ということで佐世保・長崎最終アップです。
前回は海上自衛隊佐世保基地倉島岸壁からの風景でしたが、今回は佐世保を一望できる、知る人ぞ知る艦船スポット弓張岳です。
知る人ぞ知る・・・というのは実は嘘で、その手のファンなら誰でも知ってるぐらい有名らしいのですが、そのへんのチェックが甘い私は全く知らず(ちゃんと載ってるガイド買ってたのにそこだけ読んでなかった・・・笑)、偶然泊まったホテルが弓張岳だったわけです。
本当はもうすこし上に展望台があって、そこには戦時中高角砲が設置されてた防空施設があったこともあって周囲をさえぎるものがなく、絶好の艦船スポットだったんです。
・・・というのを帰宅してから知りました(涙)
まぁ知っててもこの日は雨と霧なのでまともに見ること出来ませんでしたけどね。
※写真をクリックすると若干大きくなります。

霧があって、白っぽくなっていますが弓張岳からみた佐世保港です。
晴れていればくっきり見れたのでしょうけど霧が薄くなったこれが限界。
海上自衛隊と米海軍の艦船がみられます。

ガスっていてよく見えませんね・・・
中央の島は牧の島でしょうか?

陸上自衛隊相浦駐屯地でしょうか?
ここには3個普通科中隊から編成される西部方面普通科連隊と第3教育団が駐屯しています。

佐世保が造船の街なんだなと感じますね。
佐世保重工がみえます。
奥のほうに補給艦のようなものがみえますが、修理中でしょうか?

フェリーターミナル周辺です。
港湾としては大きいですが、横浜港のような大規模コンテナ施設のようなものがなく、基地と造船が中心なんだなという感じですね。

1枚目の写真をアップにしてみました。
音響測定艦「ヴィクトリアス」級(満載排水量3384トン)が2隻いました。
奥に見えるのは米海軍の音響測定艦「エイブル」T-AGOS-20、手前の艦船は・・・なんでしょう?
双胴式の船体がとても特徴的ですが、音響測定艦は潜水艦の音紋を測定する艦艇です。
潜水艦は製造上などの関係でどうしてもすこしづつばらつきがあります。
それは潜水艦が発生する音も同じで、それぞれ特有の音を発します。
この音を識別出来れば、どの国の何と言う潜水艦の音なのかがわかるわけです。
日本列島は地形的に中国と極東ロシアを塞ぐような形になっていますので、中国とロシアの潜水艦の動きが非常に活発です。
これらの動きを監視する意味でも極めて重要で機密性の高い艦艇です。

こちらも1枚目の写真のアップですが、海上自衛隊の艦船が3隻いました。
手前から掃海艇「ししじま」MSC-691(満載排水量590トン)、掃海艇「たかしま」MSC-603(満載排水量650トン)
その奥は掃海艇「ひらしま」MSC-601(満載排水量650トン)
その奥に護衛艦「さわぎり」DD-157(満載排水量4900トン)です。
小型の掃海艇と大型の護衛艦の規模の違いがよくわかりますね。

米海軍側です。
手前に米海軍の艦船が、後方に海上自衛隊の護衛艦などが係留されていました。
なにやらよくわからないのでちょっと拡大してみましょう。

なにやら見慣れぬ艦船が停泊しています。
手前の白っぽくて怪しい船は米海軍の宿泊船「マーサー」APL-39です。
非葬式自走式でホテルシップといわれるもので、空母などの大型艦が来航したり艦艇が修理するときに乗員の宿泊に使われるものです。
横須賀には同じく宿泊船APL-40ニュエセスが停泊しています。
その後ろにあるのは米海軍のドッグ型輸送揚陸艦「デンヴァー」LPD-9(満載排水量17244トン)です。
オースチン級ドッグ型輸送揚陸艦の6番艦で、1968年に就役したベテラン艦です。
揚陸艇としてLCACを2隻、LCMなら4隻を収納できます。
CH-46輸送ヘリコプターを6機露天搭載が可能となっています。
その後ろは掃海艦パトリオットMCM-7

手前の艦船は米海軍の掃海艦「パトリオット」MCM-7(満載排水量1312トン)です。
アヴェンジャー級掃海艦の7番艦です。
米海軍は以外にも掃海については優先順位が高くありませんでしたが、80年代になると掃海についてもみなおされ建造されたのがアヴェンジャー級です。
掃海艦艇ということもあって船体は木製です。
右側の岸壁に接岸してるのは同じくアヴェンジャー級掃海艦ですが、「ガーディアン」MCM-5でしょうか?
その後方にズラリとならぶのは海上自衛隊の自衛艦群。
左からミサイル護衛艦「ちょうかい」DDG-176(満載排水量9500トン)、補給艦「はまな」AOE-4424(満載排水量12100トン)、補給艦「おうみ」AOE-426(満載排水量25000トン)、護衛艦「あさゆき」DD-132(満載排水量4200トン)です。
「あさゆき」が非常に小型に見えますが、それでも全長130メートル、幅13.6メートルの大きさがあります。
「ちょうかい」はイージス護衛艦「こんごう」型の4番艦で、弾道ミサイル防衛(MD)能力を付与されていて弾道ミサイルの追尾・迎撃を担当してます。
「はまな」は「とわだ」型の3番艦、「おうみ」は「ましゅう」型の2番艦ですが、こうしてならべると船体規模が2倍近い「おうみ」の巨大さがわかります。

