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2014年06月21日

静浜基地航空祭2014その3

では後篇です。
続いて静岡県警航空隊の飛行展示です。

航空自衛隊静浜基地には静岡県警航空隊のヘリポートが隣接しています。
ここには警察ヘリコプターとしてユーロコプターAS365N3を「ふじ2号」、アグスタ式A109Eを「ふじ3号」として運用していますが、今回飛行展示を行ったのは「ふじ2号」です。



ちょっと重そうな感じですね。
このAS365N3の最大離陸重量は4.3トンですから、UH-1ヘリコプターぐらいの規模の機体といっていいかとおもいます。
フランス製のヘリコプターって珍しい・・・?と思いきや、実は警察用や消防用などで結構使われてたりします。
巡航速度は250km/hですから、だいたい新幹線ぐらいの速度で飛ぶことが出来ます。




急旋回や急降下、ホバリングしながらの上昇などを披露しました。
こうしてみてみるとメインロータ直径が機体規模の割りにちょっと小さくかんじますね。
テールロータは・・・あれ?なにやら垂直尾翼の中に入っています。
こういうのはフェネストロンとかダクテッドファンといいます。
ヘリコプタはぐるぐるメインローターをまわすことで浮かびますが、このままではロータだけじゃなく機体まで回ってしまいます。
そこでテールロータを使って機体が回転しないようにトルクを打ち消すのですが、何しろむき出しの状態で比較的低い場所についてるので物に当たったりしやすく危険だったりします。
そこでむき出しのテールロータをやめてかわりに高回転するファンを尾部に設けてテールロータと同じ役割をさせたのがフェネストロンやダクテッドファンです。
ファンは高速で回転するので、高い音がします。
普通のヘリコプタが低い「バタバタバタ」という音に対して、AS365N3は「ぎゅうううううん」という音で飛行するんですよ。
以上、静岡県警航空隊「ふじ2号」の飛行展示でした。


さて、ここからは地上展示も紹介します。


格納庫内では静浜基地に所属していた練習機が並べられていました。
一番奥の黄色の機体はT-6です。
戦後米軍から供与された練習機で静浜基地では昭和33年より教育がはじめられました。
続いてオレンジ色の機体はT-34Aです。
現在使われているT-7の原型ともいえる機体で、静浜基地では昭和39年より教育がはじめられました。
この際今まで静浜基地にいた第15飛行教育団が廃止されてかわりに現在の海上自衛隊小月基地より第11飛行教育団が移動してきました。
以後小月基地は海上自衛隊基地となります。
後方の赤色のものがT-3練習機です。
T-3は国産の初等練習機で、T-34Aを原型に開発されました。
静浜基地では昭和54年に教育が開始され、平成19年まで現役でした。
手前はもちろんT-7です。
T-7は平成17年から教育が開始されています。
それにしても退役したT-3、T-34A、T-6は本当に綺麗な状態ですね。



こちらは航空機の後ろに並んでいた支援車両です。
1/2tトラック、救難車、高規格救急車、破壊機救難消防車A-MB-2、A-MB-1などが並べられています。



こちらは地上展示された陸上自衛隊のAH-1S対戦車ヘリコプタ。
第4対戦車ヘリコプタ隊からの参加ですね。
コブラの給油シーンは珍しいかも?



こちらも陸上自衛隊から。
明野駐屯地の航空学校から参加したAH-64D戦闘ヘリコプターです。
アパッチロングボウと呼ばれるヘリコプターですが、やはりメインローターの上に載せられた巨大なレーダーが目を引きます。
これはロングボウレーダというものでミリ波レーダを使って目標を捜索、補足、照準、誘導を行うものです。
AH-1Sの後継として調達されたAH-64Dですが、13機で調達が打ち切られてしまいました。
対戦車ヘリコプター隊は今後どうなるんでしょう?




こちらは飛行展示も行った航空自衛隊のUH-60J救難ヘリコプター。
浜松救難隊からですね。
UH-60Jは米空軍のHH-60Aをベースに全天候に対応できるよう赤外線暗視装置や気象レーダを搭載するなど日本向けの救難仕様にしたものです。




