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灸太郎くんのブログ一覧

2025年02月28日 イイね!

DUCATI SSの整備【28】キャブレター(8)部品仕様再確認

DUCATI SSの整備【28】キャブレター(8)部品仕様再確認前回、アイシング(キャブレター内氷結)対策の糸口は掴めたので、いよいよ現車合わせチューニングを始めるつもりでした。

時折浅い開度の3速5000rpmあたりで息つきのような現象が起こるようなので対策すべく、ジェットニードルの高さを変えてみようかと取り出して、何気なく予備の純正品と見比べてビックリ!
タイトル写真のように、似ても似つかない、強烈なテーパーの別物が入っていました。

※ジェットニードル(針)と、それを受けるニードルジェット(穴)のすき間から燃料を吐出するので、
細い針ほど、テーパー角がきついほど、針の高さを上げるほど、吐出量は増える傾向になります。
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【ジェットニードル】
今回のニードルは現車に付属してきた純正キャブレターに組まれていたもので、詳細は不明です。
全長は僅かに長目ですが、クリップ溝が多いので、上に伸びているのかもしれません。
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一覧比較できるように並べて撮影してみました。
先日購入した社外品のヤマハTRX用リペアキットに入っていたニードルは両者の中間のような形状で、先端に5本、溝が入っているのが興味深いところ。

念のためストレート径(いちばん太いシャンク部分)を比べてみたところ、
今まで使っていたものは、5/100mmほど純正品よりも細いもので、刻印もありません。
(乱筆とカメラのレンズに埃が入っていて見づらいのはご容赦を)

併せてスライドバルブのリターンスプリングも撮影しました。
短いのはまだ使っていない、社外品キャブレターチューニングキットの”ダイノジェット”製で、やや細めの線径で20mm近く短い全長です(2本で長さが数ミリ違うので、差分をワッシャーでプリロード補正すべきと思います)。
想像ですがほぼ同じばねレートで、短い分プリロードが少なく、動きやすい(速く上がる=吹け上がりが速くなる)仕様と思われます。

ドゥカティに特別な思い入れがなく、当分の間、面白おかしく遊びたいだけならば、多少の粗があっても今までのニードル+短いスプリングを組んでみるところでしょうけれど、
筆者はオリジナルの状態を理解するのが目的で、以前からのアイドル回転不安定の症状が残っているのも気になっているので、ひとまず純正品を標準高さで組み付けて症状が出ないか確認してみることにします。
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【スライドバルブ】
純正ジェットニードルを、メーカーオリジナルの組み方でスライドバルブに差し込んでみたところ、うまくセットできないことが判明。
先日ヤマハ用の社外補修部品に交換したばかりですが、スライドバルブ内径部の底が、元々装着されていたもの(ドゥカティ純正?)とは形状が異なってました。
元々の装着品は、スライドバルブを作動させるための負圧経路穴からニードル下のワッシャーを浮かせるための1/3円弧状の土台(拡大すると、いちばん奥の中心部右寄りに見えます)があり、
実際のニードルセット高さも土台の厚み分だけ、基準に違いがありそうです。
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できるだけオリジナルの状態を知りたいので、元々装着品を再使用します。
バルブ摺動面の荒れを#1500耐水ペーパーで研磨してから、ガスライターで炙って均してみました(樹脂表面の微細なささくれを焼いて滑らかにするため)。

左のツヤがなくガサガサしているのは修正前、右が修正中(試しに炙っただけ。その後研磨し、再度炙り)
リターンスプリングは当然、標準品を使用しました。
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この程度の変更作業をするにも、エアボックス/電装品/バッテリーケースユニットを脱着する必要があり、エアボックス部を分離して作業性向上を図れるか、後日考察してみたいと思います。

フューエルインジェクションの場合、ECUやチップにアクセスできる機器があれば、
機械構造部分を触ることなく任意の範囲の空燃比や点火時期を変更でき、ジェット類などの交換部品もないので良いですね。

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【再組立後、試運転】
夕方の時間帯は交通量が非常に多くロードテストに不向きなので、その時間に作業を行い、交通量の少なくなった夜間に試運転を行うことにしています。視界が限られるので操縦性の機微を試すには向きません。
自宅前で暖機・パイロット再調整をするのも憚られる時間帯だったので、随時のアイドル回転調整を除き、組み替えたスライドバルブとジェットニードル以外は前回試運転のまま。

