さて、YYのりものフェスタ(6月13日)では護衛艦「いずも」を見学したわけですが、その際に横須賀でみられた艦艇をチラっと写してきました。
まずはヴェルニー公園から。

「おやしお」型潜水艦(水中排水量3500トン)がいました。
「おやしお」型は海上自衛隊の主力になる潜水艦で合計11隻建造されました。
防衛大綱で潜水艦勢力を従来の16隻から22隻に拡大することがきまったため、逐次寿命延長工事が行われるようです。
最近1番艦の「おやしお」が練習潜水艦に種別変更となりましたが現役の潜水艦を練習潜水艦にすることで現役潜水艦と同じ訓練・教育を行うことができますね。

横須賀は海上自衛隊の基地に米海軍施設が隣接していますが、海上自衛隊の潜水艦部隊(第2潜水隊)は米海軍施設側にあります。
手前は「そうりゅう」型潜水艦(水中排水量4200トン)、後ろは「おやしお」型です。
よ~くみると2つのタイプの違いがわかります。
一番特徴的なのが艦尾の舵で「そうりゅう」型は水上に2枚傾いて出ています。
「そうりゅう」型の舵はX字配置になっていて従来の潜水艦に対して運動性の向上が見込まれているそうです。
「そうりゅう」型はセイルの付け根が大きなR形状がつけられています。
整流と水中放射ノイズ低減のためのカバーとされています。

ヘリコプター搭載護衛艦DDH-183「いずも」(推定万歳排水量26000トン)とミサイル護衛艦DDG-174「きりしま」(満載排水量9500トン)です。
いやぁ「いずも」の巨大さには圧倒されます。
横須賀には竣工以来DDG「ひゅうが」が第1護衛隊に配属されていましたが「いずも」竣工で「ひゅうが」は舞鶴に転籍となっています。

DDG「きりしま」。
「こんごう」型ミサイル護衛艦の2番艦として平成7年に竣工した我が国2番目のイージスシステム搭載護衛艦です。
従来の護衛艦と比べると艦構造物が非常にボリュームがあります。
艦橋下にみえる白っぽい六角形の板がイージスシステム艦の象徴ともいえるSPY-1レーダです。
ではここからは「いずも」飛行甲板から見た艦艇を。
「いずも」の飛行甲板は結構高い位置にあるので、ヴェルニー公園からとはまた違った風景がみられるのがいいですね。

大迫力ですね。
上の「きりしま」ですが、逸見岸壁の「いずも」からみるとこんな感じに見えます。
隣は護衛艦DD-110「たかなみ」(満載排水量6300トン)。
「たかなみ」型護衛艦の1番艦で平成15年に竣工しました。
「きりしま」と比べると艦構造物がコンパクトに感じます。
「きりしま」と同じOTOメララ127ミリ単装速射砲が装備されています。

こちらは護衛艦DD-116「てるづき」(満載排水量6800トン)です。
「あきづき」型護衛艦の2番艦として平成25年に竣工しました。
「たかなみ」型の拡大発展版ですが艦構造物は「こんごう」型に近い感じがします。
これは射撃統制レーダの射角を確保するためです。
「あきづき」型の射撃統制レーダはFCS-3という国産の新型射撃指揮装置が使われていて、発展型シースパロー(ESSM)の管制を行います。
「あきづき」型は「たかなみ」型と同じく汎用護衛艦ではありますが、大きく異なるのは艦対空ミサイルの使われ方です。
ミサイル護衛艦は長射程のスタンダードミサイルを使って弾道ミサイルや艦隊全体を守ります。
艦隊を守るので「艦隊防空」といます。
汎用護衛艦に搭載されているシースパローやESSMは敵の攻撃から自分を守るためのミサイルです。
つまりミサイル護衛艦が撃ちもらした敵のミサイルを迎撃するのが汎用護衛艦の対空ミサイルでこれを「個艦防空」といいます。
「あきづき」型はその中間で僚艦を守る「僚艦防空」を担当する護衛艦です。
イージスシステム艦が弾道ミサイル防衛任務につくと、イージスシステムは弾道ミサイルの追跡や射撃統制にかなりのリソースを使うことになります。
その間は高い防空能力をもつイージスシステム艦といえども脆弱な状態になってしまいます。
そのため「あきづき」型はイージスシステム艦を守る高い防空能力を付与されています。

こちらは多用途支援艦AMS-4305「ひうち(満載排水量1400トン)です。
訓練支援や輸送、救難活動などさまざまな用途に使われる支援艦で「ひうち」型多用途支援艦の5番艦として平成20年に竣工しました。
後ろにチラッとうつってるのは特務艇ASY-91「はしだて」(満載排水量490トン)。
いわゆる迎賓艇ですが、阪神大震災の教訓で指揮支援や医療・給食などの災害派遣能力もあります。

こちらは上で紹介した潜水艦「おやしお」型と「そうりゅう」型。
手前の「そうりゅう」型が白煙を出してるのはディーゼル発電機の排気でしょうか?

こちらも「おやしお」型。
海上自衛隊の潜水艦はかなり大型で、この「おやしお」型の基準排水量は2750トン、満載排水量3500トン。
「はつゆき」型護衛艦(基準排水量2950トン)に迫る排水量です。
比較的大型の通常動力潜水艦のスペイン海軍のS80A型(水中排水量223トン)、ロシアのキロ級(水中排水量3125トン)と比べても一回り規模が大きく、フランス海軍のリュビ級原子力潜水艦(水中排水量2713トン)よりも排水量が大きいことになります。

こちらはYO-35「油船35号」(載貨重量490トン)です。
港湾内の艦艇に燃料を補給するための船舶で船体内に6つの貨物油タンクを装備していてタンク容量は560klとされています。

さまざまな支援船がいました。
手前はYT-95「曳船95号」(排水量260トン)。
いわゆるタグボートで艦艇の入出港支援を行います。
その後方にいる上陸舟艇のようにみえるのはYF-2135「交通船2135号」とYF-2124「交通船2124号」(排水量25トン)です。
基地内や隣接する基地への人員や貨物を輸送するための船舶です。
その隣はYF-2142「交通船2142号」、YF-2143「交通船2143号」、YF-2146「交通船2146号」、YF2154「交通船2145号」(排水量6トン)。
人員輸送用で30名の人員を輸送できます。
さらにその後方にはYT-65「曳船65号」(排水量260トン)がみえます。

米海軍の艦艇の多くは施設の影になって見えませんでしたが、いくつかを。
ミサイル駆逐艦DDG-85「マッキャンベル」(満載排水量9302トン)です。
アーレイバーク級フライトⅡA型のイージスシステム搭載駆逐艦で、艦尾にはヘリコプター格納庫を装備しています。
海上自衛隊の護衛艦「こんごう」型と比べると艦構造物の背が低く感じますね。
海上自衛隊はイージスシステム艦に司令部能力を持たせるため司令部施設を設けているのに対して、主要水上戦闘艦艇のほとんどがイージスシステム艦でしめる米海軍はワークホースとして使っている運用上の違いからきています。

なにやら不気味ですね・・・(^^;
これ一目見ただけでは艦艇には見えませんが、黒いのは煙突、その手前の巨大な白い四角形はレーダです。
ミサイル追跡艦T-AGM-25「ハワードO.ローレンツェン」(基準排水量12645トン)です。
2012年に竣工して2014年から実働状態にはいったばかりの新鋭艦でXバンドとSバンドの巨大なアクティブフェイズドアレイレーダを搭載して弾道ミサイルの追跡・データ収集を行います。

以上、YYのりものフェスタが行われた6月13日の横須賀でした。