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2012年08月14日

海上自衛隊第2術科学校オープンスクール

海上自衛隊横須賀基地でサマーフェスタ、米軍横須賀海軍施設でのネイビーフレンドシップデイが行われた8月4日に横須賀の田浦にある海上自衛隊第2術科学校のオープンスクールが開催されました。
第2術科学校は艦船の運用の中枢にあたる機関術科を教育する学校です。


学校は田浦にありますが、横須賀地方総監部からはシャトルバスが流れていますのでそれにのって向かいます。
この日はあいにくの雨でしたが、公開の多くが屋内ということもあって大きな支障もなく行われました。


こちらは行進展示のヒトコマ。
行進は基本中の基本ということでみっちりしこまれるとのことです。
教育終了後は部隊に配属になってしまうためこのような行進は儀状以外ではないため、その分教育隊と術科学校でしっかり指導されるんだとか。
見事に整列していますね。


では中にはいってみましょう。
第3隊舎が公開になっていました。
ここはいわゆる学生寮で、寝起きをする場所になります。

見よ!この整理整頓された部屋を!
私物はロッカーひとつ分しかありません。
机は勉強用机ですが、機密保全のために資料の持ち出しが制限されている上にパソコンなどの持ち込みもやはり制限されているとのことです。
また、夜遅くまで自習してからの自室のため、この勉強机はあまり使われていないようですね。
ベッドに注目。
シーツが恐ろしいほど綺麗にビシっとなっていますね。


これがその理由。
判る人にはわかりますよね(笑)
話には聞いたことがありましたが「台風」って本当に言うんですね。



おなかが減ったのでちょっと食事。
学生寮の隣にある食事処では業務委託されてる業者が半セルフサービスで作っています。
ハンバーグ定食500円也。


雨が落ち着いてきたのでちょっと外に出てみましょう。
グランドをはさんで歴史保存エリアがあります。

こちらは旧海軍水雷学校跡記念碑です。
田浦には終戦まで魚雷・機雷・爆雷等を扱う水雷術を教育する海軍水雷学校がありました。
明治26年12月に水雷術練習所が設置され、明治40年2月に水雷学校へ発足しました。



こちらは上崎上等兵曹の碑です。
14歳で海軍に入り、水雷術を学んだ上崎上等兵曹は日清戦争に従軍しました。
明治28年2月8日、第六水雷艇にて敵艦鎮遠に夜襲を行いました。
猛烈な敵艦からの攻撃の中、肉薄しまさに魚雷を発射しようとしたとき厚い氷が邪魔をして魚雷は発射できず。
これに責任を感じた上崎上等兵曹は敵降伏後の3月14日に自刃しました。
その忠誠を永久に後世に伝えるべくこの碑が作られました。


海軍通信教育発祥記念碑です。
無線通信は戦闘で非常に大きな鍵を握ります。
日本海海戦で聯合艦隊がバルチック艦隊に勝利したのもこの無線通信がほとんどの艦艇に装備されていてリアルタイムで指揮統制を受けることが出来たことが大きな要因のひとつとされています。
明治36年に水雷術練習所にて無線通信術教育がおこなわれ、昭和5年に海軍通信学校として分離独立しました。



こちらは海上自衛隊発祥の碑です。
昭和27年4月26日、海上自衛隊の前進になる海上警備隊がこの地で発足しました。
当時は終戦してからまだ数年しかたっておらず、軍隊に対して極度の反発やアレルギーがあったでしょうが、唯一海上警備隊が置かれることに対して快諾したのがこの田浦の地だったわけです。



旗竿の基部ですね。
ただの旗竿基部ではありません。
海上自衛隊創設当時に立てられたのがこの基部です。
時代を感じますね。



350馬力上記往復機関です。
昭和27年から32年まで曳船4号として使われていた旧海軍の雑務船の主機です。
退役後は教材として約10年間実習場におかれて学生の教育に使われていました。



第2術科学校の校舎をグランドから。
第2術科学校は海上自衛隊の艦艇運用に必須となる機関科や情報等の習熟をする教育機関です。
教育第1部では機関術科を、教育第2部では情報、電子機器、外国語を教育し、研究部では術科に関する運用や教育の研究を行っています。



校内に張られていたポスター。
機密情報流出について注意を促すポスターや薬物、交通安全などの啓蒙ですね。




こちらガスタービン講堂です。
海上自衛隊の護衛艦はガスタービン(ジェットエンジン)で駆動するものがメインですが、その操作を学ぶのがこの講堂です。
ここでは「たかなみ」型や「むらさめ」型のエンジン操作盤の教育を行います。
実際の操縦室の操作盤と同じように作られた実習盤が設置されています。




こちらは機関室を模した操作実習室です。
二枚目の写真の緊急停止レバーを引っ張るとエンジンを緊急停止することができます。
実際に引っ張ってもらいましたがけたたましいベルが鳴りました(^^;


機関長のコンソールです。
先ほど緊急停止レバーを引っ張ったので緊急停止の表示がされていますね。


こちらは実習監視室でしょうか。
上の操作盤はすべてリンクされていて、機関室での操作がそのまま操縦室や機関長のコンソールにも反映されます。
教官がここで指示を出したりしてるんでしょうね。

