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Coptic_Lightのブログ一覧

2025年01月11日 イイね!

謹賀新年

謹賀新年みなさま、新年おめでとうございます。

今年の初詣は千葉県香取市の香取神宮です。

東国三社の一社…って、以前から何度も書いていますね。鹿島神宮や息栖神社とともに毎年のようにお参りしている神社です。たまには別の神社仏閣で初詣しようかとも思ったのですが、慣れた場所でいいかなと。混雑を避けるため正月三が日ではなく5日にお参りしてきました。



最初に一の鳥居を。大通りを少し外れた土手沿いにあります。

江戸時代に建てられた常夜灯。明和6年(1769年)です。

そして与謝野晶子の歌碑も。ここはとても良いジョギングコースです。


香取神宮へ。三が日だと、よほど早く到着しない限りかなり離れた臨時駐車場に車を駐めることになりますが、この日は神宮隣りの常設駐車場を利用することができました。

香取神宮の由来を。

神話の世界に触れるのもたまにはいいものです。

香取神宮はとても広く、ただ散策するだけでも楽しい。

要石(かなめいし)。香取神宮の見どころのひとつですね。

以前にも書いていますが、鹿島神宮の要石と地中でつながっているという伝承があります。

奥宮(おくのみや)。旧参道を通り、本殿から少し離れたところにあります。祀られているのは経津主大神の荒御魂。

本殿、要石、奥宮と3種の御朱印をいただきました。

御朱印帳のためのしおりも付けていただいて嬉しいですね。


東国三社に行くと起きる良いことのひとつ。車の燃費が向上します(笑)
信号の少ない道を淡々と走るからで、こちら今回の復路の燃費です。なかなか良いのでは?

みなさま、今年一年もよろしくお願いいたします!
関連情報URL : https://katori-jingu.or.jp/
Posted at 2025/01/11 01:00:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | 神社仏閣 | 日記
2024年12月30日 イイね!

キリ番ゲット!

キリ番ゲット!って、ちょっと古いですかねこのタイトルは。


一時間ほど前に帰宅しポロを車庫に入れオドメーターを見たら、ぴったり5万キロ。これはラッキーです。以前もこんなことがあった気がします。

今年一年、わたしのページを訪れていただいた方、いいね!を付けていただいた方、コメントいただいた方、ほんとうにありがとうございます。

今年もあとわずか。
皆様、楽しい年末をお過ごしください!
Posted at 2024/12/30 00:00:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | VW | クルマ
2024年12月15日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その4(日本車編)

オートモビルカウンシル2024 - その4(日本車編) 「オートモビルカウンシル」2024、日本車編です。

オートモビルカウンシルでは、懐かしい日本の旧車もたくさん展示されています。広い会場で、欧米のヘリテージカーと我らが日本車を並べて眺めてみる。これはとても意味のあることです。

日本車の個性や独自性、日本のメーカーが受けた海外からの影響、あるいはその逆。いろいろなことを感じ取り、考えることができます。

== トヨタ ==
スポーツ800(1969年)

三重の旧車ショップ「ヴィンテージ宮田自動車」にて。赤い後期型のトヨタスポーツ800。この車は去年展示されていたものと同じでしょう。フロントフェンダー前方の側面ウインカーが特徴的です。

エンジンはパブリカ用の水平対向2気筒をベースに、ツインキャブレター化し排気量もアップしたもの。高性能なDOHCエンジンを搭載したホンダのSシリーズと比べたら絶対的な性能は低い。にも関わらず、当時のレースシーンでは好成績を納めています。堅実なトヨタの手法がこの時代から顕著です。

それにしてもこの小ささ。特に車高がとても低い。1,175mmなので、今の一般的な車、たとえばBセグメントのコンパクトカーと比べたらだいたい30cmほどは低いということになります。車高1.1m弱の初代ロータス・ヨーロッパほどではないにせよ、この車で走ったらまさに地を這う感覚なのでしょう。ただ、ブレーキランプの視認性がちょっと心配かも。

トヨペット・クラウン 1900デラックス(1962年)

初代クラウン、後期型。各部のクローム装飾やエンブレム類が上級モデルであることを示しています。写真に取り損ねてしまったのですが、トラックリッドには「Overdrive」の文字が。ATのオーバードライブ機構を採用した初のトヨタ車です。って、オーバードライブって懐かしいですね。O/Dってスイッチがちょっと前までのトヨタ車には付いていました。

雰囲気いっぱいの点検ステッカー。ってこれ普通にいま運用していますね。それからレースのカーテン。

トヨペット・クラウン(1958年)

トヨタ自動車の出展です。「トヨタ クルマ文化研究所」と銘打った個性的なブースを展開していました。

初代クラウン。フロントウインドウが分割された最初期型ですね。先に「日本のメーカーが受けた海外からの影響」と書きましたがこのトヨペット・クラウンはまさにそうで、そのスタイリングはアメリカ車の影響大。シボレーを縮小した印象です。

2代目クラウンになると、今度はフォードの影響がとても強くなる。クラウンがそのデザインで完全に独自のものとなるのは3代目からだと私は思っています。

過去にアップした2代目クラウン↓場所は今はなきMEGAWEBです。



Bピラーにアポロウインカーが仕込まれていますね。アポロを採用した最初で最後のクラウン。

この車はトヨタ自身による徹底的なレストレーションが施されています。メーカー自身が自社の過去製品を復旧させる。これは車の保全だけでなく技術の継承も目的としているそうです。トヨタは最近になって、旧い車のパーツを復元(再販)したりと自動車文化の発展を意識した動きを見せています。素晴らしいことです。

AE86 BEVコンセプト

これはカローラ・レビンをベースにBEV化した1台。旧車を電動化するケースは最近増えていますが、この電動ハチロクは自動車メーカー自らの手によるものです。

ボディサイドに「藤原と○ふ店」ではなく「電気じどう車」と書いてありますね。

この内装、完全EVだとは思えません。電動車で峠を攻める時代が来るのでしょうか。

MR2 Gリミテッド スーパーチャージャー(1988年)

