友達が興味あるとかで電動バイクの試乗をしに行くという話を聞いて、えっ、なにそれ行きたい、と混ぜてもらってきまして。
電動チャリというの、電動アシスト付き自転車に対して誤用してる人が一定数いますが、そうではなく。
原動機(電動)付き自転車、電気バイク、の方です。
前置きとして、実はこのジャンル、カブとかバギーとか乗ってきたから微妙に詳しいのですが
…というか、電動化ワンチャン!と思い、調べながらも見送ってきた歴史があるんで微妙に無駄に詳しいのですが、まあ、闇ですよね。
どの辺が闇かというとまず、国産メーカーで唯一、原付一種(50cc枠)でeビーノを出しているYAMAHAさんのホームページに
- 定格出力 0.58kW
- 最高出力 1.2kW(1.6PS)/3,760r/min
とか書いてある程度の闇。
お分かりいただけるだろうか?
出力が2つあるぞ??
この1つ目の闇の原因は、原付の規格枠に[排気量 or 出力]の縛りがあること。
おそらく、昔は50ccのエンジンの出力とかヘボヘボだったんですよ。
なので、出力の規制値はその時代に合わせての、0.6kWとなっております。
そしてモーターには排気量なる概念は存在しないため、当然に出力での計算になるんです、けども、、、、
この規格に沿った0.6kW、つまり600Wなんて低出力ではマトモに走らんのですよ。。。
歴史を紐解けば、原動機付き自転車の始まりはフツーの自転車に発電機用の小さいエンジンを括り付けたもの。
今時のスクーターみたいな専用ボディではなく、装備も最低限。
その頃に大ヒットしたホンダのカブF号(49.9cc)の最高出力が1PS = 0.735kWだったらしいので、その頃はそういう時代だったんです。
対して、効率化を極めた近代の50ccは、適当に調べたスーパーカブで、2.7kW。
これでも環境対策と燃費対策で往年よりも出力だいぶ絞られてるんだぜ?
という乖離が、今に至っても、改正されずに、いるわけでした。
その結果に出てくる定格と最高のダブルスタンダード。
まあ、冷却の都合で最大出力なんて長時間維持できないから定格<最大になるって話はあるよ、あるけどさ。でもその数字って、実はメーカーの言い値でしかないんですよね。
つか中華で日本向けの定格ロンダなモーターが出てたのとか知ってるからなんとも言えないんだよね。うわー、って言ってたらYAMAHAまでやるようになったという。
(eビーノについては、流石にお役所に睨まれないような控え数値で、遅いらしいわけだけど。。。)
(調べたら欧州とかの電動アシストとかでもそんな感じらしいけど)
まあ、原付のナンバーは市役所発行で、車検もなし。確認とかできんものな。言ったもの勝ち。
明らかに速すぎるとかじゃなきゃ、まあ、わかんないですよね。
そも中華製品の出力とか話半分やし
あとで触れざるを得ないから書いとくと、2つの目の闇は、原付の30キロ規制。
他にも面倒なことは二段階右折とか諸々もあるけど、車体側の問題としては、コレ。
リミッターを付けるべきか問題。
いやでも実際、30km/hで走ってる原付とかどこにおるの?と言うやつ。
モーターなので、加速が抜群にいい。
が、最高速はどうあるべきか問題。
こっちもまあ測ってみんとわからんけど、あんま目立つと叩かれるし、はてさて、と。
話を戻して、電動チャリ。
そういうわけで、国内の正規では流行らず。
そもナンバー付きってことは、運転免許要るし、ヘルメット要るし、車道しか走れんし、ってのもあって、さっぱり流行らず。
電動アシスト自転車に勝てませんでした。
原付一種(50cc)は普通自動車免許で乗れるので、まだ流行る余地はあったんだと思うのだけども、前述の実質的に無理やろな出力縛りとか、違法車両と一緒にされたくないとか、危ないぞキャンペーン打たれたくないとか、色々あったであろう国内二輪メーカーが市場投入を諦めてきたので、今に至る。
(ただでさえ原付の市場縮小してんのに、電動とそれ以外でさらに市場分断する必要もないよな)
あと国産のガソリンエンジンな原付が優秀すぎるので、原付買うならあえてヘボい電動を買う必要が皆無というのもあり。
強いて言えば、電動アシストのフリした違法な電動チャリが大阪とかで流行ってたらしいというくらいしか聞かず。
(電動アシスト自転車は運転免許いらない代わりにアシスト量とか速度とか縛りがクソめんどい。ので、その辺無視した違法車両が出回ったりとかね。)
また、それらの原動機付き自転車サイドの流れとは別に、セグウェイ的な電動乗り物の流れと、キックボードを電動化する流れがありまして。
