横須賀といえば外せないのが海軍カレーと記念館三笠、そして軍港めぐりです。
遊覧船で横須賀港を一周するのですが、艦船ファンには鼻血ものの40分間です。
この日(8月8日)はたま~にポツっとくるような空模様でしたが、さぁ軍港めぐりにいってみようZE☆
軍港めぐりはショッピングセンターの隣の桟橋から遊覧船が出ています。
チケットは予約と当日券がありますが予約をしてなかったので朝1番の便に乗るためにダッシュ(無人対潜ヘリコプターのことではない)!

まず目に飛び込んでくるのが海上自衛隊横須賀基地に停泊する護衛艦DD-101「むらさめ」とDD-107「いかづち」(満載排水量6200トン)です。
汎用護衛艦ではありますが、DDG「はたかぜ」型(満載排水量5900トン)を上回るサイズだったりします。
長期間の作戦での乗員の居住性を考えるとこれぐらいの大きさは必用なんでしょうね。
両艦とも「むらさめ」型護衛艦で、「たかなみ」型とあわせて海上自衛隊の護衛隊群の中核を占める戦力になっています。

こちらは・・・・32フィート型高速哨戒艇かな?

こちらは・・・潜水作業船のようです。
「SRF-JRMC DIVERS」とありますが米海軍艦船修理廠及び日本地区造修統括本部の潜水士・・・なんでしょうか?

こちらは海上自衛隊の潜水艦、後ろは米海軍の駆逐艦です。
海上自衛隊の潜水艦を運用するのは横須賀に司令部を置く潜水艦隊です。
隷下に2個潜水隊群があって呉に第1潜水隊群、横須賀に第2潜水隊群がおかれています。
基本的に海上自衛隊の艦艇は海上自衛隊基地に停泊しますが、第2潜水隊群はこんなかんじで米海軍施設側に停泊するんですね。
左側は「おやしお」型潜水艦(水中排水量3500トン)、右側が「そうりゅう」型潜水艦(水中排水量4200トン)です。
後方は米海軍のミサイル駆逐艦DDG-56「ジョンS.マッケーン」(満載排水量9094トン)です。
こうやってみてみると潜水艦って意外と小型に見えますね。
でも潜水艦の大部分は海面よりも下にあります。
「そうりゅう」型の基準排水量は2950トンですが、これは護衛艦「はつゆき」型の基準排水量と同じなんです。
護衛艦がまるまる1隻海の中にいると思えばこの大きさがわかると思います。

上で紹介した「おやしお」型と「そうりゅう」型です。
現役の海上自衛隊の潜水艦はこの2タイプになっています。
見た目おなじやんけ!
というなかれ、結構見た目も違います。
まずセイルの艦首側ですが、「そうりゅう」型(奥側の潜水艦)のほうにRがついてますね。
さらに艦尾の舵が「おやしお」型と比べると寝ています。
「そうりゅう」型は舵がX型になっているんですよ。
「そうりゅう」型は海上自衛隊最新の潜水艦で、潜水行動時間を長くとれるようにAIP機関を搭載しています。
次期型はAIPをやめてリチウムイオン電池にするようですね。

こちらも先に紹介した米海軍のミサイル駆逐艦DDG-56「ジョンS.マッケーン」です。
アーレイバーク級ミサイル駆逐艦の6番艦で、ミサイル防衛能力を付与されています。
海上自衛隊の「こんごう」型や「あたご」型はこのアーレイバーク級をベースに建造されましたが、艦構造物が海上自衛隊のイージスシステム艦とくらべるとずいぶん背が低いですね。

・・・米海軍の宿泊船でしょうか?

海上自衛隊の護衛艦DD-101「むらさめ」。
「むらさめ」型護衛艦の1番艦として平成8年に竣工しました。
汎用護衛艦では初めて垂直発射装置VLSを搭載しました。
シースパロー/ESSM短距離艦対空ミサイルをMk48VLSに、アスロック対潜ミサイルをMk41VLSに搭載しています。
2種類のVLSを装備している護衛艦は「むらさめ」型のみです。

こちらは給油中(?)の「おやしお」型潜水艦です。
横にはYO-35「油船35号」(積貨重量490トン)がいますね。
この油船から給油を受けます。
燃料が漏れ出さないようオイルフェンスを周囲に張っていますね。

こちらは米海軍のミサイル駆逐艦DDG-82「ラッセン」(満載排水量9302トン)、DDG-63「ステザム」(満載排水量9094トン)です。
この2隻ともアーレイバーク級ミサイル駆逐艦で、ミサイル防衛対応艦となっています。

