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灸太郎くんのブログ一覧

2025年07月10日 イイね!

レッドブルF1、ホーナー解任の謎

突然のクリスチャン ホーナー即時解任の報道には驚きました。

ホーナーは解任理由を告げられていない、という話で、
筆者は彼を擁護する気はありませんが、なぜ今?という思いです。
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現段階での報道では、あくまで憶測として、現代F1において第一人者としての実力を誇るエース、マックス フェルスタッペンの離脱を阻止するため、という見方がされているようですが、筆者としてはその理由では納得できません。

なぜなら、マックスがレッドブル離脱を望む理由は、来季以降の新レギュレーション下において、
明らかに劣勢であるという確信に基づかない限り、根拠がないからです。

つまり、
●まだ来季マシンが形になっていない現段階で、優劣を判断する基準がない(はず)。
チーム代表を今更迭したところで、来季車両が急速にポテンシャルアップするとは思えない
●しかも新代表メキーズは今季レーシングブルズで好調なかじ取りをしているとはいえ、ホーナーのような実績(在任中ドライバーズタイトル4連覇×2回)とは比較にならず、パワーユニット含めたファクトリーチーム運営のための実力は未知数
●マックス本人が、ホーナーとの関係は良好と語っていた上、代表が交代したからと(仮に)不振が続くチームに残留を望むとは思えない

というような疑問だらけです。

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ここからは筆者の勝手な推測です。あしからず。

チーム創設以来の指揮官で、華々しい結果を残していたチーム代表を、シーズン半ばに突然更迭するのは余程のことです。

ホーナーの重大な失策として考えられるのは、
●数年来のハラスメント疑惑(一応は解決済みとの報道あり)
●レッドブル創立者マテシッツ死後、チーム全権掌握を図り、マルコと対立
●上記のような揉め事に嫌気して、ニューウェイ離脱
●上記以前ながら、ロブ マーシャル離脱・移籍にタイミングが合う、マクラーレンの急速な戦闘力上昇。チーム間の力関係が逆転
●続いて陰の実力者、ウィートリー離脱。規則のグレーゾーン解釈力低下。
早期契約更新をしたペレスの成績不振。契約解除のための多額の違約金支払いと、持ち込みスポンサー料収入の消滅
●(角田含め)ペレス後任者の著しい成績不振で明確になった、マシン総合性能の著しい低下により、ペレス解雇のための損失(違約金支払い)正当性に対する疑義
●直前の2戦、レッドブル本社の本拠地オーストリアGP、およびF1チームの本拠地英国GPにおける、アップデート不発と著しい成績不振

というあたりだと思いますが、
もう一点、発端は彼の責任の及ばないことで

●ホンダの(一時的だったが)F1撤退宣言に基づいて、パワーユニット自社開発に踏み切った

という事実が最も重要なポイントなのではないか?と筆者は考えました。

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今シーズン序盤、アルピーヌ(ルノー)が、新規格に向けた自社製パワーユニット製造中止を決定した要因は、パワーユニット開発製造のコストと、それに見合った投資効果が得られない、というものでした。
元来ルノーが得意としていた”独創的技術開発”、言い換えれば着目点のユニークさを生かせないような近年のパワーユニットレギュレーションも一因ではないかと筆者は考えます。

元来自動車製造を本業とする大メーカー、ルノーにおいてすら、相当な困難が伴う現代の複雑極まるパワーユニット開発を、本来いち飲料メーカーに過ぎないレッドブルが手掛けることの、途方もないリスクの高さの重大性をあらためて本社経営陣・株主が評価し、企画責任者ホーナーの責任を問う形になったのではないか?ということです。

カスタマーチームに有償供給してもレギュレーションで対価は決められているため利益は出ないといわれる現行パワーユニットに比べ、コスト削減を意識した新規格パワーユニットですが、そうだとしても新参者が顧客チームを獲得するには一定以上の実績が必須です。

途中からフォードを巻き込んだジョイントベンチャーの形になったとはいえ、莫大な投資によって仮に好成績を挙げたとしても黒字化の見込みはかなり薄いと思われ、事業の性質上、高水準の投資をし続ける必要があり、それを正当なものとして本社経営陣・株主が許容できるかどうか。