結論は、パイロット系含め煮詰める余地はありそうですが、アイドル回転が下がらなかったり、時折上がったりする症状は収まったようです
あくまで仮説ですが、5/100mmとはいえシャンクの細いジェットニードルにがたつきがあったと想像でき、穴に対するズレや傾き(低速域を受け持つ先端ほど変位が大きくなる)が再現性のない症状の原因だったようにも思えます。

テーパー角がまるで違う標準品では、もっさりして気持ちよく吹けないのではないか?と懸念していましたが、多少吹けがマイルドになった気がする程度で、点火プラグの焼けにも大きな違いは見られませんでした。
3速5000rpm程度までの負荷ではスライドバルブはそれほど作動しないということでしょう。
パイロット系の調整をしながら、試運転を重ねて様子を見たいと思います。
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手を入れる楽しみも大きい空冷ドゥカティゆえ、車齢30年ともなるとオリジナルからの変更部分もいろいろあるだろうと想定はしていましたが、
思いもつかなかった部分が変更されていたり、不具合があったり、他機種用同型品とは部品の違いがあったりで、基本的な状態を把握するだけでもなかなか大変です。
筆者は愛好家として試行錯誤は苦ではありませんが、バイク屋の業務として考えると、専門のノウハウがないと採算が合わない可能性がありますね。

改造に関しての車検合否基準が緩和された時期の車両で、底値を経験した中古車相場や、ダイノジェットや社外のリペアキットの存在が、部品混用や粗雑な修理改造に輪をかけていますが、
エンジンも車体も手を入れやすく、制限速度+α程度の領域で楽しめる、絶対的価値として素晴らしい素質のある車両です。

まずはメーカーオリジナル本来の”不具合のない状態”を把握してから、
順列組み合わせ変更などの現車合わせや発展的チューニングを楽しみたいと思います。
Posted at 2025/02/28 16:13:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年02月26日 イイね!

DUCATI SSの整備【27】タイヤエアバルブ

DUCATI SSの整備【27】タイヤエアバルブ前後ホイールのエアバルブは交換されていて、残念なことに、前後逆に組み付けられています。
今回の記事は、ただの愚痴です(笑)

●フロント側にストレート形状のものが組まれ、大径ブレーキローターの間に位置してしまうので手が入らず、
うまくチャックを当てないと漏れてしまい、エア充てんにも、内圧測定にも、とても苦労しています。
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●リヤホイールは、ブレーキ側に向けて斜めにストレート形状バルブを装着するようになっているにもかかわらず、何を思ったか、L字形状のものが組まれてしまっています。
見れば不自然だと気付きそうなものですが、リム内周の高くなった部分から外側のスペースのない側に向けて装着され、扱いにくいことこの上なし。
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ホイールを塗り直した後、タイヤ装着時に、ブレーキローターを取り付ける前に、知識のない作業者が渡されたバルブを「なぜこうなるのか」考えなしにテキトーに組んだんでしょうね。
タイヤ交換まで辛抱して使うしかなく、使う側が恥ずかしくなるような思いで、都度腹を立てています。
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しかも今回は、試運転に出ようと準備していた矢先、何かチェックし忘れている気がしてタイヤトレッド面を押してみると、フロント側が柔らかいような感触。
念のためエア圧を”無理な体勢で”測ろうとしたところ、キャップを外したところでエア漏れの音がしていて、1㎏台前半くらいしか入っていません。。。チェックしてよかった。

エアバルブを締め直すか、交換か、と思い、工具箱を探したところ、
ドライバー型の柄の長いムシ回ししかなく、変な角度で組まれたバルブには使えず。
昔、バルブキャップがムシ回しになっているものを使っていたのですが、今どきのホームセンターでは売っていないようです。
遠方まで買いに行く間に、通販購入品を待っている間に造れそうなので、自作しました。
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エアバルブ”ムシ”に合わせて、M5皿ボルトの先端に金ノコと小型やすりで溝を掘り、
Φ2.5mmの穴を深さ5mmほど掘り、蝶ナットと組み合わせて、ひとまず出来上がり。
先端外周のねじは、ムシのねじと干渉するので、削り落とした方がよさそうですね。
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これは後輪ですが、こんな風にバルブに差し込んで使います。

エア圧が下がっていた前輪側は結構緩んでいました。ムシが緩むなんて初めての経験です。
ひとまず締め直して様子を見ます。
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試運転前に何となく気になったのは、「ムシの知らせ」だったようですね(笑)
おあとがよろしいようで。。。
Posted at 2025/02/28 01:55:32 | コメント(1) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年02月26日 イイね!

