996t　オルタネーター交換

特に不具合があるわけではありませんが、暇とガレージがあるうちにやってしまいます。
最近では、水冷式でかつECU内臓のオルタネータも採用されているようですが、996ターボの場合はごく普通のもの。
911は「雨水」と「熱」というオルタネータにとっては最悪のコンディション。
特に2000年前後のドイツ車オルタネータはなぜかすぐ壊れるという迷信（2度は実体験）もあり、予防整備です。
ManualとATで違う型番でした。リビルト$350、997-603-012-07
コアチャージがあるため、古い物を送り返せば$85戻ってきます。今回は予備品として古い物もキープしておきます。

エアクリーナを外した後、インテークを外します。固定しているボルト、上に載っている過給圧センサのカプラ、ラバーチューブ類をはずします。

エアフィルター左に固定されているプラス端子のボックスを外します。
オルタネーター下のプーリーを外します。

ベルトテンショナーを時計回りにまわしつつベルトを外したら、やっとオルタネータの固定ボルトを緩められます。15mmのソケットを使いますが、向かって左のボルトは裏から手前に締め付けられているので、メガネしか入りません。
とにかく996の整備には、多種多様な15mmのツールを用意しておくことをお勧めします。

ボルトを外してもなお、全く動く気配がありません。矢印の方向へズラすのは間違いないので、隙間に工具を突っ込んでコジります。
コジりは自動車整備の中では極めて使用頻度の高い「技」ですが、その方法は千差万別。コジりの角度と、コジられる2つのポイントの強度を十二分に検討してから望みます。

あとはぶっといケーブルとカプラを外します。必ずバッテリーのアースは外しておきましょう。このケーブルはスターターのB端子に繋がってますが、スターターからまたぶっといケーブルで車両前方のバッテリーのプラスまで伸びています。

右が外したオルタネータです・・・。
ん？120A（旧）と150A（新）？発電量が違う？

気にしない気にしない。
「温暖化でこれからどんどん暑くなる夏を乗り切るには150Aが必要だ！」と、ロバート・ボッシュがポルシェＡＧに進言したに違いありません。

あとは簡単ですね。外した部品を戻すだけです。
これでしばらくは安心です。

はずしたオルタネータのプーリーを手で回すと、時計回りでは負荷を感じますが、反時計回りでは空回りします。
これは軸にワンウェイクラッチが仕込まれていて、高回転から急激にエンジン回転が落ちた時でも、プーリーが空回りしてオルタネーターを慣性で回し続ける機構です。
ベルトの長寿命化にも繋がりますね。
こういう細かいところが空冷→996で格段に進歩してます。