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アスロックのブログ一覧

2016年01月10日 イイね!

FREET WEEK!平成27年度自衛隊観艦式艦艇一般公開(10月10日)その6 護衛艦「くらま」、豪艦「スチュアート」編

ではラストです。
一般公開はされませんでしたが、桟橋から護衛艦「くらま」と豪州のフリゲイト「スチュアート」が見えましたので何枚か写真を写してみました。



ヘリコプター搭載護衛艦DDH-144「くらま」(満載排水量7200トン)です。
「しらね」型DDHの2番艦として昭和56年に竣工した大ベテラン艦で、「はるな」「ひえい」「しらね」と4隻就役したヘリコプター3機搭載護衛艦の最後の1隻です。
「しらね」型は昭和56年開催の第15回観艦式から観閲艦を務め、実質的な海上自衛隊のシンボル的な護衛艦です。
艦載ヘリコプターとしては非常に大型になるHSS-2型ヘリコプターを3機、基準排水量5000トン程度(「はるな」型で4950トン、「しらね」型で5200トン)の比較的小型の艦艇に搭載するのは世界でも非常に珍しく、注目を浴びたようです。
また「しらね」型はウエポンシステムをコンピュータで統括した海上自衛隊で初めてのシステム艦でもあります。
艦首から艦尾にかけて「くらま」の流麗な艦影を写したかったのですが、桟橋の長さの関係で写せませんでした。。。



2門の速射砲を背負い式に設置された姿は戦艦を髣髴とさせる優美さを感じます。
マストに見える黒く四角い巨大な板はOPS-12対空レーダで、シースパロー短距離艦対空ミサイルシステム搭載のため三次元レーダを搭載するようになりました。
その手前に2つメッシュ状のパラボラアンテナが見えます。
これは72式射撃指揮装置1型(FCS-1)で、5インチ砲の射撃統制用です。
2門の5インチ砲に2つの射撃指揮装置があるということは別々の目標を同時に対処することが出来ることを意味します。




こちらは艦首に搭載された73式5インチ54口径単装速射砲です。
米海軍のMk42 5インチ速射砲を国産化したもので、「くらま」は2門搭載しています。
射界を確保するため前後の背負式の配置となりました。
艦首側を51番砲、艦橋側を52番砲と呼んでいます。
こちらは51番砲で、砲塔に短波用の空中線が設置されています。



こちらは52番砲。
「こんごう」型のOTOメララ127ミリ速射砲や、「あきづき」型のMk45-mod5 5インチ砲と比べるとやはり大型で、重量は67トンにもなります。
砲の操作、弾庫から砲身への装填は全自動電気油圧式ですが給弾方式は手動なんだそうです。
1分間に35発の射撃が可能でこれはMk45-mod5の20発よりも発射速度は速いことになります。
観艦式の訓練展示では祝砲として空包射撃を行いますが、Mk45-mod5やOTOメララ127ミリ速射砲、OTOメララ76ミリ速射砲といった自動砲は弾頭が未装着の場合エラーとして判断されるため、空包射撃ができないそうです。
現在この73式5インチ砲を搭載しているのは「くらま」、DDH「はたかぜ」「しまかぜ」の3隻のみとなっています。



「くらま」の艦橋構造物。
艦橋手前にあるパイプを組み合わせて設置されているものはハイラインポスト。
洋上補給はハイラインを使いますが人力作業用となっています。
トラスの先端にハイラインを通し、人力で引っ張って使います。
艦橋右舷側にサイレン(?)のようにみえる大型の円筒状のものはOE-82C衛星通信アンテナ。
見切れてしまっていますが艦首側に見える大型の四角いものはアスロックランチャMk112です。
8連装のアスロック発射機で米海軍が開発した装備です。
アスロックは対潜用の短魚雷をロケットの弾頭部に装着したもので、遠方にロケットを使って投射しパラシュートを使って着水すると魚雷の誘導装置で敵の潜水艦に突入していきます。
ちなみに隣に見えるマストは護衛艦「おおなみ」のもの。



マストを下から。
搭載艇の上側に見える白いドーム状のものはスーパーバード衛星通信アンテナ。
白い布が張られているのは「くらま」が観閲艦のため。
安倍晋三内閣総理大臣が乗り込み、観艦式では観閲を行いました。
警備の関係で一般公開されなかったのは残念でしたが、引退間近の「くらま」にとってハレ舞台となりました。



