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ソーラ・レイのブログ一覧

2020年11月28日 イイね!

Webアニメ『モンスターストライク』第三期

Wedアニメというジャンルをこの作品を視聴するまで知りませんでした。
ゲームアプリの販促品にしてはクオリティ高すぎでビックリしました。
そのうえ、いろんな意味で『攻めてる』作品だったので更にビックリ。
勢い余って第三期完結編の映画まで観に行ってしましました('◇')ゞ

過去に第一期・第二期の配信があり、この三期は2018年6月から配信されたようです。
三つのシリーズに関連性は無く、それそれ独立したシリーズのようですが、一期と二期は主人公たちがモンスター達を召喚して戦うポケモンスタイル。
三期はモンスター達それぞれの物語、というスタイルのようです。
現在もYouTubeで三期まとめて無料配信されてます。
コレもすごい事ですわ。
ゲームをダウンロードしてなくても無料でいつでも視聴できるのだから。

自分の琴線に触れた第三期は、簡単に言えばアベンジャーズスタイルのお話。
5人の主人公がそれぞれの世界で世界を救う活躍をして、最終的に集結しラスボスを倒す物語。
映画は、その話の大どんでん返し。

この三期の主軸ストーリーが『堕天使ルシファー』を巡る物語。
ルシファー編のストーリープロットが、また…
一部で『中二病のバイブル』とも呼ばれている(らしい)
古典文学の傑作『ミルトンの失楽園』をモチーフにしています。
堕天使ルシファーを英雄と捉え、服従より自由を選んで堕天してゆく。
作中でも同様のセリフをルシファーが語っていました。
またBGMも、クラシックからケルト・近代音楽・他のアニメ風の、耳に覚えのあるエモーショナルなフレーズのオンパレード。(コレはパクリとも云うかナ)
ワグナー『ワルキューレの騎行』
ヴェルディ『レクイエムから “怒りの日“』
ドビュッシー
UCガンダムっぽいの
ワルキューレと怒りの日はオリジナル流しても良いんじゃないかなぁ~
とにかく盛り上げてくれます。
このルシファー編でいちばん琴線に触れたと云うか、『攻めてる』感かんじたのがキャラクターコスチューム。
ゲーム内設定なんだろうけどキャラクターがレベルが上がるとビジュアルが変化します。



これが堕天後のルシファー。
アクションゲームが元になっているので派手なバトルシーンが主体の物語なので、
キャラクターも凛々しい戦闘服やら制服風の姿の中で、堕天使ルシファーだけが
妙にふわふわガーリーっぽい姿です。
この姿みて『わぁ~攻めてるぅー』って驚きました。
このコスチュームの元ネタはこれでしょ↓







西方教会の保守派の人が知れば激怒しますよ。
聖母に黒い三対六翼を付けちゃダメでしょ。
Wedアニメってジャンルだから挑戦できるのかな?
因みに、この姿のルシファーはWedアニメ内だけです。
劇場版では更にレベルアップして別なコスチュームとなってます。

あ、そうそう。
このアニメは、古今東西の実在・神話・伝説・空想の人物のほとんど全てを萌えキャラ化してます。
まさにほとんど全ての登場人物が『おとなのプリキュア化』
有名な英雄王さえプリキュア化しているのには戸惑いました。


第三期二人目の英雄は
円卓の王アーサー。



有名なアーサー王さえ萌えキャラ化してしまってて戸惑うばかり。
アーサー編はこじんまりと纏まった話でしたが、敵キャラの個性が振り切れていて中毒性のあるBGMが耳に残ります。
映像技術的に海のシーンに3DCDの底力を感じました。


三人目の英雄は『叡智の魔術王ソロモン』



伝説のイスラエル王ソロモンをモチーフにした萌えキャラ。
正邪二面性を持っていたと伝説が語るように、力を開放するとオッドアイに。
このソロモン編が大変良くできていました。
ハリーポッター並みのダークファンタジーとして、これだけで1本映画出来るレベルで話が纏まってました。
第三期を通してのメインテーマ『友情』を前面に掲げたストーリー展開。
クライマックスのバトルシーンは感動を覚えます。




四人目は『パンドラ』



正統派萌えキャラのこのコだけ、三期では特別編1話しか登場せず、これだけ観ても正体がいまいち判らす。
でも名前が設定の全てを物語ってますネ、箱まで持ってて。
ゲストキャラとして全シリーズの要所要所にチョイ役として登場しているようです。
デウス・エクス・マキナ的な能力を箱の中に持っているのか?
ゲームを知らないので判らず。とにかく四人目の英雄。