パワーユニット製造を承認した創業者マテシッツ存命中なら”鶴の一声”で収まったことで、
ホーナーは当時、パワーユニット製造会社設立を急いだ節もあったように思います。
集団経営体制となった今、根拠となるのは経済的合理性でしょうから、
特に不振下においてはホーナーの責任を問う形になっても不思議はない気がします。

ただ、後任者メキーズがホーナーの”負の遺産”(?)を経済的にも正当性のあるものに出来るかどうかははなはだ疑問で、緊急の暫定的就任のように思われます。
(もちろん好成績に期待したいところですが)
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この方向性で話が進んだのだとすれば、今後はパワーユニット製造会社、あるいはF1チーム自体を売却を含めての将来的リスク回避に動いても不思議はないと思います。

筆者は45年程度、モーターレーシングファンとして見ていますが、熱心な権力者を欠いた有力チームが衰退を辿ることは幾度となく繰り返されたことです。

チーム存続のカギは”最強ドライバー”マックスの確保と考えるのはごもっともですが、
コロナ禍からの回復以降、F1を筆頭にモータースポーツバブルも頂点に達した感があります。

モータースポーツを含めた”エクストリームスポーツ”を通じたマーケティングで規模を爆発的に拡大したレッドブルも、成長期を過ぎて安定期に入ったとすれば、
パワーユニット製造の莫大な投資に見合った経済効果(伸び代)を得るのは容易ではなく、今が売り時ということを視野に経営陣が動き出している可能性があるようにも想像してしまいました。

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ホンダがマクラーレンと組んでF1復帰の報があった時、
筆者は「ロン デニス指揮下で硬直化・保守化しつつあるマクラーレンよりも、若さや冒険スピリットを全面に出したレッドブルの方がホンダのイメージに合うのにな」と感じたので、
マクラーレンとのタッグが崩壊したホンダと、ホーナーの舌禍が災いしてエンジン供給を得られる先がなくなってしまった当時のレッドブルとのコンビネーションはピッタリだと思いました。
実際にその後の快進撃は歴史が物語る通りです。

但し、初タイトル獲得と前後してのホンダの撤退宣言には心底ガッカリさせられましたが、
もしかすると”無償供給を終わらせたい”したたかな思惑もあったのかもしれませんね。
実際にはその後もスポンサーという形で財政的支援を続けているようですが。

レッドブルとしては、ホンダ撤退となればカスタマーチームに戻らざるを得ないところでしたが、
パワーユニット製造を含めた「レースカー製造会社」となることで、ホーナーにしてみれば将来的には株式取得で折を見て”チーム所有化”を目指していたのではないか、という気がしていました。

あるいはホーナーを排除したことで、RBPT(パワーユニット開発製造会社)休止あるいは売却、
もしくはレーシングブルズのみ自社パワーユニット導入(ありえないと思うが)等で、
いまさら来季に間に合うとは思えないが、レッドブルF1自体はホンダとのタッグを継続する道を探るのか?

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以上、勝手な推論を繰り広げてみました。

実際の関係者各人各社の思惑など分かりませんが、ホーナーの実績からすれば、他チームからの代表就任の引く手あまたかもしれませんね。

ちょうどアルピーヌ(旧ルノー)も代表不在ですが、さすがにルノーPUを散々罵倒したホーナーを迎え入れることはなさそうな気がします。
まぁ当時とは経営陣が変わっているので解釈次第かもしれませんね。

あるいはバスールの今季限りでの解任が噂されるフェラーリが、改めて代表就任を打診してくるかもしれませんね。

マックスとラッセルの事実上のトレードの噂もあり、メルセデス、レッドブル双方とも相手方のドライバーを悪し様に批判しないよう配慮しているようにも窺えます。

レッドブルでは苦戦が続いている角田ですが、彼を高く評価していたメキーズの代表就任で、今季の待遇や来季構想含め、状況好転に繋げることができるかどうか。

”一寸先は闇”を絵に描いたような、いかにもF1らしい今回の騒動、
RBPTパワーユニットが戦闘力不足との噂が、今のところ客観的事実というわけでもなし、どう展開するか見守りましょう。







Posted at 2025/07/11 03:33:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | モーターレーシング | 日記
2020年10月02日 イイね!

