昨日FSWで起きた痛ましい死亡事故・・・
サーキットを走って居る者としてはやはり無視出来る話では有りません。
細かいディテールは不明ですが、1コーナーを突っ切ってランオフエリアを超えてしまい、さらにその先のタイヤバリアとガードレールすら乗り越えてコース外にダイブしてしまったらしい。
ネットのあちこちに書かれている話を読んで行くと・・・
★この際火災が発生しているらしいが、それが死亡と直接関わっているかどうかまでは不明。
★車はBMW850iのアルピナ版(B12?)或いはアルピナ仕様?ATだったらしい?
★目撃者らしき方の、コーナーアプローチ時減速する気配が無く、ハンドルを切るそぶりも無かったとの書き込みが有った。
★同じく目撃者らしき方の、ブレーキランプは点いていた、姿勢を乱していたという書き込みも有った。
★一般走行会で、クラス分けをされていて、中級者とされるクラスでの事故だった。
(確認する手段が無いと言う意味で)真偽はともかく、今の所これ位しか情報が無いのが現状です。
あとは偏見と憶測に満ちた書き込みが大量に有るばかりで、実際に何が起きてのクラッシュだったのかはまだ判りません。
FSWの1コーナーと言えば、約1500mと言う世界最長のストレートから一気に減速して飛び込むヘアピン状のコーナー。日本屈指の安全なサーキットとは言え、僕のMINIで210km程から、速い車では260kmとか280kmとか、GTやF1等は300kmを遙かに超える速度域から一気に減速して飛び込む、(言葉はアレですが)とてもスリリングなコーナーです。
やはり一番最初に思い浮かぶのはブレーキ系統のトラブル。フェードかペーパーロックなのか油圧が抜けたか、ブレーキパッドが無くなっていたのか・・・2トン近い重さの車でしかもATとなるとブレーキにかかる負担は非常に大きく、充分な冷却対策をしていない状況だったとしたら、インフィールドで限界まで加熱したブレーキは1.5kmのストレートでも完全に冷却仕切れなかったかも知れません。
しかし、ペーパーロックしていたとしてもブレーキを踏んでいればまずアクセルは離しているので(素人がそんな状況で左足ブレーキを使うとは考えにくい)、最高速のまま減速無しで飛び出す可能性は低いように思います。となると1コーナー先のあの深くて上り傾斜のついたグラベルに捕まり、コース外にダイブする程には成らなかったのでは無いか?・・・しかし現実には飛び出してしまった。車が跳ねてグラベルを飛び越えた?
減速する気配が無くハンドルを切るそぶりも無かった。運転していた方の年齢は61歳。となるとメカトラブルでは無く、ドライバーさんの身体的トラブルの可能性は???
減速する気配が無かった・・・つまりブレーキランプが点いていなかった?(点いていた?本当はどっち?)・・・ノーブレーキのまま全速で1コーナーに真っ直ぐ突っ込んでいたとしたら・・・
この事故の話しを聞いて直ぐに思い出したのは、何年か前に鈴鹿の1コーナーで起きた死亡事故。FJだったかのフォーミュラ−の練習走行中の事故ですが、これはクラッシュしたから亡くなったのでは無く、心臓発作で意識を失い、そのままコースアウトしてクラッシュしてしまったという事故でした。今回のFSWでの事故・・・もしかしたらそういった状態だったのかも・・・??
現時点では所詮は推測憶測でしか有りません。火災が起きたらしいので、勿論そういう痛ましい状況だった可能性も考えられます。
モータースポーツが1から10まで安全なスポーツで有るとは言いません。
しかし、僕が知る限り、ここ10年程で振り返っても、車でサーキットを走って居てクラッシュが原因で人が亡くなったって話しはほぼ覚えが有りません。30年程前に富士で痛ましい事故が有ったそうですが、まだ安全意識の低い頃ならいざ知らず、近年のモータースポーツでは余程極端な状況で無い限りは死亡事故なんてまず無いと言えます。(セナ様・・・・)。
もちろん、特に一般走行会やアマチュアレース等では色んなレベルのドライバーが居て、極希に近づく事をためらってしまうほど意識の低さを感じるドライバーも居ます。が、大半はきちんとした意識を持って挑んでいる方ばかりですし、何よりサーキットには対向車や歩行者が居ない(事が大前提の)為、一般道とは比べものにならない位安全で有ると思います。。ただ・・・昨今、走行会等の参加者が増えている事は歓迎ですが、それに伴い意識の低いドライバーも増えている様な気がします。その為、起きなくて良いはずの事故、しなくて良いはすの怪我が発生してしまうケースも増えているかも知れません。参加の敷居が低いのは歓迎ですが、そのせいで例えば事前の勉強、車や装備の準備等、安全の敷居まで低くなると言うのは違うと思います。
今回の事故に対し「モータースポーツは命がけ」と表現している人が沢山居ました。僕はそうは思いません。きちんと安全装備をし、きちんとルールを守っていれば、命に関わるような事はまず起こりません。命がかかって居る状況とはすなわち、車の状態とか、ルールマナーの勉強とか、健康管理とか、色んな姿勢を間違った状況で挑んでいる事を言います。誓約書を書かされるうんぬん以前に、サーキットに挑むとはどういう事なのかを意識していれば、命が掛かるような事にはなりません
「好きな事してて死ねたんだから本望だろう」と言う表現も多数有りました。やはり大きな思い違いだと思います。好きなことなら尚のこと、それで死んではいけません。好きな事をしているからこそ、それを偏見の目にさらして間違った受け取られ方をされるような考えを、僕は承服出来ません。もし僕が死ねば、きっと家族や友人達、大切な婚約者にとてつもない悲しみを負わせる事になります。そして、モータースポーツが嫌いになるかも知れません。どんなに好きな事をしていても、そのせいで誰かを悲しませてしまったら、僕は自分を許せません。
亡くなってしまった方の無念、遺されてしまったご遺族方々の悲しみを思うと軽々な事は言えませんが・・・
心からご冥福を祈りつつ、可能なら何が起きたのかを正確に知り、後の教訓とさせてもらえたらと思います。
Posted at 2011/02/28 11:58:07 | |
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