やばいよ・・・
まだ4月に行われた広報館戦闘機地上展示どころか3月の小牧OB、昨年の岐阜のupもまだだよ・・・
でもとめておくといつまでもupできないのでできるやつからこつこつと。
う~ん、ただでさえ「カーライフ」ネタが少ない(しかも自分が乗る車はなぜかコラでまともな写真が一枚もないw)のにますます偏ったブログになりそうです。
ま、いっか☆
去る5月24日に静岡県大井川町にある航空自衛隊静浜基地で開催された航空祭にいってきました。
静浜基地は滑走路をはさんで会場の反対側(静岡県警航空隊側)に駐車場が設けられていて、ここが巡光+滑走路から近い(しかもメイン会場まで歩いて20分ぐらいでいける)しと人気ポイントでしたがここ数年は駐車場待ちで周辺住民に迷惑をかける人が多いのか駐車場は廃止になりました。
みんな、違法駐車もそうですが迷惑をかけるのはやめようぜ。
駐車場は廃止になっても撮影ポイントとして開放されてるですが、メイン会場に比べるとトイレが混まないなどいろいろオイシイんですよ♪
撮影ポイントはともかくトイレが近い私にはトイレは欠かせませんw
でも地上展示や装備品展示は見られないしブルーインパルスは反対側になるし、売店もない・・・ので航空祭の雰囲気を感じるならやっぱりメイン会場です。
今回メイン会場まで2往復しちゃいました。
ということで今回は藤枝駅から直で県警側にいったのですが、降水確率80%のインパクトはダテではなく、道路は混雑が全くなくガラッガラでした(^^;
雨が降らないかどうか心配になりながらも展開完了。
さぁ飛行展示開始です。

天候偵察をおこなったT-7初等練習機が引き続きオープニングフライトを行います。
滑走路に進入し着陸態勢に入ります。
静浜基地にはT-7初等練習機を用いて学生教育を行う第11飛行教育団が常駐しています。
飛行展示を行うのはこの教官パイロットになります。
写真ではちょっとわかりづらいですが結構どんより曇った空ですね。

続いてもう1機も着陸態勢に入ります。
静浜基地は滑走路をもつ飛行場としては航空自衛隊で最も小さい基地で、このように着陸態勢にはいるT-7をばっちりみることができます。

4機のT-7がダイヤモンド隊形で会場上空を航過します。
初めて操縦桿を握って飛行機操縦のイロハを学ぶ学生にとっては私たち一般の観客と全く違って感じるんでしょうね。
私たちも周りの人が当たり前のように車を運転しているのを見て何も思いませんでしたが、自動車学校で初めてハンドルを握ったとき、手に汗握ったはずです。
ましてや仮免許をとって路上で車を走らせたとき、ハンドル操作やブレーキ操作などが非常に難しく感じたはずです。
きっと学生もそれ以上に教官パイロットの「普通に飛ばす」ことの難しさを感じたのかもしれませんね。
2枚目は再びダイヤモンド隊形で編隊航過。
今度は脚を出すダーティ状態で進入してきました。

エシュロン(斜め横一列)隊形で進入、着陸態勢にはいります。
1機、また1機と編隊を解散して滑走路へ向かいます。

次々と着陸していくT-7練習機。
見ていて機体が非常に軽く感じます。
F-15などがドシンと着陸するのに対してT-7はふわっと着陸する感じでしょうか。
機体規模が違うので比較できませんがF-15が全幅13.1m、全長19.4m、最大全備重量が25トン近くになるのに対してT-7は全幅10m、全長8.6m、最大離陸重量は1.6トン弱ですから幅が広く機体の長さはF-15の半分程度なのに重さは15分の1しかありません。

続いて浜松基地の第1航空団第32教育飛行隊のT-4中等練習機が進入してきました。
これよりT-4ジェット練習機による展示飛行を行います。

急上昇にうつるT-4練習機。
T-4練習機は機体規模は小柄ですがハイパワーなエンジンを装備しています。
F3-IHI-30という推力1.67トンの国産のターボファンエンジンを2基搭載しています。
推力が小さいように感じますが、T-4の全備重量は5.6トン。
エンジン2基で3.34トンの推力ですから機体規模の割りに推力が大きいわけです。
F-4戦闘機のエンジン推力が8.1トンの双発で離陸重量が26トンぐらいなので、機体の重さをエンジン推力との比率でみるとF-4に兵装てんこもりさせた状態でアフターバーナを使用するとT-4とだいたい同じになります。
比率で言えば戦闘機並みのパワーをもってるんですよ!

2機のT-4は旋回を行った後タッチアンドゴーや8の字を描くなどの機動を披露しました。
T-4中等練習機はT-33Aジェット練習機の後継として開発され、昭和60年に試作機が初飛行した純国産の練習機です。
昭和63年度より浜松基地の第1航空団に配備されてパイロットの基本操縦課程を行っています。
静浜基地や防府北基地で初めて操縦桿を握った学生がT-3練習機(現在はT-7練習機)にのって飛行機操縦の基礎を学んで芦屋基地でT-1練習機(現在はT-4)でジェット機の基本操縦を学びます。
さらに浜松基地でT-4で基本操縦と戦闘機操縦基礎を学び、ここでパイロット資格をとって飛行教育航空隊のF-15や第4航空団のF-2で戦闘機パイロット育成の課程にすすみます。
戦闘機は非常に複雑な飛行機ですし、戦闘機特有の飛ばし方を学ぶ必要があるため、ステップをふんで課程をすすめていく必要があります。
その教育課程にあわせた練習機も必要ですが、T-4はジェット機の操縦基礎から戦闘機操縦基礎までの課程を1機でこなせてしまうポテンシャルをもっています。

