
オートモビルカウンシル2025、その3です。
続けて、展示されていた貴重な車を順不同で紹介します。
多くの車が展示されていましたが、自分のなかで特に気に入った車に絞ってみます。
ジャガー XJ6C 4.2(1977年)

ジャガーXJ・シリーズIIのクーペ。Jaguaria/ワイズの展示。

前後に北米仕様の大きなバンパーが付いています。当時のジャガーXJは北米仕様ベースで日本に輸出されていたので、これは正規輸入車なのでしょうか?これはこれで雰囲気があります。

後部座席もクーペとしては余裕があります。

そういやジャガーは現在、苦境にあえいでいます。なんかよくわからんクーペコンセプトを少し前に発表していましたが、そんなものはゴミ箱に捨てて、かつてこんな素晴らしいクーペを作っていたことを思い出すべきだと思います。謎の毒舌になってしまいました(笑)
アストンマーティン V8 ヴォランテ(1988年)

ジロン自動車にて展示されていた1台。このショップは日本における輸入車業の老舗ですね。

初代フォード・マスタングによく似ている…と思いきや、独特の迫力があります。これは何が違うのでしょうか?

リアにも迫力がある。ランプのデザインなんて、まるで軽トラなのに(失礼)

内装。デザインが思いのほか現代的だと思います。この車は5速マニュアル。豪華な内装のなかに置かれたシフトレバーが素晴らしい。
明治物産が出展しているアルヴィス。
3リッター グラバー・スーパーカブリオレ(2024年)

そのなかでもひときわ美しく華やかな1台。去年までの展示とは重複になりますがせっかくですので。

このクロームメッキの輝き。

新しい設計のパーツが結構使われており、エアコンやBluetoothオーディオまで用意されるとのことです。エンジンはインジェクション化されています。

ウィンカーレバーに注目。右側です。ISOで左側に統一される前の時代というわけです。

他のアルヴィス車と比べても車高が低く、端正な印象です。スイスのコーチビルダー「グラバー」の手によるボディです。
ケータハム プロジェクトV(2025年)

これから世に出る予定の最新モデル。こういう車が展示されるのもオートモビルカウンシルの魅力です。「スーパー7」で有名なケータハムが準備しているEVスポーツ。

モーターはヤマハ製だそうです。

バッテリーはどのように積んでいるのでしょうか?EV的な腰高感がまったくなく、お見事。
フォルクスワーゲン ゴルフ C(1983年)

こちら、スピニングガレージのブースです。

普通の初代ゴルフと思いきや、エンジンルームにはトヨタエンブレム?

トヨタVVT-iエンジンに積み替えています。これはとてもおもしろい。走りはどのような感じなのでしょう。
フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオレ(1988年)

初代ゴルフのカブリオレです。この車種はここのブースの常連でもあり、今なお根強いファンがいるのでしょう。この車も展示からほんの数時間で「売約済」の札を掲げていました。

独特の贅沢さがありますね。

そういやこのモデルって日本向けは左ハンドルのみでした。一種の差別化で、当時はそういうケースがよくありました。
フォルクスワーゲン T2 KOMBI ラストエディション(2014年)

ヴィンテージ宮田自動車にあったこのフォルクスワーゲンT2。この車、ブラジル製です。フォルクスワーゲン・ド・ブラジル。このスタイルで2014年まで生産されていたわけです。

フォルクスワーゲンといえばメキシコ工場製の新旧ビートルが有名ですかね。しかし歴史的には早くからブラジルに拠点を築いていて、そこから産まれた中南米専用車種もありますね。
↓こちらはその1台、フォルクスワーゲン・ゴル。

リアエンジンのため前席は驚くほど広々しています。というかフロント3人掛けですよ。3+3+3の9人乗り。

そのエンジンはゴルフ6と共通の1.4リッターガソリン。外見こそクラシカルですが、メカニズムは相応にアップデートされています。

ただ、荷室はかなり高くなってしまっていますね。フラットなのは使いやすそうです。

スライドドアは右側のみで日本では不便を強いられるケースもありそうです。まぁかつてのシボレー・アストロあたりとおなじと思えばよい?

