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2025年10月29日 イイね!

オートモビルカウンシル2025 - その2

オートモビルカウンシル2025 - その2オートモビルカウンシル2025、展示車の紹介を続けます。国別ではなく、これはと思った車をランダム的に紹介していこうと思います。

コロナ禍も乗り越え、回数を重ねるごとに順調に規模を拡大しているこの展示会。今回もすごい車がたくさんありました。国内メーカー(トヨタ、マツダ、三菱、日産、ホンダ)も公式ブースを用意していました。


まずは世界トップのメーカーとして好調を維持するトヨタ。

トヨタ 4500GT(1989年)

そのトヨタがかつてのバブル期に計画した2プラス2の高級クーペ。そのネーミングからも、かの名車「2000GT」の直接的後継車とも言われました。発表は日本ではなくドイツ、フランクフルト・モータショーでした。この車はその出品車そのものとのことです。

このスタイルはとても個性的。写真では少々ぼってりとした印象があるかも知れませんが、実車は凝縮感があり不思議な威圧感すら感じます。CD値は0.29と、当時としても非常に低い空気抵抗係数を誇ります。

心臓部には当時最新の「1UZ-FE」V8エンジンを。初代セルシオ(レクサスLS400)に積まれたものを4500ccへ排気量アップしています。時速300kmで4人の乗員を快適に…という、その名の通りの「GT」。いや、もはやスーパーカーのスペックです。

テールレンズのひび割れに年月の流れを感じます。

残念ながらバブル崩壊もあって市販はされず、幻に終わりました。しかし続く市販車へフィードバックされたものは大きかったと思います。インパネのデザインは2代目スープラがそっくりの意匠を採用しています。

トヨタ スープラ A80系

こちらはその80スープラです。

国内向けとしては「2代目」ですがスープラそのものとしては4代目?ちょっとややこしい。

後期型ですね。後期型は前後フェンダーにマーカーが付き、北米仕様に近い見た目です。

80スープラには一度乗せてもらった経験があります。速いうえにかなり快適でもありました。完成度が高いんでしょうね。

トヨタ スープラ A70系

そして先代にあたる70スープラも。豪華なGTとしてのポジションにはこのモデルで到達したという印象です。

ここの2台の旧いスープラは、トヨタ自身の手によって徹底的なレストアがなされています。隅々までまるで新車のようです。若いスタッフからの熱心な説明を聞きながら、ちょっと嬉しくもなりましたね。

A70スープラといえば、高市早苗新首相が22年間乗り続けた車でもあります。車好きの女性がトップになり、さっそくガソリン価格が下がるとのこと。さすがです。

トヨタ GRスープラ(2025年)

そしてこちらは最新モデル。BMWとのコラボで産まれた1台で、インテリアなどBMW色が色濃いのは事実ですが、それでも「スープラ」としての魅力にあふれていると思います。

残念ながら今年2025年で生産終了…オーナーは大切に乗り続けて欲しいと思います。

トヨタのブースには、最後にとっておきの1台がありました。

トヨタ セリカ 初代

初代セリカです。この新車のような1台。まさにトヨタ自身が新車レベルまで復活させたのだそうです。

欠品した各パーツは、驚くことに部品メーカーではなくトヨタが図面から作り直したのだとか…

リアランプユニットは、傘下のランプメーカーに依頼するのではなくこれもトヨタ自ら作ったそうです。

なぜそこまで?と聞いてみたところ、「車を作ることの大変さを忘れないためのチャレンジ」と。

運転席に座らせていただきました。ピンぼけですみません…興奮で手元が狂ってしまったのです。

シートは柔らかく(そのシートもトヨタ制作)、低いポジションですが細いピラーなどもあいまって視界は良好です。足元も広かった。フットレストはありませんが別に問題という気もしませんでしたね。

トヨタというメーカーの強さを実感した時間でもありました。

次はマツダを。

マツダ S8P(1964年)

これはマツダがベルトーネに依頼した試作モデル。当時所属していたジウジアーロの手によるデザインです。

角目2灯に見えますが、実際には丸目4灯。カバーが被されています。

非常に洗練されていて、繊細で、まるでフィアットかアルファロメオあたりの上級サルーンです。トリノで制作されたこのモデルは広島に送られ、このスタイルを踏襲して初代ルーチェが登場しました。

「ルーチェ」は「光」という意味だそうですが、この広いグラスエリアはまさにその名を象徴しています。

しかしというかやはりというか、当時の日本で欧州的デザインは難しく、2代目ルーチェは一転してマッチョなアメリカンスタイルになります。

ユーノス500(1992年)

この車の素晴らしいスタイリングは現役当時から絶賛されていましたね。にも関わらずマツダは経営危機を迎えてしまいますが、このデザインコンシャスっぷりは今も続いているわけで、もはやマツダの血筋かも知れません。

上級モデルのマツダ・センティア/アンフィニMS-9などとも共通した方向のデザインだと思いますが、このユーノス500は凝縮感というか塊感が強く、コンパクトながらとても印象に残ります。細かいところですが、リアフォグランプを装備した国内セダンということでも当時は異色だった記憶があります。

この凝縮感、のちの「魂動」デザインにつながるのでしょうか。

VISION COUPE(2017年)

その魂動デザインによるデザインコンセプト。もう8年前ですが、未だに古さを感じさせません。


魁 CONCEPT(2017年)

こちらは現行「3」(旧名アクセラ)のデザインコンセプトですね。

他のメーカーでは生産性や視界の面などアレコレ理由を付けられてお蔵入りしそうなものですが、マツダはほぼこの方向で実際に世に出した。マツダ3、後方視界など欠点があるのは事実ですが今なお国産小型ハッチとしてはトップレベルに魅力的な車だと思います。