艦構造物中央付近です。
護衛艦の多くは艦橋構造物と後部艦構造物は煙突をはさんで分かれていますが、「くらま」は一体型となっています。
艦構造物の上部で黒く塗られているのが煙突で、前後に2基ありますが、第1煙突にマスト、第2煙突に射撃統制用レーダが設置してあるのが面白いですね。
マストと煙突が一体になっているのをマック方式というようです。
「くらま」の主機はガスタービンではありません。
海上自衛隊の護衛艦では唯一蒸気タービンを用いています。
後部艦構造物は巨大なヘリコプター格納庫につづきます。



艦構造物中央付近、搭載艇の下です。
3本の筒が俵状に積まれているのは3連装短魚雷発射管HOS-301です。
米海軍のMk32短魚雷発射管を国産化した68式短魚雷発射管で旋回操作は人力で行います。
接近した敵潜水艦に対して射撃するもので、73式短魚雷やMk46短魚雷を空気圧で発射します。



第2煙突横には高性能20ミリ機関砲が搭載されています。
ミサイル護衛艦の長射程艦対空ミサイルや個艦の速射砲や電波妨害、短SAMの迎撃をくぐりぬけてさらに突入してくる敵対艦ミサイルを打ち落とす最後の砦ですが、海上自衛隊で新造時から搭載したのはこの「くらま」からです。



艦尾です。
ヘリコプター搭載護衛艦と呼ばれるだけあって非常に広大なヘリコプター甲板と格納庫が目を引きます。
ヘリコプター甲板はSH-60ヘリコプターをタンデムに2機並べることが出来る長さをもっているそうです。
第2煙突が右側に偏って設置されているのがわかります。
その関係もあって搭載する3機のヘリコプターは右側に1機、左側に2機という形になるようです。



格納庫天蓋部。
第2煙突上部にみえる白いドームは81式射撃指揮装置2型(FCS-2)でシースパロー短距離艦対空ミサイルの射撃統制をします。
天蓋上部中央部に「x」型の形のカバーがついている4連装が2セットついたものがシースパロー発射機です。
この発射機の中にRIM-7シースパロー短距離艦対空ミサイルが装填されます。
シースパローはF-15戦闘機に搭載するAIM-7スパロー空対空ミサイルを艦艇用にしたもので、FCS-2から照射された誘導電波によって目標に突入します。
「しらね」型は初めてこのシースパローシステムを搭載した護衛艦で、個艦防空能力を得ることが出来ました。
その手前にはヘリコプター誘導指示用の水平灯などがみえます。



ヘリコプター格納庫を別アングルで。
格納庫の中も広く、汎用護衛艦がヘリコプターを1機(必要に応じて2機)搭載するのに対して、3機を搭載することが出来るだけの広さがあります。
格納庫が小さい汎用護衛艦にはない整備資材や部品などもここに置かれるようです。
格納庫外壁にはいくつもの膨張筏がおかれています。
これは右舷・左舷両側にありますが、基本的に片側だけで乗員全員分を確保されているようですね。



艦尾のヘリコプター甲板の下です。
「くらま」と書かれていますね。
飛行甲板の下は係留装置などが収納されています。



「くらま」を後ろから。
隣は「おおなみ」と「いかづち」ですが、「くらま」はそれとくらべるとずいぶん長く感じますね。
「むらさめ」型、「たかなみ」型の長さは151メートルに対して「くらま」は159メートルと、8メートル長くなっています。
「くらま」の飛行甲板の下に黄色い魚型(?)のものがみえます。
これは可変深度ソナー(VDS)というものです。
海流の温度差によりソナーの音波伝播が悪くなったときにこれを沈めて探知を行うソナーシステムです。
現在これを搭載しているのは「くらま」のみです。




次はオーストラリア海軍のフリゲイト「スチュアート」です。
実は何気にこれを書くのが一番大変でした。
とにかく資料がない。
私は陸自装備なら「自衛隊装備年鑑」と「PANZER」と部隊の公式ページを参考に、海自は「世界の艦船」とその増刊と「自衛隊装備年鑑」「Jships」「イカロスMOOK」を、空自は「自衛隊装備年鑑」「航空ファン」「イカロスmook」を参考にして書いている(何気にwikiは使ってないんだよ~)のですが、オーストラリア海軍の本なんて持ってないですから。
ようやく探して見つかったのが世界の艦船増刊の「世界の大型水上戦闘艦」のみ。
自衛艦とくらべると今回かなり手抜きなのは・・・許してね。



