ではここで地上展示やメイン会場外の様子を。
明野はヘリコプターのメッカということもあって、駐屯地に配備されている機種だけで陸上自衛隊のほとんどのヘリコプターがそろいますが、そのほかにも海上自衛隊、航空自衛隊ほかのヘリコプターが外来機として地上展示されます。

装備品展示された航空自衛隊の地対空誘導弾ペトリオットです。
最近は弾道ミサイル迎撃用のPAC3を展示する機会が多いですが、今回展示されたのは従来の対航空機迎撃用のミサイルを発射する発射機です。

こちらは陸上自衛隊の軽装甲機動車です。
三重県久居市にある久居駐屯地に駐屯する第33普通科連隊からの参加です。
比較的小柄な車両ですが、軽装甲が施されていることもあって4.5トンの重さがありますが、CH-47ならば機体下に吊り下げて空輸することができます。

こちらはストライカー救難消防車。
車体横のドアをあけたところですが、放水用ホースや制御装置、窒素ボンベなどが収納されています。
結構余裕があるんですね。

こちらは航空学校のCH-47J輸送ヘリコプターです。
航空自衛隊では離島や山間部にあるレーダーサイト(防空監視所)に物資を輸送する端末輸送の任務についていますが陸上自衛隊では人員や物資、火砲、車両を空輸する任務についています。
エンジンの前に傘のようなものがありますが、これは防塵フィルターです。
自身の巻き上げる風が強いので埃をすいこまないための措置なんでしょうか。
御嶽山の噴火災害派遣ではさらに遠心分離式の防塵フィルターを装着した機体が投入されたようです。

航空学校教育支援飛行隊のUH-60JA多用途ヘリコプターがコクピットの公開をしていました。
航空自衛隊と海上自衛隊は救難活動任務のためにUH-60Jを運用していますが、陸上自衛隊も人員や物資などを輸送する空中機動作戦や災害派遣のためにUH-60JAとして運用しています。
UH-60JAは高性能ですが高価なので多用途ヘリコプターはUH-1Jと並行装備されています。

こちらは同じくコクピットを公開している航空学校教育支援飛行隊のUH-1J多用途ヘリコプター。
UH-1Hの性能向上型でエンジンの出力を向上させています。
このエンジンはAH-1S対戦車ヘリコプターと同じエンジンなのですが、実はAH-1はUH-1から派生したヘリコプターだったりします。

こちらは第10飛行隊のOH-6D観測ヘリコプターです。
この機体は前方赤外線監視装置が搭載されてるようですね。
見たとおり非常に小柄なヘリコプターで胴体の長さは7.1メートル、最大全備重量はわずか1.3トンというコンパクトさです。
パイロットを含め4名が搭乗でき、作戦地域の火砲の弾着観測や偵察などを行うヘリコプターです。

並べられたOH-6D、AH-1S、AH-64D。

こちらは航空学校のAH-64D戦闘ヘリコプターです。
AH-1S対戦車ヘリコプターの後継として平成17年度から取得を開始したもので高い生存性と攻撃力、データリンク能力をもつ戦闘ヘリコプターです。
メインロータの上にあるものは通称ロングボウレーダというもので地上にある100を超える目標の探知が可能とされています。
30ミリ機関砲、70ミリロケット弾、ヘルファイア対戦車誘導弾のほかに空対空戦闘のためにスティンガ携帯地対空誘導弾の装備が可能です。

こちらは第5対戦車ヘリコプター隊のAH-1S対戦車ヘリコプターです。
UH-1多用途ヘリコプターから派生して誕生した攻撃ヘリコプターで20ミリ機関砲、70ミリロケット弾、TOW対戦車誘導弾を装備できます。
陸上自衛隊では「AH-1S」と呼んでいますが、実は機体はAH-1F相当です。
本来のAH-1Sの20ミリ機関砲の射撃性能向上したり、風防のガラスを平面ガラスにするなどAH-1E、その性能向上型のAH-1Fと形式がかわっていくわけですが、陸上自衛隊では導入当初の形式をそのまま引き継いでるわけです。

こちらは中部方面ヘリ隊のOH-1観測ヘリコプター。
OH-6Dの後継として国内開発された純国産ヘリコプターです。
コクピットはタンデム複座と対戦車ヘリコプターに似たレイアウトですね。

OH-1のコクピットを前から。
前席にははヘッドアッツプディスプレイがありますね。
AH-1Sと異なって操縦は前席、捜索や監視システムの操作を後席で行います。

こちらもOH-1のコクピット。
前席ですが計器類は最小限で大型のディスプレイが配置されています。

こちらもOH-1。
胴体本体の幅はわずか1メートルしかないので真正面から見たとき発見されにくいようになっています。
その胴体に生えている小さな翼はスタブウイングというもので、空対空ミサイルや増槽を搭載できます。
写真の機体には空対空ミサイルランチャが搭載されています。

この青い機体は陸上自衛隊が調達したばかりの最新の練習ヘリコプターTH-480Bです。
元は米国のエンストロム280Bで陸上自衛隊では平成23年に初号機が納入されて航空学校で飛行教育に用いられています。
青い機体が非常に鮮やかですが、この青い色はエンストロム280Bの標準カラーのようです。

TH-480Bのコクピットです。
練習機ということもありますが、武装やセンサーがついてるわけではないので非常にシンプルですね。

こちらは海上自衛隊第211航空隊のTH-135練習機です。
もとは欧州のユーロコプターEC135という小型ヘリコプターで、平成20年度から調達が開始された新型の練習ヘリコプターです。
もともとヘリコプターの操縦基礎をOH-6Dで、計器飛行課程を固定翼機のTC-90で行っていたのですが、基礎課程と計器飛行課程ど同じヘリコプターでできるようになりました。

なんかいた(笑)

こちらは航空自衛隊小牧救難教育隊のUH-60J救難ヘリコプターです。
V-107バートル救難ヘリコプターの後継として昭和63年度から調達が開始された救難ヘリコプターです。
ベースは米軍のHH-60Aで赤外線暗視装置、気象レーダ、慣性航法装置を装備しているので全天候での救難活動ができるようになりました。
航続距離が1295kmと長いのでほぼ防空識別圏をカバーできるようになったそうです。

こちらは三重県警航空隊のアグスタA109Eです。
三重県警航空隊は2機のアグスタA109Eを装備しています。

こちらは在日米陸軍のUH-60Lです。
キャンプ座間に配備されているものでいわゆる「座間ホーク」と呼ばれるものです。
UH-60Aに対して出力向上型のエンジンを搭載したものです。

格納庫ではAH-1S武装展示が行われていました。
写真では前席の隊員が前かがみになって何か覗き込んでいますが、AH-1Sは操縦席が後席、武器の照準や射撃を前席が行います。
写真にはうつっていませんが、富士総合火力演習でAH-1Sの射撃の様子にあわせて射撃の模擬動作を展示していました。

イベント会場では恒例のバルーン滑り台が設置されていました。

「こぶら亭」では伊勢うどんなどが販売されてました。
伊勢うどんは1回食べてハマるとクセになりますね~
さぁ次はラスト、明野レインボーです。
その5に続く。
明野駐屯地航空祭その1/その2/その3/その4/その5