先駆(2005年)

この頃から、マツダはコンセプトモデルに漢字を使い始めたように思います。

真横から見るとよく分かるのですが、この車は超ロングホイールベースです。4座のロータリースポーツというコンセプトでした。現状、ロータリーエンジンの復活は難しいようですがなんとかその技術は残して欲しい。

三菱です。

三菱 デボネア(1964年)

三菱の最高級車として君臨したデボネア。初代はその長寿っぷりから「シーラカンス」とも言われましたね。じっくり見ることができたのは久しぶりですが、正直、むちゃくちゃカッコイイです。

自社の最高級セダンをつくるにあたり、三菱にはフィアット1800セダンをノックダウン生産する計画もあったとか。結局は自社開発を実現するわけですが、もしフィアットとの交渉が成功していたら三菱グループの偉い人たちはイタ車の後席をくつろぎの場にしていたわけか。

説明員の方がドアの開閉音を聞かせてくださいました。「コトン」と、まるでイギリスの高級車のようなドア音でしたね。このデボネアは最初期型で、L字型で赤一色のリアランプ(いわゆるワンテール)が特徴。

GM出身のデザイナーを招き作られたこのスタイルは、5ナンバー枠とは思えない堂々としたものです。とはいえ、その車幅縛りに苦労したという話も伝わっています。ボディサイドの切り立ったエッジはアメリカ車風であるとともに、限られたサイズで高級車らしい風格を出すことに成功しています。

三菱 ギャランGTO MR(1970年)

今となってはもう数えるほどしかない国産スポーツクーペ。三菱にもこういう車がありましたね。一見、走り一辺倒の硬派な車にも見えますが、居住空間もきちんと確保されていることは外からでもよく分かります。実用性を重視するのは三菱の長所です。昭和45年式…それにしては同年代の他車種と比べ5年くらいデザインが新しいように思います。

初期型で、これもワンテール。ブレーキランプとウインカーが兼用の赤一色テールは安全性に問題ありでしょうけど、旧車らしいのはやはりこちら。

三菱のスポーツモデルって、先進性とワルっぽさが共存した独特の雰囲気があると思います。これはトヨタとも日産とも違う。

三菱 ギャラン・ラムダ スーパーツーリング(1979年)

ギャランの高級2ドアクーペ。フロントグリルに「Astron 80」のエンブレム。これは搭載エンジンのこと。当時の三菱は星にまつわる愛称をエンジンに付けていました。車名かグレード名にしか見えないという感じもします…

ピラーレスのクーペは流麗で贅沢な印象を受けます。今や世界的に絶滅危惧種でもある。伝統的にこの形式を採用していたSクラスクーペも消滅してしまった。

フェンダー先端の側面ウインカーは位置が先端過ぎる気もしましたが、この角度から見るとちゃんと機能しそう。それにしてもギャランって車種は実に幅広いレンジを担当していたんですね。トヨタで言えばコロナからソアラまで?

三菱 ディアマンテ(1990年)

個人的に、とても懐かしい初代ディアマンテ。物品税が存在した当時、トヨタや日産が5ナンバー枠にとらわれる中、税制改正のタイミングでイチ抜けたとばかりに3ナンバー枠のボディで登場した上級セダン。これは三菱セダンとしては考えられないほど(失礼)、大ヒットしました。街中でも本当によく見かけましたね。

1775mmという車幅、当時は相当にワイドに見えましたね。ディアマンテと比べると、5ナンバー縛りのために車幅を抑えた他の競合車はかなり貧弱に見えたのも事実。CMコピーの「あの車とは違う」というのは確かでした。

初代ディアマンテには2度ほど乗せてもらったことがあります。凝ったデザインのインパネと重厚な乗り心地、そして横方向の余裕を今でも覚えていますね。

三菱 HSR-Ⅱ(1989年)

第26回東京モーターショーで発表されたコンセプトカー。

「HSR」とは?「ハイ・ソフィスティケーテッド・トランスポート・リサーチ」の略とのこと。なんか凄いです。21世紀に向けて、安心で安全かつ新しい交通巣ステムに対応した車…と。それがこのスーパーカー。

各種電子制御はもちろん、追尾走行や自動車庫入れのシステムまで備えているそうです。1989年ですよ?ホントに凄いなぁ三菱…

三菱 トレディア スーパーシフト(1990年)

こちらは「DUPRO」が展示していたトレディア。そういやそんな車もあったっけ感が強い…いやいや、今となってはとても貴重な三菱車。シフトレバーが2本生えています。副変速機付き。まるで本格クロスカントリー車のようです。

4速のギアを「POWER」「ECONOMY」2段で切替えられる。4X2の8速マニュアル!ただ、操作はとても難しいそうです。

ルノーを思わせるシンプルなこのセダンが、他にはない凝ったトランスミッションを搭載している。三菱の車は実におもしろいです。

日産です。

プリンス スカイラインスポーツ(1960年)

こちらは日産自動車公式ブースが展示していた1台。日産が大切に所有する、トリノショーに出品された車そのもの。以前からこのブログでも何度か取り上げていますね。なお、奥の人垣は来日しているジョルジェット・ジウジアーロ御大のサイン会です。

この車はトリノの工房で製造されており、日本製ではありません。もちろん量産型は国内製造。量産といってもほんの60台ほどです。

日産自動車は現在苦境に陥っていますが、今年もこの展示会に参加しています。去年と比べ規模はだいぶ縮小しているものの、これは嬉しいことです。日産を応援している人はたくさんいます。それに応えて復活してほしい、本当に。