「寝耳に水」ホンダF1撤退発表

.
こんばんは。ご無沙汰しております。

ホンダ、2021年シーズンをもってのF1撤退の報、
7時のラジオニュースで聞いて「死ぬほど驚き」ました。
2022年以降の発表がないのは、

角田らのシートを確保するためのレッドブルとの駆け引きの一環

と思っていましたので。。。

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殆んど根拠なしの無謀にすら思える「マン島TT出場宣言」や
四輪車製造開始前の(第一期)F1参戦、
内燃機関の在り方に問題提起するかのようなNR500プロジェクトに心動かされた、
いちユーザーでもあるホンダファンとしては、
(勝ち負けを越えて)F1参戦に意義あり、と考えていましたので、
非常に残念、という以上の大きな落胆を覚えました。


ホンダとしては「内燃機関に見切りをつけた」
という意味に、わたし自身は衝撃をもって受け取りました。

資金、人員等「莫大な投資」をしていることは理解できるからこそ、
高度なエネルギー効率を達成したF1パワーユニットの転用商品化を果たしてこそ、
「社会への還元」を通して、ホンダ自身が栄誉に浴する
ものだと考えていました。

(自動車の動力源に限らない、大きな可能性があるのでは?)


ホンダ以降には参戦表明するパワーユニット製造者が現れず、
(アストンマーチンやマクラーレン、レッドブルの「妄言」はありましたが)
最後発のホンダの撤退表明に至るに及んでは、
V8自然給気エンジンから一足飛びに高度化・先鋭化(=天文学的に高額化)した
F1現行規定の「大失敗」が明白になったように思います。

*************************************

F1復帰に際しては「レース活動はホンダのDNA」と述べられていたように記憶しています。
では2022年以降の新車両規定策定の段階において、参戦者ホンダから

何らかの将来に向けての要望や提案がなされていたのでしょうか?

また、内燃機関を用いたMotoGPやインディカー、スーパーGTへの

参戦継続があるとすれば
「エンターテインメントの提供」としての参戦でしょうか?

ホンダファンとしては逆に不条理に感じます。


経済的要因には言及していないので、

前言に責任を持つのであれば、
いずれ「将来においてフォーミュラE、あるいは電動化された暁のF1参戦」等の

発表があるのかもしれませんね。


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第三期F1撤退を発表した福井社長の姿には、言いつくせぬ無念さを共感したものでしたが、

今回の撤退発表からは不思議とそういったものを一切感じません。

むしろ冷や水を浴びせられた思いです。


わたし自身としては、ホンダが出走しようがしまいが、

内燃機関ファン、F1ファンであり続けることは変わりません。

ホンダファンであることも変わらないと思いますが、

F1とホンダの価値観が乖離してしまったように感じられることに、

大きな落胆と衝撃を覚えます。


個別の自動車から内燃機関を取り除き、電動化したところで、

「車両製造や発電の段階からの脱(省)炭素」を達成しなくては、

真の「脱炭素」とはいえないことを言及して、本日の筆をおきます。


都合により、コメント頂いても返信が遅れるかもしれません。

ご容赦願います。

.

Posted at 2020/10/02 23:04:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | モーターレーシング | ニュース
2020年05月14日 イイね!

俄かに白熱F1ストーブリーグ<追記あり> ― まさかの地殻大変動? ―

.

ベッテルのフェラーリ離脱発表を機に、

俄かに2021年のシートを巡って「さや当て」が激化するF1。


報道側もレースが無ければ当然ニュースも無く、

待ってましたの状況です。


きちんとした裏付けはありませんが、

どうせなら思い切り楽しんでみましょう!