観艦式にはゲストとして外国海軍の艦艇も数隻が参加します。
この日オーストラリア海軍のフリゲイトも横須賀に停泊していました。
153「スチュアート」(満載排水量3700トン)です。
「スチュアート」は「アンザック」級フリゲイトの4番艦として2002年に竣工しました。
「アンザック」級はニュージーランド海軍も採用していて「テ・カハ」「テ・マナ」の2隻を保有しています。
「テ・マナ」は以前名古屋港に寄港・一般公開もされました(恐ろしいことにCICまで・・・)。



艦首から。
桟橋の長さの関係で全体を写せなかったのが残念。
艦橋の手前に艦対艦ミサイル(SSM)発射筒が装備されてるんですね。
このSSM発射筒は4連装が左右1基づつ合計8本搭載されています。
装填するSSMはハープーンで海上自衛隊でも使用されているSSMです。
「アンザック」級はもともとSSMの搭載はしていませんでしたが、2002年から搭載することになったようですね。



艦首には5インチ砲を搭載しています。
ニュージーランド海軍の「テ・マナ」はMk45 5インチ単装砲を搭載していましたが「アンザック」級も同じMk45かな?
砲身が非常に長く感じます。
満載排水量がやや大きい「はつゆき」型が76ミリ速射砲を搭載していますが、この規模で5インチ(127ミリ)砲はかなり大型に見えますね。



艦構造物中央付近です。
艦橋構造物後方にラティスマスト、その後方には対空レーダがあります。
海上自衛隊の護衛艦ではマストよりも前方に対空レーダを搭載しますが、海外ではこういう配置もあるのかと興味深いです。



同じく艦構造物中央付近。
艦橋構造物と煙突の間になりますが、ここには複合艇と搭載艇揚収用のクレーンがみえます。



やはりありました、3連装単魚雷発射管です。
米海軍が開発したMk32でしょうか?
口径324ミリの水上発射管で海上自衛隊のHOS-302と非常に良く似ています。


煙突です。
「アンザック」級の煙突は2基あるのですが、海上自衛隊の護衛艦のようにタンデムに2基あるのではなく、V字型に2基配置しているのが興味深いです。
煙突にはオーストラリアらしくカンガルのマークが描かれていました。
「アンザック」級の主機はガスタービンエンジン1基とディーゼルエンジン1基によるCODOG方式をとっています。
高速航行時には大出力のガスタービンエンジンを使い、低速時にはディーゼルエンジンを使って燃費と速度性能を両立させるシステムです。
「アンザック」級はESSM(発展型シースパロー)短距離艦対空ミサイルをMk41VLSに搭載しますが、これは煙突の後部のヘリコプター格納庫上部に設置しています。
VLSは8セルで、ESSM短SAM専用のようでVLアスロックの装備はないようです。



「スチュアート」を真後ろから。
ニュージーランド海軍の「テ・カハ」級はSH-2対潜ヘリコプターを搭載しますが、オーストラリア海軍の「アンザック」級はS-70B哨戒ヘリコプターを1機搭載します。
「アンザック」級は満載3700トン、全長118メートル、幅14.8メートル、満載排水量では似た規模の海上自衛隊の「はつゆき」型護衛艦は満載4000トン、全長130メートル、幅13.6メートルですから、ずんぐりした印象を受けます。
ヘリコプター格納庫は右舷側にドアがありますが、左側はヘリコプター用弾庫でしょうか?
そういえば高性能20ミリ機関砲がみあたりません。
ニュージーランド海軍の「テ・カハ」級は搭載していますが「アンザック」級には搭載していません。
それぞれの海軍がどういう使われ方をするかなのでしょうが興味深いですね。
以上豪州フリゲイト「スチュアート」でした。


ここからは陸上自衛隊の装備品展示です。

横須賀基地に陸上自衛隊の車両が数台装備品展示として参加していました。
こちらは1/2トントラック。
第31普通科連隊の車両ですね。
いわゆる自衛隊ジープで現在のものは三菱パジェロをベースにしているそうです。



こちらは高機動車。
こちらも第31普通科連隊の車両ですね。
普通科部隊の足として配備された車両で高い路上・路外機動性能をもちます。
10名の乗員を載せることができ、発煙機や近SAM発射機、新短SAM発射機、対戦車ミサイル搭載型などさまざまな派生型もありますね。