最後に五人目の英雄が『方舟の少年ノア』



このノア編を視聴した事で、劇場版を観に行く事を決めました。
これはスゴイ。いろんな意味で。
とにかくストーリープロットは50年代古典SFの王道です。
ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラーク、アイザック・アシモフらのハードSFのようなストーリーが、とても新鮮に感じます。
その骨太なストーリーに現代SF物の味付けを施していました。
『80歳の童貞クン』が主人公なのも驚き。
  ↑コレ、ストーリーの中で公式に説明してます。
    ↑説明してること自体がある意味コワレテル。Wedアニメならではです。


ざっと自分なりに把握したつもりのキャラクター紹介をしてみましたが、
3DCDなので作画の乱れを心配することなく、Wed上にいつでも無料でアップしていて、配信時は不定期だったようですが、一話15分程度の作品というのが一番魅力的です。
セル画アニメでは故・高畑勲監督のような才能は別格として、絵の才能がある人材が求められその中から表現者が出てくるシステムでしたが、3DCDでは絵が上手でなくても才能がある人材が現れる可能性があります。

この3DCD作品に出合い、時代が変わったんだなぁ~
とつくづく想いました。
Posted at 2020/11/29 00:57:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | これは! | 趣味
2020年11月22日 イイね!

『モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け』

『モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け』この映画、個人的に今年見た映画の中でいちばんの収穫でした。
そして、
いちばん観客間口の狭い映画でもありました。
スマホゲームの映画化第3作。
その上に、Wedアニメの完結編。

ゲームしてなきゃWedアニメ観ないだろうし、アニメ全話観てなきゃ完結編を観ようとも思わないし内容も判らないだろうし。
よくもまあ、コアな客層向けに製作したものですわ。

わたしは…
記憶の片隅に数年前に聞き覚えのある程度で、モンストってゲームも知りませんでした。
それなのに何故観たかといいますと、1ヶ月前頃から断続的に、YouTube開けるとモンスト公式アニメが『おすすめ』として出てき始めました。
ネットのマーケティングリサーチって怖いなぁ…
毎回出てくるので、何気に1話観てみたら…ビックリ!!!
あれよあれよと、第三部部分だけ全話みてしまいました。

本来、アプリゲームをダウンロードして貰う為の番宣、広告媒体の意味でのアニメであり、1話15分程度の作品ですが、驚くほどのクオリティだし、いろんな意味で『攻めてる』作品でした。
このWedアニメを含めた本作については、別の機会にブログにしたいと思います。

今回劇場で観た本作の映像技術。
自分が知らなかっただけでしょうが、時代はすでに3DCGの時代へと移っていたんですね。
三次元コンピューターグラフィックス。
セル画アニメは完全に消える訳はないでしょうが、3DCD制作のいち工程部分として呑み込まれて行くでしょう。
そ~感じるほど、今作の映像は良く出来てました。
写実的であるという訳ではなく、キャラクターに合わせた世界観を見事に表現していました。もちろんキャラクター自体も非常によく作られ動いてます。
ゲームを元とした作品なのでバトルシーンが盛りだくさん。
3DCDでの迫力あるバトルに目を惹かれましたが、それよりも驚いたのは、街の全景などの描写力。
中世ヨーロッパの街並みの様な描写の中で、逃げ惑う人々が画面の奥の方でもちゃんと逃げ回ってます。
セル画アニメがいちばん苦手なモブシーンを、3DCDは実写並みの映像で見せてきます。
キャラクターの動きもモーションキャプチャーを使っているのでしょう、良く動きます。
なのでアニメ風の意味のないアップサイズなどの演出は少なく、カット割りも割と実写に近く人物の全身を写す引き画や半身サイズの画面割で、ここぞという時にアップ描写と、自然な演出でした。
いちばん感銘を受けたシーンがありました。
(絶命して?)横たわる人物へ駆け寄り肩を揺すると、全く抵抗なく揺すられるままに上半身が揺れる描写がありました。
あの質感はセル画アニメでは無理です。3DCDならではの描写力だと思います。
ただ、
キャラクターの表情描写は3DCDは苦手ですね。
ココはセル画アニメがやはり抜きに出ています。
だけどその苦手部分を逆手にとってる演出も見受けられました。
セル画アニメだと、原画・動画と動きのチェックを受けて作品となるので、そのキャラクターイメージを損なうような喜怒哀楽は修正されます。
3DCDだと、線自体が少ないので喜怒哀楽を現わす為にはある程度デフォルメした動きをデータ入力しなければ喜怒哀楽を描き分けできません。
そーなると、瞬間的にキャライメージにそぐわない表情を一瞬見せる事があります。
それが良い意味で味に感じました。
そして苦手な表情描写を思い切りカバーしている声優さんたちの演技。
声を高らかに演じる今の声優さんたちの演技が3DCDには見事にハマります。
ストーリー内容的に、今作品の準主役と呼べる得体のしれないキャラクター。
敵対相手ではないが仲間とも呼べない、第三極的なキャラクターを演じた『名探偵コ〇ン』君役の大御所声優などは、思いっ切り遊んでるみたいに生き生きと演じてました(笑)