この綺麗に仕上げられた初代MR2、レンタカー向けに用意されたそうです。

「レンタカー?」と一瞬思ったのですが、旧車を所有するのはなかなか敷居が高い。それを少しでも低くするため、まずは借りて乗ってもらおうという狙いだそうです。「Vintage Club by KINTO」というサービスです。

極上中古車、いやほぼ新車と言ってよい素晴らしい仕上がりです。サイトを調べてみたのですが、初代セリカから初代セルシオまで、豊富なラインナップとなっています。トヨタというトップメーカーがこのような事業を手掛けるというのは大きな意味があります。なお、トヨタと関係の深い「新明工業」がこれらレストアやBEV化事業に関わっています。

クラウン2000(1970年)

墨田区のショップ「Wolf Racing」が展示していた、3代目クラウンのオープン仕様。

調べるとこの車は三井財閥系の会社が社用車としてオーダーしたものだそうです。ワンオフとのこと。大相撲の優勝パレード用のようだ…と思ったら本当にその使われ方もしたのだとか。

個人的に、この「白いクラウン」の端正なスタイルは好きですね。

== 日産 ==
シルビア Q's(1988年)

日産自動車公式ブースには1980年代後半から1990年代初頭の、3台の懐かしい車が並んでいました。爽やかなトーンで演出された清潔感のある展示でした。

懐かしいS13系シルビア。「ART FORCE SILVIA」という洒落たキャッチコピーも記憶に残っています。あの頃、日産の広告コピーって実に秀逸でしたね、「スポーツカーに乗りたいと思う」とか「きっと新しいビッグ・カーの時代が来る」とか。後者は音楽家グスタフ・マーラーの言葉を連想します。

この美しいシルビア、まさにアートフォースです。こんなにカッコ良かったっけ…
このデザインはモダンそのものですが、よく見ると初代シルビアをオマージュというか強く意識していますね。

フィガロ(1991年)

このベースが初代マーチだとはちょっと信じられません。

白い内装も贅沢。本革張りのフロントシートは分厚く、これは小型車の基準を越えている。ステッチまで入っています。

ただ、後席レッグスペースは皆無。事実上の荷物置き場です。シートベルトのアンカーが前後の席であり得ないほど近い。デザインと質感に振りきっています。

限定生産2万台ですが、いつの間にかイギリスで評判になっていてあちらに3000台くらい渡っているそうですね。

プリメーラ 2.0Tm Sセレクション(1995年)

90年代日産セダンを代表する名車、初代プリメーラ。この車は登場してすぐに注目を浴びましたね。ヨーロッパ車にも負けないボディ剛性と走行性能を持つ車として、自動車雑誌などでも高い評価を受けていました。日本車には厳しい評価をしがちだった当時の「カーグラフィック」誌が、この車に対しては極めて高い評価をしていました。

もっともユーザーからはその固い足回りに不評の声も出ていたようですが、フワフワが「良い乗り心地」とされがちだった当時の風潮に、日産はこの車で一石を投じたわけです。

展示車は後期型。ヘッドライト横、アンバーのウインカーが特徴的なフロント。ここ、前期型ではクリアでしたが、マイナーチェンジで色付きに。逆のパターンはたくさんありますが、これは珍しいと思います。

初代プリメーラの綺麗にまとまったスタイリングは、どこかオペルに通じるものを感じます。Wikipediaにあった初代ベクトラの写真ですが、近いものがありませんか?↓

エアロダイナミクスを重視した張りのあるボディが共通していると思います。

素晴らしい日本車です。今、こういった硬派な車はスバルがあとを引き継いでいるように思います。それにしても、この時代の日産は良かったですね。選択肢がたくさんありました。それにスタイリング。この時代こそ、日産デザインの黄金期だったのでは。

しかし今は…
おっとやめておきます。深刻な経営不振が伝えられますが、なんとか復活して欲しい。日産が過去の栄光を忘れていないことは確かでしょうから。

スカイライン GT-R(1972年)

こちらは「ヴィンテージ宮田自動車」で展示されていたハコスカGT-Rです。今回は2台、同じ1972年式の、シルバーとホワイトが。

スカイライン GT-R(1972年)

クリームに近い白。シルバーも良いですがハコスカにはこの色もとてもよく似合います。それにしても新車のようです。あと価格もすごい…ロールス・ロイスのカリナンと同じくらいですかね。

高性能なエンジンですが、こうして眺めると今の車と比べ構造がずっとシンプルです。

スカイライン 1500V(1972年)

「Wolf Racing」にもハコスカがありました。しかも、希少なバン。個人的に「ハコスカバン」を目にしたのは初めてです。当時の日本では「ステーションワゴン」という概念はなく、こういう車はあくまで商用バンだったそうですね。平日は仕事に使い、休日は私用に使う。このスカイラインのバンなら仕事もはかどり休日のドライブも楽しかったのでは。あ、でも「いい車使ってますねぇ」と客先でイヤミ言われたりして…

リアランプは赤一色。これはハコスカ共通ですね。

フェアレディZ-L(1975年)

「ヴィンテージ宮田自動車」に戻ります。Zもありました。

状態がまさに素晴らしい。デッドストックか?と思える綺麗さ。新車時からワンオーナーで、車検は一度も切らさず、しかも雨天時未使用だそうです。

エンジンルームを見せていただいた流れで、バッテリー格納のフタも開けていただけました。

セドリック 2ドアハードトップ 2000GX(1990年)

「ヴェイルサイド」で展示されていた230セドリックです。いわゆるレストモッド。ヴェイルサイドといえばいわずと知れた日本のトップチューナーで、派手なカスタムカーは映画「ワイルドスピード」に登場するほど。それがこのような車も手掛けるとは。東京オートサロン2024にも出展されています。

