毎年恒例、千葉幕張メッセでの
「オートモビルカウンシル」
今年2019は春、4月5日〜7日開催でした。もちろん行ってきました。ブログにしようと思っていたのですが、だらだらしていたらずいぶん遅くなりました。すみません…ともかくアップします。
このイベントは回を重ねるごとに内容が充実しています。展示車の濃さはもちろんのこと、今年は「見せ方」にも力が入れられていました。
オートモビルカウンシル2018
オートモビルカウンシル2017
オートモビルカウンシル2016
今回は軽食をとる場所も設けられ、休憩場所をあちこちに、しかも良い場所に確保するなど、アメニティ的な面は東京モーターショーよりずっと良くなっています。
まずはドイツ車から。
== メルセデス・ベンツ ==
600 プルマン(1969年)
今年はヤナセが参加していました。で、いきなりのこの偉容!会場に入りさっそく圧倒されてしまいます。
ヤナセが運営する「ヤナセ クラシックカーセンター」でレストア中の車だそうです。このプルマンも「お客様預り車両」と表示されていました。
偉容を誇りながらも、とても優雅で上品です。一説によると、この車を驚異に感じたロールス・ロイスは、開発中だったシルヴァー・シャドウの発表を前倒ししラインナップの近代化を急いだとか。
600のデザイナーは、フランス人の「ポール・ブラック」
画家、彫刻家でもあるマルチな人物。30歳そこそこでこの重厚かつ優雅なデザインをものにしています。縦目時代のメルセデス各車のデザイナーです。
そして良いデザインのためなら、若造だろうと外国人だろうとかわまず採用し形にするのが、このメーカーです…
600(1972年)
こちらの青い普通の600(って普通ってのもなんですが)は、故・梁瀬次郎氏の所有車だったそうです。ということは、かつてカーグラフィック誌の小林彰太郎氏が、完成したばかりの東名高速道路を「東京から浜名湖まで259kmを1時間45分で」安全に快適に走ることができたとして記事にした車そのものなわけです。
「日本でもアウトバーンは実現可能である」(ただし、それ相応の車があれば)という主張を、身をもって記事にした小林さんのようなモータージャーナリストは、今や皆無ですね…
300SE(1963年)
この300SE(LWB)も「お客様預り」のレストア中車両。吉田茂元首相の所有車。
この車、現在の所有者は吉田元首相の孫である麻生太郎副総理のはず。ということは「お客様」って麻生さんのこと?ヤナセのスタッフに聞けば良かったのでしょうが怖くて聞けませんでした(爆)
しかし、「たかが車」なのに数十年の時の流れと変化を一気に感じます。それだけの背景があるというのはすごいことです。そして、それらを大切に保存しようするヤナセもたいしたものだと思います。
190E(1989年)
レストアベース。この時代のベンツの中では、もっとも好きな車です。ずっと前ですが、左ハンドルの190E 2.6スポーツラインをドライブする機会がありました。今の感覚からすればずいぶん小さく、車内も狭い。足元なんて大きな靴を履いているとハマッてしまうくらい。
なのに安定感は抜群。パワーがあり重厚。まるでスポーツカーのようによく曲がる。「小ベンツ」なんてバカにできる代物ではない。あの大きなステアリングの感触、今だに覚えています。
500SL(1991年)
女性的で繊細なスタイルだった先代から大胆にフルモデルチェンジしたR129。登場したときはかなりの衝撃でした。
ファブリックシートのチェック模様は引き継いでいますね。当時はヤボと批判もされていたかと。確かにちょっと…黒革シートのほうが精悍で良いかも(汗)
しかしこのスムーズなエアロボディは今も通用すると思います。理詰めなのにエモーショナル。
300SL(1957年)
「シルバースター」展示のガルウィング300SLです。
この見事に仕上げられた名車は、去年はこうでした↓
「レストア中とのことで、完成したらぜひ見てみたい」と去年は書きましたが、このショップはその思いを叶えてくれた。
それにしても本当に素晴しい車ですね。
X-Class 250d(2018年)
いきなり年代が飛びます。MOTOR Logic Companyから最新型Xクラスです。
日産ナヴァラの兄弟車(派生車)ですが、外観はちゃんとメルセデス風です。日産が国内でナヴァラを売らない以上、これを国内正規導入しても良いのでは?
数は出なくても、話題にはなるでしょう。
== BMW ==
BMW専門店シンプルオートから。
700 cabrio(1963年)
この車、初めて見ました…ぼんやりしていると見過ごしそうな、超めずらしい車が普通に置いてある。このショーの醍醐味です!
かのバブルカー、イセッタの流れをくむ小型車。水平対向2気筒エンジンをリアに積む。戦後BMWを立て直したヒット車です。
この車は成功したものの、BMWは後継車を用意せず、以降は高級車メーカーとして歩みを進めます。
== ポルシェ ==
Speedster(1989年)
「PLANEX CARS」から、あっと驚く真っ赤なポルシェが!
この右ハンドルのスピードスターの元オーナーは、かの生沢徹!
元はイギリス仕様で、国内でメーターをkm/hに替えているとのこと。
いやあ迫力があります。ただでさえレアな車なのに、生沢徹の元所有車というね。
会場でも大注目でした。わたしも、海外からの観光客に写真を頼まれました(笑)
== フォルクスワーゲン ==
ゴルフ CLi(1991年)&
ジェッタ Ci(1989年)
「スピニングガレージ」から、味のある2台を。
こちらの紺色ゴルフはMTです。しかも低走行の極上車…欲しい…
こちらの白いジェッタも、ゴルフほどではありませんがとても綺麗です。大切に乗られてきたことがうかがえます。
三角窓のある初期型では、右ハンドルでもワイパーが左用のままでした。これはこれで味があると思いませんか?
ステアリングにスイッチ類など、後期型とはかなり違いがあります。
トランク。ジェッタをはじめゴルフ派生のセダンモデルでは、まずそのトランクの広さが紹介されていたかと。本当に広大ですコレ。
巨大なスピーカーやリアウィンドウのステッカーは'80年代感覚満載です。「MADE IN WEST GERMANY」…西ドイツはもうありません、ドイツは統一しました!
Type 1(1952年)
ヤナセに戻ります。このバルーンで保護された初期型ビートルは、日本国内第一号車だそうです。
当時のフォルクスワーゲン社トップだったハインリヒ・ノルトホフ博士は、日本を訪れ自ら日本に売り込みを掛けた。その際に持ち込んだ4台のVW車のうちの1台がこの車。ヤナセとの関係もここから始まったとのこと。
車を売るために、トップみずからそこまでやっていたのですね。ビートルは独裁者の負の遺産にはならず、世界中で受け入れられました。そこにはそれだけの努力があったということでしょう。
ドイツが自動車大国であり続ける理由の一端を垣間見た気がします。
←次回はイギリス車をアップします。
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展示会 | クルマ
Posted at
2019/09/21 23:04:38