
思いっきり今更になりますが、去る9月28日の日曜に静岡県浜松市にある航空自衛隊浜松基地で開催されたエアフェスタハママツ2014にいってきました。
例年よりも早く9月末開催ということで汗ばむ陽気となりました。
浜松基地航空祭といえば天気がいつも悪い印象が強かったですが今年は抜けるような青空の下で開催することができました。

浜松基地といえばブルーインパルス発祥の地!
正門にはゲードガーディアンとしてF-86Fが展示されています。
浜松基地は以前は滑走路を挟んで浜松北基地と浜松南基地に別れていました。
1989年に統合されて浜松基地になったわけですが、それにあわせたのか確か89年より航空祭を「エアフェスタハママツ」と呼ばれるイベントになりました。
浜松基地は航空祭会場がちょうど滑走路を挟んで逆光になるので真っ暗な写真が多々ありますが生暖かい目で見てちょ。
T-7練習機編隊航過

さあ展示がはじまりました。
まずはT-7初等練習機の編隊航過です。
展示飛行を行ったのは同じ静岡県にある静浜基地に常駐する第11飛行教育団のT-7初等練習機3機です。

第11飛行教育団はパイロット候補生に初めて飛行機を乗せて操縦教育を行う部隊で、飛行展示を行ったのはその教官になります。
さすが教官!と感じる実にガッチリとした編隊航過を行いました。
T-7はT-3の後継としてエンジンをターボプロップにするなどして性能を向上させ、冷房装置を搭載して居住性をよくして操縦教育を行いやすくしたものです。
このエンジンはアリソン250というものですが、OH-6ヘリコプターに搭載されているエンジンの仕様違いだったりします。
KC-767、C-130H航過飛行

続いて第1輸送航空隊による航過飛行です。
第1輸送航空隊は愛知県小牧基地に常駐する部隊で、輸送機をつかって航空自衛隊各部隊に補給物資や人員の輸送、陸上自衛隊の支援や災害時の物資輸送や国際貢献を行う部隊です。
こちらは第404飛行隊のKC-767空中給油・輸送機です。
見た感じ普通のボーイング767と変わりませんが、機体後部に空中給油装置があるのがわかります。

続いて同じく第1輸送航空隊の第401飛行隊に所属するC-130H輸送機が航過していきます。
C-130H輸送機は小牧基地の第401飛行隊に集中配備されていますが、高い信頼性、長い航続距離、不整地でも離着陸できることから国際貢献では度々派遣されています。
イラク戦争後のイラク復興支援ではテロリストの脅威がある中でクウエートを拠点に人員や物資をバクダッド等に輸送していましたし、ソマリアでの海賊対処では海上自衛隊のP-3C部隊を支援するためにジプチまで補給物資を輸送しています。
我が国の国際貢献の最前線を担う部隊です。

再びKC-767空中給油・輸送機がもどってきました。
今度は機体後部に細長い棒を広げているのが判ります。
これが空中給油ブームで、これを戦闘機の給油口に差し込んで給油を行います。
この給油ブームは給油口からパイプが6メートルもあるそうです。
KC-767の長さが48.5メートルで、ブームが機体の1/5ぐらいの長さに見えますから、ブームを一番長く伸ばした状態だと合計15メートルぐらいになるんでしょうか?
KC-767は給油だけではなく物資の輸送や人員200名を輸送することもできます。

同じくC-130H輸送機も再び航過してきました。
機体後部にあるカーゴドアを展開させています。
着陸したときに物資はここから出し入れしますが、陸上自衛隊の空挺部隊を空挺降下させる際にはここから空挺隊員を降下させたり、車両や火砲、物資を投下させます。
OH-1、AH-64D機動飛行

続いてOH-1観測ヘリコプターとAH-64D戦闘ヘリコプターの機動飛行です。
今回は三重県の明野駐屯地に駐屯する航空学校からの参加になります。
まずはOH-1です。
高い機動性で定評のあるOH-1らしい見事な機動飛行を行いました。
OH-1は純国産のヘリコプターで機動性のほかに防弾ガラスやコクピットの装甲化など生存性を高めています。
胴体横の翼(スタブウイングといいます)に搭載されているのは空対空ミサイルの発射機で91式携帯地対空誘導弾を装填したチューブを左右2発づつ搭載できます。
ちなみに写真の枚数が少ないのはピンボケ増産だったからですよ(苦笑)

続いてAH-64D戦闘ヘリコプターの機動飛行です。
重そうな機体ですが機動性はかなりのものです。
AH-64DはAH-1S対戦車ヘリコプターの後継として導入されたもので高い生存性と情報把握力をもった攻撃ヘリコプターです。
メインロータの上にあるもこもこしたものはロングボウレーダといわれるもので地上にある100の目標の探知と射撃統制をおこなうことができるそうです。

AH-64Dの胴体横にあるスタブウイングには各種の武装を搭載できます。
70ミリ空対地ロケット弾、ヘルファイア対戦車ミサイル、さらに翼端にはスティンガ空対空ミサイルを搭載できますし、機首の下には30ミリ機関砲を搭載しています。
展示飛行では弾体は搭載されていませんが、70ミリロケット弾発射機、ヘルファイア発射機、スティンガ発射機が取り付けられていますね。

本当に機動性が高いですね。
AH-64Dの最大全備重量は10.4トン。AH-1Sの最大全備重量が4.5トンですから実に2倍以上の重さになりますが、AH-64Dのエンジン(T700)はAH-1Sのエンジン(T53)に比べて2倍以上の最大連続出力があるそうですからその分余裕があるんでしょうか。

以上、機動飛行でした。
E-767早期警戒管制機航過飛行

展示飛行のために離陸する警戒航空隊第602飛行隊のE-767早期警戒管制機です。
この後F-4、F-2の飛行展示後に会場に進入してきます。
F-4EJ改戦闘機機動飛行

次はF-4EJ改戦闘機による機動飛行です。
今回参加したのは岐阜県にある岐阜基地の飛行開発実験団の1機。
展示高度がちょっと高め(?)でしたが迫力ある機動を披露しました。

F-4EJ改はF-4EJの寿命延長と近代改修を織り込んだもので、旧式の火器管制装置からF-16と同等のものに換装されてセントラルコンピュータを搭載、さらに地上攻撃の命中精度を向上させています。
引退が間近ではありますがまだまだ現役で活躍します。
その2に続くよ。
エアフェスタハママツ2014 その1/その2/その3/その4