ヘッドカバーに「VeilSide」の刻印がありますね。

ボディカラーは「ミレニアムジェイド」、R35GT-R(Tスペック)のカラー。なぜヴェイルサイドが230セドリックをレストモッドしたかというと、代表の横幕氏の父親がかつて乗っていたからだそうです。

== ホンダ ==
こちらはホンダの公式ブースです。シビックを特集しています。
シビック RS(1975年)

初代シビック、まさにエポックメイキングな名車。アメリカでの厳しい排気ガス規制「マスキー法」をいち早くクリアした1台であることでも知られています。50年近く前の車ですが、すでに一線級の性能を持つ日本車が登場していたのです。

シビック (1987年 全日本ツーリングカー選手権仕様)

これはあくまでレプリカですが、当時のレースカーの雰囲気を感じるには充分です。

シビック RS プロトタイプ

こちらは現行シビックRSのプロトタイプ。ただ、真っ黒い塗装のためボディの陰影がよく分かりませんでした。改めて写真を見ても、手元のスマホで写真を撮っている悲しさではあるのですがどうしても黒く塗りつぶされてしまう。白かシルバーでこのボディを見てみたかったというのが正直なところです。

NSX タイプR プロトタイプ

アイルトン・セナ没後30周年にちなんだ主催者展示があったことは「イギリス車編」で書きましたが、このNSXもその1台です。セナは初代NSXの開発にも協力し、自身も赤いNSXを愛用しました。

元々軽量だったNSXをさらに軽量化したタイプR。これはプロトタイプモデルです。1992年に鈴鹿でプロトタイプに試乗したセナの逸話がプレートに書かれています。

リア。先進的でありながら大胆。アメリカンな印象もあります。これ、夜間の存在感が抜群なんですよね。しかもブレーキを踏めばリアウイングの横幅いっぱいに、LEDハイマウントストップランプが一文字に光る。

なお初代NSXについては、カーグラフィック誌が1991年の誌面で、輸入スポーツカーとの大規模な比較テストを実施していました。で、その結論が…
日本車は3日で飽きる。NSXはそれが3ヶ月に伸びたに過ぎない、と…
読んでいてさすがにヒドいことを書くものだと思いましたよ。

日本車に喝を入れたいという意図でしょうけれど(たぶん)、パワハラ上司もかくやという理不尽さだと思います。まぁ当時はそんな論調でも読者がついてきたのですけど。

== 三菱 ==
今年も三菱自動車がブースを構えていましたね。ラリーシーンで栄冠をつかんだ車を誇らしく展示していました。

アフリカを駆け抜けたギャラン。この6代目ギャランはとてもよく売れました。いま見てもマッシブでかっこいい。それでいて車高を先代より上げ、居住性も上げているのがうまい。

今年の3月に亡くなった篠塚建次郎氏が操った車です。

ランサーエボリューションⅥ(2001年 モンテカルロラリー優勝車)

モンテカルロラリー優勝車といえばモーリス・ミニを思い出したのですが、ランエボもその栄冠を勝ち取っていましたね。

三菱はなぜランエボを廃止したのか。今さらですがちょっと信じられません。モータースポーツを嫌い運転免許すら持たない人をトップにしてしまったからでしょうか。

パジェロ(2002年 ダカールラリー優勝車)

2002年のダカールラリーで総合優勝した車です。こうしてみると、特にラリーシーンでの三菱自動車の実績は相当なもの。実力のあるメーカーですよね。

パジェロ(1992年)

こちらは初代パジェロ。路上で見かけたのは何年前でしょうか。苦渋の決断であろうとはいえ、三菱がパジェロを廃止したのは悪手でした。本格クロカンSUVの需要はまだあるのに、三菱は一時代を築いた栄光のモデルをみすみす捨ててしまった。

とはいえ、復活のうわさも…というか、トライトンをベースに新型パジェロを開発中というのは確かなようですね。再来年あたりに登場とか。楽しみです。

トライトン スノーシュレッダー(2024年)

そしてそのトライトン。今年から日本市場にも導入されています。とても魅力的なピックアップトラック。

このカッコイイ名前のコンセプトモデル、このまま市販されても違和感がありません。三菱はこうでなきゃ!自動車メーカーの舵取りは自動車好きがやらなきゃダメです。当たり前の話です。

== スズキ ==
スズライト・キャリイ(2014年)

広島の「オーエイプロト」、自動車の板金試作から新幹線の内装まで手掛けるメーカーです。その会社がレストアしたスズライト・キャリイ。

スズキの車はこのショーで初だと思います。商用車はおしなべて酷使されたはず。よく今の時代まで残っていました…と、レストア前の状態をパネルで見たところ、やはりかなりダメージの入った状態でした。

== マツダ ==
マツダの公式ブースです。今回のテーマは「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」とのこと。
ICONIC SP(2023年)

「アイコニック・エスピー」、去年のジャパンモビリティショー2023に展示されたコンセプトカー。

実写は美しい、というか迫力があり思わず息を飲みます。この濃いめの赤がボディラインをうまく際立たせています。フェラーリ・ディーノがもし今もあったなら、こんな感じだったかも。

RX-EVOLV(1999年)

RX-エボルブ、こちらは1999年の東京モーターショーに展示されました。コンセプトカーですがRX-8の原型にもなっていますね。このRX-エボルブは完成度が高い。とはいえ、フロントはあくまでコンセプトカー然としていますかね。ヘッドライトはどこでしょうか。細長いランプはLEDでしょうか。一本ワイパーはベンツを思い出します。

フロントに比べリアはずっと現実的で、ランプのパーツなどちゃんと作り込まれています。

そして内装。しっかり作り込まれており、これはむしろプロトタイプっぽい。外観だけのドンガラコンセプトカーも多いのに、やはりマツダは真面目です。というか、マツダはよくこれを維持し保存している。おそらく手間もお金もかなり掛かるでしょうに…

