プリウス　下取り日記・・・４（最後）

前回のつづき

私の「何か」とは・・・私のプリウスが、車が大好きなオーナーの元に、プリウスが大好きなオーナーの元に旅立って行く事。そして喜んで乗って頂く事。自分で売る決断をしておきながら何を調子の良いこと言ってるんだよ！って・・・自分でも思うわけですが・・・それでもただ「はい、さようなら。元気でねぇ～」と手放すわけにはいかない。「次の嫁ぎ先」を安心して任せられる方にお願いしたいと思うわけで・・。

そういう意味からも実はある知り合いに売る話も進んでたんです。家族のセカンドカーとしてプリウスが欲しいという方。知り合いでもあるし、きちんとした方なので乗ってもらって安心。それにいつでも会いに行ける。それが・・・急な事に・・・「ファーストカー」の入れ替えをするようになったみたいで・・・セカンドカーまで手が回らなくなってしまいました(T_T)。（ちなみに、次の「ファーストカー」はマジェスタだそうです(^_^;)。）

他にも探せば欲しいって方はたくさんいらっしゃると思うんですよね。でもタイミングの問題もあるし、もし故障でもしたら大変だし・・・。そんなわけで「信頼できる」買い取り業者に売る事にしたわけです。

話を戻して・・・

T-upのあるセールスマン・・・。その方も過去いろんな買い取りに携わってきてるわけです。当然いろんな体験をされてるわけで・・・色んなお話を聞かせて頂きました。

ある時、20年くらい使用されてる車を下取りに出しにご夫婦が来られたそうです。距離も20万キロオーバー。そこまできたらもう廃車しか選択肢はありません。そのご夫婦は御神酒を持ってきて、車に「今までありがとう。」と言いながら涙を流してそのお酒をかけられたそうです。

それを傍らで見てたそのセールスマンも感動してしまい、スクラップ工場の方がその車を引き取りに来た時に「この車はこれから廃車にするんだろうけど、工場に入るまでは立派な車なんや！キズ一つ付けたら承知せんぞ！」と言われたそうです。



またある時、自分が乗ってた車が中古車として売られた後に、なんと自分の元に車検に来たそうなんです！ナンバーは変わってても車の特徴ですぐわかったそうです。もちろんそんな事はお客様には言えません。でも聞かずにはおれなかったそうです・・・「お車の調子はいかがですか？」と。そしたら「うん、いいよぉ～。中古で買ったんだけど、手入れもきちんとしてくれてたのでとても気に入ってるよ」みたいな返事だったそうです。

そのセールスマンは、車が整備されてる間、ずっと見守っていたそうです。そして送り出す時に出口まで最敬礼。「良いオーナーに巡り会って良かったな。元気に走れよ！」って心の中で言ったそうです。

文章力がないのでうまく書けませんが・・・そのセールスマンはお話しながら涙ぐんできて、私もギリギリもらい泣き状態になってしまいました(T_T)。おっさん二人が向かい合って涙流すわけにもいかんですけど・・・。

そして「○○さん（私の事）のこのプリウスも、もし預けて頂けるのでしたら、私がそばに置いて、きちんと整備して間違いなく大事に使ってくださる方に責任持って売ります。」と言ってくださいました。

普通の買い取り業者は買った車をすぐに業者間オークションに出します。だから、その車がその後どうなったかなんてわからないわけです。ビジネスなんだからそれが当たり前です。でもここはT-up。買い取った車は自分の所で売れるわけです。ましてや程度の良いプリウスならすぐに売れるみたいです。だから「売る人」と「買う人」の両方の顔を見る事が可能なわけなんですね。

実は買い取り金額は最初のお店の方が高かったんです。でも・・・ここに決めました。もし街でこのプリウスを見かけたら・・・泣いちゃうだろうな(T_T)。

そんなプリウスともあと少しのお付き合い・・・。