スバル・レガシィＲＳ（ＢＣ-5型）1989～93

１９８０年代後半のスバルは日本の景気の良さとは逆に、追いつめられていた。
それは１９７０年代から設計が殆ど変らないレオーネ・アルシオーネの売り上げが低迷してた為だった。
そこでスバルは思い切って上限３０歳代の開発チームを組織。「自分が欲しくなる車を作りなさい」と指示して、あとはレオーネ世代は一切口を出さない政策に出た。

開発チームは当時の憧れＢＭＷ・Ｍ３を参考にスバルらしいボクサーエンジンを搭載した走りの４ＷＤにチャレンジし、完成したのがレガシィだった。

さらにＷＲＣに正式に参戦を目指し、発売後、早速世界ラリー選手権の本場・イギリスのワークスラリーマシン工房・プロドライブに依頼した。
すると、答えは即答で、依頼前から既にレガシィのワークス・ラリー仕様が完成していたのだ。
これは、ＢＭＷがＷＲＣを撤退し、次に来るプロドライブにふさわしい車としてレガシィに目を付けていたのだった。

偶然にもスバルとプロドライブの思惑は合致し、即座にＷＲＣ参戦が始まった。
これが、今に続く「ＷＲＣ常勝マシンのスバル」の始まりだった。

さらにワゴンは、これまでの商用バン仕様の改装とは違い、乗用ワゴンとして初めから設計した為に上質なワゴンとなり、スバルの売り上げは急上昇。

「実用４ＷＤのスバル」から「スポーツ４ＷＤマシンのスバル」のイメージに刷新したのがこの初代レガシィだった。

画像は私が１３年前に乗っていたＲＳtypeＲＡ。快適装備を省き、クロスミッション・リアＬＳＤを標準装備、さらにＳＴＩによりエンジンが組み付け直されたモータースポーツ専用のハード・モデル。