DUCATI SSの整備 【26】細部の手直し

ひとまず過剰に警戒せずに走らせられるようになったようなので、
見落としていたり、後回しになっていたりする箇所をボチボチ修正しています。

●タコメーターケーブルの取り付け修正
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暗いものを無理やり明るくした不鮮明な画像で失礼。
先日コメント欄でご指摘をいただいていた、タコメーターケーブルの収まりの悪さを修正しました。
作動に不具合はないが、ギヤがきちんと噛んでいないのだろうか?と、恐る恐る着手したところ、
単にドライブ側のケーブル取り付けねじ部が渋く、奥まで締めこまれていなかっただけでした。
ねじを修正して締めこんで一件落着。ご指摘に改めて御礼申し上げます。
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ちなみにF1やSSのヴェリア製タコメーター本体へのケーブル取り付け部はレース部品同様に凝っていて、
メーター真下で直角に向きを変え、取り回しに無理のない任意の方角でケーブルを取り廻せるようになっています。
同社製機械式メーターには流用も可能だと思います。
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●フロントフェンダーとタイヤのすき間対策
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エアコン配管穴埋め用パテ(粘土状で固まらない)を使用して、フェンダー先端裏側に”エアダム”を作製。
フロントフェンダーとタイヤの間が手が入るほど開いていると、この部分に空気が溜まり、
いわゆるセルフステアの際の抵抗(特に初期)になるようです(操舵軸を中心に、てこの原理)。

筆者自身も半信半疑でしたが、試してみると極低速域でもリーン初期のタイミングから抵抗なく徐々に舵角が入り始めるようになり、挙動の再現性が上がり(想定できる)、特に夜間の走行時など、筆者には大きな安心感が得られます。
一度試してみられると面白いですよ。但し見えないようにやってください(笑)

★916やSSie用のシャープなデザインのフロントフェンダーを、内幅を合わせるアダプターでボルト穴を合わせるよう作製すれば取り付けできそうで、似合うかどうか判りませんが近々試してみるつもりです。

●ハイテンションコード短縮
コードの通し方を変えて長さが余っているので、ひとまず5㎝程短くしてみました。
ボケボケの写真で恐縮ですが、工具箱の金切りばさみで無理に切ってみたら、芯線がシリコン絶縁体を押しつぶして偏ってしまいました。これでは電流がリークしてしまいます。
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下の切り口は、ホースカッター(上の赤い工具)で切断したところ。
切れ味良好で、芯線と被覆の間の絶縁体部分は全く損傷していません。
直角にきれいに切ることができるのでお勧め。切り口部分の見栄えがします。
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時間が経つと見慣れてしまうので、気付いた時に対処しておくとスッキリしますね。

Posted at 2025/02/26 14:13:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年02月25日 イイね!

DUCATI SSの整備【25】キャブレター(7)アイシング(2)

DUCATI SSの整備【25】キャブレター(7)アイシング(2)昨夜の試運転で、好調から一転、ストール発生。
点火プラグはしっかりと焼けていたのは確認済み。そのままの状態で翌日、何事もなかったかのようにあっさりエンジン始動。
どうやらアイシング発生で間違いないようです。

●水抜き剤を添加
軽油と違い、ガソリンはまず凍らないはず。
であれば、凍るのは吸入空気中の水分もしくは燃料に混じった水分ということになる。

試運転はほぼ毎回、低湿度の時に行っている上、
気象条件は手の加えようもないので(笑)、燃料中の水分混入を疑ってみる。
疑心暗鬼かも知れないが、圧送システムの燃料フィルターに水分が溜まっている可能性もあるのかも知れない。

とりあえず、タイトル写真の水抜き剤(アルコール系)を購入し、燃料補給の際に目分量で添加。
帰宅後残量を測ったら、添加量はピッタリ(ガソリン約15ℓに対し、添加剤50㏄)。

●パイロットスクリュー再調整
作製したフロートチャンバー防風板を装着すると調整できなくなるので、
あらかじめパイロットスクリューでのアイドルポート吐出量を再調整。
始動後のアイドリング安定と、開け始めのツキの軽快さを基準に調整すると、
やはり2回転と1/2あたりで落ち着く。

一般的なキャブレターでは、アジャストスクリュー戻し回転数は1と1/2を基準として、
大きく外れる場合はパイロットジェットを交換することになっているようなので、
さらに一段階(#2.5刻み)程度、現状から上げてみてもよいかもしれない。

