さて、4月11日には
護衛艦「いずも」の特別公開があったわけですが、その際に見かけた横須賀港の様子です。

ヴェルニー公園からは早くも横須賀の顔になった感もあるヘリコプター搭載護衛艦DDH-183「いずも」(満載排水量24000トン)が堂々とした雰囲気を感じさせながらみることができます。

別アングル。
横須賀地方総監の鉄塔がはいる写真にしてみましたが、「いずも」の巨大さがわかります。
こうしてみると「いずも」は船というよりも建造物という言葉のほうがしっくりくる感じですね。
「いずも」が停泊しているのは2010年に管制した逸見岸壁でヘリポートをもってます。
巨大な逸見岸壁ですが「いずも」が大部分しめちゃっていますね。
これだけの巨体なので接岸は右舷に限られるようです。

Y-1バースに停泊している試験艦ASE-6102「あすか」(満載排水量6200トン)。
一見護衛艦のようにみえますが新装備の各種研究や開発品について試験評価をおこなう艦艇です。
6200トンといえば「あさぎり」型護衛艦を大きく上回り「むらさめ」型にせまる大きさです。
大型護衛艦並みの規模なのはある程度のデータ分析ができる設備をもたせるためのようです。

こちらは護衛艦「いずも」の飛行甲板上からみたY-1バース。
一番右から試験艦ASE-6102「あすか」、護衛艦DD-116「てるづき」(満載排水量6800トン)、護衛艦DD-110「むらさめ」、DD-111「おおなみ」(ともに満載排水量6300トン)です。
「てるづき」はあきづき型護衛艦の2番艦でミサイル護衛艦を守る「僚艦防衛」を担当します。
弾道ミサイル迎撃時などで対空目標への対処をするためイージス艦が自艦防空にリソースが避けないような場合、イージス艦を守る任務をうけもちます。
「たかなみ」「おおなみ」はともにたかなみ型護衛艦でむらさめ型護衛艦とともに護衛隊群の中核をしめる汎用護衛艦になります。
艦の規模は3隻ともほぼ同じではありますが、艦橋の大きな「てるづき」のほうが一回り大きく見えます。
「てるづき」の艦橋上部に白い四角形の板がありますが、これが射撃指揮装置3型(FCS-3A)で、目標の捜索・探知と艦対空ミサイルESSMの射撃管制を行います。
「たかなみ」「おおなみ」は艦橋上部にある円盤状のものが射撃指揮装置2型(FCS-2)で、そのさらに一段高い場所にある大型の板状のものはOPS-24対空レーダになります。
「いずも」の艦橋にあった対空レーダOPS-50と「てるづき」のFCS-3A、似てますね。
「いずも」には防空用の艦対空ミサイルは搭載していないので、FCS-3から射撃統制装置をオミットして対空監視と航空機管制に能力を特化したのがOPS-50になります。
艦の備砲も「てるづき」と「たかなみ」「おおなみ」で異なっています。
両方とも口径127ミリなのですが「てるづき」は62口径のMk45mod4、「たかなみ」「おおなみ」は54口径のOTOメララ速射砲になっています。

こちらは「いずも」の飛行甲板から見た多用途支援艦SMS-4305「えんしゅう」(満載排水量1400トン)。
厚生センター近くの岸壁に停泊していました。
「ひうち」型多用途支援艦の5番艦で訓練支援、輸送、救難などの各種支援を行う艦艇です。
水上射撃や魚雷発射訓練などの支援が主な任務で自走式水上目標バラクーダの管制能力をもっています。
その後ろには特務艇「はしだて」(満載排水量490トン)がチラっと顔をだしてます。

護衛艦「いずも」を横切るYF-2143「交通船2143号」(基準排水量6トン)。
港湾や沖合いの艦艇への人員輸送を行う交通船です。
この日は交通船の体験搭乗も行われてましたのでその関係なのでしょう。

