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灸太郎くんのブログ一覧

2025年02月17日 イイね!

DUCATI SSの整備【18】ユニット式エアボックス&電装ケース

DUCATI SSの整備【18】ユニット式エアボックス&電装ケース前にも書きましたが、この年代の空冷ドゥカティSSとモンスターは、エアボックスと電装品マウントケースが一体になったユニットをエンジン上部に取り付けるという、大変合理的な方式をとっています。

その代償として、燃料タンク裏は大きくえぐられた形状で容量を削られていて、かつバッテリーも高い位置となり、重心位置を上げているのも事実で、一長一短といったところでしょうか。
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実際の作業は、全体拭き掃除の後、一番初めに行いました。
タイトル写真は、一旦配線をすべて取り去って思案していたところ。
内側二つは点火コイル、外側はそれぞれイグナイター(進角カーブを決めている部品)ですが、
点火コイル真下部分に穴を開け、グロメットを通し、ハイテンションコード(プラグコード)を貫通させ、下に出しています。
元々は手前のバッテリーケース垂直面の穴を通していたように思いますが、
できるだけ曲げずに取り回し、かつ配線の露出をできるだけ少なくしたかった故で、
まだ実践していませんが、副次効果として以前の状態よりもコード全長を10センチ近く短縮できそうです。
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【配線整理後】
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”O”は水平シリンダー用、”V”は垂直シリンダー用です。間違えるとエンジンが掛かりません。
脱着が必要な配線は、点火タイミング信号線(各イグナイターへ)と、向こう側にある防水コネクター、そしてバッテリー端子に接続するコードだけです。

なお、バッテリーに接続するコードは
+、-ともそれぞれ三本、メインハーネス・スターターモーター・グリップヒーター、としています。

当初はなぜかスターターの+側に細くて長いコード、アース線で太い短いコードが結線され、
セルの回りが息絶え絶えだったので、取り回しを工夫し入れ替えたところ、効果は絶大でした。
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キャブレター整備後は冷間時含め殆ど”一触即発”! 筆者の歴代所有車両中で始動性ナンバーワンといえそうなほどです。
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裏側。
右手前にあるナット2ヶ所はスターターリレー装着用で、ゴム製ホルダーごと工具なしでブラケットから脱着できるのですが、
手を入れにくい位置にあり、かつリレーの重さでずり落ちてきてしまい短絡の危険もありそうなので、すでに車体左側に移設しました。

中央に見えるのは、表側から穴を開け通したハイテンションコード。テープでふさいであるのは、キャブレターにつながるジョイントです。

エアボックス脱着に際しては、ステアリングヘッドパイプ直後の燃料タンク固定用フックを外す必要があるのも面倒で、しかも金具とフレームとの間に5mmほどの厚みのスペーサーが入るのも煩わしいため、何か対策を立てたいところです。

Posted at 2025/02/18 02:47:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年02月16日 イイね!

DUCATI SSの整備【番外編】エンジン冷却フィン修正

DUCATI SSの整備【番外編】エンジン冷却フィン修正カジバ傘下入り以降の空冷ドゥカティVツイン、いつ頃からこうなっているのか判りませんが、タイトル写真のように、Oバンク(水平シリンダー)のインテークマニホールド真下あたり、
冷却フィンの端面処理がここだけ先細形状でなく、唐突に終わる処理になっていて、
良くて垂直に切りっぱなし、当方手元の車両など、あろうことか”フィン同士がつながっている”という惨状を呈しています。

あまりに見苦しく、可哀想なので、気分転換がてらリューターで削ってみます。
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ご覧の通り、現車はフィン先端がつながってしまっています。黒塗りが剥げると目立つわけで…
車両によって個体差はあると思いますが、いくら何でもこれはひどい(笑)

タイミングベルトは一応閉鎖空間になっているのですが、気密性はなさそうなので、
削った金属粉が入らないよう、一応ふたとの合わせ目はカバーしておきます。
(使いまわしの養生テープ)
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ひとまず”分離”に成功(笑)
さらに削り込んで、角を少し丸くしておきます。
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一応今回はここまで。先細に成形していない分、厚みが気になるので
後日黒く塗ってカモフラージュするつもり(笑)

続きはヘッドを取り外して整備の際に、じっくり行いたいと思います。
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【おまけ】
以前はどうだったのかな?と、久々に以前所有の750F1の写真を見てみると…
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同じ個所は一枚ずつ先細の形状に鋳型が成形されています。気のせいか緊張感が違いますね。
当該箇所の脇に84年11月鋳造の刻印が読めますが、古いものほどメカニカルな外観で、見た目の仕上げも良いようです。
(初代500SL~650SLまではアルミ地のまま。750F1以降は全面塗装仕上げ)
(※写真のF1はガラスビーズにて塗装剥離仕上げ)