●バタフライバルブ同調点検
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先日分解した際、バタフライバルブの収まり具合を調整し、目見当(アイドルポートの見え始め基準)でバタフライバルブの全閉停止位置を合わせていた。
大きなズレの症状はなさそうだったのでそのまま運用していたが、この際、万全を期して再度バキュームゲージで再度測定。
写真では振れのタイミングでずれていますが、振れ幅の範囲は目見当合わせでピッタリでした!
(測定後、負圧取出し部プラグ(ボルト)を片側差し忘れていて、再始動時に1気筒しか点火できず、なぜだろう??と半ば混乱状態となったのは内緒の話(笑))
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【試運転】
今日は寒さが和らぎ、それだけでもアイシングは起こりにくい条件になっている気もしたが、とにかく試運転を行った。
時々アイドリングが2000rpm辺りまで上がることがあるが、今日は一度もストールすることなく無事試運転完了。
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点火プラグの焼けもこの通りで(左が黒っぽくくすぶって見えるが、電極と碍子、特に裏側はしっかり焼けている)、ようやく不調への対策を終え、現車合わせキャブレターセッティングの入り口に立てたようだ。

●水抜き剤の効果か?パイロットスクリュー再調整の効果か?気温が上がったせいか?
以前よりもエンジンの回り方がきめ細かくなっているような印象を受けた。

●スロットルグリップ側の巻取り部加工の効果も大きく、スロットルを閉じた後、開けはじめのツキが穏やかになり、微小開度操作への反応がとても心地よい。

●ヒーターグリップを中間レベルで使ってみたら、確実に暖をとれて、心和む思い(笑)
グリップが若干太めになるので、手が大きい筆者としてはブレーキ/クラッチレバーが近くなり過ぎず、スロットル巻き取りも、てこの原理でわずかでも軽くなり好都合である。
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去る日曜日の早朝ツーリングにお誘いをいただいていたが、大型車ツーリングは20年以上のブランクがあり、近年の高速車両を操る熟練者の面々についていけるか不安があったのと、
再現性のつかみきれない不調について「傾向と対策」をあれこれ思案していた段階で、
寒い出先で同行者を待たせての立ち往生や路上整備は避けたいところだったので、残念ながらお誘いを見送ったところでした(結局あまりの寒さ予報に中止となったのですが)。

装着したETC機器(使いまわし)の作動確認を兼ねて、高速道路をひと区間だけでも通行してみたいと思っていますが、
大開度高負荷での加速モードと、小開度低負荷で油温も上がりにくい高速巡航モードの組み合わせは、アイシングの条件として厳しそうな気もして二の足を踏んでいます。

大型貨物車が群を成す中での路肩停車のリスクを考えると、ひとまず出先での食事か喫茶を楽しみに、信号停止の少ないバイパス道路か郊外(隣県側)での都市間巡航を試してみた方がよいかもしれませんね。

Posted at 2025/02/26 01:09:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年02月24日 イイね!

DUCATI SSの整備【24】キャブレター(6)アイシング(1)

DUCATI SSの整備【24】キャブレター(6)アイシング(1)いろいろと問題点を見つけて、手を打って改善を見てはいるものの、時折発生する不調に悩まされています。


先日の再分解・調整後の試運転でも、以前と同じような症状が発生したが、アイドリングできないほどのプラグかぶりとも思えない。


いろいろと考えてみると、
●試運転を行うのは交通量の少ない夜間がメイン
●設定したテストコースで毎回試運転をしていて、大体同じような場所(距離)で不調発生
 (レスポンス悪化、信号停止時アイドリング不調)
●Oバンクの点火プラグがくすぶり気味になるが、Vバンク側プラグと入れ替えると復調
●遅いクルマにつかえてしまうことも多いが、寒いのであまりペースを上げず、スロットルは閉じ気味で走行が殆ど。