こちらはYT-67「曳船67号」(基準排水量260トン)です。
260トン型の曳船で海上自衛隊では最も大きなタグボートになります。

米海軍側の岸壁に停泊しているおやしお型潜水艦(水中排水量3500トン)。
海上自衛隊の潜水艦は呉の第1潜水隊群、横須賀の第2潜水隊群に配備されていますが、第2潜水隊群はなぜか米海軍側におかれています。
おやしお型は数の上で海上自衛隊の主力となる潜水艦で葉巻型の艦体となっています。
2枚目の写真の奥に見える白い変な形の船橋は米海軍の曳船YT-802級(排水量410トン)。

こちらもおやしお型潜水艦。
海上自衛隊は防衛大綱の見直しで従来の16隻体制から22隻体制になることがきまったため、おやしお型にも逐次艦齢延長対策工事がすすめられるようです。
そういえば先日1番艦の「おやしお」が「ふゆしお」にかわって練習潜水艦に艦種変更になりましたが、これで海上自衛隊の潜水艦の時代を作った涙滴型も「あさしお」のみとなってしまいました。

そのおやしお型潜水艦の後方に見えるのは米海軍の原子力空母CVN-73「ジョージワシントン」(満載排水量103637トン)。
こうしてみるとジョージワシントンの巨大さを感じます。
空母が前方展開されているのは横須賀基地のみですがそれだけ日本という国が極東で重要な場所だといえると思います。
ジョージワシントンは原子炉の燃料交換の大規模工事のために近々横須賀を離れるとされていますが、その代替はロナルドレーガンが予定さています。

ある意味で横須賀の顔?
米海軍の宿泊船APL-40です。
非自走式の宿泊船(要するにホテルシップ)です。
空母や駆逐艦など艦艇の乗員は通常自分の艦艇に居住しますが、修理などの場合宿泊施設としてもちいられます。

おやしお型潜水艦、APL-40の後方に見える白い艦艇は米海軍のミサイル追跡艦T-AGM-25「ハワードO.ローレンツェン」(基準排水量12642トン)です。
数年前まで北朝鮮の弾道ミサイル発射騒ぎのときに必ずといって良いほどニュースで名前があがっていた「オブザベーションアイランド」の後継になるミサイル追跡艦です。
巨大なXバンドとSバンドのアクティヴフェイズドアレイレーダを装備しています。
これがここにあるということはそれだけ北朝鮮や中国の弾道ミサイルの動きを重視してるってことでしょうね。

警戒中(?)の米海軍28フィート級高速哨戒艇。
港湾や重要水路の警備が主任務で必要に応じて航空輸送できるそうです。

こちらは米海軍のミサイル駆逐艦アーレイバーク級フライトⅡAが2隻並んで停泊していました。
手前はDDG-82「ラッセン」(満載排水量9302トン)
いわゆるイージス艦で、イージスシステムを搭載した際にレーダ照射に死角ができないように配置されるように艦橋を設計されています。
従来の艦艇は「船」を設計してからそれにあわせてウエポンシステム搭載のレイアウトとなりますが、このアーレイバーク級はウエポンシステム(イージスシステム)を前提にして、ウエポンシステムに合わせて「船」を設計したことになります。
高い防空能力をもつものの非常に高価なイージスシステム艦をワークホース的に使う米海軍はいろんな意味でぶっとんでますね(^^;

作戦からおやしお型潜水艦がもどってきたようです。
岸壁に接岸するため接岸作業を行っています。
支援しているのはYT-83「曳船83号」(排水量50トン)です。
写真の通りプッシャーボート(押し舟)ですがサイズ的に潜水艦の接岸支援にちょうどよさそうに感じます。

軍関係ではありませんが、横須賀港で「軍港めぐり」をおこなっているトライアングルの「シーフレンドV」です。
今回は予約で満席なので乗ることが出来ませんでしたが、軍港めぐりは何度参加しても非常にエキサイティングなので横須賀にきたときは可能な限り乗りたいですね。
以上、4月11日の横須賀港の様子でした。