走行距離わずか1460kmという奇跡の1台。展示されていた時点ですでに商談中でした。
メルセデス・ベンツ 560SEC(1988年)

「シルバースター」が出品していた新車のような560SEC。

この車に厳つい男ふたりで乗っていたら、もはや悪徳金融屋?いや、今となってはとても上品なネオクラベンツです。

ボディカラーはスモークシルバー。シルバーというよりシャンパンゴールドっぽい、とても綺麗な色です。ゴーロクマルといえば、セダンのSELはミッドナイトブルーとかブルーブラックが当時は多かったと思いますが、クーペのほうはどうだったかな?どちらにせよこの色は少数派でしょう。

内装もブラックとレッドのコンビネーションという、まるでベントレーのような色使い。新車時にこれをオーダーした人はホントのお金持ちパターン。

長年にわたり贅沢な2ドアクーペを用意していたメルセデス・ベンツですが、現在はCLEクーペを残すのみとなってしまった。Sクラスクーペも現行モデルは廃止。これから復活することはあるのでしょうか。
メルセデス・ベンツ SLR マクラーレン 5.4 クーペ(2005年)

とりあえずこの長ーいノーズ、どうやって取り回しするんだろうと思います…

このドア、ガルウィング…ではなくバタフライドアですね。リアLEDのツブツブ感がゼロ年代っぽい?

SLRマクラーレン、私は路上で見かけたことが今まで一度もありません。初代300SLですら見たことあるのに。こちら「ABEILLE」での展示です。
メルセデス・ベンツ SLS 6.3 クーペ(2010年)

こちらは正真正銘のガルウィングドア。

ガルウィング、かっこいいなぁ。ドアパンチを気にせずに済むよなぁ…なんて浅はかなことを思っていましたが甘かった。開ける際に横方向にかなりのスペースが必要です。あと、屋根に雪が積もっている状態で開けたら雪が車内に入り込みませんかね?実際はどうなんでしょうか。

車内のデザイン、特にコンソールの丸いスイッチ類は後継モデルのAMG GTに引き継がれていることが分かります。
ポルシェ 356A(1958年)

「Vintage Car VISCO」にて。ホワイトリボンタイヤを履かせローダウンした356A。フィフティーズの雰囲気を感じます。

後年の356BやCと比べると、かなり50年代的というか、ボテッとした印象もします。この車、普通の人には「カワイイ旧車」とは見られたとしても、当時最先端のスポーツカーであるとはなかなか認識されないかも。

車自体、とてもコンパクトですが車内はさらにタイト。前席セパレートシートはほとんどくっついています。

ポルシェ356は、おしりのラインがとてもふくよかです。愛嬌すら感じます。空冷エンジンへアクセスするためのフードは小さめ。そういやポルシェって、スーパーカー的「ガバッと開くチルトカウル」を採用しませんね。メーカーの意図がその辺からも伝わる気がします。
ディーノ 246 GTS(1974年)

ディーノ246後期型、北米仕様です。スタッフさんに話を聞きました。北米仕様といえば前後のマーカー類やバンパーなどを取り外し欧州仕様に戻すケースも多いのですが、この車の場合はあえてそのようなことはしていません、と。

この車の良さとして、そこは尊重した上で仕上げています、とのこと。なるほどなと思いました。

リアの丸形4灯も、北米仕様らしく赤一色です。

なおディーノの前期/後期の見分け方は簡単。ワイパーが対向式(いわゆるケンカワイパー)なのが前期型。後期型はタンデム式、ようは多くの車が採用する平行動作の普通のワイパーにされています。
フェラーリ 308 GTB(1979年)

こちらは「Mars inc.」です。

オレンジ一色のフロントウインカーやサイドのマーカーランプの形状など、なんとなく北米仕様っぽい感じもしますがこれは当時の正規輸入車(日本仕様)とのこと。この頃の輸入車って排気ガス規制の関係から北米仕様ベースが多かったわけですが、フェラーリもそうだったのでしょうか。

と、そんなことは車自体の魅力とは関係ありませんね。銀色のボディカラーは渋くて最高です。トランクルームはカバー付きなんですね。エンジンの熱を防ぐための工夫でしょうか。

