ちょっと遅くなりましたが、8月4日、5日と静岡県の清水港でしみず港祭りが開催されました。
今年は海上自衛隊から護衛艦が2隻、海上保安庁から巡視船が1隻体験航海や一般公開が行われています。

しみず港祭にいったのは8月5日の日曜日。
写真にあるように護衛艦DD”やまゆき”とDDH”ひゅうが”が接岸しています。
このうち”やまゆき”は体験航海を、”ひゅうが”が一般公開されます。
ではじ~っくりねっとりみていきましょう。

ヘリコプター搭載護衛艦DDH-181(基準排水量13950トン)の艦尾です。
非常に巨大でもはや「壁」といったほうが良いでしょうか。
左舷のスポンソンには高性能20ミリ機関砲が設置されています。

こちらは右舷。
係留用の装備が設置されています。
シャッタで開閉するようになってるのは低視認性(RCSをふやさない)のためでしょうか。

ちょうど艦尾の真下あたりから飛行甲板をながめたところ。
まるで空母のような雰囲気がありますね。

右舷後部の作業艇です。
従来の護衛艦が作業艇を露天搭載されてるのに対して、”ひゅうが”はシャッタの中に搭載されているのが面白いですね。

こちらも右舷後部。
シャッタ内に設置されてるのは作業艇だけでなく単魚雷発射管もです。
護衛艦ではおなじみの3連装単魚雷発射管ですが、興味深いですね。

”ひゅうが”は従来の護衛艦と異なるもののひとつに艦構造物の配置があります。
ヘリコプタ飛行甲板のレイアウトの関係で構造物は艦中央ではなく右舷に寄せているんですね。
こちらは艦橋ではなく、航空管制室になります。
こうしてみると構造物の外板が意外と薄いことに気がつきます。

DDH”ひゅうが”を前から。
巨大な艦影だけに圧倒的な存在感を感じます。
二葉目の写真は少し角度を変えて写したところ。
左舷の張り出しがよくわかります。
この角度から見ると艦構造物が右舷によって設置していることがよくわかります。
左舷の張り出しはもちろん”アングルドデッキ”ではありませんよ。
艦構造物の直線状の艦首には高性能20ミリ機関砲が設置されています。

艦構造物を前方側から。
艦構造物は前側が艦の航行をおこなう艦橋、エントツ2基をはさんで後側がヘリコプタの管制を行う航空管制室になります。
手前のボール状のものはUSC-42衛星通信アンテナになります。
屋根の直上、マスト基部左右に装備されてるのはNOLQ-3C電子妨害装置
その上の左側に装備されてる球状のものはXバンドとKuバンド兼用のNORA-1Cスーパーバード衛星通信アンテナ
その反対側にある細い棒状のものがOPS-20C航海用副レーダ
マスト中央にあるのはOPS-20C航海用レーダ
その上にあるドーム状のものはSH-60ヘリコプターなどとデータリンクを行うORQ-1Cヘリコプタ用データリンク装置
その上の左右に設置されてるのがORQ-1C電子戦装置
その上の丸い展望台のように見えるのがOPX-11敵味方識別装置になります。
通常は対空レーダに敵味方識別装置アンテナが装備されているようですが、”ひゅうが”では回転しないフェイズドアレイレーダを装備しているため独立して設置されてるとのことです。
”ひゅうが”は電子装置の塊でもあります。

それではいよいよ乗艦してみましょう。
右舷にある右舷梯は艦橋の手前の直下に設置されています。
右舷梯がまるまる収納できる開口部というのもすごいですね。

右舷梯をのぼって艦内に入るといきなり巨大な格納庫になります。
機番181のヘリコプターはSH-60J哨戒ヘリコプターですが、退役した機体を訓練用に使用しています。
巨大なエレベータ、広大な艦内の格納庫など他の護衛艦とは違いますのでハンドリングの訓練はかかせないんでしょうね。
二葉目の写真はエレベータ昇降中に写したものですが広大なヘリコプタ格納庫がわかります。
後部にさらに1機SH-60が駐機されていることから考えてもかなりの規模だと察しますね。

エレベータで飛行甲板に上がる直前の1枚。
薄暗い格納庫からとつぜん青空の下の飛行甲板に出るのは何度見ても驚きです。
エレベータはロックのため一度甲板よりも若干上に上がってから定位置につきます。

これがその格納庫です。
まさに驚異としかいえない迫力ですが、長さ20メートル×幅10メートルという巨大さです。
それもそのはず、SH-60ヘリコプターを艦内の格納庫と飛行甲板に昇降するためのものです。

これは何でしょう?
エレベータをロックするためのピンですね。
エレベータの昇降能力は30トン以上とされていますが、それだけの重さを常に支えるだけの強度がもとめられているということになりますね。

さて、飛行甲板にあがってきました。
広大な飛行甲板は圧巻です。
まったいらで非常に広大な甲板に艦橋だけがニョキっとのびてるかなり不思議な感覚に陥ります。
では飛行甲板をみていきましょう。

※ここは地上ではなく船の上です
・・・もうなんだか感覚が麻痺してきますね(^^;
クレーン車ですよ。
このクレーン車は事故などが発生したときにヘリコプタを撤去したり、ミサイルの装填を行うなどに用いられます。
25トンの能力を持っていますのでそれほど小型のクレーン車ではないのがわかります。
クレーン車の前に設置されてるのは航海灯のマスト、その前にあるのは洋上補給用の給油ポストです。

こちらは救難作業者です。
いわゆる消防車で泡消火剤を放出します。
米海軍の空母に搭載されているものと同様のものなんだそうです。

艦首に設置されている高性能20ミリ機関砲です。
ファランクスMk15ブロック1Bになります。
艦隊の防空ミサイルや僚艦の対空ミサイル、さらに自艦の対空ミサイルを撃ちもらし、迎撃網をかいくぐって突入してくる敵対艦ミサイルを全自動で迎撃する最後の砦です。
高速(1分間に3000発)の発射速度で20ミリ砲弾を発射、対艦ミサイルを破壊します。
レーダで目標を探知・捕捉して射撃統制や目標破壊の評価までを全自動で行うシステムです。
白いレドームの横にキャメラがありますが、これは光学照準用のキャメラ。
接近してくる不審船などに射撃を行うものです。