こちらは3 1/2トントラック。
いわゆる大型トラックで人員や物資輸送などに使われる自衛隊で最も目にすることが多い車両です。
こちらも第31普通科連隊の車両で人員なら22名を載せることができます。


こちらは軽装甲機動車。
普通科部隊などに装備され戦場機動などに使用される装甲車です。
固有の武器はありませんが小銃や機関銃を車載射撃したり、軽対戦車誘導弾を車上射撃することが出来ます。
こちらも第31普通科連隊の車両ですね。


こちらは82式指揮通信車。
戦後国産初の装輪式の装甲車両で、特科部隊や普通科部隊に配備され部隊間の指揮通信に用いられます。
こちらも第31普通科連隊の車両です。



自衛隊は高い練度と士気、優れた装備をもっていますが食事がなければ動けません。
こちらは野外炊具1号です。
200人分の主食や副食を概ね45分以内に同時に調理できる炊具で、炊飯、汁、焼、煮、揚、炒といった調理が可能な万能調理用装備です。





おまけ。

横須賀基地の駐車場にいたグランドエスクード。
護衛艦隊の業務車ですね。
護衛艦隊は横須賀に司令部をおく組織で、自衛艦隊の隷下になります。
人員1万人以上、48隻の護衛艦と16隻の艦艇からなる海上自衛隊の中核をなす組織で、4個の護衛隊群、第1海上補給隊、第1輸送隊、海上訓練指導隊群などによって編成されています。



以上、FREET WEEK!平成27年度自衛隊観艦式艦艇一般公開の模様でした。




平成27年度自衛隊観艦式一般公開
その1/その2/その3/その4/その5/その6


Posted at 2016/01/10 16:54:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記
2016年01月10日 イイね!

FREET WEEK!平成27年度自衛隊観艦式艦艇一般公開(10月10日)その5 護衛艦「あたご」編

さて横須賀での艦艇一般公開は残り1艦。
護衛艦「あたご」です。


ミサイル護衛艦DD-177「あたご」(満載排水量10000トン)は平成19年に竣工した「あたご」型護衛艦の1番艦で、「こんごう」型をベースに建造されました。
ヘリコプター格納庫を設置してるので「こんごう」型よりも柔軟な作戦が行えるようです。
「こんごう」型をアーレイバーク級フライトⅠ型とするならば、「あたご」型はフライトⅡAといったところでしょうか。


では砲熕から・・・といきたいのですが、なぜか写真を撮り忘れてしまいました。
残念。
「あたご」型は艦首に「あきづき」型と同じく5インチ62口径単装砲(Mk45-mod4)を装備しています。
「こんごう」型はOTOメララ127ミリ54口径速射砲を搭載していましたが、速射砲を射撃統制するために別に81式射撃指揮装置FCS-2型を搭載していました。
「あたご」型はより対地・対水上目標に対して長射程・精密射撃が可能なMk45-mod4を採用しました。
射撃統制はスタンダードSM-2艦対空ミサイルの射撃統制を行うSPG-62射撃指揮装置で併用しています。



なんだこりゃ(^^;
あたごちゃん・・・・なのかな?


「あたご」型のメインウエポンになるスタンダードSM-2艦対空ミサイル、VLアスロックが装填されるMk41VLSです。
艦首側に64セル、ヘリコプター格納庫天蓋部に32セルの合計96セルとなっています。
「こんごう」型の90セル(前部29セル、後部61セル)に比べて6セル多いのは前部VLSと後部VLSにそれぞれ装填用のクレーンを3セルづつ搭載していたためです。
「こんごう」型に対して前部VLSの数が増えたためか「あたご」型は幅は同じですが長さが4メートルほど延長されています。



「あたご」の艦橋構造物。
「こんごう」型と同じく非常にボリュームがありますね。
艦橋前方に高性能20ミリ機関砲、艦橋構造物前面にAN/SPY-1D(V)レーダのアンテナが設置されています。
見た目は「こんごう」型のAN/SPY-1Dと同じですが、捜索・追尾能力が向上しています。
「こんごう」型と比べると艦橋構造物の上部はかなり異なっています。
特徴的なのは艦橋天蓋部(06甲板)で、ここは一段高くなっています。
ここには四角い板が敷き詰められているのがわかります。
いったい何のアンテナ(?)なんでしょうか・・・Jshipsやモデリングガイド、世界の艦船にも見当たらないので誰かおしえてください。
その天蓋部にあるパラボラアンテナはSPG-62射撃指揮装置。
スタンダードSM-2と5インチ砲の射撃統制用です。
艦橋横の張り出し(ウイング)天蓋部に四角いNOLQ-2B電子戦装置がみえます。
敵艦艇の射撃統制レーダを照射された際に分析して電子妨害を行う装置です。
またマストにはORQ-1ヘリコプター用データリンクアンテナ、その上部の円盤状にみえるのはUPX-29敵味方識別装置で、リング状になっています。




