では続きです。
満載の「ましゅう」のようなおっさん2人が遊覧船でクルージングをしたわけですが、この後は北吸桟橋の一般公開です。
舞鶴地方隊では土日は北吸桟橋と舞鶴地方総監部の海軍記念館の公開をおこなっています。
先ほど海側からみた艦艇を今度は陸側からみてみましょう。
とはいっても本番は明日のサマーフェスタなので簡単に。。。ですけど。

DD-151護衛艦「あさぎり」とDD-130護衛艦「まつゆき」です。
「あさぎり」型と「はつゆき」型は長く4つある海上自衛隊の護衛隊群を支えた汎用護衛艦です。
「あさぎり」型は「はつゆき」型の拡大改良型ではありますが、実は推進方式も異なります。
「はつゆき」型はCOGOGという異なる方式を用いています。
高速用と低速用の2種類のガスタービンを組み合わせて高速航行時と低速航行時に切り替える方式です。
「あさぎり」型はCOGAGを採用しています。
ガスタービンエンジンを複数(4基)搭載して低速時には1基のみにきりかえて燃費を稼ぐ方式です。
水上戦闘艦艇はガスタービンエンジンを用いていますが、ガスタービンは大出力・小型ではあるものの高速回転するので燃料を大量に消費します。
低速航行では効率が悪いため適時切り替えを行っています。

こちらはDDH-177ミサイル護衛艦「あたご」とDDH-175「みょうこう」。
先の「あさぎり」「まつゆき」と比べるとボリューム感が全く違いますね。
「あさぎり」の幅が14.6メートル、「まつゆき」が13.6メートルに対して「あたご」「みょうこう」は21メートルもあります。
それだけ艦構造物が大きいということなんでしょうね。

DDG「あたご」の艦構造物です。
艦橋下右舷に貼り付けられている6角形のものがAN/SPY-1Dフェイズドアレイレーダです。
このレーダがイージスシステムの象徴ともえいるもので、このパッシブフェイズドアレイレーダで対空目標の探知、捜索、射撃管制を行うことが出来ます。
こうしてみてみると艦構造物のレイアウトがこのSPY-1レーダの射角を阻害しないような配置になっていますね。
従来の艦艇は船体や艦構造物を設計してそれにあわせて武器システムを搭載しますが、「こんごう」型や「あたご」型はその逆で武器システムを配置できるように船を設計しています。

「あたご」の艦構造物を後方から。
マストが意外なほどシンプルです。
これはステルス性を考慮したステルスマストを採用しているからです。
また、SPY-1Dレーダは艦構造物前方に設置されていましたがこのようにその後ろ側にも設置されています。
合計4枚のSPY-1レーダで360度全周をカバーしてるわけです。
やはりレーダの射角の邪魔にならないようなレイアウトになっているのがわかります。

「あたご」の煙突横になります。
3本束ねられているのは90式艦対艦誘導弾発射筒で、この中に対艦ミサイルが装填されています。
陸上自衛隊の88式地対艦誘導弾を艦艇用にしたもので管制航法とアクティブレーダホーミングを使って水上目標に突入していきます。
射程距離は100キロ以上とされています。

「あたご」を後方から。
煙突後方にあるパラボラアンテナはスタンダード艦対空ミサイルを誘導するイルミネータです。
「あたご」後部は広大なヘリコプター用スペースになっています。
「こんごう」型にはなかったヘリコプター格納庫を装備しています。
その関係もあって後方のSPY-1レーダは前方のものより一段高い位置に設置されていたりします。
ヘリコプター格納庫は左舷側にオフセットされていて、右側はヘリコプター用弾庫となっているようです。

「あたご」の艦尾。
搭載艇が降ろされていました。
その上にあるラッパ状のものはデコイランチャです。
誘導魚雷が発射されたとき、艦の推進音に似た音を放出するデコイをここから射出して欺瞞します。

退役護衛艦の元「しらね」です。
5インチ砲塔が1基はずされ、もう1基は砲身がはずされています。
艦番号も消されなんとも物悲しいですね。
燃料が抜かれ、武装や装備などが取り外されているため喫水線のだいぶ下まで見えています。
それでも威風堂々としたその姿は海に浮かぶ城のようです。

「しらね」後方から。
ヘリコプター搭載護衛艦だけあって非常にヘリコプター甲板が広大なことがわかります。
現在の哨戒機はSH-60J、SH-60Kですが、「しらね」建造当時はHSS-2Bでした。
大型のHSS-2を3機搭載する水上艦艇は世界的に見ても異例だったそうです。

「しらね」のヘリコプター格納庫。
3機のヘリコプターを格納するだけあって巨大ですね。
また煙突は意外にも小型だったりします。
「しらね」の主機は蒸気タービンを採用しています。
「しらね」の退役で蒸気タービン採用艦は姉妹艦の「くらま」のみとなってしまいました。

こちらはAOE-425補給艦「ましゅう」。
後方から見るとその巨大さを感じます。
艦後部には広大なヘリコプター甲板がありますが洋上補給ではヘリコプターも欠かせないんでしょうね。
後方から見ると前部艦構造物の異様なほどの巨大さがよくわかります。

「ましゅう」を艦前方から。
補給ポストが従来の門型からモノポール型となっています。
これは艦橋からの視界を妨げないためなんだそうです。

こちらは自走式水上標的バラクーダです。
多用途支援艦「ひうち」に搭載され、運用されます。

こちらは桟橋の対岸に見える退役護衛艦元「いそゆき」です。
標的艦への工事中ですがやはり物悲しいものがあります。
次々と「はつゆき」型護衛艦が退役していますが退役=標的として次の世代に肩を貸して海に消えていくんですね。
お疲れ様です。
さて、このあといろいろ見て回りたかったのですが、熱中症になってしまってもよろしくありませんし、体力温存の意味もあって早々と宿にいきました。

宿からは舞鶴教育隊がみえました。
オーシャンビューでここの見晴らしは最高なんですよね。
実はここのホテルに宿泊するのは3回目だったりします。
夕方になりました。
せっかく舞鶴にきたのですから夜景をみたくなりました。

場所は赤レンガ博物館奥の駐車場です。
ここからは掃海艇や補給艦がよくみえるんです。
掃海艇「のとじま」と補給艦「ましゅう」、訓練支援艦「ひうち」の電灯が暗闇に美しく浮かび上がる姿はなんともいえない幻想的なものです。
・・・夜でもかなり暑かったですけどね。
さあ明日(7月26日)はサマーフェスタだ!
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舞鶴地方隊 サマーフェスタ2015/
第23航空隊サマーフェスタ2015/舞鶴基地北吸桟橋見学/舞鶴港遊覧船