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Coptic_Lightのブログ一覧

2024年12月15日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その4(日本車編)

オートモビルカウンシル2024 - その4(日本車編) 「オートモビルカウンシル」2024、日本車編です。

オートモビルカウンシルでは、懐かしい日本の旧車もたくさん展示されています。広い会場で、欧米のヘリテージカーと我らが日本車を並べて眺めてみる。これはとても意味のあることです。

日本車の個性や独自性、日本のメーカーが受けた海外からの影響、あるいはその逆。いろいろなことを感じ取り、考えることができます。

== トヨタ ==
スポーツ800(1969年)

三重の旧車ショップ「ヴィンテージ宮田自動車」にて。赤い後期型のトヨタスポーツ800。この車は去年展示されていたものと同じでしょう。フロントフェンダー前方の側面ウインカーが特徴的です。

エンジンはパブリカ用の水平対向2気筒をベースに、ツインキャブレター化し排気量もアップしたもの。高性能なDOHCエンジンを搭載したホンダのSシリーズと比べたら絶対的な性能は低い。にも関わらず、当時のレースシーンでは好成績を納めています。堅実なトヨタの手法がこの時代から顕著です。

それにしてもこの小ささ。特に車高がとても低い。1,175mmなので、今の一般的な車、たとえばBセグメントのコンパクトカーと比べたらだいたい30cmほどは低いということになります。車高1.1m弱の初代ロータス・ヨーロッパほどではないにせよ、この車で走ったらまさに地を這う感覚なのでしょう。ただ、ブレーキランプの視認性がちょっと心配かも。

トヨペット・クラウン 1900デラックス(1962年)

初代クラウン、後期型。各部のクローム装飾やエンブレム類が上級モデルであることを示しています。写真に取り損ねてしまったのですが、トラックリッドには「Overdrive」の文字が。ATのオーバードライブ機構を採用した初のトヨタ車です。って、オーバードライブって懐かしいですね。O/Dってスイッチがちょっと前までのトヨタ車には付いていました。

雰囲気いっぱいの点検ステッカー。ってこれ普通にいま運用していますね。それからレースのカーテン。

トヨペット・クラウン(1958年)

トヨタ自動車の出展です。「トヨタ クルマ文化研究所」と銘打った個性的なブースを展開していました。

初代クラウン。フロントウインドウが分割された最初期型ですね。先に「日本のメーカーが受けた海外からの影響」と書きましたがこのトヨペット・クラウンはまさにそうで、そのスタイリングはアメリカ車の影響大。シボレーを縮小した印象です。

2代目クラウンになると、今度はフォードの影響がとても強くなる。クラウンがそのデザインで完全に独自のものとなるのは3代目からだと私は思っています。

過去にアップした2代目クラウン↓場所は今はなきMEGAWEBです。



Bピラーにアポロウインカーが仕込まれていますね。アポロを採用した最初で最後のクラウン。

この車はトヨタ自身による徹底的なレストレーションが施されています。メーカー自身が自社の過去製品を復旧させる。これは車の保全だけでなく技術の継承も目的としているそうです。トヨタは最近になって、旧い車のパーツを復元(再販)したりと自動車文化の発展を意識した動きを見せています。素晴らしいことです。

AE86 BEVコンセプト

これはカローラ・レビンをベースにBEV化した1台。旧車を電動化するケースは最近増えていますが、この電動ハチロクは自動車メーカー自らの手によるものです。

ボディサイドに「藤原と○ふ店」ではなく「電気じどう車」と書いてありますね。

この内装、完全EVだとは思えません。電動車で峠を攻める時代が来るのでしょうか。

MR2 Gリミテッド スーパーチャージャー(1988年)

この綺麗に仕上げられた初代MR2、レンタカー向けに用意されたそうです。

「レンタカー?」と一瞬思ったのですが、旧車を所有するのはなかなか敷居が高い。それを少しでも低くするため、まずは借りて乗ってもらおうという狙いだそうです。「Vintage Club by KINTO」というサービスです。

極上中古車、いやほぼ新車と言ってよい素晴らしい仕上がりです。サイトを調べてみたのですが、初代セリカから初代セルシオまで、豊富なラインナップとなっています。トヨタというトップメーカーがこのような事業を手掛けるというのは大きな意味があります。なお、トヨタと関係の深い「新明工業」がこれらレストアやBEV化事業に関わっています。

クラウン2000(1970年)

墨田区のショップ「Wolf Racing」が展示していた、3代目クラウンのオープン仕様。

調べるとこの車は三井財閥系の会社が社用車としてオーダーしたものだそうです。ワンオフとのこと。大相撲の優勝パレード用のようだ…と思ったら本当にその使われ方もしたのだとか。

個人的に、この「白いクラウン」の端正なスタイルは好きですね。

== 日産 ==
シルビア Q's(1988年)

日産自動車公式ブースには1980年代後半から1990年代初頭の、3台の懐かしい車が並んでいました。爽やかなトーンで演出された清潔感のある展示でした。

懐かしいS13系シルビア。「ART FORCE SILVIA」という洒落たキャッチコピーも記憶に残っています。あの頃、日産の広告コピーって実に秀逸でしたね、「スポーツカーに乗りたいと思う」とか「きっと新しいビッグ・カーの時代が来る」とか。後者は音楽家グスタフ・マーラーの言葉を連想します。

この美しいシルビア、まさにアートフォースです。こんなにカッコ良かったっけ…
このデザインはモダンそのものですが、よく見ると初代シルビアをオマージュというか強く意識していますね。

フィガロ(1991年)

このベースが初代マーチだとはちょっと信じられません。

白い内装も贅沢。本革張りのフロントシートは分厚く、これは小型車の基準を越えている。ステッチまで入っています。

ただ、後席レッグスペースは皆無。事実上の荷物置き場です。シートベルトのアンカーが前後の席であり得ないほど近い。デザインと質感に振りきっています。

限定生産2万台ですが、いつの間にかイギリスで評判になっていてあちらに3000台くらい渡っているそうですね。

プリメーラ 2.0Tm Sセレクション(1995年)

90年代日産セダンを代表する名車、初代プリメーラ。この車は登場してすぐに注目を浴びましたね。ヨーロッパ車にも負けないボディ剛性と走行性能を持つ車として、自動車雑誌などでも高い評価を受けていました。日本車には厳しい評価をしがちだった当時の「カーグラフィック」誌が、この車に対しては極めて高い評価をしていました。

もっともユーザーからはその固い足回りに不評の声も出ていたようですが、フワフワが「良い乗り心地」とされがちだった当時の風潮に、日産はこの車で一石を投じたわけです。

展示車は後期型。ヘッドライト横、アンバーのウインカーが特徴的なフロント。ここ、前期型ではクリアでしたが、マイナーチェンジで色付きに。逆のパターンはたくさんありますが、これは珍しいと思います。

初代プリメーラの綺麗にまとまったスタイリングは、どこかオペルに通じるものを感じます。Wikipediaにあった初代ベクトラの写真ですが、近いものがありませんか?↓

エアロダイナミクスを重視した張りのあるボディが共通していると思います。

素晴らしい日本車です。今、こういった硬派な車はスバルがあとを引き継いでいるように思います。それにしても、この時代の日産は良かったですね。選択肢がたくさんありました。それにスタイリング。この時代こそ、日産デザインの黄金期だったのでは。

しかし今は…
おっとやめておきます。深刻な経営不振が伝えられますが、なんとか復活して欲しい。日産が過去の栄光を忘れていないことは確かでしょうから。

スカイライン GT-R(1972年)

こちらは「ヴィンテージ宮田自動車」で展示されていたハコスカGT-Rです。今回は2台、同じ1972年式の、シルバーとホワイトが。

スカイライン GT-R(1972年)

クリームに近い白。シルバーも良いですがハコスカにはこの色もとてもよく似合います。それにしても新車のようです。あと価格もすごい…ロールス・ロイスのカリナンと同じくらいですかね。

高性能なエンジンですが、こうして眺めると今の車と比べ構造がずっとシンプルです。

スカイライン 1500V(1972年)

「Wolf Racing」にもハコスカがありました。しかも、希少なバン。個人的に「ハコスカバン」を目にしたのは初めてです。当時の日本では「ステーションワゴン」という概念はなく、こういう車はあくまで商用バンだったそうですね。平日は仕事に使い、休日は私用に使う。このスカイラインのバンなら仕事もはかどり休日のドライブも楽しかったのでは。あ、でも「いい車使ってますねぇ」と客先でイヤミ言われたりして…