RX500(1981年)

よく保存しているといえば、これもですね。ロータリーをミッドシップに積んだ幻のスーパーカー。以前これを目にしたけれど、それはいつだったか…と、2009年の東京モーターショーでした。当時の写真です↓

紆余曲折を経たものの修復されたそうです。

一時はロストテクノロジーになるかと思われたロータリーエンジン。発電用エンジンとしてではあるのですが、マツダは去年「MX-30」にロータリーを復活させました。やはりマツダにも意地があるのでしょう。

ロータリーの灯は決して消えていません。技術と個性を大切にするメーカーですからね。


以上、オートモビルカウンシル2024でした。

今回も充実した展示を楽しめたオートモビルカウンシル。総来場者は公式発表によると39,807人とのこと。マニアックな展示で、入場料も決して安くないのにこの実績は素晴らしいことです。そして次回は10年目。節目ということで、なにか特別なことはやってくれるかな?

来年2025年は、4月11日(金)から13日(日)の3日間を予定。今からとても楽しみです!
Posted at 2024/12/15 00:00:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2024年11月30日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その3(伊仏米西中車編)

オートモビルカウンシル2024 - その3(伊仏米西中車編)「オートモビルカウンシル」2024、イタリア車とフランス車、アメリカ車にスペイン車などです。

3月に亡くなったマルチェロ・ガンディーニ氏への追悼として「In Memory of Marcello Gandini」と銘打った特別展示がありました。当初はピニンファリーナをテーマにした展示が計画されていたのですが、急遽変更。その対応の早さにも驚かされます。

また、アメリカ車の展示が増えていました。5台ずらりと並べた特別展示がありましたね。

まずイタリア車から。

== フェラーリ ==
365 GT4 BB(1974年)

「RENDEZ-VOUS」にて展示のフェラーリBB。右ハンドルです。当時の日本で右ハンドル仕様をオーダーした人がいたのか?と思ったのですが、さにあらず。この車は元々イギリス向けです。

イギリスに存在した「Ferrari U.K. Maranello Concessionaires Ltd」。フェラーリを駆り1958年のF1世界チャンピオンを獲得したマイク・ホーソーンが、エンツォ・フェラーリから直々にイギリスでのフェラーリ販売の許可を得て設立した由緒正しいディーラー。この車は最初にそこで販売されたとのことです。

人に歴史あり、車にも歴史あり。

365 GT4 BB(1975年)

こちらにも365BBが。「WANNA DRIVE」での展示です。

同じく右ハンドル。調べたところ、365BBの総生産台数は387台で、うち右ハンドルは58台とのこと。希少ですね。

この車も、ずっと日本国内にいてほしい。

テスタロッサ(1989年)

「ガレージイガラシ」にて展示のテスタロッサ。今となっては、どことなく華奢な印象すら受けます。

広いけれども狭いエンジンルーム。車名の由来である赤いエンジンヘッド。

内装。贅沢ですね。豪華なGTカーとしての要素はテスタロッサから強められたと思います。

ディーノ 308gt4(1974年)

最初に書きましたガンディーニ追悼特別展示から。名車ディーノ246の後継ですが、2+2とされたのが興味深い。

「gt4」は小文字が正しいようですね。フェラーリといえばピニンファリーナで、ガンディーニ率いるベルトーネのフェラーリは珍しい。

この直線的でコンパクトなシルエットには独特の魅力があります。

== ランボルギーニ ==
ミウラ P400(1968年)

ミウラです。言わずと知れたガンディーニデザイン。1966年にランボルギーニはこれを世に出しており、その先進性に改めて驚きます。キューブリックの名作「2001年宇宙の旅」が1968年なので、それと同じくらいに先進的です(?)

リアですが、バンパーに見える部分って、これはエアアウトレットなんですね。今まで気がつきませんでした…

エスパーダ シリーズ2(1970年)

こちらもガンディーニ。設計はジャンパオロ・ダラーラ。この組み合わせはミウラと同様ですね。

V12を、ミウラとは逆にフロントに積む。最速の4座GTカーとして生み出された車。

リアガラスは上下2分割式。

カウンタック LP400(1975年)

カウンタック、ガンディーニの代表作ですね。もはやコメント不要だと思います。

デザインで言えば、カウンタックの影響は現在のランボルギーニにも脈々と引き継がれています。これはすごいことです。

カウンタック LP400S(1976年)

こちらはエアロパーツが装備されたLP400Sです。受ける印象がだいぶ違います。「ガレージ伊太利屋」での展示。

改めて調べてみて、あれ?と思ったのは年式。LP400Sは1978年からのはずです。LP400を「LP400S化」したということでしょうか。

イスレロ(1968年)

ランボルギーニ初期のモデルですね。350GTや400GTの流れをくみ、それら同様にエレガントで高級感を感じます。今のランボのイメージとはだいぶ違います。「イタリア版アストンマーティン」という印象すら。

ミウラやカウンタックで一気に路線変更したということになるのでしょうか。そしてそれは大成功しました。

== マセラティ ==
セブリング シリーズ2(1966年)

「3500GT」の後継モデル。名称はセブリング12時間レースでの勝利から。ジョヴァンニ・ミケロッティによる美しいスタイルです。

トランクリッドの開口部が下端まで下りているのは、この年代としては珍しいと思います。

クアトロポルテ 2.8エヴォルツィオーネ(1998年)

マセラティ・ジャパンにて展示の4代目クワトロポルテ。個人的に、私は歴代マセラティのなかでこれが最も好きです。この車もマルチェロ・ガンディーニ作ですね。上品なのに精悍、コンパクトなのにグラマラス。前傾姿勢そのもののシルエット。カウンタックを思わせるリアホイールアーチなど、さすがはガンディーニ。