各人、各チームの状況を織り込んで、

「『絶対無い』とはいえない」大胆予想!(笑)


************************************


【2021年シーズンドライバー予想】


メルセデスAMG=ハミルトン、(ボッタス)、(ベッテル?)


フェラーリ=ルクレール、サインツ


レッドブル=フェルスタッペン、アルボン


マクラーレン=リカルド、ノリス


ルノー=オコン、(グロージャン)、(アロンソ)


アルファタウリ=ガスリー、(クビアト)、(角田?)、(松下?)


アストンマーチン=ストロール、(ペレス)、(ボッタス)、(オコン)


アルファロメオ=ジョビナッツィ、クビサ、(ライコネン)


ハース=撤退?(グロージャン?)、(ウェーレイン?)、(ヒュルケンベルグ?)


ウイリアムズ=ラッセル、ラティフィ


*****************************************


◆勝負強いサインツはナンバーワン待遇か否かよりも、

 まずは勝利を挙げ、表彰台定着が最重要。

 その上で未成熟なルクレールに対しポイントで上回ることも可能。


◆ベッテルは「一年休み」、

 2022年は心機一転メルセデスAMG?

 あるいはエンジニア転向?(その場合は学校へ入り直そう!)


◆あるいは2022年シーズンを前に、

 メルセデスAMG(ワークスチーム)はチーム売却。

 パワーユニット供給のみに移行。


◆その場合ボッタスはアストンマーチンへ。

 ハミルトンは引退、あるいはフェラーリ加入。


◆ライコネンは引退(「ぬるい」ライコネンをこれ以上見たくない(笑))

 2020年シーズン前テストで健在ぶりを示したクビサが電撃再復帰!!


◆ハースF1チームは成績向上が見込めず、今季限りで撤退か?

 グロージャンはルノー復帰、”勇者”マグヌッセンはインディカー転向?


◆ハースが撤退しないで継続参戦(グロージャン継続)する場合、

 ルノーはアロンソを招聘!

 アロンソは「必要とされ、私欲ではない」として、

 契約金は全額コロナウイルス関連チャリティへ。


◆ハースがチームを売却、「フェラーリBチーム」として存続の場合、

 ずばり、ストロール(父)はハースを購入、「NART」名義でF1参戦!

 (仕事としてはアストンマーチン本社に経営参画します) 

 アストンマーチンF1チームはトト ウォルフに売却!!

 当然ランスも移籍。もう一人はフェラーリ経験者を「喜んで」受け入れたいところ。

 (北米フェラーリマニアの趣味の究極地点(笑))


◆トトが購入したアストンマーチンは、当然ボッタスとオコンで確定。

 (2名とも自らエージェント契約中)


◆ウイリアムズは、ラティフィ父(マクラーレンの大口出資者)を仲介者として、

 マクラーレンと提携し(ギヤボックス供給など)再建を図る。


*****************************************


ご不満、お怒りの向きもあるやもしれませんが、ご容赦を(^^)


一つだけ、パズルのピースがうまくはまらない箇所があります。

「メルセデスAMGを、誰が購入するか?」

売却先が思い浮かびません。。。

妙案があればぜひコメントを!(紹介してあげてください(笑))


これさえうまくいけば、登場人物は全員ハッピーのはず!(笑)


【追記】

メルセデスAMGは、絶対勝てそうな「投資物件」。

ソフトバンクか楽天にお薦めしたいところですね(笑)


巨額で購入できそうな大物コンテンダーといえば・・・


既にモンテカルロラリー、インディ500マイル、ルマン24時間、パリダカールを制覇し、

「ビッグレース完全制覇」に新たな目標を定めんとする大物・・・


そう、「トヨタ」です!(笑)


その場合、エースドライバーは問題なくアロンソ。


問題は、スープラでBMWと協業中ゆえ、

メルセデスパワーユニット(PU)搭載に待ったがかかり。。。

ホンダは当然のように(?)供給辞退。。。

フェラーリも敵に塩を送ることは避けたいところで、、、


苦肉の策としてルノーPUを用い、ネーミングはあのブランド・・・

「トヨタ・ニッサン F1」誕生か(?!)(笑)

その場合、アロンソのチームメイトとしては、

満場一致で山下健太の名前が挙がりそうですね。


どんどん荒唐無稽な内容に発展してしまいましたが、

さて、どうなりますやら。お楽しみに。

.



