[ステアリングラック] 異音 → 後期型中古品へ換装(失敗)
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・9月中旬
Dに某工場長のセカンドオピニオンをそれとなく伝え,ラック交換の作業を打診。入庫可能なのは一ヶ月先になるとのこと。
駆動系に不具合を抱えたまま多走行の一ヶ月を過ごすのは不安なので他の工場に持ち込むか迷い,車検整備の実質的な継続や,純正部品を要する他の整備も併せて実施する予定があっためそのまま待つことに。
この間,他の整備のための部品集めや中古ラックの手入れをする(さび取りや小傷の補修など)。
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中古ラックは某オクで過去にもフィエスタmk6の中古部品を購入してきた山口の解体業者さんからのもの(送料+雑費込みで7千円程度)。
商品説明によると2006年末登録の後期型GHIA(走行約3.9万km)から取り出されている。ステアリングラック・アッセンブリー品番は2S61-3200-RA。ギアボックスの刻印はRF-2S6C-3550-PA。
当初はFordPartsUKから前期型対応の新品を取り寄せようと問い合わせたが,FordPartsUKが現行採用している発送方式では梱包時に規定サイズを越えるため日本への発送ができないとのこと。eBayでは程度の不明な中古品がほとんどで,リビルト品(ときにタイロッドエンド含まず)は送料を含めると日本での正規部品とさほど変わらない価格(約15万円)に。
そしてこの間も上記の違和感と異音はひどくなっていく。同乗者からも「なにこの音?」と聞かれるほど。
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不具合の出ていた前期型GHIAのステアリングラック・アッセンブリー品番は2S61-3200-LP。
ここで問題発生。今回の交換にあたって,中古品との長さおよびタイロッドエンドの装着位置の事前比較を行わずに作業したとのこと。
また,品番と車両との適合も確認せず作業を開始し,ステアリングシャフトと繋がるスピンドルの向きが大きく異なっていたにも係わらず,ステアリングを固定したままラックセンターが出ていない状態で換装したという。
「タイロッドの位置を変えて調整するのに手こずりました」「ステアリングフィールに違和感があり左右で切れ角も違いますが,なんとかまっすぐ走ります」とは言われるものの,装着前に現物合わせをして適合しそうにない旨を連絡してくれれば車両に合う新品の部品を発注したのだが・・・
ギアの摩耗による異音と違和感は換装によって解消されたものの,サイドスリップで調整しただけのホイールアライメントは大きくズレており,左右で極端に長さが違うタイロッドのせいで右側(運転席側)のタイヤとホイールがロアアームに干渉し危険極まりない(ホイールは傷付き,バランサーは剥がれてしまった)。
試走後にすぐにDに戻り再調整を求めると,場内を軽く試走しただけで「異常ありませんけど?」。干渉を再現してみせると「ハンドルをあまり切らないようにすれば大丈夫ですよ」。
そうも言ってはいられないはずなので,別の整備士さんに再調整を打診。そのまま再入庫はできず「来週になら・・・」との答えをなんとか得てそのまま帰宅。
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・10月下旬
一度は今回の交換作業を請け負おうとしてくださった某工場長に再相談。ラックセンター優先の調整方法を紹介してくださったので,Dにそれを伝える。しかし「代車の都合もあるので・・・」と再入庫は反故に。
こちらも新車を買わずに長らくお世話になってきたことや,中古部品を持ち込ませていただいた経緯があるので,あまり無碍なクレームも重ねにくい。一方で,新車を買わせるために同行号を壊そうとしているのか,もしくはそれに係わらず面倒な客として二度と出入りさせたくないのかと疑心暗鬼になる。
DIY品番検索では,エアコンのないモデルではパワステポンプの位置が異なるせいでラックも異なる部品になるらしいことは分かったが,日本仕様は前後期型ともにエアコンが装備されているモデルである。フィエスタmk6のステアリングラックのバリエーション(とくに前期型と後期型の相違)や交換時のセンター出しの注意点などについて,海外のオーナーズクラブや部品屋さんに情報をあたってみるも,有効な回答が出てこない。
その他の工場や整備士さん(元フォードDの整備士さん含む)にも相談すると,某工場長と同じ調整法を紹介してくださる一方で,工場を換える前にDへの再入庫を後押しされる。さらにはDの関係者にコンタクトしてくださる。