ダットサン ブルーバード 1200デラックス(1964年)

ピニンファリーナに委託したこのスタイルはとても洗練されています。アメリカ車調そのものだったトヨタ・コロナとはきわめて対照的です。車自体も、軽量化と高剛性の両立を図るなど進んだ設計でした。

ただ、その欧州スタイルは当時は不評だったそうですね。特にこの尻下がりのリア周りなど。私はとても良いと思うのですけどね。このシンプルなリアランプも素晴らしいです。しかし尻下がりってどうして日本国内でずっと不評だったんでしょうね。トランクにものが入らなそうだから?今では空力の追求だとかクーペルックの流行とかもあって尻下がり的デザインが普通になっているような…というかそういう意識もないか。ベンツの現行Sクラス(W223)なんて、尻下がりそのものです。

日産 マーチ コレット(1985年)

これは懐かしい初代マーチ。初代マーチもジウジアーロによるデザイン。直線基調という点は一連のジウジアーロ作の小型車と共通していますが、このマーチには当時の日産らしさもある。

ターボとスーパーチャージャーを一緒に備えたスーパーターボ、それにBe-1やパオ、フィガロといった派生パイクカーなどバリエーションも豊富でした。今の日産に必要なのは、この初代マーチのような傑作小型車でしょう。

GT-R 50 by Italdesign(2021年)

これはまたすごい車です。R35をベースに、その名の通りイタルデザインが仕立てた車。世界限定50台。お値段1億円超!これはハイパーカーでいいですよね。大迫力です。

リアの造形。これカーボンですよね。丸型テールの造形が、かつていろいろなメーカーで流行した戦闘機イメージの取り込みを彷彿とさせます。先鋭的かつ、どこかノスタルジックな印象も受けました。

日産 スカイライン2000 GT-R(1972年)

こちらは「ヴィンテージ宮田自動車」、新旧スカイラインGT-Rです。

フルレストア済みの最終型ハコスカ。この白いペイントはオリジナルだそうです。

内外装ともに完全に仕上げられていますが、過剰なほどにピカピカにしているわけではなく車そのものの歴史も感じさせます。見事です。

日産 スカイライン2000 M-Spec(2002年)

こちらもR34のGT-Rとして最終モデル。フルオリジナルで、走行距離はたったの3.5万キロ。

「国内オーナー求む」とのショップの声がありました。確かに、この1台はずっと日本にいて欲しいと思います。

日本車勢はあとホンダが公式ブースを出していて、すべての歴代プレリュード&最新プレリュードを並べていましたがうっかりスルーしてしまいました…なんという不覚!

ランダムといいつつ日本車でまとめてしまいました…
ではロールスロイスを2台。今回、2台の極上コーニッシュがそれぞれ別のショップで展示されていました。思わず見入ってしまいましたね。

ロールスロイス コーニッシュ シリーズⅠ(1972年)

こちらは白のシリーズⅠ。「ガレージイガラシ」からです。

これがシリーズⅠ?思った方はマニアですね(笑)
コーニッシュのシリーズⅠって元々はクロームのアイアンバンパーを装備しているのですが、この車はそれをシリーズⅡのものに交換しています。素人目にはシリーズⅡと区別が付きません。ペイントはオリジナルのカラーコードで塗り替え、幌も新品に張り替え済みとのこと。内装もシートやウッドパネル、トリム類を全面的にリペアしています。

なおここでトリビア。「コーニッシュ」というモデル名は元々ベントレーのものでした。

ロールスロイス コーニッシュ シリーズⅡ(1989年)

そしてダークグリーンのシリーズⅡ。「Kitasando garage」での出展です。

偶然ですがどちらも右ハンドルです。このシリーズⅡはコーンズの正規輸入車ですね。当時の日本で右ハンドル仕様のコーニッシュはむしろ珍しかったはずです。

大柄のボディですが車内は案外タイト。エアバッグ装備前のクラシカルなステアリング。分厚いシート、そそり立つ豪華なウッドパネル。まさに究極のパーソナルカーですね…


←続きます。
Posted at 2025/10/29 22:00:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2025年09月20日 イイね!

オートモビルカウンシル2025 - その1

今年のオートモビルカウンシル、4月11日から13日の開催でした。もちろん行ってきました。

今回は10周年。私は第1回から毎回通っていますが、最初にこの展示会を知ったのは本当にちょっとしたこと。確かWeb記事だったと思います。いざ行ってみてとても感激したのですが、当時はこれだけ続くとは思っていませんでした。日本で、この規模の旧車・ヴィンテージカーの展示会が続くとは思っていませんでした。

主催者、スタッフ、そして出品者には心からの敬意しかありません。

オートモビルカウンシル2024
オートモビルカウンシル2023
オートモビルカウンシル2022
オートモビルカウンシル2021
オートモビルカウンシル2020
オートモビルカウンシル2019
オートモビルカウンシル2018
オートモビルカウンシル2017
オートモビルカウンシル2016

世界的カーデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ。今回は特別展示「世界を変えたマエストロ」のタイトルで、10台のジウジアーロ作品がずらりと並べられています。それだけでなく、なんとご本人が来日し、この展示会に足を運んでいます。わたしもそのお顔を拝見しました。80歳をとうに越えているにも関わらず、とてもお元気そうでした。

なお同氏のお名前ですが、最近は「ジュジャーロ」と表記されることが増えているようですね。この展示会でもそうでした。ならばそちらに合わせるべきなのですが、慣れというか個人的に違和感があり…ここではジウジアーロ表記とさせてください。