この作品だけは『ぜひ劇場で』とは絶対に言えない。
Wedアニメを観ていなければ100%ついていけないストーリー。
でも、日本のアニメーション技術の過渡期に現れた3DCD映画であることは間違いないと思います。

Posted at 2020/11/22 23:08:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画鑑賞 | 音楽/映画/テレビ
2020年11月15日 イイね!

山のcoffee break再開

山のcoffee break再開2ヶ月ほど山歩きから遠のいて、十二分に涼しくなった(寒くなった)のでコーヒータイムの再開です。
山の紅葉もピークを過ぎたので、サクッと登れる『浅間隠山』へと。
色付いた紅葉は全て落ちきり、フワフワの枯葉の絨毯が引きつめられたような登山道を歩くのは気分良いです。
8:00に登山道駐車場に到着。
1台東京ナンバーの車が停まっていました。
人出のピークも終わりのんびり山歩きの開始。


歩き出して早々に、弾丸のようにソロの方が下りて来ました。
たぶん東京ナンバーの車の方。
『山頂は風が冷たいよ』って教えてくれて風のように行ってしまいました。
この後、別の山へ向かうにかな?
駐車場に車停めた時、車の外気温度は4℃を表示してました。
もう、涼しいという時期を過ぎて寒い時期ですね。
完全おひとりさま状態でのんびりと登り山頂へ。



教えて頂いた通り、冷たい風が吹き抜けていました。
あちこちに霜柱が残ってます。
体感温度はマイナス何℃くらいなのか?
気温が低い分、空気が澄み切っていて、この山頂の醍醐味、360度のパノラマが広がってました♪



ひとしきりパノラマを楽しんだら、お湯を沸かしてコーヒードリップ。
浅間山を見ながら至福の時をお楽しみ。
ゆっくりスイーツを頬張ってたら、次から次へと登山者が到着してきました。
あらま
紅葉が終わっても人気です。
おひとりさまでのまったり時間はあっという間に過ぎてしまい。
そそくさと撤収です。
結局下山したら、駐車場も登山道入口の駐車スペースも車が溢れんばかりの満車状態でした。



みな、この大パノラマが目当てなんだろうな。
特にこの日は富士山がハッキリ見え、右奥には赤岳までハッキリ見えました。
Posted at 2020/11/15 19:43:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 山歩き | スポーツ
2020年11月08日 イイね!

ファーストクライマーは誰だ⁉『剱岳‐線の記‐』

ファーストクライマーは誰だ⁉『剱岳‐線の記‐』めちゃくちゃ面白い著書に出会いました。
髙橋大輔 著
『剱岳 線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む』

書店の山岳地図コーナーで気になる山域の地図を立ち読み(立ち広げ?)していた時に、同じ棚に登山記やハウツー本と一緒に並んでいた本書。
帯紙のコピー文に惹かれて衝動買い。
読み始めたら面白くて止まらずにあっという間に読み終えました。

日本山岳史最大のミステリーに挑んだ本書は、著者が本文で
『山岳小説の傑作〈剱岳‐点の記‐〉が在ったからこそこのミステリーに挑戦できた。云わば本書は〈剱岳‐点の記‐〉のスピンオフ作品である』
と非公認のスピンオフ宣言をしています。

この本を楽しむには、まず〈剱岳‐点の記‐〉を知らなければなりません。
日本山岳小説の最高峰
新田次郎 作  剱岳‐点の記‐



日露戦争直後の1907年(明治40)年、最後に残った日本地図の空白地。前人未到で、また決して登ってはいけない禁足地として恐れられていた北アルプスの剱岳(標高2999m)の登頂に挑んだ測量官の物語。
日本陸軍参謀本部陸地測量部(現・国土地理院)の柴崎芳太郎率いる測量隊が、設立間もない日本山岳会との初登頂争いをしながら命がけの剱岳初登頂に臨む。
そして苦難の末 1907年(明治40年)7月13日未明
遂に柴崎隊は 剱岳の絶頂に立つ。
初登頂を成し遂げたのだ。
ところが、彼らはそこで信じがたいものを発見した。
山頂で彼らは、古代の仏具を発見したのだ。
置かれていたのは、錫杖頭と鉄剣だった。
柴崎隊よりはるか昔、千年も前に既に剱岳の山頂にたどり着いていた者がいた…

