GWが夢のように過ぎ去って早くも1ヶ月が過ぎて6月に入りました。
先週の静浜基地航空祭では体調不良ということでT-7の編隊飛行、県警ヘリの飛行展示、そしてブルーインパルスの展示飛行を見ることができなかったわけですが・・・
そのリベンジということで先週の6月2日は静岡県御前崎市にある航空自衛隊御前崎分屯基地55周年記念行事にいってきました。
私は航空自衛隊のイベントは基本的に公共交通機関で行くのですが、レーダーサイトという場所がら、交通はかなり限られていますのでマイカーでいきました。
比較的のんびりとした雰囲気もあって来場者も決して多くはないので前日の深夜からの駐車場待ち・・・なんてことも無縁なのがいいですね(^^)
9時開門ですが、8時40分ごろ到着しました。
さすがにすぐ近くの駐車場はいっぱいでしたが、ちょっとはなれた駐車場に空きがあってシャトルバスもあったのでラッキーでしたね。

御前崎分屯基地は埼玉県にある航空自衛隊入間基地の分屯基地で、第22警戒隊が置かれています。
第22警戒隊は中部航空警戒管制団隷下の部隊で、写真にあるレーダーサイトで警戒監視とともに国籍不明機が接近した場合は航空自衛隊の戦闘機の要撃管制を行います。
このメロン型のドームの中にJ/FPS-2固定式三次元レーダがはいっています。

巨大な超超短波通信用のO/H多重送信装置のアンテナですね。
4基ありました。
レーダーサイト間等を結ぶ航空警戒管制多重通信網の主要通信系として使用されています。

巨大な鉄塔にある通信アンテナがいかにも自衛隊の施設って感じですね。
では装備品展示を。
御前崎分屯基地は航空自衛隊で最も規模の小さい基地で、滑走路を持っていません。
展示も限られますが、興味深い展示がありました。

移動式三次元レーダ装置J/TPS-102です。
名前のとおり移動式のレーダ装置で、シリンドリカル・アクティヴフェイズドアレイアンテナを採用しています。
巨大なアンテナを回転させること無く監視することができるようです。
警戒管制レーダを車両に載せて移動できるようにしたもので、レーダーサイトを補完します。
航空自衛隊の防空網はAWACS、AEWといった警戒機、そして全国のレーダーサイトの24時間365日絶え間ない監視からもたらされていますが、そのレーダーサイトも保守点検整備のために停止する場合があります。
また災害や有事の際に敵の攻撃で被害を受ける場合も想定されます。
移動式のレーダー装置で一時的にレーダーサイトの代替を行います。
御前崎は入間基地の分屯基地ということもあって、同じく入間基地に置かれている第2移動警戒隊からの展示でした。

ランクルの上に載ってるオモーチ。
おいしそう・・・じゅるる。
って、これは地上移動局衛星通信装置J/VRC-601です。
部隊が展開した際に衛星を使って部隊や基地と通信を行うためのものです。

こちらはおなじみ81式短距離地対空誘導弾です。
陸上自衛隊では野戦高射火器として展開した部隊を敵の航空機から守るために用いられていますが、航空自衛隊では基地防空用として用いられています。
左側で見切れているのは射撃統制装置です。

航空自衛隊の航空祭ではおなじみですね。
対空機関砲VADS1改です。
航空自衛隊の戦闘機、ペトリオット地対空誘導弾、そして短SAMをくぐりぬけてきた敵航空機から基地を守る最終段階を受け持つ対空機関砲です。
戦闘機に使われている20ミリ機関砲(ヴァルカン)を対空仕様にしたものに射撃統制装置を組み合わせたもので、1分間に3000発という高い発射速度で20ミリ砲弾を射撃することが可能です。
さて、ここからは飛行展示です。
滑走路がないのに飛行展示?と思いますが、滑走路がない航空自衛隊施設での開庁記念では近隣の基地から祝賀飛行や展示飛行が行われます。