リアランプは赤一色。これはハコスカ共通ですね。

フェアレディZ-L(1975年)

「ヴィンテージ宮田自動車」に戻ります。Zもありました。

状態がまさに素晴らしい。デッドストックか?と思える綺麗さ。新車時からワンオーナーで、車検は一度も切らさず、しかも雨天時未使用だそうです。

エンジンルームを見せていただいた流れで、バッテリー格納のフタも開けていただけました。

セドリック 2ドアハードトップ 2000GX(1990年)

「ヴェイルサイド」で展示されていた230セドリックです。いわゆるレストモッド。ヴェイルサイドといえばいわずと知れた日本のトップチューナーで、派手なカスタムカーは映画「ワイルドスピード」に登場するほど。それがこのような車も手掛けるとは。東京オートサロン2024にも出展されています。

ヘッドカバーに「VeilSide」の刻印がありますね。

ボディカラーは「ミレニアムジェイド」、R35GT-R(Tスペック)のカラー。なぜヴェイルサイドが230セドリックをレストモッドしたかというと、代表の横幕氏の父親がかつて乗っていたからだそうです。

== ホンダ ==
こちらはホンダの公式ブースです。シビックを特集しています。
シビック RS(1975年)

初代シビック、まさにエポックメイキングな名車。アメリカでの厳しい排気ガス規制「マスキー法」をいち早くクリアした1台であることでも知られています。50年近く前の車ですが、すでに一線級の性能を持つ日本車が登場していたのです。

シビック (1987年 全日本ツーリングカー選手権仕様)

これはあくまでレプリカですが、当時のレースカーの雰囲気を感じるには充分です。

シビック RS プロトタイプ

こちらは現行シビックRSのプロトタイプ。ただ、真っ黒い塗装のためボディの陰影がよく分かりませんでした。改めて写真を見ても、手元のスマホで写真を撮っている悲しさではあるのですがどうしても黒く塗りつぶされてしまう。白かシルバーでこのボディを見てみたかったというのが正直なところです。

NSX タイプR プロトタイプ

アイルトン・セナ没後30周年にちなんだ主催者展示があったことは「イギリス車編」で書きましたが、このNSXもその1台です。セナは初代NSXの開発にも協力し、自身も赤いNSXを愛用しました。

元々軽量だったNSXをさらに軽量化したタイプR。これはプロトタイプモデルです。1992年に鈴鹿でプロトタイプに試乗したセナの逸話がプレートに書かれています。

リア。先進的でありながら大胆。アメリカンな印象もあります。これ、夜間の存在感が抜群なんですよね。しかもブレーキを踏めばリアウイングの横幅いっぱいに、LEDハイマウントストップランプが一文字に光る。

なお初代NSXについては、カーグラフィック誌が1991年の誌面で、輸入スポーツカーとの大規模な比較テストを実施していました。で、その結論が…
日本車は3日で飽きる。NSXはそれが3ヶ月に伸びたに過ぎない、と…
読んでいてさすがにヒドいことを書くものだと思いましたよ。

日本車に喝を入れたいという意図でしょうけれど(たぶん)、パワハラ上司もかくやという理不尽さだと思います。まぁ当時はそんな論調でも読者がついてきたのですけど。

== 三菱 ==
今年も三菱自動車がブースを構えていましたね。ラリーシーンで栄冠をつかんだ車を誇らしく展示していました。

アフリカを駆け抜けたギャラン。この6代目ギャランはとてもよく売れました。いま見てもマッシブでかっこいい。それでいて車高を先代より上げ、居住性も上げているのがうまい。

今年の3月に亡くなった篠塚建次郎氏が操った車です。

ランサーエボリューションⅥ(2001年 モンテカルロラリー優勝車)

モンテカルロラリー優勝車といえばモーリス・ミニを思い出したのですが、ランエボもその栄冠を勝ち取っていましたね。

三菱はなぜランエボを廃止したのか。今さらですがちょっと信じられません。モータースポーツを嫌い運転免許すら持たない人をトップにしてしまったからでしょうか。

パジェロ(2002年 ダカールラリー優勝車)

2002年のダカールラリーで総合優勝した車です。こうしてみると、特にラリーシーンでの三菱自動車の実績は相当なもの。実力のあるメーカーですよね。

パジェロ(1992年)

こちらは初代パジェロ。路上で見かけたのは何年前でしょうか。苦渋の決断であろうとはいえ、三菱がパジェロを廃止したのは悪手でした。本格クロカンSUVの需要はまだあるのに、三菱は一時代を築いた栄光のモデルをみすみす捨ててしまった。

とはいえ、復活のうわさも…というか、トライトンをベースに新型パジェロを開発中というのは確かなようですね。再来年あたりに登場とか。楽しみです。

トライトン スノーシュレッダー(2024年)

そしてそのトライトン。今年から日本市場にも導入されています。とても魅力的なピックアップトラック。

このカッコイイ名前のコンセプトモデル、このまま市販されても違和感がありません。三菱はこうでなきゃ!自動車メーカーの舵取りは自動車好きがやらなきゃダメです。当たり前の話です。

== スズキ ==
スズライト・キャリイ(2014年)

広島の「オーエイプロト」、自動車の板金試作から新幹線の内装まで手掛けるメーカーです。その会社がレストアしたスズライト・キャリイ。

スズキの車はこのショーで初だと思います。商用車はおしなべて酷使されたはず。よく今の時代まで残っていました…と、レストア前の状態をパネルで見たところ、やはりかなりダメージの入った状態でした。

== マツダ ==
マツダの公式ブースです。今回のテーマは「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」とのこと。
ICONIC SP(2023年)

「アイコニック・エスピー」、去年のジャパンモビリティショー2023に展示されたコンセプトカー。

実写は美しい、というか迫力があり思わず息を飲みます。この濃いめの赤がボディラインをうまく際立たせています。フェラーリ・ディーノがもし今もあったなら、こんな感じだったかも。

RX-EVOLV(1999年)

RX-エボルブ、こちらは1999年の東京モーターショーに展示されました。コンセプトカーですがRX-8の原型にもなっていますね。このRX-エボルブは完成度が高い。とはいえ、フロントはあくまでコンセプトカー然としていますかね。ヘッドライトはどこでしょうか。細長いランプはLEDでしょうか。一本ワイパーはベンツを思い出します。

フロントに比べリアはずっと現実的で、ランプのパーツなどちゃんと作り込まれています。

そして内装。しっかり作り込まれており、これはむしろプロトタイプっぽい。外観だけのドンガラコンセプトカーも多いのに、やはりマツダは真面目です。というか、マツダはよくこれを維持し保存している。おそらく手間もお金もかなり掛かるでしょうに…

RX500(1981年)

よく保存しているといえば、これもですね。ロータリーをミッドシップに積んだ幻のスーパーカー。以前これを目にしたけれど、それはいつだったか…と、2009年の東京モーターショーでした。当時の写真です↓

紆余曲折を経たものの修復されたそうです。

一時はロストテクノロジーになるかと思われたロータリーエンジン。発電用エンジンとしてではあるのですが、マツダは去年「MX-30」にロータリーを復活させました。やはりマツダにも意地があるのでしょう。

ロータリーの灯は決して消えていません。技術と個性を大切にするメーカーですからね。


以上、オートモビルカウンシル2024でした。

今回も充実した展示を楽しめたオートモビルカウンシル。総来場者は公式発表によると39,807人とのこと。マニアックな展示で、入場料も決して安くないのにこの実績は素晴らしいことです。そして次回は10年目。節目ということで、なにか特別なことはやってくれるかな?

