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2016年01月04日

FREET WEEK!平成27年度自衛隊観艦式艦艇一般公開(10月10日)その3 護衛艦「きりしま」編

さて引き続き艦艇一般公開の模様を。
ここからは護衛艦「きりしま」です。


こちらは「てるづき」から見た護衛艦「きりしま」です。
ミサイル護衛艦DDG-174「きりしま」(満載排水量9500トン)は平成7年3月に竣工したイージスシステム搭載のミサイル護衛艦で、「こんごう」型の2番艦にあたります。
ミサイル護衛艦というのは、護衛艦が艦隊を編成して作戦を行うときに、長射程の防空ミサイルで艦隊全体を守る護衛艦のことです。
それにしても人と比べると非常に巨大ですね。
「きりしま」は全長161メートル、幅21メートルですから、東京の霞ヶ関ビル(156メートル)より長く、世界貿易センタービル(163メートル)に匹敵する長さになります。


では艦首側から見ていきましょう。


127ミリ54口径単装速射砲です。
「こんごう」型の砲熕装備で、これを1基艦首側に装備しています。
口径は「あきづき」型の5インチ砲と同じですが、見た目がずいぶん違いますね。
こちらはイタリヤのOTOメララという火砲メーカが開発した速射砲で、海上自衛隊では「こんごう」型と「たかなみ」型護衛艦に搭載されています。
毎分40発という高い発射速度をもち、「あきづき」型のMk45-mod4が対地・対水上目標に重点が置かれているのに対してこの127ミリ54口径速射砲は対空目標に対しても有効とされているようです。
ただし「あきづき」型の5インチ砲が22トンに比べて約40トンと重くなっています。
ずいぶん大きく見えますね。


127ミリ54口径単装速射砲を別角度から。
イージスシステム艦はミサイルの射撃統制をSPY-1レーダで行っています。
5インチ砲も同じで「あたご」型や「アーレーバーク」級なども射撃統制はSPY-1レーダで行っているのですが、「こんごう」型はSPY-1レーダで行うのではなく、専用に射撃指揮装置が必要となっています。
艦橋天蓋にパラボラアンテナが見えますが、その手前にお皿のようなものが見えます。
これが127ミリ速射砲の射撃統制装置で、81式射撃指揮装置FCS-2と呼ばれています。



艦橋構造物手前に設置されたMk41 VLSです。
艦首側に29セル、艦尾側に61セル設置されています。
数が中途半端(?)に感じるのは前後ともに3セル分を装填用のクレーンとして使っているため。
この垂直発射システム(VLS)にスタンダードSM-2艦隊空ミサイル、SM-3対弾道弾迎撃ミサイル、VLアスロック対潜ミサイルが装填します。



艦橋構造物です。
同じイージスシステムを搭載している米海軍の「アーレイバーク」級ミサイル駆逐艦と比べるとずいぶん背が高く感じると思います。
これは使われ方の違いから来るもので、米海軍は主要な水上戦闘艦艇の大部分をイージスシステム艦としてワークホースとして使っていますが、イージスシステム艦は非常に高性能ですが高価ですのでいくら海上自衛隊といえどもさすがにそんなことはできません。
そこで海上自衛隊は少ないイージスシステム艦を有効に使うべく、司令部施設を設置しているわけです。
そのためアーレイバーク級をモデルとしていながらも1層高い艦橋構造物となっています。
艦橋天蓋上部に見える細長い棒状のものはOPS-28E対水上レーダ、その上にある白い球状のドームはORQ-1Bヘリコプターデータリンクアンテナ、さらに電子戦装置、TACANアンテナと続きます。


艦橋手前に設置された高性能20ミリ機関砲。
高性能な防空能力を持つとはいえ、こちらの迎撃をかいくぐって突入してくる対艦ミサイルがあるかもしれません。
それを迎撃する最後の砦がこの高性能20ミリ機関砲です。
「こんごう」型は艦橋手前と艦構造物後方に設置されています。
白いアンテナが収められたドームの横にカメラが見えますが、必要に応じて接近してくる不審船などに射撃できるよう、カメラで光学照準射撃ができるブロックⅠB型になっています。
その上にある灰色の球状のものはUSC-42衛星通信アンテナ。
米海軍とのデータリンク用ですね。




