
四半世紀に渡って展開されてきた「機動戦士ガンダム」シリーズは、メディアミックスの典型ともいえるもので、映像作品と平行してコミック、小説、ゲーム、トイなど様々な商品が提供されています。
中でも、小説は映像作品と結構内容が異なるものもあり、読んでみると面白いものが多いです。
そんなわけで、私が読んできた小説におけるガンダムの魅力を不定期に語っていこうかと。
第1回は
「逆襲のシャア―ベルトーチカ・チルドレン」。
この小説はタイトルからわかる様に、映画版と異なり「Zガンダム」に登場するベルトーチカ・イルマがアムロのパートナーを続けています。
この作品こそは富野監督が「本来作りたかった内容」だったのですが、スポンサーの意向で却下され、映画はあのような形となりました。
あとがきによると、スポンサーはアムロが「ジェームス・ボンド」のように「パートナーをとっかえひっかえする」ことを望んだのだとか。
私個人は、ベルトーチカは「アムロを復活させた女性」として、少なくともチェーン・アギよりは支持しているんですけどね。
シャアのパートナーも映画版のナナイ・ミゲルではなくメスタ・メスアという女性になっていますが、彼女の場合は名前が異なるだけで人物像はナナイと同一といっていいでしょう。
ギュネイ・ガスもグラーブ・ガスとなっていますが、彼は放置です(笑)
またシャアのモビルスーツは「サザビー」ではなく「ナイチンゲール」。
この「ナイチンゲール」ってのは「元祖看護婦さん」のことではなく、「告死鳥」のこと。
「この機体を見た敵は死あるのみ!」という意味で名づけられたもので、私的には「サザビー」より100倍カッコいいかと思っています。
そして、何より
私が今回強調しておきたいのは、シャアの最期のセリフ。
映画版では
「ララァ・スンは私の母になってくれたかもしれない女性だ。それを殺した貴様にいえたことか!」
ある意味シャアらしいセリフともいえますが、あまりに女々しくて情けないセリフです。
これに対し、「ベルトーチカ・チルドレン」では、ロケットを取り出し、中に収められた最愛の妹の写真を見つめながら
「・・・・・しかしアルテイシア、この結果は、地球に住んでいるアルテイシアには、よかったのだな・・・・・」
自分の計画が失敗したことで妹の命が助かるという皮肉な結果を、自嘲気味につぶやいたものですが、彼女に対する愛情が確かに感じられるセリフです。
シャアの最期としては、こちらの方が絶対に良かった!、と私は断言します!
ちなみにアムロの最期のセリフは
「・・・・・ベルトーチカ!」
と
絶叫するというもので、これは映画版の
「お母さん?うわっ・・・・・」
と五十歩百歩かな・・・
ちなみに「逆襲のシャア」の小説版としてはこの「ベルトーチカ・チルドレン」とは別に、映画版に忠実で、映画の冒頭より前の時期(シャアが決起する前)から描かれた「
機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー
」も存在します。
もちろん私も所有し、読んでいますが、これについてはまた別の機会に・・・
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Posted at
2005/09/23 12:20:38