来年2025年は、4月11日(金)から13日(日)の3日間を予定。今からとても楽しみです!
Posted at 2024/12/15 00:00:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2024年11月30日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その3(伊仏米西中車編)

オートモビルカウンシル2024 - その3(伊仏米西中車編)「オートモビルカウンシル」2024、イタリア車とフランス車、アメリカ車にスペイン車などです。

3月に亡くなったマルチェロ・ガンディーニ氏への追悼として「In Memory of Marcello Gandini」と銘打った特別展示がありました。当初はピニンファリーナをテーマにした展示が計画されていたのですが、急遽変更。その対応の早さにも驚かされます。

また、アメリカ車の展示が増えていました。5台ずらりと並べた特別展示がありましたね。

まずイタリア車から。

== フェラーリ ==
365 GT4 BB(1974年)

「RENDEZ-VOUS」にて展示のフェラーリBB。右ハンドルです。当時の日本で右ハンドル仕様をオーダーした人がいたのか?と思ったのですが、さにあらず。この車は元々イギリス向けです。

イギリスに存在した「Ferrari U.K. Maranello Concessionaires Ltd」。フェラーリを駆り1958年のF1世界チャンピオンを獲得したマイク・ホーソーンが、エンツォ・フェラーリから直々にイギリスでのフェラーリ販売の許可を得て設立した由緒正しいディーラー。この車は最初にそこで販売されたとのことです。

人に歴史あり、車にも歴史あり。

365 GT4 BB(1975年)

こちらにも365BBが。「WANNA DRIVE」での展示です。

同じく右ハンドル。調べたところ、365BBの総生産台数は387台で、うち右ハンドルは58台とのこと。希少ですね。

この車も、ずっと日本国内にいてほしい。

テスタロッサ(1989年)

「ガレージイガラシ」にて展示のテスタロッサ。今となっては、どことなく華奢な印象すら受けます。

広いけれども狭いエンジンルーム。車名の由来である赤いエンジンヘッド。

内装。贅沢ですね。豪華なGTカーとしての要素はテスタロッサから強められたと思います。

ディーノ 308gt4(1974年)

最初に書きましたガンディーニ追悼特別展示から。名車ディーノ246の後継ですが、2+2とされたのが興味深い。

「gt4」は小文字が正しいようですね。フェラーリといえばピニンファリーナで、ガンディーニ率いるベルトーネのフェラーリは珍しい。

この直線的でコンパクトなシルエットには独特の魅力があります。

== ランボルギーニ ==
ミウラ P400(1968年)

ミウラです。言わずと知れたガンディーニデザイン。1966年にランボルギーニはこれを世に出しており、その先進性に改めて驚きます。キューブリックの名作「2001年宇宙の旅」が1968年なので、それと同じくらいに先進的です(?)

リアですが、バンパーに見える部分って、これはエアアウトレットなんですね。今まで気がつきませんでした…

エスパーダ シリーズ2(1970年)

こちらもガンディーニ。設計はジャンパオロ・ダラーラ。この組み合わせはミウラと同様ですね。

V12を、ミウラとは逆にフロントに積む。最速の4座GTカーとして生み出された車。

リアガラスは上下2分割式。

カウンタック LP400(1975年)

カウンタック、ガンディーニの代表作ですね。もはやコメント不要だと思います。

デザインで言えば、カウンタックの影響は現在のランボルギーニにも脈々と引き継がれています。これはすごいことです。

カウンタック LP400S(1976年)

こちらはエアロパーツが装備されたLP400Sです。受ける印象がだいぶ違います。「ガレージ伊太利屋」での展示。

改めて調べてみて、あれ?と思ったのは年式。LP400Sは1978年からのはずです。LP400を「LP400S化」したということでしょうか。

イスレロ(1968年)

ランボルギーニ初期のモデルですね。350GTや400GTの流れをくみ、それら同様にエレガントで高級感を感じます。今のランボのイメージとはだいぶ違います。「イタリア版アストンマーティン」という印象すら。

ミウラやカウンタックで一気に路線変更したということになるのでしょうか。そしてそれは大成功しました。

== マセラティ ==
セブリング シリーズ2(1966年)

「3500GT」の後継モデル。名称はセブリング12時間レースでの勝利から。ジョヴァンニ・ミケロッティによる美しいスタイルです。

トランクリッドの開口部が下端まで下りているのは、この年代としては珍しいと思います。

クアトロポルテ 2.8エヴォルツィオーネ(1998年)

マセラティ・ジャパンにて展示の4代目クワトロポルテ。個人的に、私は歴代マセラティのなかでこれが最も好きです。この車もマルチェロ・ガンディーニ作ですね。上品なのに精悍、コンパクトなのにグラマラス。前傾姿勢そのもののシルエット。カウンタックを思わせるリアホイールアーチなど、さすがはガンディーニ。

ぜいたくな内装。思わず見入ってしまいます。

リアも最高。ハイデッキなのにぜんぜん野暮に見えないのはなぜだろう。高く配置されたシンプルなリアコンビネーションランプ。カッコイイ。それにしても大きなバックランプとリアフォグです。

グランカブリオ・フェンディ(2013年)

マセラティとフェンディのコラボ。よくある特別仕様車かと思ったのですが、世界限定50台で日本向けには2台のみです。

このボディカラーも特別。地味なグレーに見えますが金色の粒子というかフレーク処理がされています。よく見ると派手です。

「コレツィオーネ」での出品です。なお、展示初日にして既に売れていました。

== ランチア ==
ストラトス HF ストラダーレ(1975年)

この車はカウンタックと同じ時期に世に出たんですよね。直線を極めたカウンタックに対しこっちは丸い。ガンディーニはまさに天才。

特徴的なオーバーフェンダーやウインドウの形状など、どこかユーモラスでもあります。

== アルファロメオ ==
モントリオール(1970年)

「VISCO」にて展示の白いモントリオール。V8を積むイタリアンGT。この車名はプロトタイプが1967年のモントリオール万博に出品されたからだとか。そんな理由なの?

モントリオールには排気ガス規制のからみで北米仕様が用意されなかった。その車名にも関わらずカナダでは売られなかったわけです。

ですが、この車はイタリアで販売されたあとアメリカに渡り、10万ドル以上の費用をかけレストアされたとのこと。この展示会ではそういうすごいエピソードを持つ車がたくさんあります。

モントリオール(1971年)

こちらは「AUTO ALPHA ONE」の黄色いモントリオール。しかし、このボディはコストというか生産性など考慮しないぞという感じです。総生産台数も4000台に満たず、これは当時のアルファロメオとしても格段に少ない。

ここからの眺めなど、まるでコンセプトカーのよう。

ジュリア スプリント GTV(1967年)

そして隣にはジュリアが。

リアはとても端正。シンプルでもあり、モントリオールとは対照的です。

GTサルーンのお手本のようなコクピット。当時の日本では、多くのドライバーがここに座ることを夢見たのだろうと思います。

次はフランス車。今回、フランス車がとても少なかった…

== アルピーヌ ==
A110 1300S(1969年)

老舗「ジロン自動車」での展示です。スパルタンな軽量スポーツカーであるアルピーヌA110ですが、そのスタイルには愛嬌があります。個人的にフロントバンパーのオーバーライダーがおもしろいなと。

リアに積まれた小さなエンジン。これと軽いボディの組み合わせで当時のラリー界のトップを押さえたわけです。

== シトロエン ==
2CV 6スペシャル(1987年)

所沢のヘリテージカー専門店「DUPRO」。そこにさりげなく置かれた2CV。

1987年というとモデル末期ですね。当時は「チャールストン」という2トーンの綺麗で豪華なモデルも導入されていたことを覚えています。2CVといえば素朴な仕様のほうが「らしい」のでしょうが、私はどちらも好きですね。

== プジョー ==
406(2004年)

常連「原工房」、今回も美しい406クーペが展示されていました。

チラッと見えるブラウンの革シートが魅力的です。

2台のメタリックブルー、去年も出ていた?と思いましたが、前回展示されていた車は左ハンドルの2002年式でした。

細かいところですがサイドモールとつながるよう配置されたサイドウインカー。これがとてもいい。なぜかこの手法を取り入れるメーカーがあまりなかったように思います。なおこのボディカラーの名称は「ハイペリン・ブルー」だそうです。

次はアメリカ車です。今回、アメ車の展示が増えています。今まであまり見慣れていないというのもありますが、とても新鮮で魅力的です。

== AMC ==
イーグル・ワゴン(1983年)

かつて存在したAMC(アメリカン・モーターカンパニー)。ビッグスリーとはまた違う、個性的なモデルがありました。ピクサーの映画「カーズ2」に登場したグレムリンやペーサーもAMCの車です。

このイーグル・ワゴン、「クロスオーバーSUV」の先駆車ですね。見た目だけでなく車高もガッツリ上げられていて、悪路走破性は相当なのでは。その割に大型高級車的でもあり、ボンネットマスコットもついているのがおもしろい。このスタイルでセダンもありました。

ワゴンボディですがリアゲートがクーペ風に寝かされているのも、1980年代という時代を考えたら相当進んでいます。アウディが3代目100(C3系)でリアゲートを寝かせたワゴンを登場させましたが、それより前です。

ジープ J-10(1977年)

現在ではクライスラー、というかステランティス傘下のブランド「JEEP」。クライスラー以前はAMC傘下でした。軍用ジープから連綿と続く縦線のフロントグリルがいいですね。当時、フルサイズの4輪駆動ピックアップはアメリカでも珍しく、この車は幅広い人気を得たそうです。

悪路走破性はいかにも良さそうですが、決して無骨一辺倒ではなく乗用車的でもあります。ボディサイドを貫くクロームのラインなど、ちょっと豪華な印象です。

== GM ==
シボレー・コルベット(1963年)

2代目コルベット。この美しいデザインは当時の欧州勢の向こうを張ります。

しかもこの1台は1963年式のみの「スプリットウインドウ」モデルです。2019年にも「AUTO ROMAN」で赤いスプリットウインドウが展示されていました。

ワイパーは対向式。そういえばコルベットって4代目モデルまでずっとこの形式のワイパーでした。それはそうと助手席側が上に配置されています。飛沫がドライバーの目前に飛ぶのでは?

