前回、否定的な内容でブログを書いたので、今回はなるべく速度上限緩和を肯定的にとらえるようにして、まとめてみました。※前回の内容と重複している部分が多いです。
現状について
・大型貨物車(以下、大型車)は、最高速度80キロ(その道路の最高速度まで)。それ以上の速度はあくまで交通違反
※実際には取り締まりはおこなわれていない。取り締まりできていない?
・大型車の走行速度は、75キロから93キロ(リミッター)
※クルーズコントロール(以下、クルコン)装備車両が多く、速度固定での走行が多い。社則によってクルコンの走行速度が異なる。「80キロ以上での走行を禁止する」社則がある場合は、75キロ、78キロ、79キロ、80キロの4種類
・クルーズコントロール装備車両が多いため、速度固定での走行が多い
・80キロ規制区間でも、90キロのまま走行している大型車は存在する。またそういった車両はほとんど追い越し側の車線を走行することになる。
・規制対象外(乗用車と同じ)である、4トン車(最大積載量8t未満)などの中型車あるいは乗用車でも、80キロあるいはそれ未満での走行車両はいる
・大型車であっても、リミッター解除車両が存在する(違法整備)。100キロで走行している。リミッターはアクセル制御のみのため、下り坂でノーブレーキのまま、100キロ超える車両もいる
・大型バスは最高速度100キロ(その道路の規制速度まで)
4月から (変更点)
・大型車のうち単車は、最高速度90キロ
(90キロ走行は交通違反ではなくなる。白黒逆転。ただし、走行速度を90キロにしないといけないわけではない。100キロで走行する乗用車ばかりではないのと同じ。)
大型トレーラーは、最高速度80キロのまま
(「車体(被けん引)の安全性が確保されない」という理由。単車よりも重量が重く、ブレーキが遅れると連結台車に押し出されるため、危険)
疑問
・コンプライアンスに厳しい運送会社、「80キロ以上での走行を禁止する」社則は変更されるのだろうか
(自分の勤める会社の場合は、危険物積載車両、タンクローリーもあり、さらに大型トレーラーと大型単車など車種ごとに区別したくないので、80キロから変更なし)
・大型車による追い越し並走(通行帯違反)、追い越し車線のリソースを潰すような運転は減るのだろうか
・今回の規制緩和は警察から「大型車の実勢速度が・・・」というコメントがついているが、そう言うのであれば、実勢速度と規制速度が大きく異なっている高速道路、山陽道の80キロ規制区間、中国道の80・60キロ規制区間の見直しは可能なのでは。
(規制を無視して、乗用車は100キロで走行する車両がほとんどの区間)
・現状でも、大型トレーラーが90キロで固定走行をしている場面を見かけるが、4月から、黙認すべきではない交通違反になるが、警察は取り締まりするのだろうか
仮定
もし80キロ走行→90キロ固定走行にした場合
・10分~1時間など一日の拘束時間が減るケースがある
(給料体系が時間給の場合、給料が減るケースが発生する)
・九州→関西、中京、関東などの運行では1時間以上の短縮効果あり
・宿泊運行の場合、遠隔地での休息時間、休憩時間が増える
(必要十分な休息がとれているため、増やす必要なし。今以上にパーキングエリアが混雑するかも?)
・燃費悪化とそのコストが発生
(2割から3割程度、燃料代増加。燃料に比例してCO2増加)
結局のところ、メリットデメリットが混在し、現状と変わらないのではないかと思う。
遅い車両、例えば「75キロ走行の車両」を、90キロですみやかに追い越せるようになれば、全体にとって交通が円滑になるので、それはメリットだと思う。
しかし、今度は燃費を理由にして「一定速度で走れ」となるでしょう。(すみやかな追い越しができない場合は、通行帯違反になることが、SNSやテレビで大きく周知されない限り)
個人的に、燃費にはかなりの配慮をしています。(過去、研究しましたww笑)
本来、燃費について「一定速度で走る」などの簡単な言葉だけでは言い表せないものです。どういう場面でどういうことをすると燃費がよいのかというのは何パターンもあって、ちょっとした条件の組み合わせ次第では簡単に白黒逆転することさえあるぐらい、非常に奥が深いのですが、それを知らない人は単純に考えることしかできないのです。
燃費だけを最優先にして運転するというのは、無理があると思っています。
燃費というのは道路の勾配も含めて、一瞬一瞬の積み重ねであって。
たとえば、目的地の手前に大きな峠があってその峠を越えていかないといけないというのは、不可抗力なのです。それと同じことです。
燃費というのは何時間、何百キロの平均値なので、不可抗力の発生した場面で、その一瞬1分間に、加速に燃料を余分に使ったからといって、それだけで「燃費が悪くなった」と言うのはおかしな話です。
個人的には、走行速度のまま追い越し車線に入り、リソースを喰い続けるのは良くないと思っています。
すみやかに追い越しを終えて、走行車線に戻ればいいのですが、クルコンのまま速度差が1キロ~3キロとか、迷惑な追い越しをする運転手が多いです。大型車が邪魔になるのは当然。
大型車が、追い越し車線のリソースを使っている間、その車線を100キロ以上で走りたい乗用車が何台もせき止められて、ブレーキになってしまうので、全体の円滑さ、燃費を考えると、かなりマイナスですし、エゴでしかない。
表向き、物流の2024年問題として速度規制緩和をしますが、実際は、
政府は「対策をした」というポーズ、
警察は「違反車両が多くて、
取り締まりできていないから、
そもそも違反にならないようにしたい」
という思惑があるのかもしれませんね・・(今回は、警察庁がかなり積極的なので)
Posted at 2024/03/09 20:05:16 | |
トラックバック(0) | 日記