ではその隣にある内燃実習場にいってみましょう。


実習場では4DQ小型ディーズルエンジンの分解展示がされていました。


4DQは小型舟艇用のディーズルエンジンで、分解展示とともにその組み立てもあわせて公開授業として展示されました。



こちらはタクマックス補助ボイラの断面カットモデルです。
部品単品でみても全体の機能はわかりづらいですが、こうやってアッセンブリ状態で組まれていると判りやすいですね。



こちらは潜水艦用エンジン実習用のV6Vエンジンです。
V12の4サイクルディーズルエンジンですが、元々は駆潜艇に搭載されていたものをこの実習場に置かれて学生実習につかっているものです。
駆潜艇時代を含めて既に60年という超ベテランエンジンですが、まだまだ問題なく動くというのですから驚きです。
とにかく頑丈で、新型の実習エンジンが数回解体・分解を繰り返すと壊れてしまうのに対してこのV6Vエンジンはびくともしないとのことです。
60年前のエンジンということもあって、整備マニュアルも現在では考えられない記述が多くあります。
「弁を叩くと治ることもある」「余裕があれば交換しても良い」など・・・・
また、当時はグリスが貴重だったのでしょう、牛脂を塗布するようなこともありました。



こちらは掃海艇用の非磁性エンジン6NMUです。
磁性をおびにくいようエンジンがアルミでつくられています。



こちらは護衛艦用のディーズルエンジンS12Uです。
護衛艦はガスタービンがメインですが、あぶくま型護衛艦には巡航用としてディーズルエンジンが搭載されています。
それと同型のエンジンですね。



整備用工具も置かれていました。
艦艇のエンジンはまさに心臓部ですから万が一の整備や修理ができるよう徹底的に教育をされるとのことです。
最新のエンジンでは精密機器になっているためアッセンブリ交換が基本になっているため、このような整備点検修理出来る余地がなくなってきているのだとか。



艦艇用のピストンやシリンダですがさすがに巨大ですね。
こういうものを見ることができるのもオープンスクールならではです。


次に第2ガスタービン実習場にいってみましょう。

IM300ガスタービンエンジンです。
魚雷艇に搭載されているガスタービンエンジンですが、ここではカットモデルになっています。
こうしてみると非常に小型ですね。
こんなに小さいのに1700馬力といいますから驚きです。
ガスタービンエンジンは小型ながら大出力を出すことが出来ます。



巨大ですね・・・
こちらは護衛艦用ガスタービンエンジンSM1Aです。
英国が開発した航空機用ガスタービンエンジンを艦艇用にしたもので、「あさぎり」型護衛艦などに搭載されています。
エンジンそのものはそれほど大きくないですが、システム全体で見るとかなり巨大になります。
それでも同じ出力をディーズルエンジンで確保しようとしたら数倍の規模が必要になるとのことで、ガスタービンエンジンはコンパクトさに優れるんだそうです。
航空機用エンジンは始動させるためには電源車が必要になりますが、艦艇用は補助のエンジンが搭載されていて艦内の電力などもそちらで確保してるようです。



こちらは工作実習場。
航海では必要に応じて部品を自作する必要があります。
そのため工作機で加工を個々で学びます。
ズラリとならんだ万能工作機がすごいですね。


こちらが万能工作機。
ボール盤、フライス盤、旋盤、片削り盤がワンセットになったもので海上自衛隊オリジナルの工作機です。
狭い艦内に置かれるため、複数の機能をもたせています。



学生が実習で作ったもの。
うちの会社の試作部が作ったものより出来が良いぞ(^^;




こちらは電気実習場。
ジャイロコンパスの構造などが展示されていました。
公開講座では放射線測定機材取り扱いなども行われていましたよ。


以上、第2術科学校オープンスクールでした。
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Posted at 2012/08/14 23:36:38

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この記事へのコメント

2012年8月15日 1:20
マリン・スペイ・・・
英ファントムのA/B抜き、ですね☆

それにしても、台風、恐ろしいですね(汗
コメントへの返答
2012年8月17日 20:13
ですね。
比較的小型ですが、システム全体として考えると結構大きいです。
それでも同出力を確保するとなるとディーズルと比較して比べ物にならないほど小型になるようですよ。
ガスタービンはシステムが複雑で整備が思うように出来ない難点もあるようですね。
2012年8月15日 9:58
羨ましすぎて何も言えねえ・・・
万能工作機触りたい・・・
コメントへの返答
2012年8月17日 20:14
この万能工作機は圧巻でしたよ。
ここまでそろってる工場もそうはないと思います。
図面も引けて物も削れるなんてうちの会社がかすむどころかぶっとんじゃいますw
2012年8月17日 20:00
台風は伝統ですね。

スペイSM1はかなりコンパクトですね。
コメントへの返答
2012年8月17日 20:18
やはり伝統なんですね(笑)
係員に「台風って・・・」と尋ねると「ええ、あれです」と苦笑いしてました。

SM1は排気や冷却システムなどが大きいですが、エンジンそのものは非常にコンパクトに感じました。

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