そこで状況を思い起こすと、
●不調発生は殆どが非常に寒い夜間(摂氏5度以下)、湿度は低いと思われる。
●タンクのリフトアップや脱着をすることが多いので、燃料補給は毎回10ℓ以下、ほぼ200Km毎の少量ずつ。
●燃料消費はほぼ20㎞/ℓで、それほどミクスチャーが濃いとは思いにくい。
●加速ポンプはないので、スロットル開閉で燃料消費(吐出)量が大きく変わることはない。
●走行中スロットル開度は1/8~1/4程度の極小で、緩やかな加速か一定速度、戻し気味が殆ど
●パイロットスクリュー戻し回転数は2と1/2程度で始動性もよい。2回転戻し程度では始動後アイドリングできない(アイドルポート吐出量不足)。
●住宅地区間を抜けた後、3速で5~6000rpmあたりまで引っ張った後、信号停止や前車追従等で低開度となったあたりで不調になることが多いような気がする。
●およそ1/4以上のスロットル開度になると、不調時でも吹けあがり加速する。
●レスポンス不調発生から程なくアイドリング不調、ストールが発生することが殆ど。
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キャブレター起因とは限らないので、点火系も手を入れてみた。
●点火コイル接続端子が、Oバンク側が少しゆるかったので修正
●長さが余っているハイテンションコードを5cm程度短縮
●スパークプラグはギャップを0.8mm程度に調整
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はたと気付いたのが、キャブレターのアイシング(氷結)の可能性。
●点火プラグを取り外し、スパークを点検するが、火花は太く、問題があるとは思えない。
●不調発生まで走行に問題はなく、片側バンクのみプラグかぶりが起きるほどのミクスチャー不揃いや点火不良があれば走行も不調になると思われる。
●通常直立シリンダーの場合、キャブレターはエンジンの背後で輻射熱を受けているが、
 現車(ドゥカティVツイン)の場合、エンジン輻射熱を受けることがない。
●キャブレター前方にエアボックスが配置されるので直接走行風は受けないが、
 フロートチャンバー底面は走行風を受ける。
●特にOバンク側はマニホールドも走行風を強く受ける。
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★よくよく考えたら当時のSSやモンスターには、オプション装備でオイルクーラーへ送るラインから枝分かれしてフロートチャンバーを温める「キャブレターヒーター」が用意されていました。
実際に完備されたものは見たことがなく、詳しい構造もわかりませんが、
ヒーター回路ON/OFF切替用手動コックがついたオイルラインの枝分かれ箇所は見たことがありました(M900の98年頃のモデル)。

ひとまず手持ちの資材で簡単にできる対策を施してみた
●フロートチャンバー下面を防風板でカバー
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ひとまず効果を確認するため、ダンボールを切り出して作製し、ボルトで固定。
外さないとパイロットスクリューの調整もできなくなるので、走行前にある程度暖気し、
アイドリング安定と全閉からのツキのよさ、音の軽やかさを根拠に調整してから走行。
(両バンクとも、ほぼ2回転と1/2戻し)
※ミクスチャーが濃くなるほど音が太く重くなり、ブリッピングでのツキも重苦しい感じになる。始動性は良い。
逆に薄くし過ぎると音が軽くなり、アイドリング回転が不安定になりストールしやすく、始動性悪化。
仮の設定値から1/4回転程度ずつ開け/閉め両方向に振ってみて、調子がずれる両極端の中間点を振り幅を小さくしながら詰めていく。

●Oバンクマニホールドに、整備時に汚れ防止で使用するグリップカバーを巻きつけてみた。
(上の写真のマニホールドは装着前)
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【試運転】
以上のような思い付きの対策をした上で、いつものように夜間にテストコースを走行。
いつもより交通量が少なめなので、少しスロットル開度は大きめ。
当然加速度やエンジン負荷は大きく、速度も乗る。

時折3速5000rpmあたりまで回転を上げて走行。
いつも不調になり始める地点に差し掛かっても不調の気配はない。

テストコース後半はいつもスロットルを絞って低速走行になることが多いが、
今回は案外ペースよく走れて、一度3速7000rpmあたりまで引っ張ってみた。

気付くと残量警告ランプが点いていたので、燃料補給に向かおうかと思った矢先、
急にレスポンス悪化。
ちょうど帰庫目前の地点で、スロットル全閉でストールしたので、そのまま惰力で帰還。

すぐに点火プラグをチェックしてみると、両バンクとも白く焼けている。
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アフターファイアなどガス欠症状が出る前で、プラグが焼けているのにストールした経験は初めてでビックリ。これがアイシングだろうか?
現象は知識として頭の片隅にはあったが、まさか実際に可能性に直面するとは思っていなかった。
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アイシングだとすれば、しばらく放置して氷結が溶ければ正常にエンジン作動するはずである。
翌日の日中、そのままエンジン始動し、試運転を行って様子を観察したい。
ガソリンが凍るわけではないだろうから、念のため水抜き剤を燃料補給の際に投入してみてもいいかもしれない。

Posted at 2025/02/25 10:58:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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