シボレー・カマロ RS(2023年)

初代カマロ。個人的にカマロの初代はあまり印象になく「こんな形だっけ?」という感じなのですが(失礼)、ヒドゥンヘッドライトを採用した面構え、それから古典的な3ボックススタイルなどとても魅力的です。

個人的にカマロって大きなリアゲートを持つクーペというイメージなのですが、初代は立派なトランクを持ちますね。というかリアゲート付きのカマロって歴代の中で3代目と4代目だけですよね?私のイメージって不正確ですねぇ…

== クライスラー ==
ダッジ・チャレンジャー R/T 440+6 コンバーチブル(1970年)

チャレンジャーは日本国内でも、この初代モデルを強くイメージしたデザインの3代目に人気がありますね。並行輸入しかないにもかかわらず時々見かけます。そういや2代目ってどんなだっけ…と調べたら三菱ギャラン・ラムダのOEMだったんですね。

この車、会場で見たときはてっきりレザートップのクーペだと思っていました。実際は車名の通りコンバーチブル。この幌、とても頑丈に見えませんか?

== パッカード ==
スーパーエイト リムジン(1935年)

「DUPRO」での展示。この綺麗なマルーンのボディ、映画「ラストエンペラー」に登場した愛新覚羅溥儀専用車を思い出します。あちらはキャデラックですが。

運転席を見て驚いたのは、シートバックが直角であること。これは運転手にとって過酷な労働環境だったのでは。場合によっては数時間の運転をすることもあったはず。

この時代のサルーンやリムジンは皆そうだと思いますが、後部座席が後輪の車軸の真上にある。実際のところ、乗り心地はどうなのでしょうか。

ボンネットの先端を飾る特徴的なマスコット。スピードの女神「Goddess of Speed」。どことなくユーモラスです。

次はスペインの車。

== HURTAN ==
グランドアルバイシン・ビスポーク(2024年)
前回も展示されていたHURTAN(フータン)。出展は日本代理店「HURTAN JAPAN」。

現行マツダ・ロードスター(ND系)をベースに外装は1930年代風に、内装は豪華に仕上げています。前回はダークブルーメタのオープンモデル「ヘリテージ」でしたが、これは「RF」がベースですね。ベースよりかなり大型化されていますが、車重は変わらないそうです。

それはそうと「フータン」という公式のカナ表記は本国オリジナル的に正しいのでしょうか?Youtubeでは「ウルタン」って発音していましたよ。フータンだと、なんだか中華料理みたいで…

内装はとてもぜいたくです。造形自体はNDロードスターそのものですが、印象はかなり違います。

どうしてもアップで撮りたかったリアコンビランプ。見覚えがないのですが、どの車からの流用でしょうか。それとも汎用品かな?いずれにせよカッコイイ。この車、いったん見慣れるとかなりイイですよ。

最後に中国車。

== BYD ==
ATTO 3(2024年)

去年の展示車ではリアに大きく「BUILD YOUR DREAMS」と貼られていましたが、今は「BYD」に変更されたようですね。去年↓


SEAL(2024年)

今回のBYDは2台ともに真っ黒なボディ。ブース自体が黒基調のため、正直あまり映えていませんでした。ここでメタリック強めのシルバーだったら綺麗に映えたと思うのですが。

内装も赤だったらベントレーみたいだったりして。んなことないか。

BYDはこの車でテスラあたりの市場に食い込もうとしているのでしょう。ただ現状、BYDの日本での売れ行きはどうなのでしょうね。私もテスラは結構見かけますが、BYDを路上で見たのは一度だけです。

←次回はラスト。日本車編を。
Posted at 2024/11/30 00:00:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2024年10月08日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その2(イギリス車編)

オートモビルカウンシル2024 - その2(イギリス車編) 「オートモビルカウンシル」2023、イギリス車です。

前回欠席だったマクラーレン・オートモーティブジャパンは残念なことに今回も不参加。その代わりではありませんが、今年は超マニアックなブランド「ブリストル」が展示されていました。

そういえばマクラーレン。往年のF1マシン、マクラーレン・ホンダMP4/5BとMP4/6が展示されていました。これって半分は日本車枠?まぁいいですよね。ロータスのマシンもありましたのでまとめてアップします。

== マクラーレン ==
マクラーレン・ホンダMP4/5B(1990年)

今回、主催者展示としてアイルトン・セナ没後30年にちなみ3台のF1マシンが並べられていました。

マルボロカラーの、セナが乗ったマシンです。私はF1にまったく詳しくなく何も書けません。でもこのカラーリングは良く覚えています。

私があれこれ書くより、こちらの解説を。

マクラーレン・ホンダMP4/6(1991年)

翌年のマシンですね。

解説はこちら。斜めっていてすみません。V10のMP4/5Bに対しこちらはV12エンジン搭載。外見はまるで見かけがつかないのですが(私が)、エンジンはまったく違うわけですね。

いまや乗用車と同様にF1でもダウンサイジングが進み、1.6リッターのV6ですか。バブル時代の三菱にそういうエンジンありましたよね(?)

== ロータス ==
JPSロータス 97T ルノー(1985年)

セナに初優勝をもたらしたマシンだと説明にあります。

その説明です。1985年なんですね。セナのF1パイロットとしてのキャリアは、その後わずか9年で絶たれるわけですか。つくづくあの事故は悲劇だったと思います。

これを書いていて気がつきましたが、エイボン(AVON)ってイギリスのタイヤブランドですよね?ロールス・ロイスの純正タイヤに採用されていたと記憶していますが、F1マシンにも供給していたんですね。


セナがもしいまも生きていたら、引退後はF1界の重鎮として活躍していたでしょうか?それともF1ビジネスから早々に足を洗いまったく別のことをしていたでしょうか。案外YouTubeを舞台に車レビューなど自由に発信していたかも…

日本におけるF1ブームも、アイルトン・セナの死とともに終わりを告げます。

エスプリ S1(1971年)

ちょっと強引ですがF1マシンから一般向けの車に移ります。「AC MINDS」で展示されていたエスプリS1です。

ヨーロッパの後継として誕生したエスプリ。ジウジアーロデザインの代表作であり傑作ですね。28年という長寿モデルだったエスプリですが、豪華なGTカーという感じの後期型と比べ初期型はシンプルです。

AC MINDSでは、2021年にもエスプリS1(1978年式)を展示していました↓

同じ右ハンドルです。右のエスプリS1、いまやとても貴重だそうです。

フォード・コンサル コ-ティナ ロータスMk1 Sr1(1963年)

ロータス・コーティナはこの展示会で以前から何度も展示されていますが、ここで紹介したことは一度だけ。なぜだ?

英国フォードのごく普通のファミリーセダンの心臓を、ロータス製に置き換えたスポーツセダン。ロータス製DOHCエンジンは1.6Lで106馬力。標準モデルの倍近いパワーです。そして車重は1トンを切る。

テールフィン風というか、ちょっとつまんだ感じのリア。BMWの2002によく似た丸ランプ。当時のトレンドでしょう。この車は「羊の皮をかぶった狼」の先駆車かと。同時代の日本車にも大いに影響を与えたに違いありません。

== ベッドフォード ==
CA ドーモビル(1961年)

いきなりのキャンピングカー。「RANGERS / CCJ」ブースです。イギリスの商用車ベッドフォード。前回もここで1968年式ベースのキャンピングカー仕様が展示されていました。

改めて見るとすごいデザインです。突き出た鼻先がちょっとしたテーブル状態。イギリスの昔の商用車って個性的ですよね。

個性的な外観に対し、中はシンプルで普通に使いやすそう。ステアリングはそれほど寝ておらず、割と乗用車的に見えます。

こういう車で日本全国を回り、車中泊をするなんて人もいるのでしょうね。うらやましい!