そのエンジン。横置きに搭載された3リッターV8は意外なほどコンパクトです。

シートの形状が意外と乗用車的なことにちょっと驚きました。センターコンソールのトグルスイッチがそそります。
フェラーリ 456M GTA(1999年)

1990年代末のフェラーリV12、フラッグシップGT。この車は「GTA」、2ペダルモデル…というかトルコンATを採用したフェラーリです。この後の車種ではF1マチックやDCTになりますね。

ピニンファリーナによるスタイルはとても流麗。こうしてみると、リアはずいぶんツルンとしています。余談ですが、夜間この車の後ろに付いたことがあるのですがウインカーとブレーキランプの配置が悪く、ウインカー点滅がわかりにくかったことを思い出します。リアフォグがある関係からブレーキランプは丸目の外側、縦方向にCの字に光るのですが、それがウインカーの点滅とかぶる。

シートは柔らかい。同じフェラーリでもモデルによってまるで雰囲気が違います。
ランチア フルヴィア 1.8 クーペ(1968年)

当時のランチアの中間モデル。前輪駆動と水平対向エンジンを採用した先進的な車でもあります。デザインはピニンファリーナ。

この車は3年前にイギリスから日本へ来たそうです。貴重な右ハンドル仕様。ガレーヂ伊太利屋の出品です。

独特の気品がありますね。
ランチア ストラトス HF ゼロ(1970年)

THE CLASSIC CAR CLUB OF JAPAN(CCCJ)による展示。ドアが前に1枚しかありません。

オートモビルカウンシル公式サイトによると、今年3月に奈良・薬師寺で開催された「コンコルソ デレガンツア ジャパン 2025」に展示された車とのこと。この低さが凄い。

これは車ではない、という当時の評価もあったとか。

会場ではCCCの関係者と思しき方がこの車に乗り込み楽しんでいました。小柄な女性でも頭がドアガラスに当たっていましたね。
ドラージュ D1 トルペド・スポール(1924年)

その隣にある車は、フランスの超高級車ドラージュ。その高性能モデル。

ドラージュは戦前のフランスを代表する超高級車で、富裕層向けの豪華絢爛なモデルを輩出していました。しかしフランス政府の政策もあり、戦後あえなく消滅。

この華麗なるツーショット。
マセラティ クワトロポルテ エヴォルツィオーネ V8(2002年)

「4ドア」というそのまんまの意味を持つマセラティの最上級セダン。これはその4代目モデル。「Mars inc.」の展示です。

以前、これがマセラティの中ではもっとも好きだと書きました。

マルチェロ・ガンディーニの手による斬新なスタイル、豪華絢爛な内装、それでいて驚くほどコンパクトなボディ。最高だと思います。

この内装は耐候性を無視しているというか、完全屋内保管が前提なのでしょう。
マセラティ ロワイヤル(1988年)

会場をあとにする直前にこの車を見かけ、あわてて写真に収めました。マセラティ・クラブ・オブ・ジャパンでの展示です。

3代目クワトロポルテを改称したモデル。有名なマセラティのアーモンド型時計はこのモデルからだそうです。

通常は前席シートバックに装備されるピクニックテーブル、この車ではリアドア内張りに仕込まれています。独特ですがシートバックの位置や角度にピクニックテーブルが影響されないわけで、むしろ合理的かも。

ジウジアーロによるデザインです。とても大きな車に見えるのですが、1.89mの車幅はともかく全長は5mありません。しかしその名の通りの気品と威厳に圧倒されます。ロワイヤル…生産台数はたったの55台で、日本にはうち9台が輸入されたとのこと。って、それってかなりの割合です。
10回目を数えたオートモビルカウンシル。10年前、どのようなきっかけでこの展示会を知り、しかも足を運ぼうと思ったのか今となっては思い出せないのですが、なんだかんだで皆勤しています。当初は8月開催で、ずいぶん暑かったですね。
2020年はコロナ禍の影響により2度も延期されたものの無事に開催。入場者数も順調に伸びていて、関係者には賞賛しかありません。音楽の生演奏やアート展示も魅力。クラシックの演奏と現代アートという組み合わせから得られる栄養があります。
なにより落ち着いて会場を回れる、独特の雰囲気がたまりません。

来年2026年は4月10日(金)から12日(日)までの3日間。
今から楽しみです!