艦橋構造物右舷側と左舷側です。
白い大きな八角形の板はイージスシステム艦のシンボルともいえるAN/SPY-1レーダです。
「こんごう」型はこれを駆逐艦用に軽量化したAN/SPY-1Dというタイプを用いています。
パッシブフェイズドアレイレーダで、通常のレーダはアンテナがくるくるとまわりますがフェイズドアレイレーダは電子的にビームを動かすことが出来るので固定式となっています。
艦橋構造物に4箇所とりつけられていてこれで360度全周囲をカバーします。
アンテナは3.8メートルという巨大さです。
その横に張り出しに設置されてる白い球状のドームはスーパーバード衛星通信アンテナ。



艦橋構造物前部のAN/SPY-1Dレーダ取り付け部の下に設置されたMk137チャフ・フレア発射機。
Mk36 SRBOCデコイ投射システムの一部で、迎撃ミサイルで撃ちもらしてさらにこちらに突入してくる敵対艦ミサイルのセンサを欺瞞するためにレーダ波を乱反射させるチャフを投射します。



艦橋構造物を後方から。
マストが鉄パイプを組み合わせたトラスト構造のラティスマストになってます。
とはいえ他の護衛艦と比べると重量のある三次元レーダをマストに載せていないので細く感じますね。
艦橋構造物天蓋に見える四角いものはNOLQ-2電子戦装置です。
敵艦からの射撃統制レーダを照射された際にこれを分析して妨害電波を出す装置です。
艦橋構造物後方には大型の煙突が2基設置されています。



左舷の第1煙突と第2煙突の間に掲げられた日豪の国旗。
この日は横須賀基地にオーストラリア海軍のフリゲイト「スチュアート」が寄航していました。



第1煙突基部に設置された救難浮き輪とブイ。
浮き輪の横にあるオレンジ色のものがブイで自己点火灯とありました。
電池式で発光するので必要時に海に投げ入れて目印にするようです。



第1煙突後方に設置された艦対艦ミサイル発射筒。
写真では3本束ねられていますが、片側に最大4本、両側で8本の筒を装備できます。
この筒の中にRGM-84ハープーン艦対艦ミサイルが装填されています。
米海軍が開発した対艦ミサイルで射程は約100kmとされています。
よ~くみると「てるづき」の90式艦対艦ミサイル発射筒と形が違うよ。



左舷第1煙突~第2煙突周辺です。
第2煙突の前に設置されているのはスライディングパッドアイ。
このスライディングパッドアイの2本の長いレールのようなものの上に設置されてる鐘のようにみえるのはライトで夜間時は赤い照明となります。
長距離の航海や長期間の作戦では燃料や弾薬、食料などの補給は不可欠ですが、基地に戻って補給をすることが出来ない場合は補給艦を使って洋上補給を行います。
洋上補給は自艦・補給艦ともに動いている上に波で上下に揺れていたり横に流されている中で行うので、高い練度が必要とされているようです。



第1煙突横に設置されてるボートダビット。
この日搭載艇は降ろされていましたのでじっくり揚降装置を見ることが出来ました。
ここには7.9メートル内火艇が搭載されます。



「こんごう」型も「あきづき」型と同じく通路はステルス性のためかシールドで覆われています。
このシールド内にあった訓練人形の「コンドウくん」です。
名付け親は柴崎コウさんだとか。
艦から誤って海に人が落ちる事故が発生した場合などに対処するため救助などの訓練に使う人形です。
嫌いな魚はサメだそうです。
かまれると痛いですしね・・・



通路に置かれていた毛布。
体験航海用ですね。
そういえば以前体験航海に参加したときお世話になりました。



第2煙突を後方から。
煙突上部には排気筒が見えますね。
よくみると排気筒は太いものと細いものがあります。
太いものが主機用、細いものは発電用のガスタービンエンジンの排気筒です。
「こんごう」型はLM2500というガスタービンエンジンを4基用いたCOGAG方式の推進システムを用いています。
LM2500エンジンは1基あたり25000馬力、4基合計100000馬力となっています。