== MG ==
マグネット ZB(1958年)

「ヴィンテージ宮田自動車」での展示です。ここのショップは守備範囲が広いですね。「超希少車、アポロ実働」と書いてありました。Bピラーにアポロウインカーが仕込まれています。

モーリス・ガレージの小型サルーンであり高級車ではないはずですが、ダッシュボード一面は木目張り。まるでジャガーサルーンのようです。

イギリス車に力があった頃の車。この時代は日産自動車が同クラスのオースティン・ケンブリッジをノックダウン生産し技術を吸収していました。

そんなMGもいまや中国企業の傘下になり新興国向けブランドとして使われており、かつての面影はありません。

== ジャガー ==
Mark Ⅰ 3.8(1965年)

「ワラシナカーズ」にて。この時代のジャガーサルーンといえば「マークⅡ」が有名だと思います。その前モデルに当たるのがこの「マークワン」。なおこの呼び方はモデル現役当時にはなく、マークⅡが登場してから逆算する形で付けられています。

マークⅡと違い、プレスドアを採用しています。この時代ならではの大きなバンパー。もう少し小さい方がいいかも…

この車は北米仕様左ハンドル。ダッシュボードのエンジンキー位置を見てください。ずいぶん遠い位置にあり、なんとこれは右ハンドル仕様のままなのだそうです。ボンネットリリースのレバーも右に残ったままで、ちょっと驚きましたね。

黒いボディにブラックレザーのシート。とても渋い。こういうのもいいですね!

ジャガー・カーズからの認定証です。

== オースティン・ヒーレー ==
スプライト Mark Ⅰ(1965年)

隣にはカニ目のスプライトがありました。こちらもマークワン。以前も書きましたがマーク○○とかシリーズ○○みたいな名前の付け方がイギリス車には多いですよね。前期、中期、後期みたいな言い方より、むしろわかりやすいかも知れません。

ハードトップを付けたカニ目。ヘッドスペースには結構余裕がありそう。

== アストンマーティン ==
DB7 GTA(2003年)

DB7といえば、ビッグネーム「DB」を復活させた割には地味目というか、フォードの影響が強かったためか埋もれがち…と勝手に思っていたのですが、改めて調べてみると、このDB7後期型はV12を積む相当なハイパフォーマンスカーなんですね。

それにしても、直6からV12に切替えるなんて思いきったものです。

それでもそのスタイリングは上品で控えめで、とてもいいですね。限定モデル「GTA」ですが、過剰な派手さはありません。

== ロールス・ロイス ==
カマルグ(1987年)

カマルグです。「Mars Inc.」で文字通り偉容を誇っていました。

パーソナルクーペの最高峰。初期型はシャドウベース、途中からスピリットベース。総生産台数わずか530台ほど。ピニンファリーナによるデザイン。センサーを使ったフルオートエアコンシステムは当時の最先端だったそうです。

車名の由来は南仏カマルグ。そういや「カマルグの塩」を成城石井かどこかで見かけました。オシャレな缶入りで、中身はべつにいいので缶だけでも欲しいと思いましたね(笑)

エンジンは6,750ccのV8。1987年式かつアメリカ仕様ベースということで、アメリカ向けのみ12台限定の「カマルグLTD」かと思いましたが、さすがにそれではありませんでした。

幅1.9メートル、全長5.2メートルですがそれ以上に大きく見えます。ちょっとびっくりするほど。ただ、とても端正です。ピニンファリーナに対するロールス・ロイスからのデザイン要件は「最高級の名に相応しく、威厳に満ち、決して古くならないこと」だけだったそうです。完璧にそれに応えていますね。

フロントのパルテノングリルは前方に傾いています。前の車のバックミラーにはグリルとフライングレディが3D効果?を伴って飛び込んでくるわけですね。かなり怖いかも…

そんな迫力のあるフロントに対しリアはとてもシンプル。そこはサルーンとも共通していますかね。トランクルームもさすがに広大で、旅行カバンなどいくらでも入りそうです。

カマルグは1975年登場ですが、同時代の車の中では明らかに直線基調。しかし1980年代には多くの車が直線的なスタイルを取り入れます。ようはカマルグは最高級であるとともに最先端でもあったということでしょう。

== アルヴィス ==
アルヴィスです。日本総代理店「明治産業」の出展。このところ連続して出ていますね。むっちゃ華やかです。

「コンティニュエーション」と銘打ち、過去の車を当時と同様の製法で、いま再生産しています。そんなモデルを3台展示。
3リッター グラバー・スーパークーペ(2022年)

このクーペは前回に展示されていたものと同じでしょうか?こんな貴重な車、そうそう何台もないでしょうし。

リアですが、ナンバープレート右側のリアフォグランプはその横のブレーキランプと光源が近すぎて保安基準的にNGでは?ってそんなこといったらサイドのウインカーもないか。少量生産車の特例措置ですかね。

内装は意外と現代的で、少し慣れれば普通に乗れるかも…

このレタリングにも時代を感じます。グラバーはスイスのベルンに存在したコーチビルダーです。

3リッター グラバー・スーパーカブリオレ(2024年)

オープン版です。とても洗練されていますね。伸びやかで本当にエレガントです。

真っ白い内装が目を惹きます。オーナーは少しぐらい汚れても気にしない…のでしょうか?

明るいガンメタリックですが、少しパープルがかって見えます。綺麗です。給油口の形がユニーク。

4.3リッター ヴァンデンプラ・ツアラー(2020年)

この車も以前から何度か展示されていますが、見るたびに圧倒されます。こういう車が日本にあること、売る人がいること、購入する人がいてビジネスとして成り立っていること自体が素晴らしいことです。

明治産業の方と話をすることができ、どんな人がアルヴィスを欲しがるのか率直なところを聞いてみました。

やはり本当のカーマニアで、ほかの車と決してかぶらず、ホンモノの高級車を求める人がいるのだと。そんな話を聞くことができました。とんでもなく希少で高価ですが、それでもブガッティより遥かに安いわけです。確かにそうですね…

== ブリストル ==

「ワクイミュージアム」で知られる涌井清春氏が新たに設立した「ブリストル研究所」です。

401(1949年)

ブリストル・カーズ。超レアなイギリスの高級車です。どのくらいレアか?ディーラーがロンドンにひとつしか置かれなかったくらいです。広告もまったく出さなかった。「ブリストルが存在することを知ることも、所有する上でのテストだ」みたいな話をYouTubeの動画で聞きました。マジか…

そんな自動車メーカーです。生産台数は年間100台ほど。残念ながら2020年に会社を清算しており、いまはもうありません。

第二次世界大戦でイギリスの空を護ったブリストル・エアロプレーン。戦後、自動車製造にも進出。戦前の名車BMW326/328のシャシと6気筒エンジンをもとに車を作り始めました。

前置きが長くなりましたが、そのブリストル最初の車がこの「400」です。キドニーグリルも踏襲していますね。

401(1953年)

ブリストルはアルミニウムボディ。航空機メーカーの技術が生かされています。上記400はもちろん未塗装の状態。

こちらの401、オールドイングリッシュホワイトでしょうか?とても綺麗な白に塗られています。なおこれには驚いたのですが、400/401の空気抵抗はCD値0.36。ここも航空機技術でしょう。普通にいまの高速道路を走ることができるし、風切り音も少なく普通に会話ができるとのことです。

406(1960年)

優雅なボディに豪華な内装、そこにドイツ生まれの高性能エンジンを組み合わせた車。「小型ベントレー」というコンセプトというか位置づけなのですが、希少性はベントレー以上。いまは亡き川上完さんも406を所有されていました。その1台もブリストル研究所にあるそうです。

ブリストルの特徴といえばコレ。こんなところがガバッと開き、スペアタイヤが格納されています。反対側も同様に開き、バッテリーが入っています。FR車の特徴「プレミアムレングス」(にしてもすごく長い)を、ブリストルはまさに有効活用しています。

当時の流行だったテールフィンが控えめに品良く付けられています。そして丸い小さなウインカーやテールランプ。この406はBMWエンジン最後のモデルです。なお1958年からブリストルは4輪ディスクブレーキも採用。ずいぶん早いですよね。

410(1968年)

407からはクライスラー製のV8に切り替え、同じくクライスラーのATとペアで搭載しています。クライスラーV8は汎用的だったのか、同様のパワーユニットはフランスのファセル・ヴェガも採用しています。さぞかしパワフルで丈夫なのだろうと思います。