艦橋手前に設置されてるのはおなじみ高性能20ミリ機関砲です。
高性能20ミリ機関砲に使われている機関砲はF-15戦闘機などに搭載されている20ミリ機関砲(ヴァルカン)とほぼ同じものが使われています。
発射速度は航空機用が1分間に4000~6000発ですが、高性能20ミリ機関砲では1分間に3000発となっています。
「あたご」は艦橋手前のほかにヘリコプタ格納庫天蓋部の2箇所に設置しています。
その上にある球状のものはUSC-42衛星通信アンテナで米海軍のフリーサットを利用した衛星通信用です。
その横はNORQ-1スーパーバード衛星通信アンテナ。


艦橋構造物を後方から。
マストが従来のラティスマストではなく、ステルスマストになっていますね。
しかも護衛艦としてはかなり細く、面形状も複雑です。
重い三次元レーダをマストに設置しなくて済んだ結果ですね。
艦橋構造物後方にはAN/SPY-1D(V)のアンテナが設置されています。
「こんごう」型よりもさらに上部にアンテナが設置されてることがわかります。
これはヘリコプター格納庫設置のためレーダの射角を確保するためとされているようです。
AN/SPY-1D(V)のアンテナ上部に見える四角いものはNOLQ-2電子戦装置(電子妨害装置)、マスト基部の張り出しに設置されてるやや大型の白い金魚鉢状のドームはNORA-1Cスーパーバード衛星通信アンテナ。
マスト先端にはTACANアンテナが見えます。
艦橋構造物とマストは電子装置の塊ですね。
さて、「あたご」のSPY-1レーダは「こんごう」型よりもさらに発展したAN/SPY-1D(V)なわけですが、イージスシステムとしては「こんごう」型はベースライン4.1Jに対して「あたご」は7.1Jにバージョンアップしています。
情報処理システムは「こんごう」型が1台の大型のコンピュータで行うのに対して、「あたご」型は複数のコンピュータで分担・連携しています。



第1煙突横のボートダビット。
搭載艇が設置されています。
必要に応じてこの搭載艇を下ろすわけですが、その際はクレドルが舷側に振り出すことで搭載艇を降ろします。
手前に見えるのは膨張筏。




搭載艇のボートダビットの下あたりです。
HOS-302単魚雷三連装水上発射管が設置されています。
上は右舷、下は左舷の写真になります。
HOS-302のHは発射管、Oは水上艦艇、Sは単魚雷、3は3連装を意味しているようです。
この発射管の蓋には右舷側には「1」「3」「5」、左舷側には「2」「4」「6」と記載されています。
使用時には手動で発射しますが艦内からも発射操作が可能なんだそうです。



第1煙突と第2煙突の間には4連装艦対艦ミサイル(SSM)発射筒が装備されています。
最近はSSMは2~3連装で搭載されることが多いようです。
発射筒の基部は複雑な形に切り欠きがついていますが、これはSSM発射時にブラスト(発射時の炎)を避けるためなんだそうです。




4連装SSM発射機を別角度で。
こうしてみると「こんごう」型のハープーン発射筒と異なってリベットがごっつく打たれているんですね。
この巨大な筒の中に90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)を搭載します。
ハープーンの直径は34センチ、SSM-1Bの直径は35センチですからややSSM-1Bのほうが大きい感じでしょうか。
1発の重さが660kg、弾頭は225kgと非常に大型のミサイルです。




第2煙突です。
太細2種類の排気筒が見えますが、太いほうが主機のガスタービンエンジン用、細いほうが発電用のディーゼルエンジン用です。
煙突は「こんごう」型に比べると鋭く直線的になっていますね。
「あたご」型に搭載されるガスタービンエンジンは「こんごう」型と同じくLM2500が4基で、元は大型旅客機用のCF6エンジンを艦艇用にしたものです。
2本の長い棒が見えますが、これは第1煙突に設置されたホイップ空中線。
送信用のアンテナですね。



