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2016年01月05日

FREET WEEK!平成27年度自衛隊観艦式艦艇一般公開(10月10日)その4 護衛艦「むらさめ」編

さてFREET WEEK!も第4回ですがもうしばらく続きます。
煙突とかアンテナとか見飽きた!という方ももう少しの間苦行をお願いします(笑)


護衛艦DD-101「むらさめ」(満載排水量6200トン)は「むらさめ」型護衛艦の1番艦で平成8年に竣工した汎用護衛艦です。
「あさぎり」型の後継として計画され、船体を大型化しステルス性についても考慮しています。
武器システムは汎用護衛艦としては初めてVLS(垂直発射システム)を採用すると同時に各所の省力化も進めています。
「あさぎり」型では220名の乗員となっていましたが「むらさめ」型では1000トン以上も大型化したのに55名少ない165名となっています。
※「むらさめ」の全体写真が撮れなかったので同型艦のDD-107「いかづち」で代替


ではまた艦首側からみていきましょう。

76ミリ62口径単装速射砲です。
現在でも「むらさめ」型をはじめ護衛艦「あさぎり」型、「はつゆき」型、「あぶくま」型、掃海母艦「ぶんご」ミサイル艇「はやぶさ」型、訓練支援艦「てんりゅう」が搭載しているベストセラー速射砲です。
恐ろしいのはその発射速度で1分間に10~100発(可変)と実に1秒間に1発以上の射撃が出来ます。



76ミリ砲を後方から。
人と比べるとその砲塔のコンパクトさがわかります。
イタリヤのOTOメララが開発した小型の艦砲で重量はわずかに7.5トンしかないので比較的小型の艦艇にも搭載することが出来ます。
砲塔はこのように樹脂カバーでおおわれています。
鉄板じゃないんですよ。



これがその76ミリ砲の砲弾。
砲弾の重さは6.4kg(自衛隊装備年鑑より。この説明プレートでは7.2kgになってますね・・・)とされています。
最大射程は16.3kmですから、陸上自衛隊の120ミリ迫撃砲RT以上の距離を直接射撃することができることになります。



76ミリ速射砲と艦橋構造物の間は一段盛り上がってそこにMk41 VLS(垂直発射機)があります。
「むらさめ」型護衛艦はVLSに アスロックと短距離艦対空ミサイルを搭載しているのですが、非常に珍しく2種類のVLSを混載しています。
艦首側のMk41はVLアスロックが、写真は今回写してませんが第1煙突と第2煙突の間にシースパロー短距離艦対空ミサイル(現在はESSM発展型シースパロー短距離艦対空ミサイル)専用にMk48 VLSが設置されています。


同じくMk41VLSを別アングルで。
「むらさめ」型はMK41 VLSが16セル、Mk48 VLSが16セルとなっています。
MK41に装填されるVLアスロック対潜ミサイルはアスロックを垂直発射用に開発されたものです。
敵潜水艦を発見・攻撃する際は対潜魚雷を用いますが、魚雷はミサイルなどと比べると速度が遅いので、時間がかかってしまいます。
そこで遠距離で潜水艦を発見し、そこまで魚雷をミサイルの先端に搭載して高速で投射します。
敵潜水艦の近くまで来たら魚雷を切り離し、魚雷の誘導装置により敵潜水艦を攻撃するのがアスロックです。



「むらさめ」の艦橋構造物です(右隣は「きりしま」)。
「きりしま」と比べるとコンパクトでどちらかといえば今までの護衛艦の流れをついでいる感じがしますね。
「きりしま」が21メートルに対して「むらさめ」は17.4メートルですから4メートル近く違うことになりますがもっと差があるようにも感じますね。
艦橋手前には高性能20ミリ機関砲、艦橋天蓋にみえる円盤状のものは射撃指揮装置2型が確認できます。


艦橋構造物を別アングルで(隣は「あたご」)。
艦橋構造物後方にあるマストには数多くのアンテナ類がみてとれます。
重量のある対空レーダなどを支えるため、パイプを組み合わせて作られたトラス構造のマストはかなり堅牢ですね。
艦橋天蓋にみえる(実際にはマストに設置されています)大きな板状のものはOPS-24B対空レーダ、その上の白いドーム状のものはヘリコプター用データリンクアンテナ。



