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また暑さが戻ってきましたね。
それでも以前よりは湿気も減って、風は心地よさを増しています。
秋になりつつあるようです。
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さて、先日のベルギーGPはいつにない晴天・高温で行われ、
思わぬ波乱も多く見られました。
その波乱の中心は、殆んど地元出身ともいえる、
今シーズンの最注目株、マックス フェルスタッペンがらみでした。
<修正あり>
②の写真の前後が入れ替わっていたので、記述含め一部修正しました。
◇ ◇ ◇
ポイントは二点
①スタートでフェラーリ勢に先を越されたフェルスタッペン、
右コーナーで縁石上でライコネンのインに入りかけましたが、
同時にライコネンの外からはベッテルが前に出かかっていました。

FIAの映像で見たところ、
●前後の順は、前輪から前の分ずつベッテル→ライコネン→フェルスタッペン
●フェルスタッペンは明らかに後ろでライン優先権は無い
●フェルスタッペンのラインでは失速しないと曲がれない
●ベッテルはフェルスタッペンの存在に気付いていない
誰も言及していないようですが、中国GPでのクビアト(当時レッドブル)とフェラーリの二台が絡んだ状況とかなり似ているように見えました。
当時クビアトを「魚雷」呼ばわりしたベッテルでしたが、やむを得ないアクシデントではあります。
◇ ◇ ◇
②レース後半、DRSを使い、明らかな速度差で抜きにかかったライコネンに対し、
ブレーキングエリア手前でフェルスタッペンがライン変更。
こちらもFIA映像からのショットですが、ホンのまばたきをする間の出来事です。
ダイジェスト映像ではこの直後カメラは切りかえられてしまい、この後のことは判りません。
●フェルスタッペンのラインどりは絶妙で、左より中央からライコネン以上に右より(次コーナーイン側)へ寄せた
●両車”全開”ながら、明らかに大きな速度差がある状態で、ライコネンのまさに直前でライン変更
●フェルスタッペンは速度差を認識していた
↓こちらの記事でのアロンソのコメントのように、違反ではないと解釈はできます。
http://f1-gate.com/alonso/f1_32635.html
しかし、危険極まりないのは事実で、規則にかかれていないのは非常識な行動を想定していないのでしょう。
●ライコネンはハンガリーで、ブレーキングエリアで二度のライン変更をされた前歴があるので、
直線でカタをつけようとしたのではないか?
この後のブレーキ区間で再度仕掛けることも可能だったかもしれません。
ライコネンの場合、天才的な速さはあれど、勝負に淡白(執着が薄い)な印象があります。
アロンソやハミルトンなら、あれだけ速度差があれば白線踏んででもさらにアウトにマシンを振るなどのアクションを起こしたように思います。
ただしその場合、同じ方向にマシンを振られた場合は本当にヒットし、緒戦でグティエレスを引っかけたアロンソ以上の宙を舞う大クラッシュになった可能性もあります。
敢えていえば、フェルスタッペンは、特にライコネンを「舐めている」フシがあるように感じました。
◇ ◇ ◇
昨シーズンデビュー時、当時17歳のフェルスタッペンに対し、疑問の声が多く上がりましたが、
先日のハッキネンなどは、「疑念は間違いだった」などとコメントしています。
では、当時17歳の少年の『何に』ついて懸念を抱いたのか?
速さ、話題性を中心にめまぐるしく話が進むモーターレーシングの世界、
フェルスタッペンと交代させられ、公式コメントにも表れたクビアトの不振ぶりや、
昨日引退を発表したマッサの独特の存在感(いわゆる”愛されキャラ”)を思うに、
F1ドライバーとしての「速さ」「後援者(=資金)」「スター性」に言及する以前の
「人格」があまりに見過ごされていることが多いように感じました。
F1では前例はありませんが、万が一、未成年者が相手方の生死を分ける事態に至った場合、
スポーツの舞台での出来事とはいえ、社会的論争も起こるでしょう
◇ ◇ ◇
フェルスタッペンの同僚、リカルドは面白い発言をしています。
http://ja.espnf1.com/redbull/motorsport/story/228337.html?CMP=OTC-RSS
要旨は「彼はまだ「反抗期」を抜けきらない未熟な少年、もう少し見守ろう」ということになりますが、
日ごろの笑顔の裏の精神的ゆとりを感じさせる発言と思いました。
(未だ「抗争状態」を経験していないチームメイトゆえ、ということもあるでしょうが…)
FIAは年齢制限を設け、F1進級を他のカテゴリーでの実績を換算したポイント制を導入しましたが、フェルスタッペンに続くルーキーが年齢以上の落ち着きを感じさせるのは皮肉ですね。
◇ ◇ ◇
一流の速さを身に付けながら、様々な理由で大きく開花できなかったドライバーは大勢いました。
父である、ヨス フェルスタッペンもその一人でした。
個人的にはマックスのコメントにしばしば「オレ様」的な物の見方を強く感じ、
父による「英才教育」の暗部を見る思いがします。。。
レッドブルに急遽移籍が決まった際、トロロッソ関係者のコメントからは「ホッとした」というニュアンスが感じられました。
父親ヨスの影響力から自立し、マックスがあるべき品格を兼ね備えたドライバーに育つよう、人格を含めた成長をF1関係者(特にマネージャー、レッドブル首脳陣や報道陣)は考慮してほしいと思います。時間も必要と思います。
賛否両論あると思いますが、わたし自身はFIAの年齢制限自体は評価すべきことと思います。
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話題の新鋭、中でもバンドーン、オコン、ウェーレインには、
フェルスタッペンの台頭に待ったをかけてくれると期待しています。
また、リカルド対フェルスタッペン、チームメイト間の”北風と太陽”(笑)的な競争も楽しみです。
後半戦、現役トップクラス対フェルスタッペンの”クリーンな”バトルを期待します。
<追記>
イタリアGP、レース前のフェルスタッペンの発言が伝えられました。
「未必の故意」と「避けられなかった偶然」を履き違えたキャリアの汚点となる暴言、
Webか身近な関係者など、何者かの「入れ知恵」があってのことだと想像しますが、残念です。
http://www.topnews.jp/2016/09/04/news/f1/145320.html
不本意ながら、読まれる方にはいうまでもなく、書いている側も不快になるような話題になってしまいましたこと、お許し願います。
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