後部艦構造物横に設置された3本の俵状に積まれたものは3連装単魚雷発射管HOS-302です。
口径324ミリで空気圧により対潜用の単魚雷を投射します。
人力で操作しますが「こんごう」型より艦内からも操作することができるようになったようです。



後部艦構造物です。
煙突の後方にみえるパラボラアンテナはSPG-62射撃指揮装置(イルミネータ)です。
イージスシステム艦が搭載するスタンダードSM-2艦対空ミサイルの誘導装置で、艦橋構造物上部に1基、後部艦構造物上部に2基設置しています。
SM-2ミサイルはこのイルミネータから誘導電波を出してミサイル側のシーカで受信して目標に突入します。
イルミネータは3基なので同時に誘導できるのは3発ですが、イルミネータが必要なのは目標に接近して命中するまでの間しかなく、また目標に命中後速やかに優先順位を変更して次の目標へ切り替えるので同時多目標への対処が可能です。
その下側には複合艇(ゴムボート)とそれを下ろすためのクレーンが見えます。


艦尾です。
ここはヘリコプター甲板になっていますがヘリコプター格納庫はありません。
奥のほうで一段上がっているのは後部VLSです。
ヘリコプター格納庫がないとはいえ、SH-60哨戒ヘリコプターの着艦は頻繁にあるそうで、格納庫を持つ「あたご」型や他の汎用護衛艦に比べて非常にクリアなので着艦しやすいそうです。



ヘリコプタ甲板にはざらざらとした滑り止め処理が施されています。
またヘリコプターを係止しておくフック環がいくつもせっちしてありました。



後部VLSです。
艦首側にあるものと同じMk41 VLSですが、後部は61セルと前部に比べて数が多くなっています。
VLSの蓋にまでヘリコプター着艦用の目印の白いラインが引かれているのが面白いですね。
このVLSにはSM-2艦隊空ミサイル、SM-3対弾道弾迎撃ミサイル、VLアスロックが装填されます。





後部艦構造物を後ろから。
赤色の大砲に見えるのは航空機事故等に対処するための消火装置。
01甲板には窓が見えますが、ここは見張所で、VLSの監視やヘリコプターの離着艦管制を行うようです。



後部艦構造物天蓋に設置してあるのはおなじみ高性能20ミリ機関砲です。
やはり対水上目標を射撃できるようにカメラが設置してあるブロックⅠBというタイプです。
その前に設置してあるのは?
これは水平灯で、ヘリコプターに対して絶対水平線を指示するためのものです。
内部に動揺安定機が装備されているようです。



艦尾の自衛艦旗。
港湾で停泊中は午前8時から日没まで、航行中は常時掲揚しています。


以上、護衛艦「きりしま」でした。
次は護衛艦「むらさめ」だよ。




平成27年度自衛隊観艦式一般公開
その1/その2/その3/その4/その5/その6


ブログ一覧 | ミリタリーイベント | 日記
Posted at 2016/01/04 23:30:26

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この記事へのコメント

2016年1月4日 23:51
なつかしい。

「こんごう」型を見ると、昔体験航海で乗った「ちょうかい」を思い出します。

真夏だったから、確か毛布のお世話にはならずに済んだと思いますが、
これでもかというぐらい日に焼けた記憶があります。
http://minkara.carview.co.jp/userid/814214/blog/23267234/
コメントへの返答
2016年1月5日 23:23
こんばんは。
「こんごう」型は何度か一般公開で見せていただきましたが、今回は「きりしま」「むらさめ」「あたご」がつながってたうえに、望遠レンズで隣の艦の写真も写してたのでどの艦の写真なのかわからなくなって結構手間取りました。

毛布を見ると体験航海~ってかんじがします。
私が体験公開したときは軽く小雨交じりで、結構寒かったのですが、こういうときのこの黄色い毛布の安心感ってなぜかすごいんです。

プロフィール

「佐久間挺長ほか潜水艇の慰霊塔がある鯛の宮神社は呉のタクシー運転手さんも知らない場合もあってちょっと行きづらいのですが、あのあたりは安芸地震で結構被害受けたみたいで爪痕がまだ残ってたりします。」
何シテル?   06/23 21:17
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