#03 ALBA Boost Gauge のコンセプトと設計方針 自分でブーストメーターを作るということは、仕様を自分で決められるということでもあります。
仕事で何かを作る場合は、どうしても最大公約数的な仕様に寄せる必要があります。できるだけ多くの人に合うように、無難にまとめていくことになります。
でも、趣味で自分のために作るのであれば、本当に欲しいと思うものをそのまま形にできます。今回のALBA Boost Gaugeも、まさにそういう発想からスタートしました。
今回、まず一番こだわったのは「純正互換」であることです。
今のところアバルトを手放すつもりはまったくありませんが、それでも配線を引き回したり、どこかに穴を開けたりといった加工はしたくありませんでした。純正のブーストメーターを外して、そのまま置き換えるように取り付けられること。そして、元に戻したいと思ったときに簡単に純正復帰できること。ここは特に大事にしたポイントです。
せっかくメーカーが用意してくれた純正の取り付け位置があるのですから、それを活かさない手はないと思いました。
ポン付けできるということは、短時間で取り付けられることにもつながります。アバルトのダッシュボードまわりは、ネジを数本外せばフロントパネルを外しやすい構造になっています。あとは純正ブーストメーターを固定しているナットを1個外し、コネクタを差し替えて今回開発しているメーターを取り付けるだけ。最終的には、30分以内で装着できることを目標にしています。
この構成であれば、純正に戻すのも比較的簡単です。
たとえば将来的に車を手放すことになったとしても、元に戻しやすいのは大きな安心材料だと思っています。カスタムに興味がある人でも、購入時はなるべくノーマルに近い状態を好む方は多いはずですし、手を入れるなら自分のやり方で仕上げたいと思う方も多いはずです。
純正互換をうたう以上、見た目の「純正感」を崩さないことも強く意識しました。
特に悩んだのが、LCDの大きさです。
LCDは何でも良いわけではなく、大きすぎても小さすぎても純正位置に自然には収まりません。そこで候補をいくつか取り寄せて、純正メーターと並べながらサイズ感や見え方を確認しました。

純正メーターと候補LCDを並べて、サイズ感や収まり方を確認しているところです。
まだ最終確定ではありませんが、純正位置での収まりと見た目の自然さ、さらに少しでも低背化できることを重視して絞り込んでいます。現時点では、純正ブーストメーターよりも1〜2cmほど低い位置に収まる見込みで、視界の面でも良い方向に働くのではないかと期待しています。
調べていく中でわかったのですが、純正のブーストメーターは、もともとアバルト500のアナログメーターのデザインとよく合うように考えられていたようです。外周に針を配置したあの意匠は、たしかにアバルト500にはよく似合います。
一方で、595や695のLCDメーターと並べて見ると、どこかしっくりこないと感じていました。その理由は、このあたりにあるのかもしれません。
メーターパネルがLCDなのだから、ブーストメーターもLCDであっていい。
そう考えると、表現の自由度は一気に広がります。アナログ風の表示だけでなく、バー表示やグラフ表示も可能になります。現在は3種類のメーターデザインを、タッチパネルで切り替えられるようにしています。
左ハンドル車では、ブーストメーターはメーターパネル側に組み込まれています。
一方、右ハンドル車ではダッシュボード上に独立して配置されていて、見た目から「目玉の親父」などと呼ばれることもあります。ただ、自分としては、その独立した配置そのものは右ハンドル車の個性でもあると思っています。
だからこそ、それを単なる後付け感のあるメーターではなく、少しスマートでハイテクな印象に置き換えたいと考えました。メインのLCDメーターパネルとも自然になじみ、右ハンドルの595/695のコックピットに似合うデザインを目指しています。
派手な後付けメーターではなく、右ハンドルのアバルト595/695に自然になじむ純正互換メーターとして仕上げたい。今はそんな方向で少しずつ形にしています。
現在、アバルト595/695右ハンドル車向けの純正互換ブーストメーター「ALBA Boost Gauge」を開発中です。今後も少しずつ進捗を記録していこうと思います。
#02 なぜ純正ブーストメーターを作り直したいと思ったのか
#01 はじめまして。アバルト595/695向けブーストメーターを開発しています
はじめまして。
平日はエンジニアとして働きながら、週末は趣味でソフト、電気回路、メカ設計をしています。
みんカラのアカウント自体はかなり前に作っていたのですが、以前は個人ブログの方に書くことが多く、長いあいだ放置気味でした。
これまでもスポーツカー系の車に乗ってきて、DIYで修理やメンテナンスをすることはあったものの、話題が回路やソフト寄りになることも多く、みんカラを本格的に使う機会がありませんでした。
そんな自分が昨年乗り換えたのがアバルト595です。
走りにしっかり振ったキャラクターと、割り切りのある作りに惹かれました。ミラーの折りたたみが手動だったり、今どきの車としては驚くところもありますが、そういうところも含めて個性だと感じています。
デザインも好きですし、コックピットの雰囲気も気に入っています。サーキットの講習でドライビングポジションの指導を受けたときも、かなりシートを起こす姿勢になるので、サベルトのセミバケットも自分には意外と合っていて、長く乗っても疲れにくいと感じています。
そんな中で、唯一少し気になっていたのがブーストメーターでした。
ガチガチに数値を追い込むというより、もっと自然に視認できて、運転中でも情報が入ってきやすい表示が欲しいと感じていました。
運転席から見た純正ブーストメーターまわり。見た目は好きなのですが、
もう少し視認性や自然な収まりを良くしたいと感じていました。
右ハンドル車の自分の車では、デジタルメーターとUconnectのあいだにアナログのブーストメーターがあり、見た目の好みとして少し浮いて見えることがありました。
また、走行中は針の細かい動きやピークを追いにくく、「どこまでブーストが上がったか」を余裕を持って見るのが難しいと感じる場面もありました。
視界の中で少し存在感が強いところも含めて、これもアバルトらしさの一部だと思いながら楽しんでいたのですが、あるときふと思いました。
これ、自分で作り直せるのではないか。
もっと視認性が良くて、見るのが楽しくなるブーストメーター。
アバルト専用で、追加センサーや大がかりな配線を避け、できるだけ純正交換に近い形で取り付けられるもの。
そして、視界をできるだけ妨げず、コックピットに自然に馴染むもの。
そんな方向で、アバルト595/695右ハンドル車向けのブーストメーターを作ってみようと思い、開発を始めました。
現在は、ソフト、回路、筐体の設計を進めながら、試作と実車での確認を少しずつ進めているところです。
このブログでは、開発の途中経過や実車での検証、設計でこだわっている点などを、少しずつ書いていこうと思います。
よろしくお願いします。
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アバルト 595 (ハッチバック) アバルト595 コンペティツィオーネに乗っています。趣味で純正互換のブーストメーターを開 ... |