〈剱岳‐点の記‐〉の中での日本山岳会との初登頂争いは史実ではなく新田次郎の創作であるらしいですが、ホントの登頂争いは既に千年も前に決していた、と云う事実のオチが深い余韻を残す傑作山岳小説です。

ルートが整備され足場も設置された現在でも険峻として知られる剱岳。
千年前の平安時代に、登山装備もほぼ無いに等しい条件で、誰がどの様に剱岳の絶頂に立ったのか?
『剱岳のファーストクライマーは誰なのか?』
柴崎隊が山頂で錫杖頭と鉄剣を発見した時から、日本山岳史最大のミステリーが始まりました。


本書は、このミステリーに正面から挑んだノンフィクションです。
この謎解きが明瞭でテンポ良くグイグイ引き込まれます。
著者の事を全く知りませんでしたが、有名な探検家です。
この時代に〈探検家〉なんで肩書、えらく胡散臭い匂いを感じますが、正真正銘の探検家でした。
『米国のナショナルジオグラフィック協会から支援を受け、ロビンソン漂流記のモデルとなったアレクサンダー・セルカークの住居跡を世界で初めて発見した』
その探検隊のリーダーを務めていたのが本書の著者。

ホンモノの探検家の探検手法が、とてもシンプル。
5W1Hを設定し、其処に仮説を当てはめストーリーを仮設定(点と点を結んで線化)
そして実証。
剱岳の地元・富山県内各所に残る各ジャンル毎の古い文献や、在野の郷土研究家への聴き取りを丹念に行い、仮説を立てては修正して核心へ迫っていきます。
5W1H
・いつ
・誰が
・どこから、どのように
・どこに(山頂の錫杖頭発見ポイントが現在不明となっている)
・何の目的で

そして浮かび上がってきた岩峅寺・芦峅寺を中心とした立山修験とは別系統の、
富山県上市町を中心とする剱岳修験。
剱岳を〈地獄〉と捉える立山修験とは真逆で、剱岳を〈豊穣の霊山〉と捉える上市町エリア。
そこが現在も登山口となっている《剱岳・早月尾根ルート》
しかし、この尾根はいま現在さえ『飲料水確保』が大変なルート。
そして古地図から浮かび上がる古の登攀ポイント『ハゲマンザイ』
ギャグのような登攀ポイントから更に古の氏族『万歳氏』が浮かび上がる。
平安後期に、後の武士の元となる、貴族・高僧たちの有事の担い手だった万歳氏。
山頂で錫杖頭が発見される事例は、剱岳以外の山でも有ったと云う。
仏具である錫杖頭を山頂に奉納する事は、即ち仏教(密教)での開山であることは間違いない。
しかし、山頂から〈鉄剣〉が発見されたのは剱岳のみと云う事実。
鉄剣は何を意味するのか?
日本で剣から発想する事は、平安後期に生まれた武士階級。


点と点が結ばれ線となり、そこからストーリーが浮かび上がってくるワクワク感が本書最大の醍醐味。
そして、実証。
古地図の登攀ポイント・ハゲマンザイから剱岳に登頂できるか?
登山のプロではない探検家が登攀に挑みます。


実在する本物の探検家という職種は、ほとんど民俗学者と同義なんですね。
丹念な調査と実証(フィールドワーク)
著者が最終的に提示した5W1Hの、〈いつ・だれが〉は今後の追研究などを待つ必要があるかもしれませんが、〈どこから・どのように〉は、著者が探し当て実証した古登山道で確定していいのでは?

本書は、説得力あって読み易い山岳ノンフィクションです。
興味があればぜひ
『剱岳‐点の記』から読み、点を線に繋いでください。
Posted at 2020/11/08 23:18:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | これは! | 趣味
2020年11月01日 イイね!

