さて海の日は1週間前の7月18日ですが海フェスタ東三河は7月31日まで続きます。
2週間目になる23日には海上保安庁の巡視船「みずほ」が体験航海、24日には一般公開が行われました。
今回は体験航海には参加できなかったので戻ってくる入港を見学してきました。

展望台から神野埠頭3号岸壁に戻ってくる巡視船「みずほ」を。
船体に比べると船構造物がずいぶんボリュームを感じます。
「みずほ」の横には接岸を支援するためのタグボートがついています。

展望台を降りて3号岸壁から。
「みずほ」は大型の巡視船ですが海上自衛隊の「あさぎり」型護衛艦に船体のサイズは近いかもしれません。
PL-21「みずほ」は総トン数5259トン、常備排水量5317トン、全長130メートル、最大幅15.5メートル。
一方護衛艦「あさぎり」型は基準排水量3500トン、満載排水量4900トン、全長137メートル、最大幅14.6メートルですから「みずほ」のほうが船体は平べったく感じます。
それにしても常備排水量5000トン超えですから、単純な排水量の比較ではミサイル護衛艦「たちかぜ」並み?

船首側。
海上自衛隊の護衛艦のような速射砲はありませんが、海上警備ではそれなりのストッピングパワーとしての火力が必要です。
巡視船「みずほ」は35ミリ単装機銃と20ミリ多銃身機銃を1基装備しています。
クレーン車のクレーン操作席のようなものの横に見える棒状のものが35ミリ機関銃。
20ミリ機銃は船橋前方に設置され、今回はカバーをかけられています。

船橋構造物を前方から。
船橋天蓋部やマスト横には白いドーム状のものがみえます。
これは衛星映像伝達システムのアップリンク用アンテナや衛星通信アンテナです。
このほかにも巨大なサーチライトやマストには水上レーダなどが確認できます。
搭載するヘリコプターが撮影した映像はアンテナで受信して船内で記録すると同時に陸上施設にリアルタイムで転送されるようです。
マストには海上保安庁旗が掲げられています。
この旗は海上保安庁の船艇に掲げられることが義務付けられています。

船橋斜め後ろから。
船首側面には紺色で巨大な「S」が描かれています。
海上保安庁の船舶のシンボル的なS字マークですが海上保安庁の使命になる「Safety」「Seach and Rescue」「Survery」とモットーの「Speed」「Smart」「Service」の頭文字を図案化したものです。

船橋構造物後方から煙突。
煙突には海上保安庁のシンボルマークになるコンパス(羅針盤)マークが描かれていますね。
護衛艦並みの大きさをもつ「みずほ」ですが主機はガスタービンではなくディーゼルエンジンを2基、2軸としています。
ここは護衛艦との運用思想の違いといったところでしょうか。
出力は18200馬力、速力は23ノットとされています。
船橋天蓋部の手すり部分には電光表示装置が設置されていますね。

こちらはヘリコプタ甲板。
「みずほ」は2機のヘリコプターを搭載できるだけ合って非常に広大なヘリコプタ甲板をもっています。
当初はベル212型ヘリコプターを搭載していましたが、現時はベル412型を搭載しているようです。
ヘリコプター格納庫の天蓋部には緊急時の放水銃が設置されています。

接岸作業中の「みずほ」。
巡視船PL-21「みずほ」はヘリコプター2機を搭載する「みずほ」型(ヘリコプター2機搭載型)巡視船として昭和58年度に計画され昭和61年3月に竣工しています。
ヘリコプター2機を搭載するだけあって非常に大型の巡視船となりました。
我が国はSAR条約の批准で捜索救助担当海域は距離にして1200海里という非常に広大なものになりました。
広域の哨戒、救助活動をするため昭和57年度から海上保安庁が整備をしたのがジェット機(ファルコン900型)とヘリコプターを2機搭載する大型巡視船(「みずほ」型)です。
船橋構造物が大きく、充実した警備救難指揮所(OIC)を備えているようです。
乗員は130名ですが緊急時の乗船可能人数は実に900人といいます。
既に大ベテランの巡視船ですがまだまだ現役のようですね。
以上、海フェスタ東三河の海上保安庁大型巡視船「みずほ」 体験航海・・・・の着岸でした。