いままでは国別に展示車をブログにしてきましたが、今回はまずその特別展示を一気に紹介したいと思います。

Giorgetto Giugiaro展「世界を変えたマエストロ」

アルファロメオ ジュリア・スプリント GTA(1963年)

20代のジウジアーロが手掛けたジュリア・スプリント。ジウジアーロは徴兵中のイタリア軍キャンプでこのデザインを仕上げたとのこと。なんとも驚きます。

もちろんこっそりとやっていたわけではなく、上官の許可を得たうえで、当時所属していたベルトーネの仕事として自由時間に作業をしていたそうです。なんともイタリアっぽいというか。いや普通に良い話ですね。

当時の車は丸いヘッドライトに合わせてフロントに豊かな峰や曲線を持たせることが普通でしたが(先行していたジュリアのセダン、いやベルリーナがまさにそうですね)、このジュリア・スプリントはそうではなく、ヘッドライトを中央寄りに配置しボンネット先端を水平にし、かなりモダンな表情を持たせています。実際にそれがジウジアーロの狙いだったそうです。

1963年。昭和でいえば38年です。この車が当時の最先端スポーツクーペだったのは間違いないでしょう。

マセラティ メラクSS(1972年)

マセラティが同社として初めて世に出したミッドエンジン・スーパーカー。

同じレイアウトのライバルとしてはカウンタックや365BBになると思いますが、前衛そのもののカウンタックや先進性を強く打ち出した365BBに比べ、このメラクは古典的でエレガントです。

ファストバックのクーペのように見えて、実はパネルやガラスはなく、そこには広大なエンジンフードが露出している。「フライング・バットレス」という形式で、建築技法からのスタイル。メラクが極めて個性的なのはこの部分でしょう。

リアランプは丸や四角ではなく、いたって普通の形状です。どこかのサルーンから流用したものと言われても通りそうです。

フォルクスワーゲン・ゴルフ(1974年)

ジウジアーロの代表作として必ず名前が出るのが初代ゴルフ。

直線で構成され、グラスエリアを広く取りウエストラインも下げ、良好な視界を確保したそのデザインはまさに実用車のお手本ですね。それでいて安定感や重厚感もあるのは凄いことです。

立派なレインランネルやリアゲートのくぼみなど、悪天候時の視界確保や空力特性も考慮されています。この手のウンチクってベンツの独擅場かと思いきや、VWもなかなかやります。リアランプもシンプルで良い。まだこの時代はリアフォグランプが付きません。

ゴルフといえば太いCピラー。これは現行モデルまで連綿と続けられていますね。これってジウジアーロのアイデアなわけですが、「これだけは絶対に引き継いでくれ」みたいな話がおそらくあったのでしょう。「Cピラーこそゴルフでもっとも特徴的な部分」という発言もされています。

私はある機会で初代ゴルフの運転席に座ったことがあります。広い足元と極めて良好な視界に感心したことをいまも覚えています。これならすぐに慣れて自分の手足のように操れそうだなと。外から見たデザインの良さを、中からも感じることができたわけです。

BMW M1(1978年)

BMWのミッドエンジン・スポーツ。ランボルギーニと提携する形で開発され、設計はジャンパオロ・ダラーラ。デザインはジウジアーロ。

国を超えての提携。とはいえ苦境のランボルギーニを救済する意味合いが強かったわけですが、開発はうまくいっても肝心の生産ではトラブル続きだったとの話が残っています。

あくまでBMWらしく、しかもクリーンなデザインだと思います。

サイド両端に2つエンブレムを貼っているのはユーモラスです。リアのランプはE24・6シリーズからの流用ですかね。

いすゞ アッソ・ディ・フィオーリ(1979年)

117クーペの後継としていすゞが世に出した「ピアッツァ」、そのデザインベースとしてイタルデザイン・ジウジアーロが作成したのが、このアッソ・ディ・フィオーリ。

アッソ・ディ・フィオーリ「Asso di Fiori」とはクラブのエースのことだそうです。アッソ・ディ・ピッチェ(スペードのエース)、アッソ・ディ・クワドリ(ダイヤのエース)というコンセプトカーもあり、それぞれアウディとBMWがベース。

通常、デザインコンセプトがそのまま世に出るケースというのはまずないのですが(保安基準や生産性などがあるので当然ですね)、ピアッツァはほとんどこのままで生産されました。これはジウジアーロが凄いのかいすゞの技術者がすごいのか、いやその両方ですね…

とはいえ当時はドアミラーが国内で認可されておらず、初期型はフェンダーミラー装備でした。これについては「悪魔の角だ」とジウジアーロが激怒したとか、逆に「このフェンダーミラーもジウジアーロがデザインした」といすゞが言ったとか、なんか都市伝説みたいな話があります。いまとなっては、もはやどうでも良いことかもしれません。

直筆サインも!

