音質がいいに越したことはありませんが、限りある資金は音源(CD)に投資したい口でして(殆ど中古で購入)、
長年使った安価なミニコンポが故障したのを機に、中古の小型機材(ONKYO製)を数年前に数セット購入し、DIYでCD駆動ベルトと読み取りピックアップを交換して好調に使っております。
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【お客さんからのアドバイス】
仕事場では、別途入手したONKYO製のスピーカーをコンポ一式と組み合わせて、
一年ほど前から防犯カメラ設置用金具を使い、天井から吊るして使っているのですが、
先日来訪のお客さんが「うちのと同じスピーカーだ!」ということからオーディオ話になり、
●聞き手(作業机)に向けて内向き・下向きに角度をつけた方が立体感が出る。
●スピーカー正面の「アミ」は外した方が音の切れがよくなる。
●スピーカーケーブル(純正品を使用)はとりあえず太いものに交換してはどうか。
●凝り性の人は、スピーカーのマウントもゴムブッシュなどで浮かしていた。
というようなアドバイスをいただいたので、早速できることから試してみました。
とりあえずアミを取り外し、角度を調整してみると、確かに立体感が際立った印象。
これは面白い!ということで、他の項目も試してみることにしました。
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【スピーカーをフローティングマウント化】
スピーカーを天井に固定した際、とにかく落下してはいけないので、
〇下を人が通らない場所
〇天井の構造材がある部分にコンパネをビス留め
〇悩んだ挙句にスピーカー天面に穴を開けて金具をビス留め
として、
「スピーカー自体が共振しないよう」できるだけソリッドに固定していましたが、
低音が後ろ側にも響いてしまい、むしろ正面より背面の方が強調されて聞こえる気がするのが不満でした。
お客さんの話では
「スピーカーを強固に固定してしまうと、筐体の振動が天井に伝わって逃げてしまう」
ということで、
内心は音(=振動)が収束して出なくなるのでは?と半信半疑でしたが、手持ちの取り付け金具がもう1セットあるので改造してみました。
左が加工前の状態。右はフローティングマウントに改造。金具の組み合わせ方を変え、間にシート嵩上げに使用したスポンジを挟み込みます。
締付ボルト穴を拡大し、ドゥカティのカウリングやスクリーン固定にも使用している「ウェルナット」という、フランジ付きゴムブッシュにナットが仕込まれたものをはめ込んでみました。
それなりに重いスピーカーを持ち上げた状態で、金具の穴を合わせて取り付けるのは困難そうなので、
あらかじめスピーカーに金具を組み付けた状態で、天井に固定するようにしましたが、狭いすき間のねじを締め付けるのは結構一苦労でした。
早速試聴。明らかに音がクリアかつ厚みが増して、今まで聞き取れなかった細かな音まで聞こえます。同じ機材とは思えないほど!
いちばん不満だった低音は、不思議とスピーカー後ろ側では響かなくなって、前方から出るようになったようで、以前より中低音が力強くなったように聞こえます。
今まではソリッドに筐体を固定していたことで、スピーカー下の低音用開口部、バスレフポートがいままで機能できていなかったようです。
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ちなみに今回試聴に使用した音源は、次の6タイトル。
特にクリームの聞こえ方の改善が顕著。ベースの音が生き生きと聞こえます。
ジューダスプリーストはベースとギターの迫力が増して、響きもよく好印象。
キャロルキングは元々音質は悪くないせいか、特に大きな変化はない印象。
レッドツェッペリンは全体に力強くなって、音の輪郭がクッキリした感じ。
特に「ローバー」「カシミール」は聴いていてグルーブ感が非常に心地いい。
レインボーは期待外れ。元々音質が劣悪なので、変化をいちばん期待したのだが…(笑)
ブラッククロウズも元々のスカスカ感とチープな音質は相変わらず。
全体としては音の切れが良く、クリアに聞こえるようになった印象。次の一手に進む。
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【スピーカーケーブル変更】
高価なオーディオ用ケーブルを買う前に、以前自宅用で試したことのあるLANケーブルのお古(差込ジャックの爪が折れてしまったもの)を加工・流用。
Webで調べてみると、オーディオ用として非常に優れた構造になっているということですが、やはり半信半疑で繋ぎ替えてみました。
外側被覆内で対角線に配置されている線同士を束ねると良いとかで、暖色系と寒色系をそれぞれ組にして、接続時に極性を間違えないよう暖色系には赤いスリーブを通して+側にしました。
とりあえず右側のみ変更して試聴。明らかに右側がクッキリと聞こえ、音量も上がっている。
これも意外なほどの変化で、いそいそと左側も交換。
オーディオ愛好家からは叱られそうだが、廃材利用の都合上、左右違う種類のケーブル。
右のスピーカーに使用したものは内部が単芯。左に使用したものは内部が撚線。
とりあえず接続してみて、聞こえ方に違いがあれば好ましい方に合わせればいい。
いそいそと再試聴♪
クリームはますます改善、ライブの熱気が伝わってくる。カッコいい!
