では軍港めぐりラストです。
長浦港には海上保安庁の巡視船も配備されています。
横浜に本部をおいて首都圏と東海地方を管轄とするのが第3管区海上保安本部です。
横須賀には横須賀海上保安部がおかれています。

手前の灰色の船は巡視艇CL-35「うみかぜ」(総トン数23トン)、奥の白い船は巡視艇PC-33「うらゆき」(総トン数64トン)です。
CL「うみかぜ」は「ひめぎく」型(20メートル型)巡視艇の25番艇で平成6年に竣工しました。
「うらゆき」は今年3月に竣工したばかりの新型巡視艇で「ことなみ」型(23メートル型)巡視艇の3番艇にあたります。

こちらは巡視船PM-89「たかとり」(総トン数490トン(旧))です。
「たかとり」型巡視船(特350トン型)の1番船で竣工は昭和53年という大ベテラン船です。
昭和49年に発生したLPGタンカー第十雄洋丸と貨物船パシフィックアレスの衝突事故(この事故がどんな事故だったか知らない方は是非調べてみよう。ナフサ満載でいつ爆発するかわからないタンカーが猛烈に炎上しながら都市部に向かって漂流するというとんでもない海洋事故です)を教訓として設計された防災機能強化型の巡視船です。
中型の巡視船ですが災害時の指揮能力を7もてるようOICをもっているそうです。

では長浦港からもどりましょう。
長浦港から横須賀本港に戻るには新井掘割水路を通ります。
写真がその水路です。
ここはもともと陸続きの半島だったのですが、長浦港にいた水雷営、水雷武庫、水雷練習艦が横須賀本港との行き来が頻繁になった明治19年から3年の歳月をかけてつくった水路です。
当時は重機なんてありませんから手作業でこれだけの水路を作ったのですからすごいですよね。
水路をつくったことで切り離された吾妻島には燃料貯蔵施設となりました。
現在は米軍も使用していますが・・・何に使われてるんでしょうね。

おりょ?先ほどの32フィート型高速哨戒艇かな?
空母の警戒用なんでしょうか。

こちらはYDT-03「水中処分母船3号」(基準排水量300トン)です。
水中処分隊員(いわゆるダイバー)を支援するための母船で船内には再圧タンクを備えた水中処分隊支援室が設置されているそうです。

こちらは多用途支援艦AMS-4305「えんしゅう」(満載排水量1400トン)です。
「ひうち」型多用途支援艦の5番艦で訓練支援、輸送、救難などさまざまな目的に使用できる支援艦艇です。
艦艇の水上射撃、魚雷発射訓練、航空機の魚雷投下訓練の支援のため標的の曳航などを行っています。

手前は海洋観測艦AGS-5105「にちなん」(満載排水量4500トン)です。
艦内に音響観測装置や無人潜水装置、データの統合処理装置をそなえています。
こちらも対潜戦や対機雷戦に必要な海洋データを収集することを任務としています。
自分が雑音を出すと観測データに悪影響を与えてしまいますので、電気水深方式を採用しています。
その奥ですが・・・
艦番号を記載していない艦艇が見えます。
よくみると喫水線もずいぶん上側にありますよね。
実はこれ、引退した護衛艦なんです。
元護衛艦DD-125「さわゆき」(満載排水量4000トン)です。
「さわゆき」は昭和59年に竣工した「はつゆき」型護衛艦の4番艦で30年近く任務についていた大ベテランの護衛艦でした。
昨年3月に退役しています。
お疲れ様でした。

「にちなん」と旧「さわゆき」の隣にいるのは護衛艦DD-129「やまゆき」(満載排水量4200トン)です。
こちらも「はつゆき」型護衛艦なのですが、7番艦まではトップヘビーを避けるためにアルミ合金製上構を採用していましたがこの8番艦の「やまゆき」からは鋼に改められたからです。
「はつゆき」型は海上自衛隊初のオールガスタービン(ひらたくいえばジェットエンジン)推進艦です。
比較的コンパクトな船体に対潜ヘリコプターと対潜、対空、対艦戦闘能力をもつ護衛艦です。
既に何隻かが引退していますが、現役艦のうち数隻は寿命延長工事をうける予定です。

こちらはミサイル護衛艦DDG-171「はたかぜ」(満載排水量5900トン)です。
「はつゆき」型や「むらさめ」型のもつシースパロー短SAMは自艦を守るための艦対空ミサイルですが、「はたかぜ」は艦隊を守るための長射程艦対空ミサイル(スタンダードSM1)を装備するミサイル護衛艦です。
「はたかぜ」型の1番艦で昭和61年に竣工しています。
甲板の1段あがったところに5インチ単装砲がありますが、そのさらに前に棒のようなものが見えます。
これがスタンダードSM-1MR艦対空ミサイル発射機Mk13になります。

おりょ?
米海軍の巡洋艦が入港して来ました。
この日入港したジョージ・ワシントンを護衛するミサイル巡洋艦DDG-67「シャイロー」(満載排水量10117トン)です。
艦首にみえる大砲は127ミリ単装砲Mk45なのですが、ずいぶん小さく見えます。
Mk45は小型軽量でシールドも小型なのですが、それ以上に艦構造物が巨大ですね。
巨大な六角形に見える板がイージスシステム艦の象徴でもあるAN/SPY-1フェイズドアレイレーダです。

護衛艦DD-101「むらさめ」が見えてきました。
ずいぶん細長いですね。
「むらさめ」型の長さは151メートルですからかなり長い護衛艦だと思います。
これで横須賀港を1週してきました。
今回DDH「ひゅうが」や「たかなみ」型DD、「あさぎり」型DD、DDG「きりしま」、DD「てるづき」、AGB「しらせ」、AOE「ときわ」を見ることが出来ませんでしたが、周りがすべて艦艇!
戦闘艦から支援船、データ収集用艦船などを一度に見ることが出来るのは本当に魅力的ですよね。
大満足でした。
以上、横須賀軍港めぐりでした。
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Posted at
2014/08/11 21:26:00