どうやらこの部分のフィン端面処理、Vバンク内側吸気の90年代400ss(F1と同じパンタ系Oバンクヘッド)など見ても、同じように無造作な仕上げになっているようです。
カジバ傘下になって以降は、750F1までのドゥカティメカニカ製純血車種とは生産規模が桁違いに拡大しているゆえかと思いますが、
一見同じに見えて、比べると年代によって細部の形状が年々簡略化されています。

★ここでドゥカティファンの皆様へクイズ。
F1の写真でリヤブレーキマスターシリンダー奥に見える、パンタ系クランクケース右側後端の大きな丸いボスは何のためでしょうか?ぜひコメント欄にご回答を!

但し内部は新しいものほど構造的にも材質的にもアップデートされていて、
特にF1の後継機種、750SPORT以降は出力軸がワイドホイール前提で延長されているので、スプロケット周辺などメインテナンスに気を遣うことが少なくなっているのはありがたいところです。

Posted at 2025/02/17 11:43:08 | コメント(1) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年02月14日 イイね!

DUCATI SSの整備【17】フロントフォーク内圧復元

DUCATI SSの整備【17】フロントフォーク内圧復元先日フロントフォークを交換した際、道具が足らずにできなかった内圧復元をしてみます。
ストローク=フォーク内部の容積変化につれて、内部の空気が圧縮されるエアばね効果と、金属スプリングの反力の合計が、実際のばねの強さです。
簡単な作業な割に効果が大きい(というより構造上劣化が早い)ので、季節ごとにでも行うのがお勧めです。

※長らくフロントフォークを整備していない車両の場合、内圧が上がることでオイル漏れにつながるかもしれませんが、その場合は要整備のタイミングということです。あきらめてください(笑)
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具体的な手順は、当然ながらメーカー資料で確認してから進めますが、
作業は難しいものではなく、正立式・倒立式、頂部の調整機能の有無も基本的に共通です。

①前輪側を持ち上げ、フロントフォークを伸び切った状態にする。
②アッパーブラケットのフォーククランプボルトを弛める。
③スプリングプリロードアジャスターがある場合は、位置を記録した上で目一杯弛める
 (ばね反力を弱めるため)
④適正な工具で、フォークトップキャップをねじ部Oリングが完全に露出するまで弛める
 (外さなくてよい)。
⑤トップキャップを規定トルクで締め直す。
⑥アッパーブラケットのフォーククランプボルトを規定トルクで締め直す。
⑦スプリングプリロードアジャスターを元の位置まで締め込む。
⑧持ち上げていた前輪を着地させる。

以上です。

作業前と後に、前輪が着地している状態で、フロントフォークインナーチューブの露出量を測定し、比べてみると内圧変化の影響が分かると思いますが、
実際にはストロークが進んで、内部の容積が小さくなるほど効き目が大きいはずです。

フロントフォークの油面を上げたり(オイル増量)、一時期流行したようなエア加圧したりするのも、同じ効果(深くストロークした際の踏ん張りを得る)を強調して得るためと思います。
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今回使用するショーワ製 900ss純正フォークの場合、④トップキャップが対辺32mmと大きく、手持ちのモンキーレンチ(一般品は最大30mm)では弛められなかったので、
プリロードアジャスターを最弱にした状態(弱くするほど長く突き出す)でも六角部に届くよう寸法を確認の上で、ディープソケットを入手して作業しました。
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上の写真はトップキャップを弛めOリングが露出した状態。
向こう側はディープソケットを被せたままの状態です。
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どちらもプリロードアジャスターを目一杯弛めた状態で、トップキャップを弛める前のインナーチューブの露出量(当然前輪は着地状態)を比べてみると、
作業前=約90mm
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作業後=約95mm
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どちらもフロントフォークを2回ずつ屈伸させて釣り合ったところで測定。

スプリングプリロードを復元(上から4段目の線が見えるところ)=約105mm
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※肝心のフォーク組み替え前の状態で測り忘れていたのは、我ながら迂闊でした。。。
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静止時の車体姿勢はあくまで出発点や目安で、最終的な調整は、走行時の挙動に応じて行います。

もちろん筆者は整備同様、操縦についてもまだまだ発展途上、高速度領域での操縦性などを語ることはできませんが、
本来の状態を維持できるよう基本整備を行うことで、少しずつでも車両の持っている能力を引き出すプロセスを楽しめればと思っています。

Posted at 2025/02/16 21:52:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年02月12日 イイね!