艦橋手前に設置された高性能20ミリ機関砲です。
「むらさめ」型は艦橋手前とヘリコプター格納庫天蓋に合計2箇所設置されています。
高性能20ミリ機関砲は艦対空ミサイルや電子妨害などをかいくぐって突入してくる対艦ミサイルから守る最後の砦で、射程は4500メートル、発射速度は毎分3000発といわれています。
1秒間に50発という高速で20ミリ機関砲弾を撃ちだして対艦ミサイルを破壊します。



マストに設置されてる(写真では艦橋天蓋に設置してるように見えますが)板状のものはOPS-24B対空レーダ。
Lバンドを用いたアクティブフェイズドアレイ三次元レーダで、護衛艦「はまぎり」以降に搭載するために開発され、「むらさめ」型、「たかなみ」型に採用されています。
写真では傾いているように見えますが、垂直に対して25度の傾きを持って設置しているそうです。




艦橋構造物の後方、第1煙突の前付近にある内火艇の後部とダビット。
ちなみに海水(?)の水滴が頭に直撃しました(笑)



艦中央、第1煙突の横に設置してある消火設備です。
消火栓や消火用ホースがいたるところにあります。
写真には写していませんが、放水を霧状に撒くには赤く細長い棒状のもの(アプリケーター)を用います。



救命浮き輪と自己点火灯ブイですね。
緊急時に使用される機材はこのように目立つ色としています。
この救命浮輪ですが、浮き輪といえば空気を入れて膨らませるビニール浮き輪をイメージしてしまいますがこの浮き輪はコルクのような軽い材料を固めて作られているそうです。




右舷と左舷に設置された三連装短魚雷発射管。
海上自衛隊の昭和37年度以降の護衛艦には必ず搭載されている装備で、接近している敵潜水艦を攻撃するため空気圧により短魚雷を発射します。
「むらさめ」型に搭載されているのはHOS-302というタイプでMk44、Mk46、73式短魚雷を発射することが可能です。
これらの短魚雷はヘリコプターから投下したりアスロックの弾頭にも使用されます。



こちらは洋上補給のときに燃料を補給艦から受ける給油プローブ。
パイプが蛇腹状になっていて伸縮が出来るようになっています。
このような蛇腹状のパイプを「蛇管」というそうです。



「むらさめ」のヘリコプター甲板。
SH-60JまたはSH-60K哨戒ヘリコプターを必要に応じて最大2機(通常は1機)運用できるといいますから格納庫と甲板はそれなりの広さをもっています。
格納庫に向かうヘリコプタ拘束装置が斜めに格納庫にむかって配置されていますね。
ヘリコプタ格納庫の入り口の左右には航空機火災時に対処するための消火装置が設けられています。



ヘリコプター格納庫内部です。
天井には多くのダクトが通っています。
全体のレイアウトは他の護衛艦のヘリコプター格納庫と似ていると思います。



ヘリコプター格納庫を斜め後ろから。
この格納外部には数多くの電子機器が設置されています。
格納庫入り口の上にあるのは高性能20ミリ機関砲。
横に設置されている白いものはNORQ-1衛星通信アンテナ。
写真では見えにくいですが、格納庫入り口天蓋部の中央にはヘリコプターに水平の指示を出す水平灯が設置されています。
※マストは隣の「あたご」のもの。



ヘリコプタ格納庫の天蓋上部に一段盛り上がったところに設置されてるのは81式射撃指揮装置2型31(FCS-2-31)です。
ESSM(発展型シースパロー短距離艦対空ミサイル)の射撃統制用でXバンドをもちいています。
艦橋天蓋部にも設置されていて76ミリ速射砲とESSMの射撃統制を行います。




ヘリコプター甲板の格納庫側右舷に半陥没式に設置されているヘリコプターの発着艦指揮所(LSO)です。
写真の通り結構せまく、座ると肩のあたりがだいたいヘリコプター甲板の高さになるそうです。
ここで指揮責任者(LSO)が離艦・発艦の管制を行います。



自衛艦旗。
「はつゆき」型、「あさぎり」型はヘリコプター甲板を第1甲板からもちあげたところに設置してるのに対して、「むらさめ」型ではヘリコプター甲板が同じ階層にあります。
係留装置や自衛艦旗旗竿、アンテナ等がヘリコプターの運用時に邪魔にならないようになだらかに下がり、一段下げたところに設置されています。
これを「ミニオランダ坂」などとよばれますがDDHをのぞくそれ以後の護衛艦もこれを踏襲しています。


以上、護衛艦「むらさめ」の一般公開でした。
次は「あたご」だぜ。



平成27年度自衛隊観艦式一般公開
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Posted at 2016/01/05 22:59:26

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