
1979年にデザインを一新した「ニュー・レオーネ」として誕生。
悪路を走れる乗用車として有名だったが、スポーティな3ドア・ハッチバックの「スイング・バック」、「クーペ」も用意された。
当時はRVブームで「乗用車から乗り換えても違和感の無いRV」として重宝され、バンもワゴン仕様にに負けない豪華装備仕様もあって人気が高かった。
ターボや4WD乗用車初のATミッションが搭載されたのもトピックスだった。
しかし、欠点は中身が先代から引き継いだドライブトレーンのままでエンジンが「DOHCかターボか」と論議されていた世の中に対し、チョーク付OHVエンジンと旧態依然であった。
モータースポーツでは、スバルの試作車テストを請け負うKITサービスがサファリラリーに出場しクラス優勝を成し遂げ、さらにパリ・ダカールにエントリーしたが、残念ながら炎上しリタイヤする。
ダート・トライアルでは4WDならではの悪路走破性を発揮したものの、当時の後輪駆動・前輪駆動のような乱暴な迫力のある走りは出来なかったので人気は無かった。
当時参戦していた先輩の話では直線で安定した走りを見せて”ここでサイド使ってドリフトだ!”と期待した途端、コーナーで減速、ゆっくり曲がって行くレオーネを見て愕然としたと語っている。
理由は、サイド・ブレーキが前輪という、他には無い構造なので他車みたいに豪快にお尻を振る事が出来なかったからだった。頑固なアンダーステアにも悩まされたそうだ。
その代わり、悪路や凍結路をスムーズに走れる乗用車もまたレオーネ位だったので、高速直線が多いサファリ・ラリーでは常勝を極め、海外では「安く買える高速4WDマシン」として人気が高かった
海外でのスバルの人気の高さを表すものとしてアメリカ映画「キャノンボール」(1979)がある。
(広東語で話しているが、ジャッキー・チェンとマイケル・ホイは日本代表という設定である)
☆画像は8年前に撮影したワンオーナー極上車の現役。残念ながら4WDではなかった。
以前、知り合いのスバルの設計の方に「レオーネ・スイングバックみたいな車、また出してよ」と言ったら「あるだろ、インプレッサ・ワゴンが」と云われた事があった。
群馬在住時にKITサービスが所有する、新車で保管されているサファリ・ラリーGr.A仕様を拝見したが、さすが、ホンモノならではの凄みがあったのを覚えている。
製造ラインから直接抜いてきた車がベースなので車台打刻は無く、ナンバーは取得出来ない状態だったが、水平対向エンジンから突き出したキャブレターのファンネルや、内装が全て引っぺがされ、競技車仕様のインパネに換装された状態が「只のレオーネじゃない」事を物語っていた。
話によると、当時、某女優がこの車でサファリに出場予定が直前にキャンセルされたものだったという。
1997年当時の話で今もあるかは不明。写真撮っておけばよかった。
Posted at 2011/08/09 15:31:02 | |
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