「オートモビルカウンシル」2022、フランス車とアメリカ車、そして韓国車です。
フランス車はプジョーの日本法人がブースを構えていたことが嬉しい。やはりメーカーブースの存在はショーに活気を与えてくれます。アメリカ車は高級SUVの元祖とも言える車が。それから注目の韓国発最新EVも展示されていました。
まずフランス車です。
== プジョー ==
205 CTI(1991年)

フランス車のスペシャリスト「原工房」の白い205、それもCTI(カブリオレ)後期型です。このプレーンさが素晴しい。オリジナルそのままの姿なのでしょう。

ホイールも車高もなにもかもオリジナルですかね。とても綺麗に仕上がっていますが、過度に磨きすぎていないのも良い。しかもこの値段。欲しい人、多いのでは?
205 GTI(1994年)
日本公式の展示です。プジョー・ジャポン改め「ステランティスジャパン」。
1990年代から最新プジョーまで充実した展示でした。

205GTI、こちらも後期型ですね。

3ドアはこの四角い後部ウインドウが良いですね。軽快感と重厚感を見事に両立させています。

思えばこの205のおかげで日本でもプジョーが一般的に知られるようになりました。当時はスズキのディーラーでも販売されていたり。正規ディーラーは「ブルーライオン」という名称でしたね。

後期型はリアランプが凝っています。赤い発光部全体を覆うリフレクター、テールランプが上側(片側2灯)でブレーキランプが下(ウインカーの横)。この小さなユニットに機能をキッチリ詰め込んでいます。リアバンパーの赤いレンズは左側がバックで右がリアフォグ。バックランプはもちろん白く光りますが、消灯時は赤レンズという凝りっぷりです。

この当時のプジョーってそういう機能性を追求したデザインが多かったように思います。高級車605などもそうでした。パネルにあるプジョーのダイレクト感とは、そんな虚飾のない機能美に裏打ちされているのかなと。
306 S16(2000年)

フランス車って意識高い系シャレオツ系みたいな扱いをされることも多いかも知れませんが、実際はそんな軽いものではない。ドイツ車並みに合理性を詰め、走行性はもちろん安全や快適も追求しています。

なんだかんだでフランス車には歴史がありますからねぇ…

細かいところまで配慮が行き届いています。たとえばリアワイパー。306のリアワイパーはムチャクチャ長く、驚くほど広い面積を拭き取ります。リアワイパーなのに。世の中にはリアワイパーを取っちゃう人もいるくらいなのに。

この車もリアランプの赤部分全体がリフレクターになっています。路駐の多いパリの街角では安全でしょう(?)

当時、仕事でちょっと風変わりな技術者と関わっていたのですが、その彼が306乗りでした。5ドアのMTで、彼の運転に乗せてもらったこともあります。分厚く柔らかいシートの座り心地、硬めかつしなやかな乗り心地、そしてオートマよりスムーズでショック皆無な彼のシフトワークを今だに覚えています。あれからだいぶ経ちますが私がフランス車を手にする機会は今だにありません。これからあるのかな?
208 GT(2022年)

ここ最近のフランス車はずいぶん国際化しています。そのなかでプジョーは独自の個性を維持しつつ、レベルを上げていると思います。

内外装の作り込みや質感はハイレベルです。そして、改めて眺めると全体の造形はわりとオーソドックスです。

イメージカラーのこの黄色が鮮烈ですが、これで渋めの色を選べばまた違った印象になるかなと。
308 GT Hybrid(2022年)

新型308に設定されたハイブリッドモデル。これは日本仕様ではなく、先行輸入された欧州仕様車だそうです。

ちょうどこのショーが開催されている頃に正式な仕様が発売されました。

欧州仕様左ハンドルの前席。日本向け右ハンドルでは、センターコンソール周りがキチンと左右反転されています。右ハンドルの出来も今はぐんと良くなりました。
== シトロエン ==
シトロエン専門店「アウトニーズ」です。
2CV(1961年)

こんな感じでレストア作業していますよ、という感じの展示。というか本当に作業をしていました。こういう飾らない展示もこのショーの魅力です。
ID19(1961年)

IDはDSシリーズの廉価モデルです。

説明は若いスタッフで、シトロエン愛がすごかった。DSの出てきた映画「サムライ」もご存じで、ちょっと盛り上がりました(笑)

前席、後席と乗り込ませていただけました。ふんわりしたシートが本当にに魅力的。

シトロエンID。DSの特徴であるイドロニューマチックのシステムを大幅に省略した、ようは普通にしたモデルですね。メーターパネルもシンプルです。後部座席はとても広く、リムジン的な使い方をされていたことにも納得です。

ブレーキペダルもDSの特徴的なボタン式ではなく普通です。初見さんにはこっちが良いですね(笑)
2017年展示のDSです↓

エンジンルームも開けていただきました。ラジエターの前にスペアタイヤがあり、どうやって冷やすの?と思ったら前ではなく下から空気を取り入れているそうです。

トランクルームも。外観からは想像するより広いですね。中に段ボールとか入ったままというのも、本当に飾らない展示です(笑)
次はアメリカ車です。JEEPワゴニアが展示されていました。
== JEEP ==
ワゴニア(1977年)

「BUDDY-AUTO」に2台の1977年式ワゴニアが。ワゴニアは古き良き時代のアメリカ車の雰囲気を残すとともに、いま世界中のメーカーが手がける高級SUVの源流ともいえる車です。

この車のメーカーブランドですが、カイザー⇒AMC⇒クライスラーと変遷しているようで、よくわからないので「JEEP」にしました(汗)

そのJEEPブランドも今やステランティスグループの一員。古き良きアメ車はもはや過去のものです。

しかし、今一番注目を集めている自動車メーカーもアメリカのテスラ。アメリカの自動車産業は強いです。
最後に韓国車です。
ヒュンダイ改め
== ヒョンデ ==
アイオニック5(2022年)

個人的には「ヒュンダイ」読みのほうが馴染んでいますが…それはともかく注目のEVです。会場での注目度も相当に高いものがありました。

スタイルはかつてのVWゴルフを思わせ、ことのほかベーシックです。対して内装は最新EVの流儀そのもの。慣れが必要ですが、いったん慣れればなんの問題もないのでしょうね。ガラケーからいつの間にか誰しもスマホを持つようになったように。

細部には旧世代のドット絵を思わせるディティールがあり、これはなかなかです。

フロントにもちょっとしたラゲッジスペースがあります。

インパネのモニター。もうちょっと綺麗に撮れれば良かったのですが…すみません真っ白です。実際は結構見やすく使いやすそうです。

直線基調のスタイルのなかに、EVならではの未来感覚と旧来の車らしさをうまくミックスしていると思いましたね。

韓国の自動車メーカーは商品力を上げてきています。
←次回はラスト。日本車編です。