DUCATI SSの整備【16】フロントフォーク交換

DUCATI SSの整備【16】フロントフォーク交換
これまでの試運転程度では不満はなかったので当面使い続けるつもりでしたが、
左フォークからオイル漏れが発生し、だんだん酷くなってきたので、
現車に付随してきた予備部品と交換することにします。

本来はオーバーホールしてから組み付けるべきですが、長期保存されていた場合、再び使い始めてじきにオイルが漏れ出すこともあるのでとりあえず今回は装着して様子見、不具合があれば対応しようと思います。

今までは400SSのフロントフォーク(減衰力・スプリングプリロードの調整機能なし)で、ハイパープロ製スプリング(レートや仕様は不明)が組み込まれているとのことでした。
替わりに装着するのは、900SSのファイナルエディションのものらしき、ショーワ製減衰力・プリロード調整機能付きのものです。
現車と900SS最終型とはフロントアクスル径が違う(Φ17→Φ20)のですが、取り付けに際しては互換性がある(アクスルのねじを受けるブッシュを差し替えればOK)ので、ホイール/タイヤ、アクスル/ブッシュ/メーターギヤやフェンダーは今までのものを再利用して組み付けます。
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取り外し、取り付けは、以前ステアリングヘッドの整備をおこなった際と同じ要領です。
合理的設計で部品点数が少なく、何度もばらして慣れてきたので、1~2時間くらいかな?と見込んでいたのですが、やはりあちこち気になる部分があり、寒風吹きすさぶ中、鼻水垂らしながらしっかり4時間コース(笑)

部品個体差ゆえか、以前はスピードメーターギヤと左フォークボトムとの間に入れていた自作のシム(0.5mm厚、下の写真右側)が不要になりました。
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↑以前写真を取り忘れていたスピードメーターギヤAssy内側。
何か他車からの流用品らしく、かなりあちこち切削加工してあったようで、
恐らくはクリアランスを取るため、ホイールとの間に1mm厚のワッシャーが入っていた(そのためギヤ駆動用ツメが変形していた)にもかかわらず内部で底づきして回転が重かったので、
当方でワッシャー撤去、追加工をして、自作シムでホイールセンター含め寸法を合わせ直してあります。
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●フロント側リフトアップ用パンタグラフジャッキ
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750F1所有時代に作製したもので、お世話になっていたパワーハウスで使われていたものをまねています。
パンタグラフジャッキに自作のアダプター(10mm厚アルミ板を加工)を取り付けて、Oバンクの排気側タペットカバー下側に当ててフロントホイールを持ち上げて使用します。
※フロント側を持ち上げる際、リヤホイール側スタンドはスイングアーム下、リヤアクスルの少し前で受けるようにします。

ステアリングステムの穴に引っ掛けて前輪を持ち上げるスタンドも手元にあるのですが、
ステム脱着やベアリング調整ができない上、ホイール周辺に部材が存在してスペースを取るので、一度も使ったことがありません。こちらのジャッキの方が便利と思います。
さらにはフロントアクスルを抜き差しする際など、微妙な高さ調整が容易で重宝します。

”素材”となったジャッキは実家の納屋に転がっていた日産純正品で、
イラストが描かれたステッカーから察するに510ブルーバード用車載工具と思われます。
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イタリア車の主な鋳造部品には製造年月表示が刻まれているものですが、
ショーワ製フォークのボトムピースには製造年月日でしょうか?スタンプが押されていました。
水色と緑のマーカーで印がつけられているのも、何か作業か完成検査の際のマーキングかもしれません(そういえばウェバーDCOEの上蓋にも幾つかマーキングがされていました)。
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●クリップオンバーのクランプボルト/ナットの修正
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トマゼリ製クリップオンバーです。スロットルグリップで隠れる部分におなじみの刻印があります。
(見えなくなる摺動部に凹凸ができる刻印をわざわざ押さなくてもいいと思うのですが…刻印のフチの盛り上がりをサンドペーパーで毎回削って均しています(笑))
この世代のSSのハンドルバーは、F1の頃のような黒めっきでなく黒塗り仕上げになっていて錆が出やすく、現車は以前のオーナーによると思われますが、錆転換剤を装着状態でペタペタと塗りたくられてしまっていて半固着状態。よくも余計なことをしてくれて…(笑)

