しんじ☆のブログ一覧

なかなか迫力の映画でした。お話は例によって添え物的。刺身のつま的な愛の葛藤とか、どこかで見た事の有る人と機械との確執とか、ツッコミ所満載の飛行機とか。そういうものには全く期待していなかったので、有無を言わせない飛行、戦闘シーンだけで僕は充分満足でした。

戦闘機と人工知能と言えば、僕の中では神林長平氏の小説「戦闘妖精・雪風」という大きな存在が有ります。孤独に戦闘機で飛ぶ事にしか価値を見いだせない主人公と、集めた情報を持ち帰る為に、目の前の僚機の危機を無視してでも生還する事のみ至上命題とされた戦闘偵察機に与えられた人工知能。共通の敵からの容赦の無い生存へのプレッシャーの中で葛藤し、苦悩し、生き延びる為に奇妙に結びつく絆・・・もの凄く奥の深いお話に、今の人間の生きている姿が果たして正常な形なのだろうか？思考すると言うのは人間が知っている形態以外にももっと多く、人間には認識できない形も沢山有るんじゃ無いか？・・・そんな事をつい考えてしまう物語です。
このお話はアニメにもなっているのですが、先日の「頭文字Ｄ」に対する一緒に見に行った友人の反応の様に、その出来は僕には容認出来る物では有りませんでした。

だから、逆にそういう面で全く期待していなかったこの映画は、僕には肩の力を抜いて出てきた映像をそのまま楽しめる物でした。大半がＣＧだと判っていても、その緻密で豪快な表現力にはただ脱帽。あんまり細かいことを言わず、感じた物をそのまま味わえば２時間があっという間です。ＤＶＤ出るのが楽しみ。