綺麗にまとまっているリアです。少量生産メーカーだけにランプユニットは他車からの流用。調べたところ、この410はヒルマン・ミンクスから。

後年のモデル、ブリタニア/ブリガンドではベッドフォードCF(商用バン)から流用しています↓

ハイエースのを流用するようなもの?ですがとても上品だと思います。

少し野暮ったくも見えますが、おそらくは意図的なものなのでしょう。あえて、ボンドカーには選ばれないように。あまり目立たないように。成金に選ばれないように…

スタッフ様のご厚意で410の運転席に座らせていただきました。飛行機の操縦桿を模したステアリングホイール、重厚な革シート。インテリアの作り込みはまるで高級家具です。見た目は地味でも中に入ればまごうことなき高級車。足元は意外と広く、またこれだけのロングノーズにも関わらず車体の見切りはとても良い。なんというか、座っただけですごく不思議な幸福感に包まれましたね。なんですかねこれは…

ドア内張りというより装飾です。これを引っ張りドアを閉めるのってちょっと勇気が要る…

この眺めを見ることができたのはとても幸運なこと。

控えめな外観に強力なエンジンと豪華で繊細な内装を持つGTカー。そしてその存在はまるで知られていない。率直に言ってとても魅力的です。このブランドが消滅したのはとても残念なことです。

なんだか、イギリス車の深淵をちょっと覗いた気がします。


←次回はイタリアにフランス車、それからアメリカ車などを紹介します。
Posted at 2024/10/08 23:00:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2024年09月22日 イイね!

オートモビルカウンシル2024 - その1(ドイツ車編)

オートモビルカウンシル2024 - その1(ドイツ車編) 2024年4月12日から14日まで開催されたオートモビルカウンシルです。今年も行ってきました。遅くなりましたがブログで紹介します。

回を追うごとに、車の展示はもちろんトークショーやプロの生演奏、アートの展示など充実しています。今回は、カーグラフィックTVの松任谷正隆さんと田辺憲一さんの対談がありました。そちらは紹介できませんが、テレビでは見かけなくなった田辺さんがまだまだお元気だったことが印象的でした。


オートモビルカウンシル2023
オートモビルカウンシル2022
オートモビルカウンシル2021
オートモビルカウンシル2020
オートモビルカウンシル2019
オートモビルカウンシル2018
オートモビルカウンシル2017
オートモビルカウンシル2016

== メルセデス・ベンツ ==
300SL(1955年)

前回に引き続き「マツシマホールディングス」がブースを構えています。こちら初代300SL。

ブラックに明るいベージュの内装。この車が登場したのは初代トヨペットクラウンと同時期。アメリカ車の小型版とも言えるクラウンに対し、こちらはレーシングカー並みのシャシ&ボディに同じくレーシングカー並みの3リッター直6エンジンを組み合わせた超高性能車。敗戦国ドイツの意地かも知れません。

トランクスペースは広そうに見えますが、開けてみても大きなスペアタイヤに占領されています。なので荷物は専用のトランクに入れ車内に積むわけです。

SLS AMG(2011年)

並んで置かれたこちらは2011年のSLS。実に56年もの隔たりがありますが、初代300SLとの共通点を感じさせるのはうまいですね。

個人的な話ですが、私はこの車を路上で見たことがありません。むしろ実走する初代300SLを何度か見たことがあります。そういや後継のSLRマクラーレンも見たことないな…

280SL(1969年)

とても綺麗に仕上げられています。上品なボディカラー。ボディ前後にマーカーがないのも良き。

500E(1992年)
こちらは常連「ヤナセクラシックカーセンター」です。いまのヤナセは旧車のレストアも手掛けています。

いわずと知れた名車W124、その中でも500E/E500は突出した存在ですね。

この車は当時から並行輸入が多かったと思いますが、これはヤナセ物でしょうかね。リアに例のステッカーが貼ってありました。

…と思ったのですが、前後バンパーがツートンになっているのは本国(欧州)仕様の特徴でしたっけ?日本仕様は同色で塗られていたはず。並行車をベースにヤナセがレストアしたのでしょうか。聞いてみれば良かったかな?

W124のトランクリッドは斜めに大きく開きます。多くのメーカーが模倣しました。大きな開口部と剛性を両立しているのはさすがで、見るからにしっかりした造りです。

280TE(1995年)

後期型。フロントマスクが変更されウインカーレンズがクリアになりました。モダンで洗練されているのはこちらですが、いかにもな雰囲気は前期型が勝ると思います。

濃いエメラルドグリーンの外装にベージュの革内装。とても趣味が良い。

全体的にとても丈夫な印象。開けたリアゲートから垂れ下がるストラップすら丈夫に見えます。

500SL(1993年)

今回のR129は右ハンドル、サーフボード付き。

出たばかりのR129・500SLを即購入した徳大寺有恒さんが、その翌年あたりに追加された右ハンドル仕様に即乗り換えたというエピソードを覚えています。

いまとなってはとても貴重な1台でしょう。

W124をはじめとするこの時代のメルセデス・ベンツ各車は、イタリア出身のブルーノ・サッコがデザインしています。合理性と高級感、独特の個性を兼ね備えた傑作揃いです。このR129の未来的かつエモーショナルなスタイルも素晴らしい。以降のSLは方向性が変わっているように思えます。

560SL(1988年)

560SLは日米豪のみで展開されたそうですね。豪州向けがあるなら右ハンドルがあるわけで、日本にもそれを入れればと思いましたが、当時はその需要がなかったのでしょう。

280SE(1969年)

当時の縦目ベンツ各車はフランス人カーデザイナーのポール・ブラックが手がけました。若く多彩なフランス人は、ドイツを代表する自動車メーカーの名声を高めることに大いに寄与しました。

シートの柄がルイ・ヴィトン?と思ったらヴィトンのバッグが置いてあるだけでした(笑)

いまのメルセデスベンツでは見られなくなった、フロントグリルごと開くボンネット。開けてみるとなんだかガイコツっぽい?

190E 2.5-16 エボリューションⅡ(1992年)

こちらは「Auto Roman」のブースです。このショップでは毎回、すごい車が展示されます。さすがはウルフ・カウンタックを初めて日本に持ち込んだショップです。

映画「蘇る金狼」でも、Auto Romanの営業マンという役柄のキャラクターが登場しました。

ドイツ・ツーリングカー選手権のホモロゲーションモデルとして500台ほどのみ精算された車。割と普通だったエボリューションⅠですが、Ⅱになって過激になっています。

190SL(1958年)

「Mars Inc.」展示車。300SLとよく似たスタイリングですが、こちらはセダンベースのロードスター。車としてまったくの別物です。まぁサイズ感というか受ける印象というか、そちらもまったく違います。

とはいえこの豪華な内装は300SL譲りかも知れません。

後ろから見ると、セダンベースであることが分かります。

450SEL 6.9(1972年)

初代Sクラスのスペシャルモデル。「SIlver Star」で展示されていました。

6.9リッターV8を押し込むためオイルパンを廃止しドライサンプ方式を採用。レーシングカーかと。サスペンションはハイドロニューマチック。どんな人がこの車を維持できるのだろうかと思います。

190SLはSIlver Starも出品していました。隣に見えますね。

長い車です。ショート版「450SE 6.9」が欲しいという声はなかったのでしょうか。それともこんなモンスターマシンでもあくまで運転手付きが前提だったのでしょうか。450SEL 6.9をあてがわれた運転手はさぞかし仕事が楽しかったことでしょう。

== BMW ==
3.0 CS(1972年)

「WANNA DRIVE」ブースの1台。これでもかというほどのスラントノーズ。いまではこういう豪華なGTクーペもすっかり減っています。だからこそこの時代の車が魅力的なのかも。

リアも反復するデザイン。トランクリッド後端とリアバンパーが同じ位置にあります。バック時に壁にぶつけたらバンパーだけでなくトランクもやっちゃいそう。

M6 iDing(1989年)

日本のチューナー「アイディング」が手がけた1台。「Auto Roman」ブースにありました。

アイディングといえば、創業者みずからがドイツで修行し技術を磨いたチューナー。そしてこの車、あまり分かってないのですが、超希少ですよね…?