ギシギシと渋く音を立てながらボルト(左右計4本)を取り外し、曲がりをチェックした上でタップ/ダイスで雄雌ともねじを清掃・修正して締め直しました。
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以前の状態はねじ山が薬剤と錆で埋まっていてとても手では回せないし、締付トルクがさっぱりわからないような有り様。タップ/ダイスにはかなりの切粉(錆や薬剤も含め)が付着しました。
致命的な曲がりやかじりはなかったのが幸いでしたが、締め付け不足でずれたり、締め過ぎでねじ山を破壊してしまっても不思議でない状況でした。
修正後は当たり前ですが、座面に当たるまで手で締められます。

ちなみにこのM6キャップボルト、製造工程上ありえないのなら気のせいなのですが、
角穴のセンターが0.1~0.2mmくらいずれているように見えます。
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●アクスルピンチボルト締め付け前に、フォークを屈伸させてみたのですが、
以前のものよりも動きが渋い(伸び上がりが遅く、引っ掛かる感じ)ような印象です。
ばねの違いと減衰調整の影響程度なら良いのですが。
アンダーブラケット締め付けは以前のフォーク締付時の規定トルクマークを目印にしたので、
もしかするとフォーク外径個体差によって締め過ぎになっているかもしれません。後日確認します。

前歴が不明で、内部のエアが抜けて(減圧されて)いることも考えられるので、
トップキャップを弛めて伸び切り時に大気圧に合わせるつもりでしたが、適正な工具(22mmディープソケット)がないので続きは後日。

組み付けが済んだところで一旦終了とします。
Posted at 2025/02/13 20:36:38 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2025年02月12日 イイね!

DUCATI SSの整備【15】カウルフレームの修正 & 電装品一部移設

DUCATI SSの整備【15】カウルフレームの修正 & 電装品一部移設
風が吹いたりして結構寒い日が続いていますが、じっとしていられず(笑)気になるところに手を入れています。
コミネの乗車用オーバーパンツを着用して作業してみると、寒さが気にならないどころか少し力仕事になると汗ばむほど(!)で驚いています。
膝下にパッドが入っていて、膝をつく作業も苦にならず、整備用にもおすすめです。
味をしめて、お客さんが来ない時間帯のデスクワーク時も着用しています(笑)
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【カウルマウント用サブフレーム修正】
電装系の改善にあたり、左側のカウルマウントフレームの取り付けを一ヶ所弛めたら、フレーム側ボスとねじ穴一つ分くらいずれて(歪んで)いたので、どうやって直すか思案していました。
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修正したつもりが余計に歪ませていては話にならないので、どこがどう歪んでいるのか、各部も弛めてみたり、大まかに中央から右側の寸法を基準に比べてみると、どうやらこの部分だけのようでした。

ちょうどヘッドライト下から後方に伸びる直線状部分、右側で定規を当ててみると真っすぐなんですが、左側は下の写真の指の奥あたり、クロスメンバーとの溶接部を基点に曲がっているようです。
転んで曲がるような場所とは思いづらいのですが…
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これなら話は簡単で、少々荒療治ですが、太いパイプをクロスメンバーのところまで被せて、下向きに曲げ直してやればOKです。
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曲げ直しの際、弾性で戻ろうとするので、若干行き過ぎのところまで振ってやります。
下は修正後、ボルト締め付け。フレーム側ボスとピッタリ合いました。
無理やり固定されてい曲がったサブフレームによる変な応力がなくなったので、操縦性にも変化があるかも??
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カウル用サブフレームの形状は、750F1までのドゥカティの流儀とは一線を画す、
タンブリーニ時代のビモータの手法を思わせるものです。
現車は黒塗りで存在感を消している上、惜しいことにカウルを取り付けるとほとんど見えなくなってしまいますが…

ステアリングヘッドパイプから前方に伸びるヘッドライトブラケットが主構造体なのは旧来のドゥカティ同様ながら、
小径鋼管を組み合わせた立体形状で、無粋な板状のブラケットを極力排除し、
フロントフォーク外側を経由してヘッドライトやミラーのマウントを兼ねた合理的構造です。
ヘッドライトのマウント方法に至っては、なんと3ヶ所の光軸調整スクリューを活用した工具不要なクイックリリース方式!
すでにパゾなどでドゥカティ(カジバ)の仕事(デザインスタジオのCRC所長)をしていたタンブリーニの息が掛かっているのでは?という気がする凝ったもので、いじっていても楽しくなってきます。