ランチア デルタ HFターボ(1979年)

上記「アッソ・ディ・ピッチェ」にさらに進化の手を加えたのがこのデルタだそうです。水平基調でシンプルながらも上品さがあります。

日本国内でデルタといえば、いわずと知れたHFインテグラーレでしょうね。しかしベースモデルのこれもとてもいい。

個人的に私は角形ヘッドライトが好きなんですよね。このデルタも、四角いライトがランチアらしさを強調していると思います。

フィアット パンダ(1980年)

当時、苦境に陥っていたフィアットが起死回生とばかりに世に出した初代パンダ。当時、フィアットはデザイン上の要件をほとんど付けず、ジウジアーロは車体レイアウトまで含め自由にデザインできたそうです。

その結果、パンダは新しい「庶民の足」として大ヒットし、フィアットの立て直しに貢献しました。

パンダはそのシンプルを極めた外観だけでなく、内装も独創的なんですよね。後期にはポップに内装を飾ったモデルもありました。

DMC デロリアン(1981年)

そういえばデロリアンもジウジアーロデザインでしたね。GMの副社長が立ち上げたデロリアン・モーター・カンパニー(DMC)、その唯一の車。

基本メカニズムはロータスで、PRVエンジンをベースにし、ボディは無塗装ステンレス。ガルウィングドアを採用した極めて個性的な2シーター。生産は北アイルランド。アメ車だけどエンジンや生産地はヨーロッパ。イギリスには右ハンドルにコンバートされた個体もあるそうです。

しかしこの個性的すぎるクーペは商業的に成功せず、わずか2年足らずの生産で幕を閉じました。9000台に満たない数しか生産されず、DMCも消滅してしまいましたが、後年に映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でタイムマシンとしてデロリアンは復活したわけです。

イタルデザイン アズテック(1988年)

左右に完全に独立した2シーターで、乗員はインカムで会話する。いかにもぶっ飛んだこの車はイタルデザインの創業20年を記念したコンセプトモデル。しかしそれだけでは終わらせず、当時はこれを50台、日本で独占販売しようという計画がありました。ってこれを?マジで?

と、いまではそう思うしかないのですが、当時の日本はバブル景気。なんでもありでした。ただしバブル崩壊により、その計画は文字通り水泡に帰した。なんとか生産までは持っていけたものの、最終的にはわずか18台で終わったそうです。そしていまも日本には2台が現存し、うち1台は自走可能とのこと。これがその1台なのでしょうか。

エンジンはアウディの5気筒。パワーは?サイドに「250HP」と貼ってあります。その通りなら見た目の割りにずいぶん控えめですね。駆動系はデルタHFインテグラーレから流用した4輪駆動システム。そっちはアウディじゃないのか。非現実的なスタイリングですが、リアコンビネーションランプはアルファロメオ164からの流用ですね。この現実感あるワンポイントにほっとします。

それにしても、これを日本で独占販売とは。無粋かもしれませんが、いったいどこを走るのかと…夜の六本木でしょうか?なんかネオ東京とかじゃないとサマにならない気も…金田のバイクとセットで所有したらイイかも(?)

バンディーニ ドーラ(2020年)

この車は不遇です。「こんなのあったのか?」と思う人もいるでしょう。私も知りませんでした。

2020年のジュネーブショーで公開されるはずが、コロナ禍でそのショー自体中止。開催3日前、直前の中止決定というドタバタぶり。この、過去のブランドを使ったEVスポーツは、デビューの場を奪われオンライン公開のみということに。車は実際にその目で見ないとわからないのに…

充電ポートに「AC」とありますが、急速充電には対応していないのかな?それともこの手の車なら、自宅でゆっくり充電するのがデフォだということでしょうか。

「AUTOMOBIL COUNCILでパブリックデビューを果たす。事実上のワールドプレミアと言っていいだろう」と、誇らしげな説明がありました。なのですが、この車自体は端っこにポンと置かれていました。すごい車でもさりげなく展示してしまうところがこのショーの大きな魅力です。いやはや。

会場のジウジアーロ氏も、この10台の展示を当然目にしていて、とても嬉しそうにしていたそうです。


最初に「カーデザイナー」と書いてしまいましたが、氏は工業デザイナーというべき存在ですね。車だけでなくいろいろなものをデザインしています。

バスケットボールも?と思ってしまったのですが、ジウジアーロデザインのバスケットボールって普通に売られていて有名なんですね。まったく知りませんでした。しかもぜんぜん高くなくて驚きました。欲しくなってしまった…


←続きます。
Posted at 2025/09/20 03:00:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2025年01月11日 イイね!

謹賀新年

謹賀新年みなさま、新年おめでとうございます。

今年の初詣は千葉県香取市の香取神宮です。

東国三社の一社…って、以前から何度も書いていますね。鹿島神宮や息栖神社とともに毎年のようにお参りしている神社です。たまには別の神社仏閣で初詣しようかとも思ったのですが、慣れた場所でいいかなと。混雑を避けるため正月三が日ではなく5日にお参りしてきました。



最初に一の鳥居を。大通りを少し外れた土手沿いにあります。

江戸時代に建てられた常夜灯。明和6年(1769年)です。

そして与謝野晶子の歌碑も。ここはとても良いジョギングコースです。


香取神宮へ。三が日だと、よほど早く到着しない限りかなり離れた臨時駐車場に車を駐めることになりますが、この日は神宮隣りの常設駐車場を利用することができました。

香取神宮の由来を。

神話の世界に触れるのもたまにはいいものです。

香取神宮はとても広く、ただ散策するだけでも楽しい。

要石(かなめいし)。香取神宮の見どころのひとつですね。

以前にも書いていますが、鹿島神宮の要石と地中でつながっているという伝承があります。

奥宮(おくのみや)。旧参道を通り、本殿から少し離れたところにあります。祀られているのは経津主大神の荒御魂。

本殿、要石、奥宮と3種の御朱印をいただきました。

御朱印帳のためのしおりも付けていただいて嬉しいですね。


東国三社に行くと起きる良いことのひとつ。車の燃費が向上します(笑)
信号の少ない道を淡々と走るからで、こちら今回の復路の燃費です。なかなか良いのでは?

みなさま、今年一年もよろしくお願いいたします!
関連情報URL : https://katori-jingu.or.jp/
Posted at 2025/01/11 01:00:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 神社仏閣 | 日記
2024年12月30日 イイね!

キリ番ゲット!