ぜいたくな内装。思わず見入ってしまいます。

リアも最高。ハイデッキなのにぜんぜん野暮に見えないのはなぜだろう。高く配置されたシンプルなリアコンビネーションランプ。カッコイイ。それにしても大きなバックランプとリアフォグです。

グランカブリオ・フェンディ(2013年)

マセラティとフェンディのコラボ。よくある特別仕様車かと思ったのですが、世界限定50台で日本向けには2台のみです。

このボディカラーも特別。地味なグレーに見えますが金色の粒子というかフレーク処理がされています。よく見ると派手です。

「コレツィオーネ」での出品です。なお、展示初日にして既に売れていました。

== ランチア ==
ストラトス HF ストラダーレ(1975年)

この車はカウンタックと同じ時期に世に出たんですよね。直線を極めたカウンタックに対しこっちは丸い。ガンディーニはまさに天才。

特徴的なオーバーフェンダーやウインドウの形状など、どこかユーモラスでもあります。

== アルファロメオ ==
モントリオール(1970年)

「VISCO」にて展示の白いモントリオール。V8を積むイタリアンGT。この車名はプロトタイプが1967年のモントリオール万博に出品されたからだとか。そんな理由なの?

モントリオールには排気ガス規制のからみで北米仕様が用意されなかった。その車名にも関わらずカナダでは売られなかったわけです。

ですが、この車はイタリアで販売されたあとアメリカに渡り、10万ドル以上の費用をかけレストアされたとのこと。この展示会ではそういうすごいエピソードを持つ車がたくさんあります。

モントリオール(1971年)

こちらは「AUTO ALPHA ONE」の黄色いモントリオール。しかし、このボディはコストというか生産性など考慮しないぞという感じです。総生産台数も4000台に満たず、これは当時のアルファロメオとしても格段に少ない。

ここからの眺めなど、まるでコンセプトカーのよう。

ジュリア スプリント GTV(1967年)

そして隣にはジュリアが。

リアはとても端正。シンプルでもあり、モントリオールとは対照的です。

GTサルーンのお手本のようなコクピット。当時の日本では、多くのドライバーがここに座ることを夢見たのだろうと思います。

次はフランス車。今回、フランス車がとても少なかった…

== アルピーヌ ==
A110 1300S(1969年)

老舗「ジロン自動車」での展示です。スパルタンな軽量スポーツカーであるアルピーヌA110ですが、そのスタイルには愛嬌があります。個人的にフロントバンパーのオーバーライダーがおもしろいなと。

リアに積まれた小さなエンジン。これと軽いボディの組み合わせで当時のラリー界のトップを押さえたわけです。

== シトロエン ==
2CV 6スペシャル(1987年)

所沢のヘリテージカー専門店「DUPRO」。そこにさりげなく置かれた2CV。

1987年というとモデル末期ですね。当時は「チャールストン」という2トーンの綺麗で豪華なモデルも導入されていたことを覚えています。2CVといえば素朴な仕様のほうが「らしい」のでしょうが、私はどちらも好きですね。

== プジョー ==
406(2004年)

常連「原工房」、今回も美しい406クーペが展示されていました。

チラッと見えるブラウンの革シートが魅力的です。

2台のメタリックブルー、去年も出ていた?と思いましたが、前回展示されていた車は左ハンドルの2002年式でした。

細かいところですがサイドモールとつながるよう配置されたサイドウインカー。これがとてもいい。なぜかこの手法を取り入れるメーカーがあまりなかったように思います。なおこのボディカラーの名称は「ハイペリン・ブルー」だそうです。

次はアメリカ車です。今回、アメ車の展示が増えています。今まであまり見慣れていないというのもありますが、とても新鮮で魅力的です。

== AMC ==
イーグル・ワゴン(1983年)

かつて存在したAMC(アメリカン・モーターカンパニー)。ビッグスリーとはまた違う、個性的なモデルがありました。ピクサーの映画「カーズ2」に登場したグレムリンやペーサーもAMCの車です。

このイーグル・ワゴン、「クロスオーバーSUV」の先駆車ですね。見た目だけでなく車高もガッツリ上げられていて、悪路走破性は相当なのでは。その割に大型高級車的でもあり、ボンネットマスコットもついているのがおもしろい。このスタイルでセダンもありました。

ワゴンボディですがリアゲートがクーペ風に寝かされているのも、1980年代という時代を考えたら相当進んでいます。アウディが3代目100(C3系)でリアゲートを寝かせたワゴンを登場させましたが、それより前です。

ジープ J-10(1977年)

現在ではクライスラー、というかステランティス傘下のブランド「JEEP」。クライスラー以前はAMC傘下でした。軍用ジープから連綿と続く縦線のフロントグリルがいいですね。当時、フルサイズの4輪駆動ピックアップはアメリカでも珍しく、この車は幅広い人気を得たそうです。

悪路走破性はいかにも良さそうですが、決して無骨一辺倒ではなく乗用車的でもあります。ボディサイドを貫くクロームのラインなど、ちょっと豪華な印象です。

== GM ==
シボレー・コルベット(1963年)

2代目コルベット。この美しいデザインは当時の欧州勢の向こうを張ります。

しかもこの1台は1963年式のみの「スプリットウインドウ」モデルです。2019年にも「AUTO ROMAN」で赤いスプリットウインドウが展示されていました。

ワイパーは対向式。そういえばコルベットって4代目モデルまでずっとこの形式のワイパーでした。それはそうと助手席側が上に配置されています。飛沫がドライバーの目前に飛ぶのでは?

