憂慮

　こんばんは。
　あんまりこのブログでは、クルマ以外のことを書かんようにしていましたが、今年を振り返ってちょいと印象に残っている事どもを、備忘のために書き残そうかいな、今日はそういう内容です。

　私は、大学時代史学科なんぞという浮世離れしたところに籍を置いていました。いっちょまえに研究サークルに入り、論文やら史料なんぞを読みあさっておりました。歴史学やら隣接の社会科学の論文ちゅうやつは、慣れないうちはややこしい専門用語にまみれた読みにくいものですが、だんだん慣れてくると決まり文句というか定型句があって、意味がわかるようになります。

　そのうちの一つが、「軍隊や警察力は、国家の暴力装置。」

　つい先だって、毎日のように新聞の見出しを賑わしたフレーズです。
　いまだに国会では尾をひいていますよね。

　学術用語ですから、善悪などの価値判断は希薄な言葉だと思います。発言した官房長官は東大卒の弁護士という経歴をお持ちですから、普通に使われただけでしょう。

　政治家ですから、その言葉を使うに当たっての繊細さは必要で、国会答弁で日常語と遊離した言葉を使った感覚はいかがなものかという批判もありましょうが、追求している政治家の皆さんもこうしたことは承知の上での揚げ足取りのはずです。自衛隊を侮辱するという発想は、言いがかりというか滑稽というか、不思議な風景であります。少なくとも、こんだけ内外問題山積の時に、国会審議を麻痺させていいものなんでしょうか、私には、とうていそうは思えません。

　なにより、この問題がホットだったときに、私の限られた見聞の範囲でですが、インテリ揃いのマスコミのみなさんが、野党政治家以上にセンセーショナルに取り上げていたことに違和感を覚えたのは私だけなんでしょうか？

　われわれ庶民は、給料を削られ、先行きに不安を募らせています。そんなときに、大の大人が揚げ足取りに終始し、そうした政治家にご意見番として苦言を呈すべきマスコミが、さらにそれをあおり立てるかのような昨今の状況に、憂慮を感じています。

　今年、気になったことの一つです。繰り言、失礼いたしました。