キリ番ゲット!って、ちょっと古いですかねこのタイトルは。


一時間ほど前に帰宅しポロを車庫に入れオドメーターを見たら、ぴったり5万キロ。これはラッキーです。以前もこんなことがあった気がします。

今年一年、わたしのページを訪れていただいた方、いいね!を付けていただいた方、コメントいただいた方、ほんとうにありがとうございます。

今年もあとわずか。
皆様、楽しい年末をお過ごしください!
Posted at 2024/12/30 00:00:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | VW | クルマ
2024年12月15日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その4(日本車編)

オートモビルカウンシル2024 - その4(日本車編) 「オートモビルカウンシル」2024、日本車編です。

オートモビルカウンシルでは、懐かしい日本の旧車もたくさん展示されています。広い会場で、欧米のヘリテージカーと我らが日本車を並べて眺めてみる。これはとても意味のあることです。

日本車の個性や独自性、日本のメーカーが受けた海外からの影響、あるいはその逆。いろいろなことを感じ取り、考えることができます。

== トヨタ ==
スポーツ800(1969年)

三重の旧車ショップ「ヴィンテージ宮田自動車」にて。赤い後期型のトヨタスポーツ800。この車は去年展示されていたものと同じでしょう。フロントフェンダー前方の側面ウインカーが特徴的です。

エンジンはパブリカ用の水平対向2気筒をベースに、ツインキャブレター化し排気量もアップしたもの。高性能なDOHCエンジンを搭載したホンダのSシリーズと比べたら絶対的な性能は低い。にも関わらず、当時のレースシーンでは好成績を納めています。堅実なトヨタの手法がこの時代から顕著です。

それにしてもこの小ささ。特に車高がとても低い。1,175mmなので、今の一般的な車、たとえばBセグメントのコンパクトカーと比べたらだいたい30cmほどは低いということになります。車高1.1m弱の初代ロータス・ヨーロッパほどではないにせよ、この車で走ったらまさに地を這う感覚なのでしょう。ただ、ブレーキランプの視認性がちょっと心配かも。

トヨペット・クラウン 1900デラックス(1962年)

初代クラウン、後期型。各部のクローム装飾やエンブレム類が上級モデルであることを示しています。写真に取り損ねてしまったのですが、トラックリッドには「Overdrive」の文字が。ATのオーバードライブ機構を採用した初のトヨタ車です。って、オーバードライブって懐かしいですね。O/Dってスイッチがちょっと前までのトヨタ車には付いていました。

雰囲気いっぱいの点検ステッカー。ってこれ普通にいま運用していますね。それからレースのカーテン。

トヨペット・クラウン(1958年)

トヨタ自動車の出展です。「トヨタ クルマ文化研究所」と銘打った個性的なブースを展開していました。

初代クラウン。フロントウインドウが分割された最初期型ですね。先に「日本のメーカーが受けた海外からの影響」と書きましたがこのトヨペット・クラウンはまさにそうで、そのスタイリングはアメリカ車の影響大。シボレーを縮小した印象です。

2代目クラウンになると、今度はフォードの影響がとても強くなる。クラウンがそのデザインで完全に独自のものとなるのは3代目からだと私は思っています。

過去にアップした2代目クラウン↓場所は今はなきMEGAWEBです。



Bピラーにアポロウインカーが仕込まれていますね。アポロを採用した最初で最後のクラウン。

この車はトヨタ自身による徹底的なレストレーションが施されています。メーカー自身が自社の過去製品を復旧させる。これは車の保全だけでなく技術の継承も目的としているそうです。トヨタは最近になって、旧い車のパーツを復元(再販)したりと自動車文化の発展を意識した動きを見せています。素晴らしいことです。

AE86 BEVコンセプト

これはカローラ・レビンをベースにBEV化した1台。旧車を電動化するケースは最近増えていますが、この電動ハチロクは自動車メーカー自らの手によるものです。

ボディサイドに「藤原と○ふ店」ではなく「電気じどう車」と書いてありますね。

この内装、完全EVだとは思えません。電動車で峠を攻める時代が来るのでしょうか。

MR2 Gリミテッド スーパーチャージャー(1988年)

この綺麗に仕上げられた初代MR2、レンタカー向けに用意されたそうです。

「レンタカー?」と一瞬思ったのですが、旧車を所有するのはなかなか敷居が高い。それを少しでも低くするため、まずは借りて乗ってもらおうという狙いだそうです。「Vintage Club by KINTO」というサービスです。

極上中古車、いやほぼ新車と言ってよい素晴らしい仕上がりです。サイトを調べてみたのですが、初代セリカから初代セルシオまで、豊富なラインナップとなっています。トヨタというトップメーカーがこのような事業を手掛けるというのは大きな意味があります。なお、トヨタと関係の深い「新明工業」がこれらレストアやBEV化事業に関わっています。

クラウン2000(1970年)

墨田区のショップ「Wolf Racing」が展示していた、3代目クラウンのオープン仕様。

調べるとこの車は三井財閥系の会社が社用車としてオーダーしたものだそうです。ワンオフとのこと。大相撲の優勝パレード用のようだ…と思ったら本当にその使われ方もしたのだとか。

個人的に、この「白いクラウン」の端正なスタイルは好きですね。

== 日産 ==
シルビア Q's(1988年)

日産自動車公式ブースには1980年代後半から1990年代初頭の、3台の懐かしい車が並んでいました。爽やかなトーンで演出された清潔感のある展示でした。

懐かしいS13系シルビア。「ART FORCE SILVIA」という洒落たキャッチコピーも記憶に残っています。あの頃、日産の広告コピーって実に秀逸でしたね、「スポーツカーに乗りたいと思う」とか「きっと新しいビッグ・カーの時代が来る」とか。後者は音楽家グスタフ・マーラーの言葉を連想します。