90年代後半、後にMH900eで名を上げたテルブランチによるデザイン、インジェクション仕様SSの世代になると、カウルフレームは簡略化され、
一括ユニット式マウントだった電装品の配置は最短距離のロケーションを目指したのか、カウルに隠れるとはいえあちこちに部品が(見た目の)指向性なく配置され、整備の際にも垣間見えるイタリア車らしい美的スマートさは大いに減じてしまったように思えます。
同じくタンブリーニによるドゥカティ916と、テルブランチによる999の違いにも通ずるような気がします。
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【メインハーネスの取り回し修正と、電装品配置換え】
●現車はステアリングヘッドパイプ脇(車体中央より)にメインハーネスが通されていたのですが、アース線取り出し位置などが不自然だったので、他の車両と見比べてみました。
ヘッドライト後方左側で集中コネクタ群を介して接続されたメインハーネスは、上の写真のように、そのまま左側カウルフレームに沿ってフレーム本体に到達するのがオリジナルのようでした。
それに合わせて、ヘッドライト背面の配線取り回しをできるだけ絡まないよう見直し。
(ああでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返し、これだけでほぼ一日仕事でした)

●フレームに沿って配線類を束ねるのに、近代イタリア車同様にホックのついたゴムバンドで見える部分を留め、カウル内側で隠れる部分にはベルクロバンド(マジックテープ)を使って束ねてみました(写真は使い回し)。ベルクロは柔らかい側を内側にして巻いています。
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現車にはタイラップが多用されていましたが、配線を圧迫し、トラブルの原因になりかねないのと、
切り口で手を傷つけたり、タイラップを切る際に配線被覆も傷めてしまうリスクがあるので、純正部品のゴムバンドを見つけた時には「これだ!」と我が意を得たりの思いでした。

配線やケーブルの取り回しに、諦めがつくまで試行錯誤したい筆者としては、都度タイラップを切って捨てなくてもいいのも嬉しい限りです(今回20本ほど切断排除しましたが、切って短くなったものも再利用できなくはないので取ってあります)。
★クラッチやスロットルのケーブルなどをできるだけ抵抗なく作動させるため、何かに沿わせるのではなく空間の”とある部分”を通したい場合は、規制するガイドのように、タイラップ複数を鎖状にして使用することもできます。

●エアボックスと電装品・バッテリーマウントをユニットにして、SSとMで共用した90年代前半のドゥカティ空冷車両のやり方は、メーカーの車両組み立て工程を考えると膝を打ちたくなるほど合理的で面白いものですが、
キャブレターのメインテナンスや設定変更をおこなおうとすると、電装品やバッテリーごと脱着することになるので、乱雑な処理がされていた現車の場合、配線が引っ掛かったり接続を間違えたりしないよう対策が必要と思いました。
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写真では判りにくいので文字にすると、
〇マウントケースに穴を開け、ハイテンションコード(プラグコード)を通した。
迂回することで不自然な急な曲がりになるのを対策。コード短縮も可能。

〇各気筒独立のイグナイターや各配線に「O」「V」とマーキング。同時に取り回しを整理。

〇バッテリーマイナス側に、スターターモーターからのアース線をはじめ、他のアース線もできるだけまとめて直接接続。セルの回り方やエンジン始動性が劇的に改善!

〇スターターリレーを車体左側、フルカウル用ブラケット取り付け部内側に移設。
下の写真は純正品ブラケット切断加工検討中の図。切断成形後、裏面にポップナットを挿入。
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これにより手を入れにくい位置(エアボックスユニット下面)のスターターリレーを都度脱着する必要がなくなってストレスが減った。

〇同じ部分の外側に、充電レギュレータを仮移設。
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ステアリングヘッドパイプ下がオリジナルの位置だが、スロットルケーブル取り回しの妨げになっていたので、冷却も兼ねて車体左側外部に”仮”装着。

フレームのカウルマウント取り付け部を挟み、ボルト(後方のみ)は奥に見えるスターターリレーブラケットと共締め。前方はタイラップ留め(あくまで”仮”)。
Vバンク側シリンダーとフィンの角度を揃えたかったが、カウルに当たるので妥協。
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何のことはないような、元に戻しただけみたいな作業もありましたが、
ダイヤグラムを確認しながら配線を整理したり取り回しを考えたりすることで、電気配線や配管の大まかな概念が頭に入ったような気がします。
見ただけでは苦手意識が起こりますが、この時代の車両は触ってみると面倒でもさほど難解なものではありません。

各部の確認や修復作業はまだまだ続きます。次は何が出るか?楽しみは尽きません(笑)
Posted at 2025/02/12 21:47:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記

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