== ALPINA ==
B9 3.5 Coupe(1985年)

アルピナと言えば洗練された控えめな外観が特徴だと思いますが、大きなフロントエアダムやデカールなど、この車からはむしろ派手な印象を受けます。この時代ならではの雰囲気を感じます。

アルピナは2025年をもって自社生産の歴史に幕を閉じ、以降はBMW傘下のブランドとして生き残ることになりました。

== ポルシェ ==
ポルシェジャパンのブースにて3台展示。
911ターボ(1989年)

930型911ターボの最終型で、トランスミッションが4MTから5MTに。希少な1台。

最近は国内にある貴重な車が海外に流出するケースが多いと聞きますが、この1台はずっと日本に残って欲しいと思います。

911 ダカール(2023年)

悪路走破性を高めたモデル。このカラーリングもたまりません。959パリ・ダカール仕様のオマージュ、というかそのまんまですね。

このサインはジャッキー・イクスの直筆だそうです。

タイカン GTS(2023年)

これは東京マラソン2024の先導車とのこと。まさにEVならではの使い方。

「AUTO DIRECT」展示の3台。
911S(1967年)

まずこちらはミツワが取り扱ったナロー。当時のままのシングルナンバー。

商談中だったようで、価格が隠されていました。


RENNSPORT 911 Targa 3.4

前回も展示されていたレンシュポルト。単に旧車をレストアするのではなく、オールドスタイルで、なおかつ最新技術を取り入れ大胆に仕上げる。いわゆるレストモッドですね。

イギリスからやってきています。右ハンドルの内装をご覧あれ。

この車は1988年式のタルガがベース。実に独特の存在感を放っています。

911 Speedster(1989年)

ドイツ本国仕様。真っ赤なターボルックボディに、黒革の内装。この塗装はオリジナルペイントとのことです。驚きます。

走行距離を見て再び驚きました。たったの1.2万キロです。こんなの、911としては新車みたいなものでは?この素晴らしい1台、お値段もすごかった…

924(1988年)

こちらは「DUPRO」にて展示されていた924です。このクロームメッキのドアミラーはオリジナルでしょうか?それとも初期型っぽくしたカスタマイズでしょうか?

911とはまったく違う方向性の内装ですね。共通しているのはステアリングホイールくらいでしょうか。

911が競合他社に与えた影響は極めて大きいのですが、このFRモデルも同様でしょう。このスタイリングは多くの車が参考にしています。

== ベック ==
550 Spyder

「BECK JAPAN」のブースにて。ベックは北米インディアナ州のメーカーで、旧いポルシェのレプリカモデルを製造していますね。厳密にはアメリカ車なわけですが、こちらで紹介します。というか、BECK JAPANはこの展示会の常連です。

GTS

レプリカというと、どこかバランスがおかしかったり違和感があったり、「こりゃホンモノじゃないな」とピンとくるところがあるものですが、ベックに関してはなかなか分からないのではと思います。ホンモノのレプリカ?

== アルテガ ==
GT(2011年)

ドイツの新興スポーツカーメーカー、アルテガ。この「GT」は同社が初めて世に出したモデルです。展示車は「Mars Inc.」で販売されています。

アルテガ、2011年に破産しています……

EV専業メーカーとして再出発するとか、どこかで読んだ記憶がありますが音沙汰がありませんね。この車を買う人はぜひ大切にしてやってください。

== フォルクスワーゲン ==

今回、特別企画として5台のゴルフを一堂に展示していました。

初代 Golf E(1980年)

斬新だけれどもベーシックで、こりゃ大したものです。さすがはイタルデザイン・ジウジアーロ。典型的なドイツ車ですけど、そういやデザインはイタリアか。初代ゴルフは一度、運転席に座ったことがあります。とても広々としていました。

とてもシンプルなリア。VWのエンブレムがない代わりにVOLKSWAGENの小さな文字が。アウトバーンの追い越し車線で後ろを見せつける…という車ではないということかな。

2代目 Golf GTI(1990年)

オートモビルカウンシルで毎回登場しているゴルフ2。GTIですね。日本ではこのモデルからGTIの正規輸入が始まりました。

4代目 Golf R32(1990年)

4代目ゴルフは私も乗っていました。質感が高く、贅沢な車でした。

このR32、3.2リッターV6とフルタイム4WDを組み合わせるという少々ムチャな最上級グレードでした。W8を積んだパサート4MOTIONとか、この時代のVWはなんかキレたモデルを出していたように思います。

7代目 Golf TSI トレンドライン(2013年)

7代目は日本投入後すぐに試乗しました。そのときの驚きは今も覚えています。とにかく静かで快適で、クラスを越えていましたね。誰だったか、自動車評論家が「クラウン並みに静か」と書いていて、そんなわけあるかヨイショも大概にしろと思ったのですが実際に乗ってみたら本当に静かでした。クラウン並みかはともかく。

8代目 Golf TDI Rライン

私は現行の8代目も好きですね。普通にカッコイイし、歴代モデルの良さをちゃんと引き継いでいます。

常連「スピニングガレージ」でも例年通りゴルフが。

手前からカントリーCLI、隠れていますがカブリオ・クラシック。ゴルフ・カントリーは、いまで言うクロスオーバーSUVですね。このクラスの先駆者(先駆車)でしょうか。

ID. BUZZ Cargo

こちらは「VW GAKUYA & BLAZE CUT」が展示していた車です。IDバズ、VWのミニバン型EV。日本へは今年中に正規導入開始という話でしたよね。

実車は、正直言ってちょっと微妙でした。見慣れたら違ってくるのかも知れませんが、狙いすぎでピンと来ないという印象。大きすぎる前後VWエンブレムもイマイチかと。後ろなどテールランプより大きい。いろいろ模索中という感じです。

最後にビートルを。
タイプ1(1952年)

「Vintage Car VISCO」が展示するこの1台。ビートルの初期型、いわゆる「スプリットウインドウ」ってやつです。レアですねぇ。ウインカーもアポロ式が付いていました。

長い時間を掛けて徹底的に仕上げられており、車内のクッションも当時のオリジナルとのこと。

それでいてエンジンはスーパーチャージャー付きに換装!この初期型ビートル、いったいどんな感じで走るんでしょう?

←次回はイギリス車をアップします。
Posted at 2024/09/22 21:00:00 | コメント(3) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ
2023年12月16日 イイね!

オートモビルカウンシル2023 - その4(日本車編)

オートモビルカウンシル2023 - その4(日本車編) 「オートモビルカウンシル」2023、日本車編です。


日本のヘリテージカー、いや「旧車」って言った方がいいですね。魅力的な国産旧車をいっきに眺めることができるのはこのショーの大きな魅力です。それは毎回変わりません。今回も、見どころがたくさんありました。



== トヨタ ==
スポーツ800(1969年)

「ヴィンテージ宮田自動車」の展示。日本の旧車を得意とする、この三重県のショップは毎年参加しています。

このショップさんの展示は、毎回なにかしらスゴかったり希少だったりします。

このトヨタスポーツ800は4年間生産されたうちの後期型にあたるそうです。見た目でいえば、フロントフェンダー前方のサイドマーカー(側面ウインカー)がわかりやすいとのこと。

ヨタハチのリア。番号灯に取り付けられたバックランプがどこかユーモラス。

カローラレビン(1973年)

実は今まで知らなかったのですが、初代いわゆるTE27型は、1972年に発売されてからたったの2年間しか生産されていなかったのですね。

こんな魅力的な車がなぜそんな短命で終わったのか。

当時、この手のコンパクトスポーツクーペはさぞかし人気だったでしょう。厳しい排気ガス規制が敷かれるのは1975年(昭和50年)からのはずです。

セリカ XX 2000GT(1985年)

まるで新車のようなダブルエックス。ちょっと見ただけでとても大切にされてきたであろうことが伝わります。

実際、奇跡的なコンディションの1台だそうで、価格も「応談」になっています。

抜群の状態なのは、この純正シートカバーを見ても分かると思います。

写真ではわかりませんが、デジタルメーターを装備しています。

横いっぱいにワイドに広げられたリアランプ。この時代のトヨタ車に共通していますね。

== 日産 ==
まずは日産自動車の公式ブースから。

スカイライン 2000GT(1970年)

これは、このショーでも毎回1台は展示されている「PGC10型」GT-Rではなく「GC10型」2000GTですね。

GT-Rのような太いタイヤではなく、リアのホイールアーチも違います。それから、ボンネットに取り付けられたクロームの飾りがなんだか贅沢。初代セドリックからの流れ?いやプリンス・スカイラインスポーツかな。

当時は羨望の的だったのでしょうね。このシンプルなリアも好みです。

セドリック・シーマ タイプⅡ リミテッド(1990年)