この美しいシルビア、まさにアートフォースです。こんなにカッコ良かったっけ…
このデザインはモダンそのものですが、よく見ると初代シルビアをオマージュというか強く意識していますね。

フィガロ(1991年)

このベースが初代マーチだとはちょっと信じられません。

白い内装も贅沢。本革張りのフロントシートは分厚く、これは小型車の基準を越えている。ステッチまで入っています。

ただ、後席レッグスペースは皆無。事実上の荷物置き場です。シートベルトのアンカーが前後の席であり得ないほど近い。デザインと質感に振りきっています。

限定生産2万台ですが、いつの間にかイギリスで評判になっていてあちらに3000台くらい渡っているそうですね。

プリメーラ 2.0Tm Sセレクション(1995年)

90年代日産セダンを代表する名車、初代プリメーラ。この車は登場してすぐに注目を浴びましたね。ヨーロッパ車にも負けないボディ剛性と走行性能を持つ車として、自動車雑誌などでも高い評価を受けていました。日本車には厳しい評価をしがちだった当時の「カーグラフィック」誌が、この車に対しては極めて高い評価をしていました。

もっともユーザーからはその固い足回りに不評の声も出ていたようですが、フワフワが「良い乗り心地」とされがちだった当時の風潮に、日産はこの車で一石を投じたわけです。

展示車は後期型。ヘッドライト横、アンバーのウインカーが特徴的なフロント。ここ、前期型ではクリアでしたが、マイナーチェンジで色付きに。逆のパターンはたくさんありますが、これは珍しいと思います。

初代プリメーラの綺麗にまとまったスタイリングは、どこかオペルに通じるものを感じます。Wikipediaにあった初代ベクトラの写真ですが、近いものがありませんか?↓

エアロダイナミクスを重視した張りのあるボディが共通していると思います。

素晴らしい日本車です。今、こういった硬派な車はスバルがあとを引き継いでいるように思います。それにしても、この時代の日産は良かったですね。選択肢がたくさんありました。それにスタイリング。この時代こそ、日産デザインの黄金期だったのでは。

しかし今は…
おっとやめておきます。深刻な経営不振が伝えられますが、なんとか復活して欲しい。日産が過去の栄光を忘れていないことは確かでしょうから。

スカイライン GT-R(1972年)

こちらは「ヴィンテージ宮田自動車」で展示されていたハコスカGT-Rです。今回は2台、同じ1972年式の、シルバーとホワイトが。

スカイライン GT-R(1972年)

クリームに近い白。シルバーも良いですがハコスカにはこの色もとてもよく似合います。それにしても新車のようです。あと価格もすごい…ロールス・ロイスのカリナンと同じくらいですかね。

高性能なエンジンですが、こうして眺めると今の車と比べ構造がずっとシンプルです。

スカイライン 1500V(1972年)

「Wolf Racing」にもハコスカがありました。しかも、希少なバン。個人的に「ハコスカバン」を目にしたのは初めてです。当時の日本では「ステーションワゴン」という概念はなく、こういう車はあくまで商用バンだったそうですね。平日は仕事に使い、休日は私用に使う。このスカイラインのバンなら仕事もはかどり休日のドライブも楽しかったのでは。あ、でも「いい車使ってますねぇ」と客先でイヤミ言われたりして…

リアランプは赤一色。これはハコスカ共通ですね。

フェアレディZ-L(1975年)

「ヴィンテージ宮田自動車」に戻ります。Zもありました。

状態がまさに素晴らしい。デッドストックか?と思える綺麗さ。新車時からワンオーナーで、車検は一度も切らさず、しかも雨天時未使用だそうです。

エンジンルームを見せていただいた流れで、バッテリー格納のフタも開けていただけました。

セドリック 2ドアハードトップ 2000GX(1990年)

「ヴェイルサイド」で展示されていた230セドリックです。いわゆるレストモッド。ヴェイルサイドといえばいわずと知れた日本のトップチューナーで、派手なカスタムカーは映画「ワイルドスピード」に登場するほど。それがこのような車も手掛けるとは。東京オートサロン2024にも出展されています。

ヘッドカバーに「VeilSide」の刻印がありますね。

ボディカラーは「ミレニアムジェイド」、R35GT-R(Tスペック)のカラー。なぜヴェイルサイドが230セドリックをレストモッドしたかというと、代表の横幕氏の父親がかつて乗っていたからだそうです。

== ホンダ ==
こちらはホンダの公式ブースです。シビックを特集しています。
シビック RS(1975年)

初代シビック、まさにエポックメイキングな名車。アメリカでの厳しい排気ガス規制「マスキー法」をいち早くクリアした1台であることでも知られています。50年近く前の車ですが、すでに一線級の性能を持つ日本車が登場していたのです。

シビック (1987年 全日本ツーリングカー選手権仕様)

これはあくまでレプリカですが、当時のレースカーの雰囲気を感じるには充分です。

シビック RS プロトタイプ

こちらは現行シビックRSのプロトタイプ。ただ、真っ黒い塗装のためボディの陰影がよく分かりませんでした。改めて写真を見ても、手元のスマホで写真を撮っている悲しさではあるのですがどうしても黒く塗りつぶされてしまう。白かシルバーでこのボディを見てみたかったというのが正直なところです。

NSX タイプR プロトタイプ

アイルトン・セナ没後30周年にちなんだ主催者展示があったことは「イギリス車編」で書きましたが、このNSXもその1台です。セナは初代NSXの開発にも協力し、自身も赤いNSXを愛用しました。