上の写真の左隣になります。
左側から護衛艦「ゆうだち」DD-103(満載排水量6200トン)、ミサイル護衛艦「こんごう」DDG-173(9500トン)、護衛艦「あけぼの」DD-108、護衛艦「ありあけ」DD-109(ともに満載排水量6200トン)、ミサイル護衛艦「しまかぜ」DDG-172(満載排水用5900トン)です。
「ゆうだち」、「あけぼの」、「ありあけ」は「むらさめ」型護衛艦の同型艦で、76ミリ速射砲、90式SSM発射筒、短魚雷発射管、高性能20ミリ機関砲、ESSM(発展型シースパロー短距離艦対空ミサイル)、垂直発射式アスロックを装備するほか、哨戒ヘリコプターを1機搭載できます。
「こんごう」は海上自衛隊初のイージスシステム搭載艦で、艦隊の防空とミサイル防衛を担当するミサイル護衛艦です。
「しまかぜ」は「はたかぜ」型護衛艦の2番艦で、艦首の127ミリ単装砲の後ろにスタンダード艦対空ミサイル発射機Mk13を搭載しています。

かなり距離がありますが、倉島岸壁には4隻の護衛艦(その後方に2隻の掃海艇がいますが見えませんでした)をみることができました。
手前から護衛艦「きりさめ」DD-104(満載排水量6200トン)、その後方は岸壁側からら護衛艦「いそゆき」DD-127(満載排水量4000トン)、「はるゆき」DD-128(満載排水量4000トン)、「じんつう」DE-230(満載排水量2900トン)です。

米海軍の強襲揚陸艦エセックスLHD-2(満載排水量40650トン)です。
上から見ると完全に空母ですね。
もちろん軽空母と呼ばれる英国の「インヴィンシンブル」級(基準排水量16000トン)やタイの「チャクリ・ナルエベト」(満載11485トン)、インドの「ヴィラート」(満載排水量28700トン)、スペインの「プリンシベ・デ・アストリアス」(満載排水量17188トン)、イタリヤの「カブール」(満載排水量27100トン)を軽く上回ります。
脅威度の低い海域ではAV-8B攻撃機を20機程度搭載して補助空母としても運用できるそうです。
以上、佐世保でした。
次は長崎港です。
長崎港は護衛艦を建造する三菱重工がおかれている関係で自衛隊の艦船を見ることが出来ます。
次の3枚はグラバー園からコンパクトデジカメで写したものです。

見慣れない護衛艦ですが、これが現在竣工間近の最新護衛艦「あきづき」DD-115(満載排水量6800トン)です。
前回「艤装中」とかきましたが、7月28日から公試がはじまっていました。
「たかなみ」型の発展改良型という位置づけですが、甲板上の構造物は全く形が違います。
単装砲も127ミリ速射砲から「あたご」型と同じく127ミリ単装砲Mk45mod4になっています。
その奥が一段高くなっていますが、ここにはMK41VLS(垂直発射装置)が32セル設置されています。
ここには垂直発射式アスロックとESSM(発展型シースパロー)が装填される予定です。
高性能20ミリ機関砲は予算の関係(?)なのか対地射撃能力のあるブロック1Bではないようですね。
艦橋上部に設置された巨大な板が目立ちます。
ここは射撃指揮装置3型(FCS-3)で、国産の多機能レーダ・火器管制装置です。
「あきづき」は汎用護衛艦としてはFCS-3をはじめて導入しましたが、高い防空能力があるとされ、今までの概念に無い「僚艦防空」という新しい任務を付与されます。
これはイージス艦が弾道ミサイル防衛で探知・追尾・迎撃を行う際にそのシステムの能力の多くを使うため、その間は自艦が脆弱になってしまいます。
そのためこの間に敵から守るための防空システムが僚艦防空になります。
「あきづき」は平成24年3月に竣工予定です。

こちらは建造が進む「あきづき」型護衛艦の2番艦(平成20年度計画2245号)です。
今年進水予定ですが、どんな艦名が与えられるのか楽しみですね。
・・・それにしてもグラバー園から丸見えなのね(^^;

手前の船は。。。。ちょっとわかりませんが、後方は海上保安庁第7管区海上保安本部の1000トン型巡視船「でじま」PL-05(満載排水量2006トン)です。
「えりも」型巡視船の4番船で、ヘリコプター格納庫はありませんがヘリコプター甲板を装備しています。