こちらは海上自衛隊のSH-60J哨戒ヘリコプター。
館山基地の第21航空隊からです。
上のUH-60Jと同じくH-60系の機体ですが、ずいぶん異なりますね。
SH-60Jのベースは米海軍のSH-60Bで、これを日本でライセンス生産したものです。
といってもそれは機体だけの話で、哨戒ヘリで最も重要な対潜機器は国内開発されました。
米海軍は駆逐艦や巡洋艦にSH-60B搭載して、空母から遠く進出して哨戒・警戒を行います。
そのため小型の浮遊ソナー(ソノブイ)を広範囲に投下したりMADという磁気探知装置を使って潜水艦を広範囲で捜索したり、機体下面にある巨大なレーダをつかって広範囲の水上目標の警戒を行います。
一方空母にはSH-60Fが搭載され、空母を守る駆逐艦やSH-60Bなどの包囲網を突破してきた潜水艦を警戒します。
そのためにディッピングソナーというソナーを水中に沈めて潜水艦の発見、精密な位置の補足をします。
海上自衛隊のSH-60Jはこの2機種の能力を同時にもつものすごい能力をもつ哨戒ヘリコプターだったりします。





こちらはC-1輸送機です。
機内の展示を行いました。
こちらは美保基地の第3輸送航空隊第403飛行隊からの参加です。
C-1は輸送機ではありますが、4段のフラップを使って高い揚力を得ることが出来ますので静浜基地のような滑走路が短い基地にも余裕を持って離着陸することができます。


C-1の窓から外を見たところ。
なんだか空を飛んでるみたいですね。
※白とびしてるだけってゆーな(笑)


さてここからは地上展示ではありませんがいくつかを。



格納庫内ではT-7の整備風景の展示が行われました。
航空自衛隊の整備士・・・ではなく、実は富士航空整備の従業員です。
T-7やT-5練習機の委託整備を行う会社で、機体を開発した富士重工の子会社になります。
航空機の整備風景なんてまず見ることが出来ませんから貴重ですね。



こちらは芙蓉部隊の記念碑です。
航空自衛隊静浜基地は昭和19年に開設され、海軍航空隊の藤枝基地と呼ばれていました。
藤枝基地には第131航空隊、通称「芙蓉部隊」の拠点とされ昭和19年12月より運用が開始されました。
既に戦況は悪化し、熟練搭乗者も失ってしまったこの頃は特別攻撃が主流となってきました。
特別攻撃は決死の作戦ではなく、間違いなく「必死」の作戦です。
芙蓉部隊の指揮官美濃部少佐は未熟な搭乗者による特攻は搭乗者と飛行機の確実な消耗が前提であるため、特攻よりも先に効果的で戦果も期待できる攻撃=夜間攻撃による奇襲をまず行うべきと主張し、芙蓉部隊を特別攻撃から外すよう上級司令部に意見具申し承認させました。
勝算のない精神論的な命令では殉じて国に尽くす部下に喜んで出撃できるわけがなく大事な部下に死刑のような無茶な命令は出来ないという美濃部少佐の指揮官としての考えに基づくものでした。



芙蓉部隊で使われた艦上爆撃機「彗星」のエンジンです。
芙蓉部隊ではようやく離着陸ができる程度の搭乗者を往復1700キロ、5時間にも及ぶ長距離の夜間攻撃ができるまでに徹底的に訓練して鍛え上げ、さらに整備員を彗星のメーカーの愛知航空機で整備方法を習熟させて当時40%程度という彗星の稼働率を85%にまで引揚げたといいます。
当時は燃料が枯渇していましたから搭乗者の月の飛行時間にして15時間程度までしか燃料がなかったそうです。
昼夜逆転生活や夜間洋上航法訓練では図上訓練や飛ばない訓練者も見学させたり、座学を非常に重視するなど創意工夫して「飛ばないでもすむ」訓練を徹底したそうです。
鹿児島の岩川に前進基地を作り、ここから米軍に夜間攻撃を加えました。
後方の藤枝基地で新人搭乗者を訓練して随時交代させるシステムで継続した攻撃が可能になりました。
戦艦撃破1隻、巡洋艦撃破1隻、大型輸送船撃破1隻、飛行場大火災6回、空母群発見4回、敵機の夜戦撃墜2機という戦果をあげていますが、攻撃開始から出撃回数81回、延べ出撃数786機、散華された隊員105名とのことです。
高度な防空システムを整備できた米軍相手に訓練のための燃料もなく、熟練搭乗者も失われていた戦争末期という時期を考えるとこの戦果はものすごいことです。
T-7を使用する静浜基地の第11飛行教育団の第2飛行教育隊のコールサインは「FUYO」を使っているそうです。
今でも芙蓉部隊の伝統を受け継いでいるんですね。




こちらは広報資料館に展示してあった九六式陸上攻撃機のプロペラです。



その4に続きます☆



静浜基地航空祭
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Posted at 2014/06/21 02:44:21

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