シボレー・カマロ RS(2023年)

初代カマロ。個人的にカマロの初代はあまり印象になく「こんな形だっけ?」という感じなのですが(失礼)、ヒドゥンヘッドライトを採用した面構え、それから古典的な3ボックススタイルなどとても魅力的です。

個人的にカマロって大きなリアゲートを持つクーペというイメージなのですが、初代は立派なトランクを持ちますね。というかリアゲート付きのカマロって歴代の中で3代目と4代目だけですよね?私のイメージって不正確ですねぇ…

== クライスラー ==
ダッジ・チャレンジャー R/T 440+6 コンバーチブル(1970年)

チャレンジャーは日本国内でも、この初代モデルを強くイメージしたデザインの3代目に人気がありますね。並行輸入しかないにもかかわらず時々見かけます。そういや2代目ってどんなだっけ…と調べたら三菱ギャラン・ラムダのOEMだったんですね。

この車、会場で見たときはてっきりレザートップのクーペだと思っていました。実際は車名の通りコンバーチブル。この幌、とても頑丈に見えませんか?

== パッカード ==
スーパーエイト リムジン(1935年)

「DUPRO」での展示。この綺麗なマルーンのボディ、映画「ラストエンペラー」に登場した愛新覚羅溥儀専用車を思い出します。あちらはキャデラックですが。

運転席を見て驚いたのは、シートバックが直角であること。これは運転手にとって過酷な労働環境だったのでは。場合によっては数時間の運転をすることもあったはず。

この時代のサルーンやリムジンは皆そうだと思いますが、後部座席が後輪の車軸の真上にある。実際のところ、乗り心地はどうなのでしょうか。

ボンネットの先端を飾る特徴的なマスコット。スピードの女神「Goddess of Speed」。どことなくユーモラスです。

次はスペインの車。

== HURTAN ==
グランドアルバイシン・ビスポーク(2024年)
前回も展示されていたHURTAN(フータン)。出展は日本代理店「HURTAN JAPAN」。

現行マツダ・ロードスター(ND系)をベースに外装は1930年代風に、内装は豪華に仕上げています。前回はダークブルーメタのオープンモデル「ヘリテージ」でしたが、これは「RF」がベースですね。ベースよりかなり大型化されていますが、車重は変わらないそうです。

それはそうと「フータン」という公式のカナ表記は本国オリジナル的に正しいのでしょうか?Youtubeでは「ウルタン」って発音していましたよ。フータンだと、なんだか中華料理みたいで…

内装はとてもぜいたくです。造形自体はNDロードスターそのものですが、印象はかなり違います。

どうしてもアップで撮りたかったリアコンビランプ。見覚えがないのですが、どの車からの流用でしょうか。それとも汎用品かな?いずれにせよカッコイイ。この車、いったん見慣れるとかなりイイですよ。

最後に中国車。

== BYD ==
ATTO 3(2024年)

去年の展示車ではリアに大きく「BUILD YOUR DREAMS」と貼られていましたが、今は「BYD」に変更されたようですね。去年↓


SEAL(2024年)

今回のBYDは2台ともに真っ黒なボディ。ブース自体が黒基調のため、正直あまり映えていませんでした。ここでメタリック強めのシルバーだったら綺麗に映えたと思うのですが。

内装も赤だったらベントレーみたいだったりして。んなことないか。

BYDはこの車でテスラあたりの市場に食い込もうとしているのでしょう。ただ現状、BYDの日本での売れ行きはどうなのでしょうね。私もテスラは結構見かけますが、BYDを路上で見たのは一度だけです。

←次回はラスト。日本車編を。
Posted at 2024/11/30 00:00:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2024年10月08日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その2(イギリス車編)

オートモビルカウンシル2024 - その2(イギリス車編) 「オートモビルカウンシル」2023、イギリス車です。

前回欠席だったマクラーレン・オートモーティブジャパンは残念なことに今回も不参加。その代わりではありませんが、今年は超マニアックなブランド「ブリストル」が展示されていました。

そういえばマクラーレン。往年のF1マシン、マクラーレン・ホンダMP4/5BとMP4/6が展示されていました。これって半分は日本車枠?まぁいいですよね。ロータスのマシンもありましたのでまとめてアップします。

== マクラーレン ==
マクラーレン・ホンダMP4/5B(1990年)

今回、主催者展示としてアイルトン・セナ没後30年にちなみ3台のF1マシンが並べられていました。

マルボロカラーの、セナが乗ったマシンです。私はF1にまったく詳しくなく何も書けません。でもこのカラーリングは良く覚えています。

私があれこれ書くより、こちらの解説を。

マクラーレン・ホンダMP4/6(1991年)

翌年のマシンですね。

解説はこちら。斜めっていてすみません。V10のMP4/5Bに対しこちらはV12エンジン搭載。外見はまるで見かけがつかないのですが(私が)、エンジンはまったく違うわけですね。

いまや乗用車と同様にF1でもダウンサイジングが進み、1.6リッターのV6ですか。バブル時代の三菱にそういうエンジンありましたよね(?)

== ロータス ==
JPSロータス 97T ルノー(1985年)

セナに初優勝をもたらしたマシンだと説明にあります。

その説明です。1985年なんですね。セナのF1パイロットとしてのキャリアは、その後わずか9年で絶たれるわけですか。つくづくあの事故は悲劇だったと思います。

これを書いていて気がつきましたが、エイボン(AVON)ってイギリスのタイヤブランドですよね?ロールス・ロイスの純正タイヤに採用されていたと記憶していますが、F1マシンにも供給していたんですね。


セナがもしいまも生きていたら、引退後はF1界の重鎮として活躍していたでしょうか?それともF1ビジネスから早々に足を洗いまったく別のことをしていたでしょうか。案外YouTubeを舞台に車レビューなど自由に発信していたかも…

日本におけるF1ブームも、アイルトン・セナの死とともに終わりを告げます。

エスプリ S1(1971年)

ちょっと強引ですがF1マシンから一般向けの車に移ります。「AC MINDS」で展示されていたエスプリS1です。

ヨーロッパの後継として誕生したエスプリ。ジウジアーロデザインの代表作であり傑作ですね。28年という長寿モデルだったエスプリですが、豪華なGTカーという感じの後期型と比べ初期型はシンプルです。

AC MINDSでは、2021年にもエスプリS1(1978年式)を展示していました↓

同じ右ハンドルです。右のエスプリS1、いまやとても貴重だそうです。

フォード・コンサル コ-ティナ ロータスMk1 Sr1(1963年)

ロータス・コーティナはこの展示会で以前から何度も展示されていますが、ここで紹介したことは一度だけ。なぜだ?

