前回のUPからずいぶんたってしまいました。
実は今プラモを作ってるんですが、エアブラシを使って塗装しています。
いやぁこれが難しいのなんのって。
しかもいままであまり気にしなかったパーツとの隙間やバリなんかはそこそこやったつもりでもサーフェイサふくと目立つ目立つ。
とりあえずは今は練習のつもりで作っては塗っています。
でも楽しいですね、やっぱ。
スケールは1/72なのでこのであごすてぃーにのシリーズと同じなのですが、わずか20年ぐらいでここまで飛行機って巨大化するのかって驚きます。
さて

であごすてぃーに。

第二次大戦傑作機コレクションの第8号は三式戦闘機(キ61)です。
それにしてもこのシリーズって結構飛ばしますよね。
雷電、零戦五二型、キ43、紫電改、キ84、キ61ですからね。
3号に2号は日本機です。
日本機ファンとしてはうれしいですがペース速くない?

さて三式戦闘機(キ61)ですが、キ43やキ84と比べるとずいぶん印象が違いますね。
先がとんがった機首、胴体下には箱型のものが見えます。
これこそがキ61の特徴です。

モデルのほうは前回に比べるとずいぶんよくなった感じがします。
全体的なフォルムは結構良いんじゃないでしょうか。
ただ胴体下はもう少しどうにかならないかなあという部分はあります。

胴体の日の丸がずれてるぞ~!
これはなんとも残念。
さて、上でキ61は他の機体と比べるとずいぶん印象が違うと書きましたが、横から見ると特徴的ですね。
キ61は液冷エンジンを搭載しているんです。
エンジンは内部で燃料を爆発させてエネルギを取り出しているわけで、猛烈な熱を発生させます。
それを冷やすには空気で冷やす空冷と水で冷やす水冷があります。
飛行機も同じで零戦など当時の日本機では飛ぶことで前方からくる空気を使って冷やす空冷が一般的ですが、水を使って冷やすものもあります。
でも高いところを飛ぶ飛行機の場合、水を冷却に使うと低温で凍ってしまうので不凍液を使っています。
これが「液冷」エンジンというわけです。

零戦やキ43など多くの戦闘機では空冷エンジンを使っていますが液冷は少数にとどまっています。
それは構造が複雑だから。
その中でも川崎は液冷エンジンにかなり熱心で昭和5年に1号機が完成した九二式戦闘機には液冷エンジンを搭載していますし昭和8年の試作機キ5、昭和10年の九五式戦闘機(キ10)、昭和11年の試作戦闘機キ28を開発し、さらに昭和15年に液冷エンジンを搭載する重戦闘機(キ60)と軽戦闘機を開発しています。
この軽戦闘機がキ61ですから川崎は相当な「液冷ヲタ」だったようです(^^)
複雑ということは稼動させることが難しいということ。
実際液冷エンジン機は非常にエンジンの不調に悩まされたとききます。
それでも液冷エンジンを選びたくなるのは空気で冷やすより水(冷却液)を使って冷やすほうが効率が良いので性能を発揮しやすいから。
つまりまともに動けば非常に高性能なのが液冷エンジンってことになります。

若干部品の隙間がありますが、2000円と言う値段を考えればそれほど気になりませんね。
さてこの角度から見ると非常に流麗で機首周りが零戦などとは大きく違うことに気がつきます。
コクピットから機首先端までずいぶん長いですね。
コクピットの一番前方側からプロペラのスピナ先端まで2890mm。
基準位置からプロペラ中心まで2060mmもあります。
機体は共通でより馬力の大きい1500馬力空冷エンジンを搭載する五式戦闘機(キ100)が1718mmですからキ61の機首の長さは特徴的ですね。

後ろから。
雷電にくらべるとはるかに長いですが幅が細い主翼ですね。
キ61の主翼は全幅12m、面積20平方mで翼面荷重は零戦やキ43と比べるとかなり大きい(約1.5倍)なのですが、設計した土井技師は運動性能は翼面荷重を単に小さくすれば良いわけではなく、翼幅荷重にも左右されると考えていたようで弦長を小さくしてその分幅を大きくしてアスペクト比を7.2と大きくした細長い主翼としたわけです。

斜めから。
こうしてみると機首周りはイタリヤのマッキMC202に似てるかもしれません。
これはキ61と同じエンジンを使ってるからです。
キ61のエンジンはドイツのダイムラーベンツのDB601という液冷V12エンジンをライセンス生産したハ40を採用しています。
当時の日本は設計能力は高いものの、安定した品質を確保して生産する品質管理が弱く、しかも複雑で整備も難しかったたことでこのエンジンは不調が多く、稼動させることは大変だったそうです。
しかも当時の零戦などの戦闘機の機体寿命は100時間程度だったそうです。
そりゃそうですよね、今の小型飛行機とかわらない大きさの機体に1000~2000馬力のエンジンを積んで超絶機動をするわけですから。
相当機体にストレスもかかるでしょう。
戦闘機動をするとさらに寿命が短くなったようで、寿命に達した機体は練習や連絡機として使われたり現地で処分されたりしたそうです。
もちろん機体より先にエンジンのほうが寿命に達してしまいます。
キ61がどれぐらいなのか判りませんが、仮に同程度だったとしてニューギニアやフィリピンに展開するとそこまでのフェリー飛行だけで片道数時間飛ぶわけですからエンジンや機体の寿命の何割かが消費されてしまいますし、ましてや高温多湿の東南アジアでは整備もさぞ大変だったんだろうと思います。

さてさっきから気になる機体下の箱型のもの。
これなんでしょう?
これは冷却器(ラジエタ)です。
液冷エンジンは熱交換で熱くなった冷却液を冷やす必要があります。
液冷エンジンは機首まわりをキリっとしぼって空力的に有利にすることができますが、一方で冷却液を冷やす冷却器という荷物がどうしても重荷になってしまいます。
当然重いし空気抵抗になるのでこの処理をミスるとせっかく液冷エンジンを積んでもその利点が全部消し飛んでしまいます。
キ61は胴体下面に反埋め込み式とすることで空力的な問題を解決したようです。
しかし・・・モデルはちょっと再現度がどうにかならなかったんだろうか・・・・?
以上、キ61でした。