こちらはミサイル巡洋艦CG-54「アンティータム」(満載排水量10117トン)です。
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の8番艦です。
アーレイバーク級ミサイル駆逐艦と同じくイージスシステム艦ですが、ずいぶん艦の形が違いますね。
これは設計思想の違いからくるものです。
タイコンデロガ級はスプルーアンス級駆逐艦をベースに建造されました。
元々船体のベースがあったのでそこにイージスシステムの中核になるAN/SPY-1レーダを搭載したのですが、元々駆逐艦がベースなのに大規模なシステムをつめこんだりレーダの射角を確保するために高い位置に設置するなどをしたためこのような形になりました。
一方アーレイバーク級はAN/SPY-1レーダをおくことを第一に考え、それにあわせて船体レイアウトを決めています。
船体が先でそこにレーダを搭載したタイコンデロガ級、レーダを先に考えてそれにあわせて船体をつくったアーレイバーク級。
そう考えると面白いですね。

ミサイル巡洋艦CG-54「アンティータム」です。
なんといいますか・・・禍々しい感じがしますね(^^;
イージスシステム艦ですが、なぜかレトロな感じがするのは元々が駆逐艦の船体にシステムを載せたことと設計が1970年代ですからレーダーを中心に船を設計するという概念がまだなかったためですが、重くて巨大な艦構造物が上部にあるのでちょっと不安定な感じがしますね。
こちらは艦尾になりますが、AN/SPY-1レーダ取り付け部の下にあいているのはヘリコプタ格納庫です。
ここに哨戒ヘリコプターを搭載できます。
ところで巡洋艦といえば駆逐艦よりもずいぶん大型の艦艇!
というイメージなのですが、このタイコンデロガ級の満載排水量は10117トン、アーレイバーク級フライトⅡA型の満載排水量は9302トンとそれほどの差はありません。
ちなみに海上自衛隊の護衛艦も駆逐艦を示す「DD」なのですが、「ひゅうが」型護衛艦は満載排水量19000トン、建造中の「いずも」型にいたっては満載で24000トンです。
駆逐艦、巡洋艦、フリゲイト、コルベットの大きさの概念がかわってきちゃいますね。

こちらは米海軍のミサイル駆逐艦DDG-68「フィッツジェラルド」と・・・・なんだろ?
両方ともアーレイバーク級ミサイル駆逐艦ですが、ここまでイージスシステム艦がそろうと圧巻ですね。

こちらは宿泊船APL-40「ニュエセス」です。
非自走式でホテルシップと呼ばれています。
基本的に乗組員は自分の艦艇で宿泊しますが、修理などの場合にこの宿泊船で宿泊します。

これは工作船YR-85です。
空母の修理などにつかう艦船っぽいのですが・・・?

出た!横須賀海軍施設の主!
原子力空母CVN-73「ジョージ・ワシントン」(満載排水量103637トン)です。
とにかく巨大で距離感がわからなくなってしまいますね。
作戦航海に出ていたのですが、この日(8月8日)に横須賀に戻ってきたばかりだったようです。

ジョージ・ワシントンはニミッツ級原子力空母の6番艦で、全長は東京タワーとほぼおなじ333メートル、飛行甲板の幅は最大76.8メートルとなっています。
70機近くの作戦機を搭載することができます。
よく「事実上の母港」と言う言葉を聞きますが、空母の本当の母港は横須賀ではありません。
ジョージ・ワシントンはサンディエゴに母港があって、そこから横須賀に展開しているんです。
これを「前方展開」といって、空母を前方展開させているのはここ横須賀だけなんですよ。

何と原子力潜水艦!
ロスアンジェルス級原子力潜水艦だと思います。
ロスアンジェルス級は米海軍の原子力潜水艦の中で最も数が多く、62隻が建造されています。
1番艦が昭和51年竣工ということもあって引退が進んでいますがまだまだ潜水艦部隊の中核を占めます。

これは珍しいかも。
原子力潜水艦と原子力空母のツーショットです。
こんな様子を見ることが出来るのも軍港めぐりならではですね。
ロスアンジェルス級も基準排水量が7000トンを超えるかなりの大きさ(「むらさめ」型や「たかなみ」型より大きい!)ですが、後ろのジョージ・ワシントンの巨大さは圧倒されます。

これな~んだ?
これは消磁を行う横須賀消磁所です。
消磁とは艦艇がおびおてくる磁気を消す作業のことを言います。
艦艇は金属製ですので地磁気の影響を受けてだんだん磁気を帯びてきます。
そうすると敵に発見されやすくなったり磁気に反応する機雷へのリスクが高まってきます。
そこで定期的にこうやって磁気を消すんですね。
ここまで大規模なのは日本では横須賀ぐらいで、グーグルマップでも横須賀港の入り口を見ると四角いものがいくつかみえますよ。

米海軍の運貨船(バージ)です。
クレーン車は地面の上にあるのではなく、バージの上にいるんですよ。
8月の横須賀サマーフェスタで行われる花火大会は移動させてこのバージから打ち上げます。
また年越しカウントダウンの花火もここから打ち上げます。
日本でも珍しい日米共同開催の花火大会だったりします。
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軍港めぐりその1/その2/その3