英国フォードのごく普通のファミリーセダンの心臓を、ロータス製に置き換えたスポーツセダン。ロータス製DOHCエンジンは1.6Lで106馬力。標準モデルの倍近いパワーです。そして車重は1トンを切る。

テールフィン風というか、ちょっとつまんだ感じのリア。BMWの2002によく似た丸ランプ。当時のトレンドでしょう。この車は「羊の皮をかぶった狼」の先駆車かと。同時代の日本車にも大いに影響を与えたに違いありません。

== ベッドフォード ==
CA ドーモビル(1961年)

いきなりのキャンピングカー。「RANGERS / CCJ」ブースです。イギリスの商用車ベッドフォード。前回もここで1968年式ベースのキャンピングカー仕様が展示されていました。

改めて見るとすごいデザインです。突き出た鼻先がちょっとしたテーブル状態。イギリスの昔の商用車って個性的ですよね。

個性的な外観に対し、中はシンプルで普通に使いやすそう。ステアリングはそれほど寝ておらず、割と乗用車的に見えます。

こういう車で日本全国を回り、車中泊をするなんて人もいるのでしょうね。うらやましい!

== MG ==
マグネット ZB(1958年)

「ヴィンテージ宮田自動車」での展示です。ここのショップは守備範囲が広いですね。「超希少車、アポロ実働」と書いてありました。Bピラーにアポロウインカーが仕込まれています。

モーリス・ガレージの小型サルーンであり高級車ではないはずですが、ダッシュボード一面は木目張り。まるでジャガーサルーンのようです。

イギリス車に力があった頃の車。この時代は日産自動車が同クラスのオースティン・ケンブリッジをノックダウン生産し技術を吸収していました。

そんなMGもいまや中国企業の傘下になり新興国向けブランドとして使われており、かつての面影はありません。

== ジャガー ==
Mark Ⅰ 3.8(1965年)

「ワラシナカーズ」にて。この時代のジャガーサルーンといえば「マークⅡ」が有名だと思います。その前モデルに当たるのがこの「マークワン」。なおこの呼び方はモデル現役当時にはなく、マークⅡが登場してから逆算する形で付けられています。

マークⅡと違い、プレスドアを採用しています。この時代ならではの大きなバンパー。もう少し小さい方がいいかも…

この車は北米仕様左ハンドル。ダッシュボードのエンジンキー位置を見てください。ずいぶん遠い位置にあり、なんとこれは右ハンドル仕様のままなのだそうです。ボンネットリリースのレバーも右に残ったままで、ちょっと驚きましたね。

黒いボディにブラックレザーのシート。とても渋い。こういうのもいいですね!

ジャガー・カーズからの認定証です。

== オースティン・ヒーレー ==
スプライト Mark Ⅰ(1965年)

隣にはカニ目のスプライトがありました。こちらもマークワン。以前も書きましたがマーク○○とかシリーズ○○みたいな名前の付け方がイギリス車には多いですよね。前期、中期、後期みたいな言い方より、むしろわかりやすいかも知れません。

ハードトップを付けたカニ目。ヘッドスペースには結構余裕がありそう。

== アストンマーティン ==
DB7 GTA(2003年)

DB7といえば、ビッグネーム「DB」を復活させた割には地味目というか、フォードの影響が強かったためか埋もれがち…と勝手に思っていたのですが、改めて調べてみると、このDB7後期型はV12を積む相当なハイパフォーマンスカーなんですね。

それにしても、直6からV12に切替えるなんて思いきったものです。

それでもそのスタイリングは上品で控えめで、とてもいいですね。限定モデル「GTA」ですが、過剰な派手さはありません。

== ロールス・ロイス ==
カマルグ(1987年)

カマルグです。「Mars Inc.」で文字通り偉容を誇っていました。

パーソナルクーペの最高峰。初期型はシャドウベース、途中からスピリットベース。総生産台数わずか530台ほど。ピニンファリーナによるデザイン。センサーを使ったフルオートエアコンシステムは当時の最先端だったそうです。

車名の由来は南仏カマルグ。そういや「カマルグの塩」を成城石井かどこかで見かけました。オシャレな缶入りで、中身はべつにいいので缶だけでも欲しいと思いましたね(笑)

エンジンは6,750ccのV8。1987年式かつアメリカ仕様ベースということで、アメリカ向けのみ12台限定の「カマルグLTD」かと思いましたが、さすがにそれではありませんでした。

幅1.9メートル、全長5.2メートルですがそれ以上に大きく見えます。ちょっとびっくりするほど。ただ、とても端正です。ピニンファリーナに対するロールス・ロイスからのデザイン要件は「最高級の名に相応しく、威厳に満ち、決して古くならないこと」だけだったそうです。完璧にそれに応えていますね。

フロントのパルテノングリルは前方に傾いています。前の車のバックミラーにはグリルとフライングレディが3D効果?を伴って飛び込んでくるわけですね。かなり怖いかも…

そんな迫力のあるフロントに対しリアはとてもシンプル。そこはサルーンとも共通していますかね。トランクルームもさすがに広大で、旅行カバンなどいくらでも入りそうです。

カマルグは1975年登場ですが、同時代の車の中では明らかに直線基調。しかし1980年代には多くの車が直線的なスタイルを取り入れます。ようはカマルグは最高級であるとともに最先端でもあったということでしょう。