元々軽量だったNSXをさらに軽量化したタイプR。これはプロトタイプモデルです。1992年に鈴鹿でプロトタイプに試乗したセナの逸話がプレートに書かれています。

リア。先進的でありながら大胆。アメリカンな印象もあります。これ、夜間の存在感が抜群なんですよね。しかもブレーキを踏めばリアウイングの横幅いっぱいに、LEDハイマウントストップランプが一文字に光る。

なお初代NSXについては、カーグラフィック誌が1991年の誌面で、輸入スポーツカーとの大規模な比較テストを実施していました。で、その結論が…
日本車は3日で飽きる。NSXはそれが3ヶ月に伸びたに過ぎない、と…
読んでいてさすがにヒドいことを書くものだと思いましたよ。

日本車に喝を入れたいという意図でしょうけれど(たぶん)、パワハラ上司もかくやという理不尽さだと思います。まぁ当時はそんな論調でも読者がついてきたのですけど。

== 三菱 ==
今年も三菱自動車がブースを構えていましたね。ラリーシーンで栄冠をつかんだ車を誇らしく展示していました。

アフリカを駆け抜けたギャラン。この6代目ギャランはとてもよく売れました。いま見てもマッシブでかっこいい。それでいて車高を先代より上げ、居住性も上げているのがうまい。

今年の3月に亡くなった篠塚建次郎氏が操った車です。

ランサーエボリューションⅥ(2001年 モンテカルロラリー優勝車)

モンテカルロラリー優勝車といえばモーリス・ミニを思い出したのですが、ランエボもその栄冠を勝ち取っていましたね。

三菱はなぜランエボを廃止したのか。今さらですがちょっと信じられません。モータースポーツを嫌い運転免許すら持たない人をトップにしてしまったからでしょうか。

パジェロ(2002年 ダカールラリー優勝車)

2002年のダカールラリーで総合優勝した車です。こうしてみると、特にラリーシーンでの三菱自動車の実績は相当なもの。実力のあるメーカーですよね。

パジェロ(1992年)

こちらは初代パジェロ。路上で見かけたのは何年前でしょうか。苦渋の決断であろうとはいえ、三菱がパジェロを廃止したのは悪手でした。本格クロカンSUVの需要はまだあるのに、三菱は一時代を築いた栄光のモデルをみすみす捨ててしまった。

とはいえ、復活のうわさも…というか、トライトンをベースに新型パジェロを開発中というのは確かなようですね。再来年あたりに登場とか。楽しみです。

トライトン スノーシュレッダー(2024年)

そしてそのトライトン。今年から日本市場にも導入されています。とても魅力的なピックアップトラック。

このカッコイイ名前のコンセプトモデル、このまま市販されても違和感がありません。三菱はこうでなきゃ!自動車メーカーの舵取りは自動車好きがやらなきゃダメです。当たり前の話です。

== スズキ ==
スズライト・キャリイ(2014年)

広島の「オーエイプロト」、自動車の板金試作から新幹線の内装まで手掛けるメーカーです。その会社がレストアしたスズライト・キャリイ。

スズキの車はこのショーで初だと思います。商用車はおしなべて酷使されたはず。よく今の時代まで残っていました…と、レストア前の状態をパネルで見たところ、やはりかなりダメージの入った状態でした。

== マツダ ==
マツダの公式ブースです。今回のテーマは「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」とのこと。
ICONIC SP(2023年)

「アイコニック・エスピー」、去年のジャパンモビリティショー2023に展示されたコンセプトカー。

実写は美しい、というか迫力があり思わず息を飲みます。この濃いめの赤がボディラインをうまく際立たせています。フェラーリ・ディーノがもし今もあったなら、こんな感じだったかも。

RX-EVOLV(1999年)

RX-エボルブ、こちらは1999年の東京モーターショーに展示されました。コンセプトカーですがRX-8の原型にもなっていますね。このRX-エボルブは完成度が高い。とはいえ、フロントはあくまでコンセプトカー然としていますかね。ヘッドライトはどこでしょうか。細長いランプはLEDでしょうか。一本ワイパーはベンツを思い出します。

フロントに比べリアはずっと現実的で、ランプのパーツなどちゃんと作り込まれています。

そして内装。しっかり作り込まれており、これはむしろプロトタイプっぽい。外観だけのドンガラコンセプトカーも多いのに、やはりマツダは真面目です。というか、マツダはよくこれを維持し保存している。おそらく手間もお金もかなり掛かるでしょうに…

RX500(1981年)

よく保存しているといえば、これもですね。ロータリーをミッドシップに積んだ幻のスーパーカー。以前これを目にしたけれど、それはいつだったか…と、2009年の東京モーターショーでした。当時の写真です↓

紆余曲折を経たものの修復されたそうです。

一時はロストテクノロジーになるかと思われたロータリーエンジン。発電用エンジンとしてではあるのですが、マツダは去年「MX-30」にロータリーを復活させました。やはりマツダにも意地があるのでしょう。

ロータリーの灯は決して消えていません。技術と個性を大切にするメーカーですからね。


以上、オートモビルカウンシル2024でした。

今回も充実した展示を楽しめたオートモビルカウンシル。総来場者は公式発表によると39,807人とのこと。マニアックな展示で、入場料も決して安くないのにこの実績は素晴らしいことです。そして次回は10年目。節目ということで、なにか特別なことはやってくれるかな?

来年2025年は、4月11日(金)から13日(日)の3日間を予定。今からとても楽しみです!
Posted at 2024/12/15 00:00:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ

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