静岡県大井川町にある航空自衛隊静浜基地より第11飛行教育団のT-7初等練習機が3機展示飛行に参加しました。
編隊を組み替え数度の航過を行っています。

T-7はロールスロイス製50-B17Fというジェットエンジンでプロペラをまわすターボプロップエンジンを使っています。
プロペラ機なのにジェット機のような音がするのが面白いですね。
航空機としては小型ですが、全幅10メートル、全長8.6メートルという大きさですが最大離陸重量は約1.6トンですから、トヨタのクラウンより軽いんですね。
非常に軽快さを感じます。
前週にあった静浜基地航空祭では体調不良でT-7の飛行展示を楽しんでみることができませんでしたが、満喫できました(^^)
次は浜松救難隊です。

さすがに救難展示。。。。はできませんでしたが、2回ほど航過を行いました。
左側はU-125A救難捜索機、右側がUH-60J救難ヘリコプターです。
U-125Aはビジネスジェットに気象レーダや捜索レーダ、赤外線暗視装置を搭載して捜索機に改造したもので、ジェット機の速度の速さを利用して救難ヘリコプターよりも早く現場に進出して要救助者を捜索します。
UH-60Jは輸送ヘリコプターUH-60ブラックホークを救難仕様にしたもので、全天候での飛行ができるよう赤外線暗視装置、気象レーダ、慣性航法装置や救助用機器を搭載しています。
U-125Aとペアを組んで航空機事故や海難事故、山岳救助、災害派遣など非常に困難な救難活動でも出動をします。

続いてYS-11です。
参加したのは入間基地の飛行点検隊のYS-11FCです。
戦後初めて開発された国産機のYS-11旅客機は航空自衛隊、海上自衛隊も導入しました。
主に輸送機や練習機として使用されましたが、一部の機体では電子測定機や電子戦訓練機、航法訓練機、そして飛行点検機があります。
飛行点検機は全国の自衛隊施設で航空機の離着陸や運用に必要な通信、管制誘導などの電波が適切かを確認するための航空機です。
見た目は普通のYS-11ですが、機体内部に無線機材や検査機材が積み込まれています。

YS-11の試作機が初飛行したのが1962年、航空自衛隊は1965年から導入がはじまったので、実にもうすぐ50年にもなる大ベテラン機ですね。
海上保安庁では全機解役、海上自衛隊では練習機型が全機用途廃止、輸送機型も近いうちに引退が予定されていますが、航空自衛隊ではもうしばらくの間活躍していきます。

続いてC-1中型輸送機です。
入間基地の第2輸送航空隊第402飛行隊からの参加になります。
C-1といえばすぐれた短距離離着陸機能ですが、このアングルでみてみると主翼の面積が非常に広く、揚力向上を狙ってることを感じます。

旋回を行っているC-1中型輸送機。
大型機なのに旋回半径が小さいことを感じました。
コクピットの後部に黒い円盤状のドームはSKEのアンテナです。
編隊を組んで飛ぶ際に、各機の位置や間隔などを知らせるものです。

C-1は初飛行が1970年という大ベテラン機で、既に退役機もでています。
後継のC-2輸送機の開発が進められていますが、もう片方の輸送機C-130が国際貢献で海外展開することも増えてきたのでまだまだC-1は国内での輸送中核を担うことになります。
最後はT-4中等練習機です。

飛行展示のトリは浜松基地の第1航空団第31飛行隊から参加したT-4練習機です。
浜松基地や芦屋基地でパイロットの教育に使われているほか、全国の戦闘機部隊などで連絡機などにも使われています。

T-4も数度の航過を行っていきました。
浜松基地とは距離が近いこともあって学生や教官パイロットもこの御前崎のレーダーサイトを見る機会も多いんでしょうね。
以上、御前崎分屯基地開庁記念行事でした。