== アルヴィス ==
アルヴィスです。日本総代理店「明治産業」の出展。このところ連続して出ていますね。むっちゃ華やかです。

「コンティニュエーション」と銘打ち、過去の車を当時と同様の製法で、いま再生産しています。そんなモデルを3台展示。
3リッター グラバー・スーパークーペ(2022年)

このクーペは前回に展示されていたものと同じでしょうか?こんな貴重な車、そうそう何台もないでしょうし。

リアですが、ナンバープレート右側のリアフォグランプはその横のブレーキランプと光源が近すぎて保安基準的にNGでは?ってそんなこといったらサイドのウインカーもないか。少量生産車の特例措置ですかね。

内装は意外と現代的で、少し慣れれば普通に乗れるかも…

このレタリングにも時代を感じます。グラバーはスイスのベルンに存在したコーチビルダーです。

3リッター グラバー・スーパーカブリオレ(2024年)

オープン版です。とても洗練されていますね。伸びやかで本当にエレガントです。

真っ白い内装が目を惹きます。オーナーは少しぐらい汚れても気にしない…のでしょうか?

明るいガンメタリックですが、少しパープルがかって見えます。綺麗です。給油口の形がユニーク。

4.3リッター ヴァンデンプラ・ツアラー(2020年)

この車も以前から何度か展示されていますが、見るたびに圧倒されます。こういう車が日本にあること、売る人がいること、購入する人がいてビジネスとして成り立っていること自体が素晴らしいことです。

明治産業の方と話をすることができ、どんな人がアルヴィスを欲しがるのか率直なところを聞いてみました。

やはり本当のカーマニアで、ほかの車と決してかぶらず、ホンモノの高級車を求める人がいるのだと。そんな話を聞くことができました。とんでもなく希少で高価ですが、それでもブガッティより遥かに安いわけです。確かにそうですね…

== ブリストル ==

「ワクイミュージアム」で知られる涌井清春氏が新たに設立した「ブリストル研究所」です。

401(1949年)

ブリストル・カーズ。超レアなイギリスの高級車です。どのくらいレアか?ディーラーがロンドンにひとつしか置かれなかったくらいです。広告もまったく出さなかった。「ブリストルが存在することを知ることも、所有する上でのテストだ」みたいな話をYouTubeの動画で聞きました。マジか…

そんな自動車メーカーです。生産台数は年間100台ほど。残念ながら2020年に会社を清算しており、いまはもうありません。

第二次世界大戦でイギリスの空を護ったブリストル・エアロプレーン。戦後、自動車製造にも進出。戦前の名車BMW326/328のシャシと6気筒エンジンをもとに車を作り始めました。

前置きが長くなりましたが、そのブリストル最初の車がこの「400」です。キドニーグリルも踏襲していますね。

401(1953年)

ブリストルはアルミニウムボディ。航空機メーカーの技術が生かされています。上記400はもちろん未塗装の状態。

こちらの401、オールドイングリッシュホワイトでしょうか?とても綺麗な白に塗られています。なおこれには驚いたのですが、400/401の空気抵抗はCD値0.36。ここも航空機技術でしょう。普通にいまの高速道路を走ることができるし、風切り音も少なく普通に会話ができるとのことです。

406(1960年)

優雅なボディに豪華な内装、そこにドイツ生まれの高性能エンジンを組み合わせた車。「小型ベントレー」というコンセプトというか位置づけなのですが、希少性はベントレー以上。いまは亡き川上完さんも406を所有されていました。その1台もブリストル研究所にあるそうです。

ブリストルの特徴といえばコレ。こんなところがガバッと開き、スペアタイヤが格納されています。反対側も同様に開き、バッテリーが入っています。FR車の特徴「プレミアムレングス」(にしてもすごく長い)を、ブリストルはまさに有効活用しています。

当時の流行だったテールフィンが控えめに品良く付けられています。そして丸い小さなウインカーやテールランプ。この406はBMWエンジン最後のモデルです。なお1958年からブリストルは4輪ディスクブレーキも採用。ずいぶん早いですよね。

410(1968年)

407からはクライスラー製のV8に切り替え、同じくクライスラーのATとペアで搭載しています。クライスラーV8は汎用的だったのか、同様のパワーユニットはフランスのファセル・ヴェガも採用しています。さぞかしパワフルで丈夫なのだろうと思います。

綺麗にまとまっているリアです。少量生産メーカーだけにランプユニットは他車からの流用。調べたところ、この410はヒルマン・ミンクスから。

後年のモデル、ブリタニア/ブリガンドではベッドフォードCF(商用バン)から流用しています↓

ハイエースのを流用するようなもの?ですがとても上品だと思います。

少し野暮ったくも見えますが、おそらくは意図的なものなのでしょう。あえて、ボンドカーには選ばれないように。あまり目立たないように。成金に選ばれないように…

スタッフ様のご厚意で410の運転席に座らせていただきました。飛行機の操縦桿を模したステアリングホイール、重厚な革シート。インテリアの作り込みはまるで高級家具です。見た目は地味でも中に入ればまごうことなき高級車。足元は意外と広く、またこれだけのロングノーズにも関わらず車体の見切りはとても良い。なんというか、座っただけですごく不思議な幸福感に包まれましたね。なんですかねこれは…

ドア内張りというより装飾です。これを引っ張りドアを閉めるのってちょっと勇気が要る…

この眺めを見ることができたのはとても幸運なこと。

控えめな外観に強力なエンジンと豪華で繊細な内装を持つGTカー。そしてその存在はまるで知られていない。率直に言ってとても魅力的です。このブランドが消滅したのはとても残念なことです。

なんだか、イギリス車の深淵をちょっと覗いた気がします。


←次回はイタリアにフランス車、それからアメリカ車などを紹介します。
Posted at 2024/10/08 23:00:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ

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