さあいよいよ本番です。
天気予報では降水確率70%、もうここまできたらむしろあきらめに近い気分です。
迷わず行きましょう。
行かないで後悔するぐらいなら行って後悔しよう。
それがモットーです(意味不明)
さて、新幹線に乗った頃には前日の雨がまだ続いている状態。
ほとんどあきらめていましたが、浜松に近づくにつれて空が明るくなっています。
これはもしかしてもしかする?
浜松駅に降りたときには雨はとりあえずやんでいました。
時刻は8時過ぎだったのでタクシーで基地まで。
ちなみに昨日の事前訓練を見にきたとき駅からタクシーで広報館に行ったのですが、何と言う偶然、同じタクシーの運ちゃんでした(笑)
航空祭会場に到着してまず行うこと、それはトイレの位置です。
混んでいる場所、自分に一番近い場所のトイレを常に頭の中に入れておくことが非常に重要になってきます。

ズラリと並んだT-4練習機。
この風景が見られるのはここ浜松だけ!
第11飛行隊のブルーインパルス、第1航空団のT-4、さらには記念塗装機と揃っています。
そうこうしているうちに飛行展示の開始です。

オープニングフライトのために地元第1航空団のT-4練習機が離陸していきます。
左側が第31教育飛行隊、右側が第32教育飛行隊のT-4です。
第1航空団には2個の教育飛行隊がありますが、垂直尾翼の黒・黄のチェックの下に見えるラインが青色なのが第31、赤色が第32教育飛行隊になっています。

先に離陸した天候偵察のT-4と合流して4機のダイヤモンド隊形で会場上空を航過していきます。

エシュロン隊形で再度進入し、着陸形態にうつります。

こちらは列線で待機中のT-4です。
緑色の帯と機体後部に富士山が描かれた記念塗装が施されていますね。
この後予定されている第1航空団の大編隊で披露する予定でした。
続いて静浜基地の第11飛行教育団所属T-7初等練習機の飛行展示です。

教育団の教官機3機による見事な編隊飛行を披露しました。
第11飛行教育団、第12飛行教育団でT-7で操縦の基礎を学んだ学生は芦屋の第13飛行教育団でジェット機の基礎を学び、さらに浜松の第1航空団で飛行訓練を行います。

着陸形態のためピッチアウトを行うT-7です。
ジェット機とはちがった軽快さを感じます。
同じ「練習機」とはいっても教育内容の差でずいぶんT-4とは性格も違いますね。
ここで地上展示を。

E-2C早期警戒機とE-767早期警戒管制機と並べられて展示されています。
警戒航空隊30周年記念ということで記念塗装がされていますね。

これが記念塗装。
警戒航空隊は1983年に三沢基地でE-2Cを運用する臨時警戒航空隊として編成、86年に警戒航空隊として発足しました。
1998年よりE-767を受領して2機種の運用を行っています。
現在沖縄県の尖閣諸島で中国による主権侵害行為・挑発行為が行われていますが、警戒航空隊も常に沖縄周辺で警戒態勢を行っています。
E-767は浜松基地から連日沖縄まで進出して警戒任務を行っていますし、E-2Cは那覇に展開しています。

こちらは浜松救難隊のUH-60J救難ヘリコプターです。
救難隊は航空自衛隊の航空機が不慮の事故または有事の際に墜落した場合救難活動を行う部隊ですが、民間人の遭難など災害派遣でも多く活躍しています。
救難ヘリコプターといえば黄色と白のツートンカラーでしたが最近はこのような海洋迷彩色が施されています。

こちらは第1術科学校のT-7初等練習機。
第1術科学校は航空自衛隊の航空機整備士を育てる機関で、T-7、F-2、F-15といった航空機を教材として少数配備されています。
地上展示ではF-2やF-15なども展示されました。

いぇ~い!

なんと偵察航空隊のRF-4E戦術偵察機の飛行展示です。
従来F-4やF-15などの飛行展示は別の基地からのリモートで行われていましたが、今回は浜松基地からの離陸です。
RF-4の離陸、はじめてみました。

この轟音!この迫力!
これがファントムですね(^^)

RF-4偵察機も老朽化が進んでいて退役している機体もありますから、飛行展示が見られるのもあとわずかかもしれません。
ファントムらしいダイナミックな飛行はしびれます。

機首下に見える窓のようなものが偵察カメラです。
側方偵察レーダ、赤外線探知装置、3種類のカメラ(低高度パノラマ/高高度パノラマ/前方フレーム)を搭載していて夜間や雨天時でも偵察行動が可能です。

RF-4が着陸してしばらくするとE-767早期警戒管制機が離陸していきました。
続いて救難展示です。
といいたいところですが、RF-4の飛行展示の頃まではかろうじてもっていた天候が急に崩れだしました。
救難機が離陸する頃には本降りとなってきてしまいました。
写真を・・・どころかカメラがぬれないようにするのに一苦労。
雨宿りのためにハンガーはものすごい混雑状態でした。
それでも

なんとかこの2枚は写せました。
救難展示を行う浜松救難隊のU-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリコプターです。
U-125Aで要救助者を捜索・発見し、UH-60が要救助者の近くに救難員をロープを使って降下させて確保、ストレッチャを収容します。
これは何度見ても見事ですね。
この頃になると雨もひどくなってきました。
悪天候のためF-15の飛行展示がキャンセル。
予定されていた今年の浜松航空祭の目玉の浜松基地所属機による異機種大編隊も中止に。
はううう・・・・
それでもわずかに雨がおさまったときには

T-4練習機が「離着陸訓練」を行いました。
が、この直後大雨になってしまいました。
ブルーインパルスがはじまるまでもうしばらく時間があったこと、悪天候で飛行展示の望みが薄そうなこと、ずぶぬれでこのままでは風邪を引きそうだったこともあって泣く泣くここで撤収を決断しました。
聞いたところによるとブルーインパルスは滑走のみだったとか・・・・
雨の中残った人のためにもこの時間ぐらいは雨が止んで飛行展示が行われればよかったのですが、こればかりは仕方なかったのかもしれません。
さて、今年の浜松航空祭ですがもうふたつ「目玉」がありました。
一つは幼稚園児がT-4のタンクに絵を描いた特別記念塗装(?)機と富士山の記念塗装T-4ですが、もう一つは・・・・

これです!
T-33Aジェット練習機の展示機復元です。

この機体は去る7月22日にお披露目された展示機として復元されたT-33Aです。
第1術科学校で教育用教材とされていましたが、このたび展示機になるために細部まで1年をかけて復元作業が行われました。

まるで新品のようにピカピカです。
美しい機体ですね。
垂直尾翼には第33教育飛行隊のマークが描かれています。

前から見るとT-33Aの胴体の細さに驚かされます。
浜松基地は1965年から1991年までT-33Aジェット練習機で飛行教育を行っていました。
既に日本の空からは消えたT-33ですが、こうやって展示機がその歴史を語り継いでいくんでしょうね。