機体を左右に振ってご挨拶。
以上、T-4練習機による展示飛行でした。

続いてRF-4E偵察機の飛行展示です。
百里基地の偵察航空隊第501飛行隊からの参加になります。
RF-4は静浜基地航空祭飛行展示の常連ですが、RF-4の展示飛行を見られる基地は限られているのでRF-4ファンは要チェックです☆

2機のRF-4Eが左右に分かれて旋回を行います。
RF-4EはF-4EファントムⅡ戦闘機を偵察機仕様にしたもので、戦闘機型が機首に装備している機関砲のかわりに偵察カメラを装備しています。
航空自衛隊では昭和49年度に調達、50年から偵察航空隊に部隊配備されています。
航空自衛隊のF-4は大部分が国内でライセンス生産したものですがRF-4Eは全機米国からの輸入となっています。
余剰となった戦闘機型のF-4EJを偵察機に転用したRF-4EJも偵察航空隊が運用していますが、導入されて40年にもなる大ベテラン機なのでリタイヤする機体がでていますのでそれほど遠くないうちに静浜でRF-4の展示を見ることができなくなってしまうかもしれませんね。

ターボジェットエンジンの迫力ある轟音をとどろかせて展示飛行を行ったRF-4Eが百里基地に帰投します。
以上、RF-4Eによる飛行展示でした。

続いてF-2戦闘機による展示飛行です。
今回展示を行うのは岐阜基地に常駐する飛行開発実験団のF-2 ×1機です。
F-2戦闘機は青灰色で塗られていますがこの機体は試作1号機として作られた機体で各種飛行テストをおこなっているため試験機の白色で塗られています。

旋回を行うF-2戦闘機。
水平尾翼付け根に設定されているエアブレーキが展開しています。
F-4、F-15が機体の姿勢制御をパイロットが操縦桿やスロットル、ラダーなどを自分で動かして行うのに対してF-2はそれらをコンピュータが行います。
パイロットが操縦桿を機体が向けたい方向に動かす(実際には操縦桿はほとんど動かないそうですが)と操縦桿に加えられた荷重を読み取って舵を自動で動かします。
速度が遅くなれば失速しないように機首を上向きにするなど失速しないための機体制御が必要ですがそれもコンピュータが自動で制御をおこないます。
コンピュータで姿勢制御といってもイメージがわきにくいと思いますが・・・
たとえば三輪車は練習なんかしなくても小さな子供でも乗れますよね?
でも補助輪のない自転車だとかなり技術が必要になります。
バランスをとって転倒しないためには相当の技術が必要になります。
では一輪車となったらもう職人技が必要になります。
走らせるどころか、倒れないようにするだけで高い技術が必要になりますよね?
これは一輪車が三輪車と違って非常に不安定だからです。
ではコンピュータが自動的にバランスをとって、倒れそうになったら倒れないように不安定さを補助して安定させるように前もって制御してくれたら?
そんなシステムがあれば職人技がなくても一輪車を自転車を運転するようにまっすぐ走ったり曲がったりブレーキをかけられるように走らせることが出来ますよね。
飛行機のコンピュータによる姿勢制御はこれをイメージすると早いかもしれません。
F-4やF-15とF-2の機動中の機体の姿勢を見比べると非常に面白いですよ。

エアブレーキを展開しながらアフターバーナを作動させています。
F-2戦闘機が搭載するエンジンはF110-IHI-129ターボファンエンジンはアフターバーナを使うと実に13.4トンという推力をたたき出します。
F-15が2基搭載するエンジンの推力よりも3トン近く大きいバケモノエンジンです。

F-2戦闘機は機動性が高く、旋回半径も小さいので視界から消える前に再度進入にうつります。
とにかく速い!
エアブレーキをつかって旋回しているときに低速になって失速しないよう揚力を確保するために機首をあげてフラップを下げているのが判ります。
コンピュータでの姿勢制御なんでしょうね。
このあと水平飛行にうつります。

脚を降ろしたダーティ状態で航過。
F-2戦闘機はF-1支援戦闘機の後継として米国のF-16戦闘機をベースに日米の共同で開発された戦闘機です。
対艦ミサイルを4発搭載しながらある程度の戦闘機動ができるというかなりムチャな要求(開発開始された当時はそれぐらい冷戦が激しい時代だったんですよ)を実現させるため、より大きな搭載量と旋回性能を確保するため主翼を大型化、それにあわせて胴体を延長させ、機体の大型化したことに対して軽量化のため先進的な複合素材を多用し、国産の電子装置を搭載した結果ベースのF-16とは完全に別物の戦闘機に生まれ変わりました。
機体を制御するコンピュータシステム(デジタルフライバイワイヤを使ったCCV)は日米共同開発なのに米国が提供を拒んだために日本が独自に開発したものを採用しています。
このコンピュータプログラムソースを作れるのは世界中探しても本当に一握りの国しかありません。
それを一から我が国で開発したわけですが、F-2開発は日本の航空技術の集大成といっていいと思います。

非常に高い機動性と強大なパワーを披露して岐阜基地に帰投します。
以上、F-2戦闘機による飛行展示でした。
その2に続くよ
静浜基地航空祭 その1/その2/その3