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

規制緩和による全席販売に不安を持っているので金曜平日最終レイトショーで観賞。
4割程度の込み具合でゆっくり鑑賞できました。

作品としては凡作。
映画としては、5点満点なら2.5点くらい。

原作の起承転結の『承』に当たるひとつのエピソードを、原作に忠実に映像化しています。
原作の中でのこのエピソードの位置づけは、
『絶対的な力の差』と
原作にもある炭治郎のセリフ「(生身の人間は)傷だって簡単には塞がらない!! 失った手足がもどることはない!!」が象徴するように
『負ければメインキャラだろうと死ぬ物語』
を読者・観客に示したエピソードです。

或る意味、読者・観客へ今後の展開への覚悟を持たせる重要なエピソード。
だから、最近の作品では珍しい『完全敗北のエピソード』
この敗北が重要な糧となりエモーションと変るのは、この先の展開によって。
最終決戦での炭治郎・義勇そして杏寿郎の三位一体での赫刀こそ、この完全敗北のエピソードの最終補完。

『想像していなかったショッキングな敗北』こそが原作でのこの章の位置づけで泣くエピソードでは、ない。


映画作品としての側面も、チョッと疑問。
TVシリーズと同じ制作会社さんですが、制作力の限界なのか?方針なのか?
とても映画クオリティとは呼べない水準の作品。

神回として名高いTVシリーズ19話。自分もそう思います。
しかし、それはTVシリーズの中であれだけのエモーショナルな話数を作り上げたからこそ。
舞台裏話になりますが、TVシリーズの1話の製作費は今でも3千万位だと思います。この製作費の中で1話を作り上げる訳。当然人件費も込みなので、作画枚数も当然ある程度の基準枚数が決まってきます。その制限の中でどれだけキャラを動かせエモーショナルな話数に仕上げられるか、が問われてきます。
神回19話は、挿入歌が入るクライマックス迄はほとんど紙芝居演出です。

『あしたのジョー』『エースをねらえ!』『ガンバの冒険』『ベルサイユのばら』『宝島』などの名作を遺してくれた、止め絵演出の巨匠・出崎統監督の技法の凡庸型と云えば聞こえが良いけど、実際にはそのレベルまで到達しておらず声優の力量でカバーした止め絵演出により、19話の殆どの部分が作られています。
そしてキモとなる挿入歌部分も、ヌルヌル動くけどクローズアップが多いアクションシーン。アップを多用すれば背景を制作しなくても良い訳です。
カットで分割された動作の動きも殆どなく、カットが切り替わってからアップアングルで振り返る等、極力制作費を抑えた演出。
でもTVシリーズの話数ならそれが正解だし、結果的にあれだけの神回を作り上げたのだから称賛します。

でもネ。
その演出方法を映画作品にまで持ち込むのは、どうなんだろう?
普通の2時間程度のアニメーション映画の制作費に比べ、相当低予算で作られていると思います。
(ココでの予算とは、動画枚数を中心とした事です)
抑えた制作費で最大の興行収入を出しているのだから、ビジネスとしては正攻法で正論だと思いますが…
どうしても自分の先入観なのか?
この制作会社にはお金の話が付いてきてしまいます…



原作に忠実であるが故に一見さんには酷なストーリー展開。
映画クオリティに疑問を感じる質。
なのに、記録的なヒットとその爆発力。
なぜ?
と、本来なら疑問を感じる事ですが、この作品に関しては至極単純明快。

このご時世みな娯楽コンテンツに飢えていた事と、
ファンの願いはひとつ『この続きを観たい』 
この願いこそが爆発的ヒットの主因です。自分もそーですから。

みな観たいんですよ。
堕姫・妓夫太郎の兄弟愛。
バランスブレイカー縁壱の逸話。
猗窩座との再戦。
VS童磨。
VS黒死牟。
最終決戦。

原作全話の映像化をするには急いでも5年。普通に10年程度かかるでしょう。
完結した物語の話題をこの年数維持するには爆発的なムーブメントが必要。
みな解ってるし、自分の推しのエピソードの映像化を望んでいるはず。

おとな禰豆子を見たいし、
狂気に近い珠世としのぶの執念だって見たい。
そして、
炭治郎・義勇・杏寿郎の三位一体での赫刀も見たい。
この時、杏寿郎を想い、泣くだろうな。


計り知れない経済効果をもたらしているこの映画は、
フレディ・マーキュリーを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』のようなイベント型映画。
ただし『ボヘミアン・ラプソディ』はラスト20分の伝説のライブの疑似体験と云うエモーションが用意されていますが、
この作品は、多くのファンの望むものが映画の中にはなく、その先にある特別な事情の作品でした。
Posted at 2020/11/01 14:13:15 | コメント(1) | トラックバック(0) | 映画鑑賞 | 音楽/映画/テレビ

プロフィール

「週末はクルマ2台のオイル交換&フィルター交換。2台とも元気になりました。」
何シテル?   11/01 14:21
基本的に『インドア』で出不精です。 でもじっとしていられない性質なのでアウトドアします。 長時間の寝貯めが出来るので、 活動期と充電期がはっきりしています...

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