出したいものです。

ネットで見つけた画像ですが、空から観るとこんな風になってるんですね。