どっちもまあ、短距離移動には便利じゃね?ってみんな思ってはいたんだけど、原動機をつける以上にナンバーつけなきゃという国内法規の都合で国内では流行らずに来て。
ただ、諸外国ではある程度流行ってるので、輸入して乗ってる奴がいたり、特区でなんかやろうとして 色々叩かれてるのが最近なわけでした。
そこに関しては個人的には、レンタルでノーヘルで車道走らすのはないわ。
で。
やっぱり話が盛大にずれてったのを引き戻して、今回乗った奴について。
順に乗り比べつつ店の近くをそれぞれ2、3週走ってみきました。
-
SWALLOW / ZERO9
-
BLAZE / SMART EV
-
COSWHEEL / EV Scooter
の3つ。
ざっくりとした感想は、以下。
SWALLOW / ZERO9
人気な折り畳み式の電動キックボード。畳んだ時がかなりコンパクトで、専用スタンドを使えば大きめの傘立て程度に収まるので玄関内の設置も可能そう。
良くも悪くもキックボード然としてて、個人的にはどうよってところも。
[良い]
- キックボード的な軽快感。
- 折りたたむとコンパクト。
[悪い]
- 華奢というか、おもちゃ感というか。
- フロントヒンジの強度が足りてない。ブレーキ時にやわい。
- スロットルが生えている角度がおかしく、操作しづらい。
ブレーキとスロットル、どっちも右手の指で握るのに生えてる角度が75度くらい違うんじゃが。。。
- 尾灯、ブレーキ灯、ウインカーなどが見づらい。
- 動き出しは人力(足で蹴り出し)が必要。
[その他]
- 発進時にうっかりフルスロットルするとウイリーして暴れてくれて焦るよ
BLAZE / SMART EV
コストコとかでも売ってた自称『国産』EV。どう見ても中華(ry
スロットルは普通の捻るタイプ。
[良い]
- ミニバイク感ある。
- 高級感のある見た目。
- 唯一のバッテリー取り外し可能
[悪い]
- 最高速度が30km/h(メーター読み)の法令遵守。他車と比べたときに致命的。
- ブレーキの煮詰めが甘すぎる。
- ブレーキすると体が前につんのめって膝とかフレームに当たってクソ痛い。
- 液晶画面の角度が悪く、走行中にとても見づらい
- 液晶見づらい/ウインカーがミラー裏で運転席から見えないので、ついウインカー戻し忘れる
- ブレーキオーバーライドというか、ブレーキかけてるとアクセル入力無視するから坂道発進が大変そう。
[その他]
- 発進時は前荷重じゃないとフロントが上がる(慣れれば問題ない)
- ニーグリップしたい。
折り畳み機構潰して、布かなんか巻きつけると良さそう。
COSWHEEL / EV Scooter
キックボードタイプだけどシートが付いてる。しっかりした作り。後発の詰めてきた感ある。
スロットルは親指で押さえるタイプ
[良い]
- キックボードだけどシートを付けれる(外すのもできる)
- 立ち乗りするととても楽しい。
- 灯火類が後方から見やすい。
- フレームにしっかり感がある
- オートクルーズで設定速まで自動加速、地味に楽そう。
- タイヤがチューブレス!!!とのこと。
[悪い]
- ハンドルが折り畳みできないので他車種と比べると少し場所を取る
という感じで、普通にCOSWHEELがいいと思います。
一緒に行った友達はzero9の軽快さ・コンパクトさに惹かれてたけど、四輪乗りとしてはこの灯火の視認性悪すぎでないなーって感じ。スロットルの操作のしづらさもある。
BLAZEもツメの甘さしかないのは多めに見るとして、モンキーとかこんな感じかな?的なミニバイク感+じゃじゃ馬感はなかなか良かったんだけど
メーター読みで30km/hしか出ないのは流石に不便すぎるので脱落。
乗った感想としては、どれも楽しい。
モーターでトルクあるので機敏に動くし、バッテリーの重さで低重心で、傾けて曲がったりもできる。
ちょっと先まで出かける足としての実用性としては普通にアリ。
積載性能の問題(リュックに背負うしかない…)はあるけども、ママチャリの代わりには十分になりそう。
ただ、置き場所と充電がやっぱり懸念事項で、玄関内に置くとなると、よほど広くないと厳しそう。
靴箱が埋め込みじゃないとか、傘立て置く用のスペースがあるとかなら、なんとか。
駐輪場におけば、という話はあれど、そうなると充電がネックになるわけで。
うーん、我が家だと導入は厳しいかもしれない、が現時点の感想。
環境の選ばなさでは、無難にガソリン内燃機がベストになっちゃうんだよな。
田舎の一軒家に引っ越せば、、、いや、そうすると電動では航続距離が足りなく。。。うーん。