.


Posted at 2020/05/14 13:15:19 | コメント(2) | トラックバック(0) | モーターレーシング | クルマ
2020年02月22日 イイね!

グリッケンハウスSCG004C ― 現代版グリフォA3Cか? ―

グリッケンハウスSCG004C ― 現代版グリフォA3Cか? ―

.

先の見えない「新型コロナウイルス肺炎」感染拡大ですね。

マスク装着やら手洗い履行やら「感染予備軍」含めた隔離やら、

それぞれの対策としては間違ってはいないと思いますが、

報道を聞く限り、各対策の前後のいわば「継ぎ目」の部分の管理が、

あまりに『穴だらけ』のように思われます。


諸事情ありまして、ようやく体調が戻ってきたので、

満を持して映画「フォード V フェラーリ」に行きたいのですが、

感染の経過を聞くに、「密室で長時間不特定多数と近接状態」は

リスクが高いように思われ、映画館での観賞は涙を呑んで見送ることになりそうです。。。


いよいよ花粉シーズン到来ですが、店頭にマスクは品切れ状態なので、

人ごみに出ない限り、手持ちのマスクを使いまわしして手持ち分を温存しています(笑)


******************************************


さて、表題のグリッケンハウス SCG004C

https://www.as-web.jp/sports-car/567614

ストリートカーとしても開発されるGTレースカーはとても興味深く、

プロジェクトの成功を願っています。


プロジェクト首謀者の、ジェームズ グリッケンハウス氏。

本職は「映画監督」らしいのですが、実質的には資金運用(投資)で財を成したようです。


オリジナルのフェラーリ330P4を所有した熱心なフェラーリ愛好家で、

既に10数年前の話になりますが、当時のフェラーリのハイエンドモデル「エンツォ」をベースに、

P4を現代の技術で再現すべく、ピニンファリーナに委託、

フェラーリ本社公認で作製された「P4/5 ピニンファリーナ」の

立案者・オーナーとしてご存知の向きも多いと思います。


     ◇    ◇    ◇


グリッケンハウス氏、当初「P4/5 PF」を二台作製する計画で、

うち一台でGTレース参戦を目指したらしいのですが、レギュレーションに適合できなかったらしく、

その替わりにF430をベースとした「P4/5 コンペティツィオーネ」を作製、

参戦を目論んだところ、フェラーリ本社からストップがかかり、

(フェラーリのマーク使用禁止や、補修パーツ供給拒否など)