・11月上旬
Dから連絡があるが「とにかく話合いましょう」と完全にクレーマー扱い。通常の整備の範疇を超える負担をかけていることには恐縮の意を自分なり示す。Dでの歓談の結果,11月中旬に再入庫することに。
なぜかここまできても中古品の再調整のみで,確実に適合する新品を取り寄せる話にはならなかった(新品の部品を発注する意思もあることは10月に伝達済み)。部品検索ではいくつかの品番のラックが見つかるとのことだが,車台番号から適合品は特定できるはずなのに煮え切らない。フォードジャパン撤退にともなう国内の新しい部品窓口であるPCI(
http://www.ford-service.co.jp/)との関係が過渡期であることも影響しているようにも感じられた。元々装着されていたラックに戻したくなる気にさえなるが,廃棄してしまったのかがよく分からない。
社交辞令ではなく純粋な気持ちでスタッフ減やフォード撤退のしわ寄せをねぎらい,再整備にあたっては追加の工賃も支払う意思があることをあらためて伝える。
そうこうしているうちに,フロントタイヤの異常摩耗が進行。限界走行をしているわけでもないのに縦皺&消しゴム状のカスが出たり,各ブロックがノコギリの歯のようにめくられ&削られていく(羽状磨耗)。
遠征(
http://minkara.carview.co.jp/userid/121170/blog/38821883/)前に応急処置としてタイヤの前後ローテーションを某量販店に依頼すると,その異常さに驚かれここでもDでの早期の再調整を勧められる。
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・11月中旬
遠征から帰還後,ようやくDに再々入庫。
室内側のステアリングを外し,ラックセンターを優先して再装着を試みるも,ラック側と同様に室内も国産車のような細かいスプラインがなく(写真上: 室内側のステアリングの接続部),十分なセンターは出せないとのこと。ということなら,やはり新品のラックを発注したかったのだが,作業完了までその状況説明がなかった。お金をかけずになんとかしてあげたいという気遣いだったのか,それ以外の何かがあるのかは,やはりよく分からなかった。
納車直前にラジエーターのドレンプラグから,クーラントフルード漏れが見つかり,交換したいとの連絡。7月下旬の車検整備時に新品に交換したばかりなのでいぶかしんでいると,「車検時に交換したのはエンジンオイルのドレンプラグ」だと伝えてきた。車検時の明細を確認してみると,やはり最近交換したのはラジエーターのドレンプラグであり,エンジンのドレンプラグではない。また,車検直後に同箇所からのフルード漏れをこちらから指摘した際には「その可能性はない」と取り合ってもらえなかった。漏れがないのが正しかったのだとしたら,プラグに触れたのはその後のDによるサブタンクの交換作業時のはずである。それらのことをそれとなく伝えると,無償でのラジエーターのドレインプラグの交換と相成った。やれやれ。
このことに限らず,今回の車検からの一連の整備では,「?」のつく説明や予防整備も多かった。
この最終?調整でタイヤ・ホイールとロアアームの干渉は解消したが,ラックセンターは未だ出ておらず,ステアリングも左に傾いたままである。本当はタイヤを交換するかせめてタイヤバランスを取り直して欲しいくらいの惨状だったが,それは求めなかった。
走行時の4輪の接地感のバラツキや入力に対する感触からは,ホイールアライメントが未だ規定値に収まっていないように感じられる。4輪アライメントテスターを持つ工場に再入庫してみるか,確実に適合するラックを再入手し再換装する必要性がある。
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今回の件では多くの方々にご面倒ご厄介をおかけしました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。また,多くのご助言とご心配いただいたことに深謝いたします。
ゴタゴタとしてしまいましたが,いろいろと勉強になりました。自分の甘さや今までは恵まれていただけなことも自覚しました。
そしてDからフォードの看板が無くなりました(現在はルノー高松に衣替えされています)。今まで本当にお世話になりました。ありがとうございました。
2016年11月 31.8万km
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