第2煙突前方に設置されたスライディングパッドアイ。
真ん中に上下に可動するフックを通してワイヤを張り、ハイラインを使って物資のやり取りを行います。
ステルス性を考慮してなのかやや傾斜して設置されています。
上部についているのは照明で夜間は赤い光で照らします。



後部艦構造物です。
天蓋部の02甲板、03甲板にあるパラボラアンテナのように見えるのはSPG-62射撃指揮装置。
スタンダードSM-2艦対空ミサイルの誘導用イルミネータで、SM-2ミサイルの最終誘導に使われます。
ちなみに後部VLSはこのSPG-62のさらに後方に設置されています。
艦舷側の通路はシールドで覆われ、甲板から1段上がったところには複合艇(ゴムボート)が搭載されていますね。
その後部に見えるのは搭載艇揚収用のクレーン。
搭載艇搭載部の下にドアのようにみえるのは舷梯子収納部。





「あたご」型は「こんごう」型と同じく舷側の通路はステルス性のためシールドで覆われています。
2枚目はそのシールド内の通路で、艦橋構造物からヘリコプター甲板まで通路が設置されています。
シールド内は消火設備や訓練用人形などが収められています。
2枚目の写真には掃除用のモップのほか大量の木材が見えます。
この木材は緊急事態時の応急措置用で、浸水などを防ぐために木材でふさぐ等のときに使われます。
イージスシステムという現代科学の粋を結集したハイテク艦ですが、最後は人の力がモノをいうと感じますね。




ヘリコプター甲板です。
「こんごう」型と外見上一番大きな違いはこの艦尾で、ヘリコプター格納庫を設定したことです。
「むらさめ」や「てるづき」と比べるとヘリコプター格納庫の開口部が半分ぐらいしかないですね。
ヘリコプター1機を収納し、右側にはヘリコプター用弾庫としています。
海上自衛隊では哨戒ヘリコプターはヘリコプター搭載護衛艦と汎用護衛艦に搭載し、ミサイル護衛艦には基本的には搭載しません。
護衛艦8隻と複数のヘリコプターで護衛隊群を編成しますが、常にフルの8隻で作戦を行うわけではなく、時には数隻で行動する場合もあります。
哨戒ヘリコプターの運用は作戦時に欠かせませんがヘリコプター格納庫を搭載しているため必要に応じて「あたご」型にも搭載できますからより柔軟な運用ができそうです。




ヘリコプター格納庫内です。
SH-60ヘリコプターを2機搭載できる「むらさめ」や「てるづき」と比べるとちょっと狭く感じますね。
また整備に使用するホイストクレーンもありません。
「むらさめ」などに比べると限定的といった感じでしょうか。
2枚目のロッカーにかけてある赤い棒はアプリケーターといって、消防ホースに接続して霧状に散水するためのものです。



後部艦構造物を後ろから。
天蓋部中央には高性能20ミリ機関砲とヘリコプターに水平の指示を出す水平灯が設置されていますね。
後部艦構造物の左側はヘリコプター格納庫、右側はヘリコプター用弾庫となっています。
右側壁面にみえる窓はヘリコプター管制室。



後部艦構造物脇に設置されたNORQ-1スーパーバード衛星通信アンテナ。
Kuバンド用で、艦橋構造物前方にも設置されています。



ヘリコプター甲板に半埋め込み式で設置されているヘリコプター管制室。
ヘリコプター発着艦の指示を出すLSO(Landing Ship Officer)がここで管制を行いますが、管制室そのものもLSOと呼ばれます。
ワイパーがついてますね。
ヘリコプター格納庫横にもヘリコプター管制室がありますがなぜ2つあるんでしょう・・・・?




艦尾の自衛艦旗。
艦首には艦首旗(日の丸)が、艦尾には自衛艦旗(旭日旗)がかかげられています。
自衛隊施設は朝8時から日没まで国旗を掲揚しますが自衛艦も停泊時はそれに準じて艦首旗を掲げます。
自衛艦旗も停泊時は同じく朝8時から日没まで掲揚しますが航海時には常に掲揚しているようです。
自衛艦旗は旧帝国海軍から引き継いだデザインで、中心は左辺に縦の1/6偏しています。


以上、護衛艦「あたご」一般公開でした。
次はラストです。



平成27年度自衛隊観艦式一般公開
その1/その2/その3/その4/その5/その6


Posted at 2016/01/10 16:52:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記

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