結果それが彼の野心に油を注いだらしく、跳ね馬のバッヂをはがし、

"吊るし"のF430GTを別ルートで入手し、部品どりドナーとしてまで走らせたのだとか。


前作の003Cは、米ホンダ製V6ツインターボユニットを使用したのですが、

後継機たる004Cは、シボレーLT4をベースとする6.2ℓV8プッシュロッドエンジンを搭載とのこと。

車両開発はイタリアで行われているようです。


スタイリングは近年のLMP車両の「深海魚フォルム」とは一線を画す、

'60sスポーツプロトタイプ~'80s Gr.C車両群を思わせる、

いかにもスポーツカー愛好家主導らしいものとなっています。


     ◇    ◇    ◇


敬意とともにフェラーリへの対抗心を抱いての、シボレーV8を用いたレースカー製造といえば、

以前当方のブログでも取り上げた、

https://minkara.carview.co.jp/userid/1333960/blog/36878971/

ジョット ビッザリーニによる、イソ グリフォ A3Cを思い起こさずにはいられません。


当時ビッザリーニやシャパラル(by 「石油王」ジム ホール)が用いた、シボレーV8、

G. ビッザリーニ曰く「コンパクトで無理に高回転域を使う必要がなく、安価」

といういわば「夢のパワーユニット」となるはずだったのですが、

実際には高負荷長距離でのレース使用となると耐久性に欠け、

シボレー本社によるファクトリーエンジンは、

最終的には素材、製法等、殆んど全てを特製とした別物

(結果フェラーリと変わりない高価なエンジン)とならざるを得なかったそうです。。。


そのビッザリーニにエンジン開発(V12)を依頼した、かのF. ランボルギーニ氏曰く、

「当時はイタリアの労働者の賃金は安く、

 はるばる海外からエンジンを輸入するよりも自社製造したほうが安くついた」

という見識で、同じく畑違いの分野(冷蔵機器製造)から高級GTカー市場へ参入した、

イソ テルモス社社主 R.リヴォルタ氏とは異なる発想だったのは面白いものです。


ビッザリーニ曰く「リヴォルタ氏は『大量生産することにのみ』興味があった」とのことで、

グリフォA3Cのレース活動は、ビッザリーニへの労働対価として

「数台分車両コンポーネントを提供するので、自分で勝手にやれ。本社は一切関知しない」

という(好結果が出ればセールスにも反映できる)虫のいいものでした。


"250GTOの生みの親"としても名高いビッザリーニですが、

(GTO"育ての親"はM. フォルギエーリ)

独自の洞察眼や高い開発技術力もさることながら、

情熱に突き動かされ、自腹を切ってまでのレース活動に至った『熱意』こそが、

彼の名を崇高なものとしている ように当方は思います。


     ◇    ◇    ◇


「歴史は繰り返す」ということわざがありますが、

スポーツカーの歴史においても、人類の営みというものは例外ではないようですね。


L. キネッティ、J. スワタ―、R. ホア、C. ポッツィ、G. フィリピネッティら、

フェラーリのスポーツプロトタイプやGTカーで参戦した、今でいうサテライトチーム群も、

利幅が潤沢な時代の各国フェラーリ代理店店主ではあったものの、

御大エンツォ曰く

「車両・パーツは特価半額提供、シーズン後売却すればチームに利益が出るぞ」

さらには一流ドライバー斡旋など、フェラーリ本社の支援体制があり、

各チーム独自の参戦だったようです。


特に熱心だったキネッティ親子(NART)は、

商売にならないBB(米国での車両認証を得られなかった)レース車両製作の口火を切り、

さらにはフェラーリ自らによる米国法人へ代理店業務を移管された結果、

本業が傾いても、最後まで参戦し続けたほどの熱意によるものでした。

(ビジネスとしてルマン「参戦枠」販売など、特権もあったようですが)


現代のGTレース製造販売はビジネスプログラムとして商業的にも成立しているようで、

市販GTレースカーを退役後にロードカーに転用する例もあったようですね。


わが国でも、「夢」や「情熱」のために資力や労力、

果ては人生そのものをも注ぎ込むことを尊ぶ機運が

再び見られるようになってほしいものです(^^)

.

Posted at 2020/02/22 14:01:48 | コメント(2) | トラックバック(0) | モーターレーシング | クルマ
2020年01月10日 イイね!

稀代の勝負師 F.アロンソ

.