ジューダスプリーストは音の切れがよくなって、英国的暗さが、少し明るくなった気がする。
キャロル キングはピアノの響き方がかなり違う。弦の残響音というのだろうか、立体感(?)がある。
レッドツェッペリンは低音がクッキリして、リズム感が強調され、ファンク的グルーブ感が際立つ。
レインボーは残念ながら、音がクッキリした印象だが、全体の印象はあまり変わらず。
(後日聴き直してみたい)
ブラッククロウズはギターのディストーションの響きが心地良く、スカスカな印象が減っている。
重厚感はないが、ノリの良さが楽しい。
記したように左右で異なる線を使っているが、音質の違いは筆者には聴き取れない。
単芯のほうが電気抵抗値は少ないはずだが、端子接続との接触面積は撚線よりも少なそうなので、一長一短ではないだろうか?
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ということで気を良くして、さらにいろいろと試聴してみた。
あえてショボい音質のものを多めに(笑)
パリスは意外なほど音の切れが良くなり、グルーブ感と”ツェッペリン度数”がアップ(笑)
ザ フーは音質がしょぼい上、コーラスワークが嫌いなので(笑)ほとんど聞かないのだが、
驚くほど音の厚み(特にベース)が増してリズム感も良く、特にマイジェネレーションはカッコいい!! 宗旨替えするかも(笑)
ハンブルパイは立体感というか、音のメリハリが強くなった感じ。
メロディー(?)を弾きまくるベースが超強力になって、スティーブ マリオットのボーカルが前に出過ぎず、女性コーラスの存在感アップ。
頭脳警察のこのアルバム、ラフなライブ感は少ない(事実上パンタのソロアルバムらしい)が、
あらためてスタジオワークのアレンジ(by馬飼野康二)が曲ごとに効果的に聞こえる。
ボーカルがクッキリ聞こえ、独特の詩の面白さが強調された感じ。
ちなみに1曲目は365BB、911(カレラRS?)、ミウラ、高速機動隊パトカー、アバルトシムカ、Zといったクルマたちが登場する。4気筒バイクの集合管のようなイントロのエンジン音はたぶんミウラだと思う。
今回一連の試聴で一番驚いたのはザ ファーム。
筆者の持っているのはCD最初期のものらしく、とにかく音の切れが悪く地味な印象で、エコーがかかったドラムなど妙なアレンジでポールロジャースのボーカルが空回りしているように感じて苦々しく思っていたが…
今回聴き直してみたら、いかにも80年代的残響音があるサウンドに厚みと奥行きが感じられ、フレットレスベースの丸みのあるような響きも面白い。
曲も意外と親しみやすく、ツェッペリンやバッドカンパニー末期よりも遥かにイイ!
しばらくは弊社のヘビーローテーションになりそうで、これまでの非礼を謝りたい気持ち(笑)
ボニー レイットは今回の中で唯一、リアルタイムで聴いた楽曲(1曲目)。
アルバム入手はずっと後年だが、元々音質が良く、声質が好きで楽曲の良さもあってお気に入り。
今回聴いてみるとビート感、リズム感が際立って、とにかくカッコいい!
90年代後半以降のものは、もともと高音質のようなので、今回はあえて試聴していません。
R&Bやブルース、ジャズ、歌謡曲もまだ試していません。
後日あらためて試して、面白い変化があればレポートしたいと思います。
●CD再生がスタートから約2分のところで毎回飛ぶようになってしまったので、ついでにピックアップを在庫の予備に交換。これは特に音質には影響ないと思われる。
オールインワンのミニコンポの場合、全て分解して最下段のCDプレーヤーにアクセスするまでが一苦労だが、各機材が個別の場合は部品交換が非常にラク。
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【総括】
具体的には音の輪郭がはっきりとして、特にエレキギターの歪んだ音やベース、ピアノが良く響くようになったようで、全体に音の印象が明るくなったように感じられる。
手持ちの部材と廃材利用ゆえ、出費は狭いところでビスを締めるためのフラット型小型板状ラチェットレンチ購入のみ。
同じ機材とは思えないほど。これほど印象が変わるとは思わなかった。
考えてみれば、今までいかにいい加減な状態で聴いていたか、というお粗末な話でもある。
筆者はもともとラジオの音楽番組を聞き流していた程度の関心しかなく、
音源を買ってまで音楽を聴いてみようと思ったのは20代後半で、確か’93年ごろ。
ここに挙げた音源は、ボニー レイット以外、全て後追いです。
(さすがにキャロル キングの楽曲くらいは聴いたことがあったが)
決算処理に向けて、快適にデスクワークを進めるための機材手入れのつもりだったが、
あまりの音質の変化(向上)に、上記以外にもあれこれ聞き比べてしまい、結局今日は仕事にならず。。。
※上記の印象は、あくまで以前の筆者保有機材構成との表現比較なので、CDアルバム評ではありません。ご参考まで。