日本一有名なシーマ。女優の伊藤かずえさんが所有する車です。以前からメディアで取り上げられていますね。日産により新車同様にレストアされています。

初代シーマ。上品かつ力感のあるボディはバブル絶頂期の日本で大ブームを引き起こしました。エンジンは3リッターV6で、なかでもタイプIIリミテッドに搭載されたターボ仕様は255馬力。ベンツの560SELより豪快な加速をしたとか。

丸みを帯びたシルエットがとても印象的。オリジナリティがあります。日本の仏像からインスピレーションを得たとデザイナーが雑誌のインタビューで答えていました。

シンプルかつハリがある。前後のライトなど、トヨタならサイドに大きく回りこませて豪華な印象を持たせるところ、この車はスッパリ切り落としている。インフィニティQ45などもそうですが、この時代の日産ビッグカーには独特の良いセンスがあります。

内装を改めてみてみると、案外シンプルといいますかあっさりしています。木目パネルも控えめです。屋根から吊り下げられた前席シートベルトは、この時代のピラーレスハードトップ車ならではですね。

細く横長のリアコンビネーションランプも、よく見るとレンズにまるで彫刻刀で削ったような綺麗なくぼみがあります。これで、シンプルながらも起伏を持たせている。うまいデザインですね…

フェアレディZ Version S(1998年)

こちらは日産社員さんの愛車とのこと。

あえてのウイングレスでしょうか。無茶苦茶センス良いと思います。

オーナーは若い女性です。学生時代からこの4代目Z32を手に入れることを目標にされてきたそうです。

パオ(1989年)

このパオのオーナーも若い方、20代前半の男性です。

今も時々日産パオは路上で見かけます。この魅力的なリアはつい追いかけたくなります。

それにしても、自分よりずっと年上の旧い車を愛車にする。簡単に書きましたが本当にすごいこと!

ダットサン・フェアレディ2000(1969年)

ヴィンテージ宮田自動車です。前回は1967年のフェアレディ2000が展示されていました。そちらは純白でしたが、こちらは英国車っぽいクリームホワイト。

再塗装済みだそうで、やはりとても綺麗。

シートも張り替えているとのこと。黒一色の、なんの装飾もないスパルタンな内装が、まさに正統派オープンスポーツ。ギアが5速まであるのが分かるでしょうか?この時代で5速です。

Z432(1970年)

去年も展示されていた車と同じでしょう、Z432です。

珠玉のエンジン。だけでなく、ボンネットヒンジの造り込みも相当です。修理が大変そう。

総生産台数419台で、わずか数十台現存するうちの1台です。

スカイラインGT-R(1972年)

日産のブースに展示されていた2000GTと比べると、かなり印象が違います。これは意外でした。

独特の近寄りがたさがありますね。

当時ならではの赤一色のリアランプ。そういえばこのスカイラインもそうですが、この時代の車は前後それからサイドでウインカーの色がそれぞれ違うことがありますね。

== ホンダ ==
S360

ホンダ公式のブースです。これは試作されたのみで市販を果たせなかったスポーツ360。その試作車もとうに廃棄され残っていないとのこと。

では、この車は?

これは2013年にホンダ自身によって復刻された車です。同年の東京モーターショーでも公開されており、2016年のオートモビルカウンシルでも展示されました。私も、この車を見たのはこれで3度目。記事にしたのも3度目です。

ない部品は再生産し、当時の設計図をまとめ直し読み直し…復刻にはかなりの苦労があったと、説明員の方から熱く語っていただきました。

T360

そのS360が積んでいたエンジンはこの軽トラと同じ。DOHCエンジンを積む軽トラ。農道のスポーツカー。

カバのようなデザインは愛嬌たっぷり。当時のディーゼル機関車にも通じる印象。

それにしても、このフレンチブルー的な明るい青が綺麗。これがT360のイメージカラーということになるのでしょうか。

S600 クーペ(1972年)

「プラネックスカーズ」出品車。

改めて感じるのは、すごく小さな車だということ。ショップの方とも盛り上がりましたが、ホンダSは本当に小さい。

この小さな空間を見てください。昔と比べ人間の平均身長は伸びていますが、それにしたって当時の車は小さかった。

クーペモデルのこの車のリアゲートも開けていただきましたが、今の感覚からするとまるで小窓のような感じでした。

相対的にエンジンが大きく見えます。というか、今の車はエンジンのほうがどんどんコンパクト化しているんですよね。サイズも排気量も。

== 三菱 ==
今年は三菱自動車がブースを構えていました。展示車は最新の三菱各車そしてラリー&レーシングカーです。

eKクロス EV(2023年)

こちら三菱というかNMKVですかね。ともかく、最近の三菱車はイイカンジです。この無骨さ、決して悪くありませんよ。

兄弟車のサクラとどちらか選べと言われたら、かなり悩みます。って、そういえば 日産サクラ も展示されていたじゃないですか。

NMKV の車ってことで、こちらに載せてみます。

アウトランダー(2023年)

現行のアウトランダーです。まずはその外観。厳ついといえばそうなのですが、不思議とワルっぽさはない。キラキラしたレンズや大きなクローム装飾など、演出の手法は派手なのに品悪くはなっていない。とても良いと思います。三菱はこの手法で高級サルーンを復活させてみたらどうだろう?

その内装にも感心しました。贅沢というより質の高さを感じる。凝ったデザインですが不思議とごちゃついた印象は受けません。

そして運転席に座ってみると視界が良好で車両感覚がつかみやすい。どこかスバルにも似た感じです。そして内装のレザーに施されたステッチがナイス。

エクリプス・クロス PHEV(2023年)

こちらも好印象の1台。とても格好いいですよこの車。

実車に触れるまで、そのクーペスタイルのため特に後方視界が犠牲になっているだろうと勝手に思っていましたが、実際には決してそんなことはない。良心的です。ってか車って乗らないと、座ってみないと分かりませんね…

かつての三菱車の良さって、ひとつには独特の無骨さと真面目さにあったと思います。バンカラ優等生みたいな。いま、三菱はそれを思い出したのかも。

アウトランダーPHEV(2015年)

第20回アジアクロスカントリーラリーに参戦した車です。

MiEV EvolutionⅢ(2014年)

こちらは2014年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦した車。ドライバーは増岡浩さんです。


== マツダ ==

マツダの公式ブースです。テーマは「ロータリーエンジンの可能性の追求と新しい価値への挑戦」、ロータリーエンジンを積んだマツダ車が。

コスモAP

車内はウッド調パネルが貼られていてとても良い印象でした。

RX-8 ハイドロジェンRE

水素ロータリエンジンを積んだ車。ガソリンとのデュアルシステムで航続距離は600kmといいますから充分に実用的でしょう。マツダはロータリーこそ水素燃料に向いていると主張しています。

MX-81(1981年)

滅多に見られないコンセプトカーです。1981年に開催された第24回東京モーターショーにて展示されたコンセプトカー。未来の高級スポーツクーペの提案で、ボディはベルトーネが制作しています。

回転式シート。運転席にはハンドルのかわりにCRTモニタがあり、それに各種情報が表示される。奇抜に思えますが、いまの車はインパネが液晶モニタで占められています。この車はまさに未来を先んじていますね!

モニタのまわりのキャタピラ状のものがハンドルのかわり。ここはちょっと先んじすぎていますね…

2021年にイタリアにてレストアされ、いまでも自走可能だそうです。コンセプトカーってそもそも走行不可だったり、展示後は廃棄されることも多いと思いますが、この車には関わった人たちの熱い思いがあるのでしょうね。

最後に、日本発のEVコンセプトを。

== AIM ==
EV SPORT 01

名古屋のエイム。自動車のエンジニアリングを手がける会社です。

このデザインは元日産の中村史郎氏によるものだそうです。

クラシカルな印象と近未来感が融合していて、とても魅力的です。車が完成したのはこのショーに展示する前日だったそうです。まるでプリンス・スカイラインスポーツのようなエピソードです。


以上、オートモビルカウンシル2023でした。

回を重ねるたびに展示台数が増えていて、今回は公式によると166台。リアルタイムでショーの成長に触れられます。これはちょっとした楽しみになっています。完璧に仕上げられたレストア車両だけでなく、商用車や現地仕様車などマニアックな旧車も展示されているのは大いにシナプスを刺激されます!


来年2024年は、4月12日(金)から14日(日)の3日間とのこと。楽しみです!!
Posted at 2023/12/16 00:00:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | 展示会 | クルマ

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