アロンソのダカールラリー挑戦が報じられていますね。


何でも岩にヒットして片側の前輪を飛ばすほどのダメージを受けるも、

スペアパーツを使ってコドライバーとともに自力修理!で戦列復帰を果たし、

着実に上位進出しつつある模様です。


歴戦の強者に混じってどこまで行けるか楽しみです。


*******************************************


特にわが国では、マクラーレン/ホンダのPU供給解消の張本人的な見られ方で、

それを機に反感を持たれている向きも多いようですが、

当方は彼の驚くべき適応力や、競技への熱意、強靭な精神力など、

やはり歴史的存在のドライバーと感じます。


ここへきて、アンドレッティのチームからインディ500参戦の交渉中との報道が出てきました。

但しチームはホンダエンジンユーザーであり、

以前からホンダ側が同意しないだろうといわれていました。


当方の見立てですが、ダカールラリーでトヨタ関連のプロジェクトが一旦終結すれば、

何らかの条件のもとで、アンドレッティからインディ500参戦の契約が成立することも

あり得るように思います。

そう、まさかのマクラーレン復帰を果たした時のように。


    ◇    ◇    ◇


当時のホンダ側からは、孤軍奮闘ともいえる果敢な戦いぶりを見せたアロンソに対し、

「上位で戦えるパワーユニットを与えられずに申し訳ない」というようなコメントがあり、

ホンダ側が約束を果たすチャンスという見方もできるでしょう。


アロンソがホンダの顔に泥を塗った、という見方はあながち間違ってはいないと思いますが、

当方はむしろ

「マクラーレンがホンダとのコンビを解消するためにアロンソの言動を利用した」

ように捉えています。


チーム側はドライバーの発言の影響力の大きさを当然承知しているので、

(特に営業畑の人間(=ザク ブラウン)は)

ネガティブととられ得るコメントには、何らかの補足なり"真意の説明"なりをするものですが、

当時のマクラーレンにはそういった動きが殆んどなく、

逆にクローズアップさせていたように思います。


昨2019年シーズン当初、アロンソの関与(テストドライブなど)を強く匂わせながら、

サインツとノリスが想像以上の活躍ぶりを示すにつれて、

「アロンソの復帰するシートは無い」などと、

第三者としても「どの口が言うか!」と怒りを覚えるほどです。


ホンダ側はマクラーレン(むしろザク ブラウン個人か?)のやり口には辟易の筈で、

2020年シーズンのマクラーレン名義のインディカー参戦に際し、

エンジン供給を断ったのは当然といえます。

(アロンソもマクラーレンからのインディ出走は断るでしょう)


あくまで推論ですが、ホンダ側が「恩讐を超えて」、

アロンソが「専属」の状態でインディ500制覇を成し遂げられれば、

「お互いの忠誠心」を示すエピソードとして、広報効果としても申し分ないようにも思います。


むしろ、ホンダ陣営の他チームやレギュラードライバー陣から、

「なぜアロンソを厚遇するのだ?」といった反発が生まれる可能性がありそうで、

それが障害になるようには思います。


    ◇    ◇    ◇


さて、妄想はとどまるところを知りません(笑)

アロンソが首尾よくインディ500を制した、あるいは百歩譲って健闘を見せた場合、

「レッドブルから2021年F1復帰」もあり得るのでは!?


絶頂期に差し掛かろうとするフェルスタッペンを擁するレッドブル、

2020年シーズンのチャンピオン奪取に向けて意気上がるところですが、

メルセデス、フェラーリのライバル陣営に対し、

「勝てるドライバーが一人だけ」という弱みは否定できません。


昨シーズン後半、新人アルボンは大器の可能性を感じさせる走りを見せましたが、

実力派ではあれど、いわゆる天才肌ではないように思います。

上位3チーム、ほぼ僅差の6台の中で、すぐにトップ争いに加われるか?という点では、

いちばん資質の近そうなボッタスのキャリアの過程を見ても、

正直言って荷が重いのではないかと想像します。


アルボンの「脱皮ぶり」次第ではありますが、

即戦力を期待できる助っ人として、アロンソ以上の選択肢はないでしょう。

(アルボンには大きな将来性があること間違いなしですが)


レッドブル側は「アロンソの名前はホンダの前では禁句」などと可能性を全否定していますが、

逆に「ホンダが推すならアロンソ起用もあり得る」という捉え方もできますよ(笑)


    ◇    ◇    ◇


荒唐無稽な「初夢」ではありますが、

長らく最強ドライバーとしての存在感を示し続けたアロンソ、

円熟期のハミルトンや、フェルスタッペン、ルクレールらと王座を掛けたバトルを見たいものだと願っています。


Posted at 2020/01/10 23:01:48 | コメント(3) | トラックバック(0) | モーターレーシング | クルマ

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「DUCATI SSの整備【73】SS800との乗り比べ印象記 http://cvw.jp/b/1333960/48560984/
何シテル?   08/07 18:30
灸太郎くん(キュウタロクン)です。 職業・思想・信条・立場など違えど 共通の話題で交流できるのは良いですね。 記述は残ることを意識しています。 ...
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